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積志ふれあいコンサート

浜松市積志地区の小・中・高校を集めての合同演奏会が積志公民館の体育館で行なわれた。今年で11年目、今年から浜松日体中・高校の70名も参加したということで一気に規模の大きい催し物となった。

  • スーザ/美中の美
  • 黒人霊歌(渡部哲哉編曲)/アメイジング・グレース
  • 氷川きよしメドレー
  • ボズ・スキャッグス/ウィー・アー・オール・アローン

浜松日体中・高校はもちろん充実した演奏を聞かせてくれたし、中学校も年々レベルが上がっている。

われわれ積志ウィンドアンサンブルはというと、少ない練習でもある程度の水準の演奏はできるようになってきた。それはそれで進歩だとは思うのだが、でもやっぱり聞いている人を楽しませる演奏という点ではもっと勉強しなければいけないと思う。

吹奏楽フェスティバル

アクトシティ浜松大ホールで行なわれた「第3回浜松市民文化フェスティバル/吹奏楽フェスティバル」に出演。

  • 上岡洋一/秋空に
  • ジョセフ・オリヴァドーティ/序曲「バラの謝肉祭」
  • フランク・ティケリ/アメリカン・エレジー

定期演奏会から2週間という短い時間ではあるが、定期演奏会でやった曲をそのまま持ってくるのも緊張感がないので、以前汐澤先生にご指導いただいたことのある《バラの謝肉祭》を取り上げることにした。

前日の合奏はかなりいい感じで手応えを感じていたのであるが、やはり慣れないホールでやると勝手が違う。アクトシティの大ホールはちょっと音を飛ば してやるといい感じで響くのであるが、音の立ち上がりが弱いとステージ上でモコモコになって客席まで飛んでいかないようである。

全体的に演奏自体は悪くなかったのだが、おそらく客席では違う響き方をしていたのではないかと思う。《秋空に》を振っていて、曲の最後の音がワンテンポ遅れて背中から(つまり客席側から)響いてくるのにはびっくりした。

《アメリカン・エレジー》のオフステージ・トランペットはお客さんを入れていなかった4階席でのびのび吹いてもらった。音をちょっと壁にぶつけるとくぐもった感じになって、まさに天からのメッセージとなる。これは気持ちよかった。

たまには、こういう「出稽古」も勉強になっていいな。

積志ウィンドアンサンブル第24回定期演奏会

第1部

  • 上岡洋一/秋空に
  • アルフレッド・リード/春の猟犬
  • 保科洋/パストラーレ
  • フランク・ティケリ/アメリカン・エレジー

第2部

  • 小長谷宗一/子供の街
  • J.S.バッハ(パーシー・グレインジャー編曲)/おお汝、その罪深きを悔い改めよ
  • パーシー・グレインジャー/リンカンシャーの花束

アンコール

  • ボズ・スキャッグス/ウィー・アー・オール・アローン
  • バリー・グレイ/サンダーバード

というわけで、今年の積志ウィンドアンサンブルの定期演奏会が無事終了した。

《春の猟犬》がかなりいい雰囲気で演奏できたので、そのいい雰囲気が演奏会の最後まで持続していたのではないかと思う。全体の充実感という意味ではここ数年の演奏会の中でいちばんよかったかも知れない。

個人的には、必ずしも「練習の中で積み上げてきた音楽」ではなかった部分もあるのだが、ステージの上での「一回限りの演奏」を楽しむことができた。 今まで練習してきたものを機械的に再現するのではなく、その場その場で音楽が新しく生まれてくる ….. というような感覚を持った今回の演奏会であった。

毎年司会をお願いしている方が地元のFM局で番組を持っていて、前日に団長が出演して演奏会の紹介をした。その甲斐あってか、例年に比べて当日券が多く売れ、実際にラジオを聞いて来てくださったお客さんもいらっしゃったようだ。

今年は、例年以上に聞きに来ていただいたお客さんの拍手を暖かく感じることができた。ご来場いただきありがとうございました。


なお、9/25(日) の午後からアクトシティ大ホールで開催される「第3回浜松市民文化フェスティバル/吹奏楽フェスティバル」にも出演しますので、「残念ながら定期演奏会を聞き逃したぁーーーーーっ」という方は、こちらにお出かけください。

  • 上岡洋一/秋空に
  • ジョセフ・オリヴァドーティ/序曲「バラの謝肉祭」
  • フランク・ティケリ/アメリカン・エレジー

を演奏する予定です。

出演順は(東海大会銀賞受賞の)浜松市立高校の次で(全国大会出場の)浜松交響吹奏楽団の前です。(ぉぃぉぃ ….)

出演順は浜松市立高校の前になりました。出演時間は午後2時30分前後になる予定です。

ブラスト

浜松公演 8/31(水) 昼の部を見に行く。

浜松では 8/30 の夜と 8/31 の昼夜の計3回公演があったのだが、子供を預けやすい時間帯ということで昼の部を見に行ったのであった。
(偶然、ホール内で似たような事情の友人複数名に会った。)

基本的には DVD で発売されている演目と大きくは変わっていないのだが、やはり目の前で演奏しているということと、観客の反応があるということで楽しめる。昼の部なので、やはり学生さんが多く、前日の夜の部よりもノリはよかったそうである。(浜松での全公演を聞きに行く予定の友人談)

こういう「エンタテインメント(演奏者と聴衆が一緒に楽しむ)」と「コンサート(音を聞く)」の中間のような位置付けの演奏会において、身の処し方に困るのが日本人なのかなあ?演奏者から発信されるものを単に受け取るだけじゃなくて、聴衆も演奏者からもたらされる「笑い」や「驚き」や「感動」をもっと素直に(あるいは多少オーバーに)表現してもいいと思うし、それによって演奏者も聴衆ものってくれば言うことなしなのではないかと思う。

来年からはいよいよ新シリーズの「ブラストII」が始まるらしい。また浜松に来てくれますよね?

教授ライブ@ICC

ICCで行なわれる教授のコンサートを見に東京へ。

新宿でお昼を食べるときはよくアルタ地下の「ハイチ」を使っていたのであるが、なくなってしまったようなので新宿センタービルにあるお店の方へ行 く。もちろん注文するのはドライカレーとコーヒーのセット。わりと広いのだがお客さんの喫煙率が高いのがちょっと難。それからコーヒーが普通のコーヒー カップに入ってくるのもちょっと興ざめ。アルタ地下のお店はもうちょっとこだわりのあるカップだったのだが ….. とはいえ、いくつかあるお店の中では新宿駅からいちばん近そうなので、とりあえずはここを使うことになるのだろう。

そのあとは、まずディスクユニオンの各店をのぞく。Yellow Dog から出ているビートルズのレット・イット・ビー・セッションのCDが組物で安くなっているやつ(もちろんブートレッグ)とか、晩年のフランク・ザッパがア ンサンブル・モデルンを指揮した「イエロー・シャーク」の映像盤(もちろんブートレッグ)とかに心惹かれる。しばし逡巡するが、前者は買ってもまず聞かな い気がするし、後者も公式に出ている「イエロー・シャーク」や「グレッガリー・ペッカリー」をまず聞けっちゅう話だよなあ ….. と思い、結局買うのをやめた。

その後は例によってタワーレコードの新宿店へ。 いちばん欲しかったのは先日職場の後輩から聞かせてもらって激しく感動したフェネスの「ライブ・イン・ジャパン」だったのだが、残念ながらこれはなかった。

ということで、当てもなく買ったのが以下の3枚。

The Wire 20 years 1982-2002

「WIRE」という雑誌の創刊20周年を記念して2002年に作成された3枚組のコンピレーション。フリーとかアヴァンギャルドとかアンダーグラウンドとかエクスペリメンタルとかといった言葉でくくれそうなアーティストの名前が並んでいて面白そうだった。

エンニオ・モリコーネ(あの「ニュー・シネマ・パラダイス」からは絶対想像できない音楽!)とか、フェネスとか、アインシュトゥルツェンデ・ノイバウテンとか、大友良英とか、ジョン・ケージとか、ビョークとか。

John Zorn: Rituals

ジョン・ゾーンが作曲したオペラ(と言っていいのかなあ?)。1人の歌い手と10人の演奏者のためのモノドラマ。楽器編成はフルート(ピッコロ、アルトフルート持ち替え、以下同)、クラリネット(バスクラリネット、Ebクラリネット)、バスーン(コントラバスーン)、トロンボーン、2人の奏者による各種打楽器、ピアノ(ハープシコード、チェレスタ、オルガン)、ヴァイオリン、チェロ、コントラバス。

5楽章からなり、計30分ほどの演奏時間である。演奏者もいろいろな動作を要求されているシアトリカルな作品らしい。1998年にバイロイト・オペラ・フェスティバルで上演された際には賛否両論だったらしいが、音を聞く限りそんなに絶賛するべきものでも拒否反応を示すべきものでもないように思える。ジョン・ゾーンの作品を聞くのだったら「マサダ」とか「ネイキッド・シティ」の方が面白い。

ローリー・アンダーソン―時間の記録

CDサイズの書籍にCDが付録としてついているもの。 上記の教授のライブは、そもそもICCで開催されているローリー・アンダーソンの回顧展「時間の記録」の一環として行なわれるイベントなのである。この本はその展覧会のプログラムのような位置付けになろうか。

どうもパフォーマンス・アートというと眉に唾をつけながら見てしまうのだが、ローリー・アンダーソンの場合はテクノロジーを使って、それをわかりやすく示しているのが受けているのかなあ?

*****

そんなこんなで教授のライブである。 矢坂健司さんのブログで 見たように、基本的にラップトップを使っての即興演奏。ステージは左からスクーリ(基本的にベース+ギター?)、ジャンセン(ラップトップ)、教授(ラッ プトップ)、フェネス(ギター+ラップトップ)、小山田(エフェクター+ギター)。約3O分遅れの開演で、1時間ほどのノンストップの即興演奏。これは穏 やかな部分が多くて正直ときどきウトウト。それもなかなか心地よい。アンコールはかなり激しかった。

まさか《BEHIND THE MASK》や《TONG POO》などを期待してきた人もきっといないと思うし、こういう肩の力を抜いたライブ(リハはなく、ほとんどぶっつけ本番だったらしい)は「その場にいる」ということが大事なのだと思う。

I won’t be disappointed (坂本龍一ライブ@ZEPP名古屋)

というわけで、久しぶりに教授のツアーに行った。

最前列しかも教授のほぼ真正面という席である。 もう二度とこんないい席で見ることはないんじゃないだろうか。

セットリストはいろいろなブログに書かれているので省略。 アンコールではちゃんと《東風》までやってもらえた。

「CHASM」に収録されている曲以外はかなりオールドファンを意識した選曲なのか?

オールドファンは、オープニングの《BEHIND THE MASK》でプロフェット5とVP-330を弾く教授に涙し、比較的オリジナルに近い《RIOT IN LAGOS》に涙し、ウィンターライブを思わせる映像のもとで演奏される《HAPPY END》に涙し、そして、まさかこんな曲で終わらないだろうという《THE END OF EUROPE》で涙し、そのあとのアンコールでデヴィッド・シルヴィアンのヴォーカル(さすがに本人は来ていなかった)でスティーヴ・ジャンセンがドラム を叩く《WORLD CITIZEN》でも涙するのである。

《戦メリ》や《HAPPY END》では、教授が弾くピアノのバックでオリジナルの旋律がうっすらと重ねられている。これらの曲を初めて聞いたときのことを思い出して、(一時期は懐疑的なこともあったが)ずっと教授のファンでいてよかったと思った。

何よりも教授が本当にうれしそうな顔でピアノを弾いているのを見ることができたし、(癒し系やゆるみ系だけでない)ノイズぐりぐりの攻撃的な音楽をやってくれたのもうれしかった。

やっぱり、ずっとついて行くことにしよう。


そうそう、昼食を取りながら「今日の一曲目は何だろうね?」という話をしていたのであるが、私の頭の中ではずっと《RAIN》が鳴っていた。期待通 りに演奏してもらえたわけだが、これはかなり原曲とアレンジが変わっていた。もっとも原曲(「ラスト・エンペラー」のサントラ)はオーケストラなのでアレ ンジせざるを得ないわけだが、ソリッドなエイトビートもなかなかよい。

ヤマハ吹奏楽団第40回定期演奏会

2005年5月28日(土) PM6:00 アクトシティ浜松大ホール

第1部

  • 長生淳/幸いの龍(2005年度委嘱作品・初演)
  • アラム・ハチャトゥリアン/フルート協奏曲より第1楽章(フルート独奏:工藤重典)

第2部

  • クロード・ドビュッシー/3つの交響的素描「海」

アンコール

  • ケネス・アルフォード/ナイルの守り(指揮:原田元吉)

《幸いの龍》は長生氏らしい作品。 私は氏の作品からリヒャルト・シュトラウスのような匂い立つロマンティックな響きを感じる。初演だと曲全体の展開がわからずにちょっと冗長に思える部分もあったのだが、全体的には面白かったと思う。

ハチャトゥリアンの《フルート協奏曲》(もともとはヴァイオリン協奏曲であった)はソリストである工藤重典氏の師であるランパルによって初演された。 初めて聞く曲だったが、とてもわかりやすい曲想。 第一主題はいかにもハチャトゥリアンらしいリズミカルな旋律(何かに似ているなあと思ったら映画「サイコ」のテーマに似ているような気がする)、第二主題は《ガイーヌ》のアダージョのような歌謡的な旋律。 工藤氏のソロはもちろん楽しめたのであるが、カデンツァのソロのバックで掛け合いをやっていたクラリネットのソロもよかった。

工藤氏のアンコールはバッハの《無伴奏フルートのためのパルティータ》からサラバンド(だったかな?)。

ドビュッシーの《海》はいまいち。 そもそも、この作品を吹奏楽でやるとかなり響きが重くなってしまう。 その上かなりゆったりとしたテンポ設定なので、安定感は出るかもしれないが、きらびやかさが出なくなってしまう。

また、弱音部でオーケストレーションが薄くなったときのちょっとしたミスや、強奏時のコントロールされていない荒い音がちょっと気になった。

とかく厚化粧になりがちな(また、そういうサウンドがもてはやされてしまう)吹奏楽において、河原氏の作ろうとしている正統的な「音楽」を私は支持しているのであるが、ヤマハ吹奏楽団をもってしてもまだ道半ばなのかなという気がする。

ヤマハ吹奏楽団創立45周年ということで、アンコールは初代指揮者である原田元吉さんの指揮でOBも交えた《ナイルの守り》が演奏されたのだが、ちょっと企画としては中途半端。

チック・コリア

私の勤務している会社で、チック・コリアの社内向けコンサートがあった。

確か、10年くらい前にジャズ・フェスティヴァルでチックのバンドを見たような気がするのだが定かではない。アコースティック・バンドだったかエレクトリック・バンドだったかも覚えていない。

(しかし、誰が言い始めたのか知らないが、チック・コリア・エレクトリック・バンドの「チックエレキバン」という略称は秀逸だなあ。)

曲目は以下の通り。

  • ガーシュインの「Someone to Watch Over Me」
  • 自作「アルマンドのルンバ」に基づくインプロヴィゼーション
  • 曲目不明。ゲイリー・バートンと一緒にやった曲と言っていたような気がする。
  • そして、もちろん「スペイン」。

バンドでのチックはあまり好きでなかったのだが、ソロはなかなかよい。そういえば、ゲイリー・バートンとのデュオもよかったなあ。和声的に細かいことは言えないのであるが、テンションコードもすっきりしているというか透明感がある。

「スペイン」はロドリーゴの「アランフェス協奏曲」から続ける展開で(どれかのアルバムに入っていましたっけ?)、途中ではチックが弾いたメロディを掛け合いで聴衆に歌わせるという演出もあった。

浜松西高等学校第29回定期演奏会

基本的に高校の吹奏楽部の演奏会は聞きに行かない主義なのであるが、この演奏会はどうしても聞きに行きたかった。

第1部しか聞かなかったので、とりあえずそのプログラム。

  • 樽屋雅徳/民衆を導く自由の女神
  • デヴィッド・ギリングハム/ウィズ・ハート・アンド・ヴォイス
  • 伊福部昭(編曲者不明)/シンフォニア・タプカーラより第3楽章
  • フローラン・シュミット/ディオニソスの祭

《タプカーラ》は吹奏楽版も管弦楽版も生で聞いたことはなかったし、《ディオニソスの祭》もなかなか生で聞く機会はない。これはぜひ聞かなければということで。

どの曲も「演奏してみました」という感じ。パート間のバランスとか音楽的に妥当な全体のテンポ設定とか、ほんのちょっと調整するだけでもう少し説得力のある演奏ができると思うのだが。

全体としては中等部(この学校は中高一貫)が演奏した《民衆を導く自由の女神》が人数が少なかった分すっきりして聞こえたように思える。

《タプカーラ》は前半と後半はやはり血が沸き立つのだが、中間部が意外と難しいのかな?ソリストで成り立っているような部分なのでもっと積極的に吹かないと曲が漫然と流れてしまう。最終部でピッコロトランペットに持ち替えたトップの女の子、ブラヴォー。あれがあったおかげで最後が締まった。

《ディオニソスの祭》はノーカットでやっていただけたのがうれしかった。(ひょっとして全曲を生で聞くのは初めてかも)また、サクソルン系の楽器もいろいろ集めてきていたようだ。この曲もサビの部分は何とかなると思うのだが、前奏や中間部のアゴーギクが揺れた中でのアンサンブルが難しい。木管低音はなかなか健闘していた。

第8回「響宴」

そういうわけで今年も「響宴」を聞きに行って来た。

http://www.asahi-net.or.jp/%7EMJ2T-IIJM/test/8th.html

「Early Birds Get the Worm」というわけで早めに入場。まずは一般発売されていない(よね?)中央大学の定期演奏会のCDを購入。

「響宴」の過去の演奏会のビデオも売っていたので、ちょっと考えた末に第5回(陸上自衛隊の《三つのジャポニスム》(真島俊夫)を見てみたかった。)と、昨年の第7回(神奈川大学の《[コリアン・ダンス》(高昌帥)を見てみたかった。確か最終曲で小澤俊朗さんは両手で違う拍子を振っていたような気がする)を購入。

ビムス・エディションズでは、キングから出る伊福部昭作品集(交響譚詩、シンフォニア・タプカーラ(全曲)、吉志舞、SF交響ファンタジー第1番)に続いて、團伊玖磨作品集や齋藤高順作品集も出るという情報を入手。

また旧知の方々とも久しぶりに会うことができ、いろいろ近況を話し合った。

*****

で、響宴。

全般的な感想としては私が聞きに行った回の中ではいちばん面白く、初めて「聞きに行ってよかった」と思えるような内容だった。

今年は例年に比べて、いわゆる「現代的な」作品が多かった。例えば《Thread for Wind Orchestra》(寺井尚行)、《枯木のある風景》(飯島俊成)、《Secret Song》(北爪道夫)、《残酷メアリー》(田村文生)などである。アンケートにも書かせていただいたのであるが、いわゆる「コマーシャルな作品」と「アカデミックな作品」のバランスはこのくらいでいいのではないだろうか。

以下は気に入った作品。

《枯木のある風景》はかなりシリアルな作風なのであるが、川越奏和奏友会吹奏楽団の演奏からは「愉しみ」すら感じ取ることができた。

同じく川越奏和の演奏した《Salty Music》(三浦秀秋)もジャジーな雰囲気に個性があってよかった。こういうハードな雰囲気の曲(例えるならグランサムの《バムズ・ラッシュ》のような感じ)は邦人作品ではあまりなかったのでは?作曲者はオーネット・コールマンのオーケストラ曲に触発されてこの曲を作ったらしいのだが、コールマンの曲ってどんな感じなんだろう。聞いてみたい。

神奈川大学の《残酷メアリー》はさすがと思わせる緻密さ。開演前にスコアを見たのだが「田村作品の中では」比較的難易度は低いように思える。田村さんが寄せたプログラムノートが面白い。曲のことなんか全然書いていなくて作曲姿勢の表明のような文章である。ご自身のホームページに書かれている「響宴」を聞いての感想(http://www.kobe-u.ac.jp/bunsay/critic.HTM)とあわせて読むと、「響宴」に対する警鐘というか宣戦布告のように思えてくる。