おそらく今年はもう CD を買うことがないと思うので、思いつくまま今年のベスト7を選んでみた。ベスト5にしようとすると外せないモノばかりだし、かといってベスト10にするのは無理矢理突っ込んでいる感じになってしまうので中途半端な数になってしまった。(順不同です)
「高橋幸宏」タグアーカイブ
ミカエラ・バンド
買おうかどうしようか迷っていたら回覧が回ってきた。 素晴らしいぞ、音楽班。
統一感がないとか、サプライズがないとか、といったレビューも目にするが、私は素直に楽しめた。「昔取った杵柄」あるいは「老練」とも言える、いい 意味で力の入っていないグルーヴは聞いていてほっとする。ボブ・ディランの最新作「モダン・タイムス」でも似たようなことを感じた。
木村カエラのソロはちゃんと聞いたことがないのだが、初代ヴォーカルのミカを意識した歌い方なのではないかな?特にリメイクの《タイムマシンにおねがい》はそういう雰囲気がある。
幸宏さんが生ドラムを叩くのは何年ぶりなんだろう?記者会見では「もうこれが最後、と思うくらい叩かされた」と言っていた(笑)。
DVD 収録の《Big-Bang, Bang(愛的相対性理論)》での加藤和彦さんのブリティッシュないでたちがかっこいい。
alva noto + ryuichi sakamoto -insen-
「alva noto + ryuichi sakamoto -insen-」を見に東京へ。
まずは同行者のかしくんおすすめの店で昼食を食べようということで神田神保町界隈へ。ちょうど「神田古本まつり」という催し物が行なわれていて、歩道などにも古書を売り出すお店が溢れている。出版社も露店を出していて、多少コンディションが悪い本を格安で売っている。とりあえず「第三帝国と音楽家たち―歪められた音楽 (叢書・20世紀の芸術と文学)」を半額で購入。
それから三省堂の8階で中古レコードフェアをやっていたのでのぞいてみる。ヒカシューの「そばでよければ」というピクチャーレコードを発見して購入。1985年にリリースされたアルバムらしいが存在すら知らなかった。
そのあとかしくんおすすめの某(あえて名を秘す)中古CDショップをのぞいてみる。価格も安いし(しかも最終土曜日は全品200円引き)品揃えも適度にマニアック。YMO 周辺を中心に今まで聞いていなかったものをまとめて購入。(それでも5000円でお釣りがくるんだもんなあ …..)
THE SHOW Vol.4 yohji yamamoto collection music
非売品プロモ盤
Low Power(非売品プロモ盤)
ブライアン・イーノと雅楽のコラボレーションらしい。リリース当時は躊躇して買わなかった。
Sister M(実は娘の坂本美雨ちゃん)が歌った《The Other Side of Love》は教授が作った屈指の名メロディだと思っています。確か買ってなかったよなあ …..
Tin Pan(Tin Pan)
松任谷正隆以外のティン・パン・アレーのメンバー(細野晴臣、林立夫、鈴木茂)で2000年に再結成された「ティン・パン」のアルバム。これも買いそびれていたらあっという間に廃盤になってしまったような気がする。レイドバックな感じとリアルタイムのデジタルな感じが交じり合っている。
その後は原宿へ移動。「ドゥファミリー美術館」で開催されていた「WORKSHOP MU!」の展覧会を見に行った。我々の世代だとやっぱり YMO 第2回ワールドツアーのポスターとか細野晴臣さんのソロアルバム「S・F・X」のポスターとかが印象的である。
一通り見た後で隣の「EX’REALM」でお茶(じゃないなあ ….. みんな酒飲んでたもんなあ …..)をしているところで grok さんと合流することになった。お店に入って来た grok さん曰く「さっき(立花)ハジメさんが(美術館に)入って行ったよ」とのこと。(注:立花ハジメさんは WORKSHOP MU! のアシスタントをしていた)もう一度美術館に戻って師匠らしき人に説明しているハジメさんを遠巻きに眺める。ハジメさんは坊主頭だったので、おそらく普通にいたら気付かなかったと思う。grok さんありがとう。
で、「渋谷公会堂」改め「サントリー C.C. レモンホール」へ。ポスターとパンフレットは当然のことながら購入。昨年のヨーロッパツアーの DVD も売られていたので購入。とりあえずは会場限定での発売。来年くらいに一般発売になるらしい。
コンサートは ….. すみません、4曲目くらいで寝ました …..音も映像もかなりスタティックなので …..(どこかにセットリストがアップされていないかなあ。アルバムで予習していたので「聞いたことがある」とは言えるのだが、どれがどの曲かはさっぱり …..)
映像は教授が弾くピアノの音にリンクしていて、数年前に恵比寿ガーデンプレイスで行なわれた岩井俊雄さんとのコラボレーションに似たような側面もある。アンコールは 3 回やってくれたが、結局教授は一言も喋らず。
アンコールを含めても 1 時間 30 分ほどの長さだった。もっと長い方がいいとか、教授の体調に配慮して短かった?という話もあるが、ああいう雰囲気のライブはこのくらいの長さでいいのではないかな。
幸宏さんとか(今日買ったもの)
高橋幸宏ライブ 1983 ボーイズ ウィル ビー ボーイズ [DVD]
YMO散開前後にリリースされた幸宏さんのソロアルバム。この時期の幸宏さんはリアルタイムでは聞いていなかったので修行します。
菊地成孔さんの名前を最近よく聞くのだが、作品自体は聞きあぐねていた。UA とのコラボレーションをリリースしたということなので買ってみようと思ったしだい。
EPIC YEARS THE SINGLES 1980-2004
佐野元春の EPIC 時代のシングルを集めたベストコレクション。12 インチでリリースされたものは除くということなので《クリスマス・タイム・イン・ブルー》とかは入っていないのかな。残念。アルバムバージョンと微妙にミックスが変わっていたりして面白い。
長生淳さんのトランペット協奏曲《シンビオウシス》の管弦楽版が収録されているというので買ってみた。よく見ると DVD オーディオと通常の CD の2枚組。うちでは DVD オーディオが再生できる環境であるにも関わらず 192 kHz サンプリングのオーディオソースがなかったので、その真価を体験できずにいた。このアルバムで聞き比べができるかな。
来週から出張するので飛行機の中での読書用の本を探す。
はじめての『指環』―ワーグナー『ニーベルングの指環』聴破への早道 (オン・ブックス21)
キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)
実は4月にドイツに行った時にもこの本を持っていったのだが、5ページくらい読んだところで寝てしまい、その本を飛行機の中に置いてきたしまったのである。リベンジ。
ブライアン・イーノ/ジョン・ケイル
最近とっても気に入っている高橋幸宏さんの「BLUE MOON BLUE」に収録されている《LAY MY LOVE》という曲がブライアン・イーノとジョン・ケイルの共作のカバーだと教えてもらった。というわけで、音楽班の回覧となったこの一枚。
1990年にリリースされたそうである。この二人の組み合わせからは想像できないくらいポップな仕上がり。《LAY MY LOVE》も幸宏さんのカバーと原曲の違和感はあまりない。
実はイーノの歌声もなかなかよい。
BLUE MOON BLUE
というわけで幸宏さんの「BLUE MOON BLUE」をちゃんと聞いてみた。
やっぱりいいなあ。SKETCH SHOW をもっと人に優しくしたような音楽。 「癒し系」という言葉と、それを狙った音楽はあまり好きではないのだが、これこそ究極の「癒し系」である。 聞いているうちにどんどん心が穏やかになっていくアルバムはそうない。
YMOの中では教授が好きだった私は、幸宏さんの活動をあまり追いかけていなかった。 (ごめんなさい、ごめんなさい …..) リアルタイムで買ったのは、YMO絶頂期にリリースされた「音楽殺人」とか、スカパラとのコラボレーションが収録されているベスト「I’M NOT IN LOVE」くらいかも。
その「音楽殺人」の時には YMO での先鋭的な音楽をうまくポップにまとめているなあ、と思った。今回も SKETCH SHOW の音楽が根底にありながら、その上にうまく「幸宏」色を乗せているような感じ。
かなりの名盤だと思います。
オーネット・コールマン/高橋幸宏
先日、オーネット・コールマンの「アメリカの空」を買ったのだが、その時にいろいろ調べてみたら、こちらも昨年末にリマスタリングされて再発売されたことを知った。
この作品も例の「ハーモロディック理論」(結局よくわからんなあ …)に基づいて作られている。「アメリカの空」がオーケストラ編成なら、こちらはドラム、ベースにエレクトリック・ギター2本という変則的な編成。
「アメリカの空」のもっさりした雰囲気とは対照的に、2本のギターもコールマンのサックスも鋭くリズムを刻む。コールマンといえばフリージャズ、フ リージャズといえば好き勝手やりたい放題、と連想されるのだが、2つの《テーマ・フロム・ア・シンフォニー》はむしろミニマルっぽくリズムパターンやメロ ディが繰り返される。浮遊するコード感もフリージャズの持ち味なのかなあ?
最近、クラブシーンでも再評価されているというマイルス・デイヴィスの「オン・ザ・コーナー」のグルーブ感をさらにシャープにした感じ、というイメージで伝わるだろうか?本当にかっこいいです。「ジャズ来るべきもの」も聞きたくなった。
残りの2曲はモロッコの伝統音楽であるジャジューカのミュージシャンとの共演。 (ジャジューカといえばローリング・ストーンズの故ブライアン・ジョーンズもはまっていたらしい。)
音楽班の中でも評判がいいし、この間タワーレコードで試聴したときにもなかなか気に入ったので買ってみることにした。
めまい(京都・大阪編その1)
仕事が嫌になったので(笑)休暇を取って旅行へ … というのは嘘で …
私の勤務先では、有給休暇とは別に毎年2日連続の休暇を取得することができる。毎年3月になってから「スケジュール的に絶対休めないじゃん …」ということで取得できないことが多かったので、今年は少し早めに確実に取らせてもらった。
最初は京都でゆっくり … と考えていたのだが、京都だとなかなか1歳の息子が遊べるような場所がないので、大阪まで足を延ばすことにした …
なのだが、まずは京都に立ち寄って行きつけの料理屋さんに顔を出す。こちらのお店には毎年一回くらいのペースで夕食を食べに来ていたのだが、息子が生まれたことでしばらく来れなかった。息子が生まれたときにお祝いをいただいたので、そのお礼もあったし、このお店が昨年末に移転したのでご挨拶にも伺いたかったし、まだ息子が小さいので食事というわけにもいかないので、せめてお昼のお弁当を買ってホテルに着いてから食べようということで、お弁当を予約して取りに行ったのである。
いろいろ話を聞くと、座敷ではけっこう小さい子供を連れてくるお客さんもいるらしい。(そういえば、今までカウンターでしか食事したことなかったからなあ …)次回はぜひ座敷で味わいたいものだ。
ということで、夕方大阪のホテルへ到着。妻と息子はさっそく寝に入ったので、一人で街中をブラブラする。
大阪に行くと梅田にある大阪駅前ビルの地下街へ行きたくなる。ほとんど迷路のような通りに沿って小さなお店がひしめきあっているところである。この中には何件か中古レコード/CD屋がある。特定のジャンルに強いというわけではないのだが、そこそこのレア盤はよく見かける。
以前来たときには教授の「Sweet Revenge」のクリスマス限定パッケージをかなり安価で買った記憶がある。通常のジャケットは青のバックに黄色のフェイクファーをまとった教授が写っているのだが、この限定版は赤のバックに緑のフェイクファーである。
今回はあまり買いたいモノがなかったのでそのまま帰ろうとしたのであるが、ちょっと奥に古本屋があって「サブカルチャーモノがどうのこうの」という宣伝文句が書かれていたのでちょっとのぞいてみることにした。
めまいがした。
夢の中では時々こういう状況が出てくるのだが、現実にこういう状況に遭遇するとは思わなかった。「まさか店頭にあるわけがないアイテムが」「まさかこれだけ揃っていることはないだろうという数で」「まさかこんな安いわけがないだろうという価格で」売られているというシチュエーションである。あわてて握りしめた。
- 坂本龍一 1994 年 Sweet Revenge ツアーパンフレット
- 坂本龍一 1995 年 D&L ツアーパンフレット
このあたり教授のコンサート見に行っていなかったんだよなあ …
- 高橋幸宏 1986 年コンサートパンフレット
ポスターを折り畳んだ形の変形版。ソノシートつき。
- YEN レーベルの LP ジャケットサイズ会報(?)
- 音楽専科「YMO 特集号」
他にも YMO の再生コンサートパンフレットとか YMO の散開記念コンサートパンフレットとかもあったのだが持っているので買わなかった。
買い初め(高橋幸宏/砂原良徳/外山雄三/広瀬量平)
お買い物。中古レコード市をのぞく。
電気グルーヴ在籍中(1995年)に発表されたファースト・ソロ・アルバム。以前聞いたときにとても気に入っていた。今回はわりと安い値段で売られているのを見つけたので買っておくことにした。ジャケットにも表現されているように、ちょっと昔のアメリカの過剰なゴージャスさが全編から伝わってくる。1曲目の《MFRFM (Music for Robot for Music)》7曲目の《Muddy Water》がお気に入り。
A Sigh Of Ghost
CONSIPIO に移籍後の第1弾ミニアルバムらしい。これも安かったので …..
以下の2枚はデンオンの「シリーズ・現代日本の音楽・1500」というシリーズのLP。
広瀬量平の音楽
室内楽曲集。インド仏教から取られたタイトルの曲ばかりである。
外山雄三/バレエ音楽《幽玄》、ヴァイオリン協奏曲
スウィング・ガールズなどなど
試写会の抽選に外れたので、すっかり見るのを忘れていた。DVD が発売されたところ、かなり評判がいいようなので買ってみることにした。買うとなると、やっぱりいちばん特典映像が収録されているプレミアム・エディション。すでに発売されたあとだったので入手できるかどうか心配だったのだが、行きつけのショップに在庫があったので無事入手できた。
まだ特典映像しか見ていないのだが、ちょっとした感想を。
オーディションで配役が決まったあとに特訓して撮影に望んだと聞いていたので、妙に演奏がうまかったりしたらうそ臭いなあ ….. といらぬ心配をしていたのだが「特訓四ヶ月」相当のサウンドだったので一安心(笑)。
技術的にはいくらでも注文をつけられると思うのだが、スウィングのノリなんかはかなり正統的だし、何よりも演奏者それぞれの自発性が感じられて「楽しさ」がストレートに伝わってくるのが魅力。多くの管楽器奏者にありがちな「吹奏楽部」的な価値観を打破してくれる爽やかさがある。変な先入観(例えばピッチは合わせなきゃいけないとか言われたとおりに演奏しなきゃいけないとか)がないのがかえっていいのかも。
管楽器の経験者にとっては、プレミアム・エディションにしか収録されていない東北地方からニューヨーク、ロサンゼルスにいたる各地でのライヴ演奏の様子が参考になると思う。
NAXOS の日本人作曲家シリーズ第12弾。とりあえず1曲目の《シンフォニック・ムード》しか聞いていないのだが … 黛の吹奏楽曲《トーンプレロマス’55》の解説などを見るとヴァレーズからの影響が大きいとあるが、比較的初期に書かれたこの作品のきらびやかなオーケストレーションはメシアンに近いものを感じる。《舞楽》は秋田南高校がコンクールで取り上げていましたね。
ジャケットは日本のシュルレアリズム画家である古賀春江(ちなみに男性です)の「海」。これも伊福部の時の青木繁「海の幸」のように黛の作風にマッチしているように思う。
「戦前日本の名行進曲集」シリーズの最後の一枚が遅れて入荷。他の2枚は海軍軍楽隊篇、陸軍軍楽隊篇とそれぞれまとまっていたのだが、このCDは特に収録団体にこだわらずに貴重録音を集めている。どの音源がどのくらい貴重なのかはよくわからないのだが、1935年に録音された、ベルリン・フィルが演奏する《軍艦行進曲》はかなり珍しいのではないか。
これもYMOのメンバーのソロアルバムラッシュから一枚だけ遅れて入荷連絡があったもの。
そういえば買ってなかったなあ … ということで。リードの代表作《オセロ》と《ハムレットへの音楽》が収録されたアルバムを2枚まとめて再発したもの。価格もかなり安くなっている。
コンクールで演奏されているこれらの作品しか聞いたことがない人は、全曲を聞くとさぞかし驚くことだろう。《オセロ》の場合、取り上げられるのはだいたい1・3・4楽章だし、《ハムレットへの音楽》にいたっては第1楽章前半から第3楽章に飛んで再び第1楽章に戻ってくるという荒業、通称「天理カット」と呼ばれている構成に慣れてしまっているのではないか。どちらの曲も実は悲劇的な結末で重苦しく終わっているのである。