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のだめもいいけど
「のだめ」もいいけど、「ピアノの森」もね。 ピアノの森 13 (モーニングKC (1554)) 書店に行ったら見つけた。ちょうど発売されたばかりだったらしい。 ストーリーはほとんど忘却の彼方。ストーリーを思い出そうと第12巻から読み返してみたのだが、それでもよくわからなかった ….. 次の巻が出るまではしばらく時間がありそうなので(第12巻から第13巻までは8ヶ月)また最初から読み返してみないと。 しかし、ショパン・コンクールをこれだけ細かく描いているところをみると、先はまだまだ長そうである。 ….. ということでネットを調べていたら、「PLUTO」ももうじき第4巻が出るそうだ。こちらも楽しみ。
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レコード・プロデューサーの仕事
一枚のディスクに―レコード・プロデューサーの仕事 日本国内のクラシック音楽レーベルであるカメラ−タ・トウキョウの代表が書いたエッセイ(のようなものか)。 最近のクラシック音楽の CD はいろいろな理由でライブ・レコーディングが多くなってきていて、昔のようなセッション録音が少なくなっている。(このあたりは職場の忘年会でもちょっと 話題に挙がったのだが、クラシックの録音が基本的に一発録りだと思っている方が意外に多かった。) そういうライブ・レコーディングが多くなると、セッションの中で演奏家と共に理想の音楽を作り上げていく「レコード・プロデューサー」という仕事の意味がなくなってきている、という話である。 ただ現実を考えると、「セッションとライブの差」が制作側が考えているほど大きなものであると考えている聴衆というのは昔も今もそんなに多くはない気がする。
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名もなき毒
名もなき毒 久しぶりにゆっくり本を読める時間が取れるな、と思って選んだのがこの本。新刊で出たときに買って(夏休みくらい?)まだ読んでいなかった。妻は先に読んでいて、内容について話し合いたいから早く読めと言われていたのである。 宮部みゆきさんは「火車」を読んで面白いと思い、いくつかの代表作(「蒲生亭事件」とか「クロスファイア」とか「理由」とか「模倣犯」とか)を読み始めてみたのだが、何だかんだで中断してしまい、完読するのは久しぶりかも知れない。 無差別連続毒殺事件と、主人公の職場にいた「困った人」を巡る二つのストーリーを中心に物語が進む。「毒」というキーワードにいろいろな意味を持たせようとしたために、これらのストーリーがちゃんと収斂されていないように思うが、登場人物のキャラクターがよく描かれているし、(「火車」もそんな感じ だったと思うのだが)社会的なシステムの中での強者と弱者の「軋み」から生まれる哀しさの描き方には本当に心打たれるものがある。 他の作品も読み直したいなあ …..
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おいものたいそう
ピーマン村体操CDブック (ピーマン村の絵本たち) 息子を連れてタワーレコード(というか、タワーが入居しているショッピングセンター)に行ったのは、このCDブックを探していたから。ここに収録されている《おいものたいそう》という曲が保育園のお遊戯に使われていたので探していたのである。 当然タワーにはあるはずもなく、その隣りの書店にもなかった。息子が「おいものたいそうしーでぃーぶっく」と連呼するので、amazon に注文することにした。土曜日の深夜に注文して、日曜日に発送、月曜日に到着した。早いなあ。 本に載っている振り付けが保育園のものとは全然違うのであるが、まあいいか。
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クパティーノ日記(その6)
帰国の日。ちょっと早めにサンフランシスコ国際空港へ。 いつも空港へ行くときに思い出すのだが、ダウンタウンから空港へ向かう途中にキャンドルスティックパークが見える。 照明灯がケーキに立てたロウソクに見えることからこの名前がついたらしい。 もともとはメジャーリーグのサンフランシスコ・ジャイアンツのホーム、現在はNFLの49ers のホームになっているらしい。 それよりもなによりも、ビートルズが聴衆の前で行なった最後のライブ会場として有名である。 で、早めにチェックイン。 空港内をうろうろするが、我慢できなくて海鮮湯麺を食べる。 かろうじてエビは入っていたが、練り物(カニカマとかホタテカマ(?)とか)を入れるのはやめて欲しいなあ。馬鹿でかいブロッコリーを入れるのもやめて欲しいなあ。 スープはそれなり、麺もそれなりだったので何とか許せるレベルではあったが ….. 満席だとかでビジネスクラスへのアップグレードはなし。 久しぶりにユナイテッドのエコノミーに乗ったぜ。 そこそこ寝たら目が冴えたので本を読む。 (何せサンフランシスコ名古屋間は約11時間) 村上春樹訳の「グレート・ギャツビー」。 大昔に別の訳を買ったのだが、最初の方で挫折したんだよな、確か。 村上訳で読んでも冒頭は少々まどろっこしい気がする。 しかし、こういう展開で、こういう純粋で哀しい結末になるとは思わなかった。 グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー) 読んでいて、具体的なイメージが頭に浮かびやすかったのは、村上氏があとがきに書いているような「村上氏がこれまで個人的に抱いてきたイメージを明確」にしているからかも知れない。
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めくらやなぎと眠る女
「めくらやなぎと眠る女」は村上春樹さんの初期の短編。 「蛍・納屋を焼く・その他の短編」という短編集に収録されている。私は長い間このタイトルを「めくらうなぎと踊る女」だと思い込んでいて、頭の中に妙なイメージが浮かんでいたのだった ….. という話はどうでもよくて ….. Blind Willow, Sleeping Woman 「Blind Willow, Sleeping Woman」というタイトルの短編集が今年の7月に英語圏の国々で発行された。日本版にはない独自の編集がされた短編集としては「The Elephant Vanishes(象の消滅)」に続いて2作目となる。(「象の消滅」はその後逆輸入されて日本語版が出た) 久しぶりにオークションサイトを眺めていると、この本にプレミアがついて大変な様子である。 まず、限定1000部の豪華装丁本がある。1冊ごとに著者である村上さんのサインが入っている。それだけならばまだいいが、通常の初版本でも85冊だけサインが入っているものがあって、そちらは豪華装丁本より高い値がついているようだ。 もうちょっと早く気付いていればもうちょっと安い値段で買えたのになあ …..
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横浜にて
出張で横浜へ。 3ヶ月ごとに世界各地で開催されている会議への出席。(4月はドイツのドレスデン、7月はアメリカのサンディエゴだった。)会う人たちの顔ぶれや会議の雰囲気に反応した身体が勝手に時差ボケ状態(笑)。午前2時に目が覚めてしまった。 放送禁止映像大全 夜は時間がすっぽり空くので何か本を読もうと思い、近くの書店で購入。 (どたばたで出張の用意をしたので家からは何も持ってこなかった …) 放送禁止というと、ウルトラセブンの「遊星より愛をこめて」とか、怪奇大作戦の「狂鬼人間」などが有名なのだろうが、他にもさまざまな要因で放送/ 発売できない映像作品がたくさんあるのだ。マニアに言わせるとここに書かれている内容は「浅い」のだろう。私も、比較的知っている(つもりの)上記2作品 については情報が足りないと感じた。まあ、1作品について見開き2ページなのでしょうがないか。取り上げている作品の多さで勝負というところ。 表紙は福岡名物「にわか煎餅」のお面かなあ? レトロかつ、無邪気な中に何となく不気味な雰囲気を漂わせているところが本の内容にマッチしている。 「にわか煎餅」のお面は、夕食を取った九州ラーメンの「一風堂」の壁にも飾られていた。 シンクロニシティ?
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あなたが私にくれたもの
今年もいただきました。ありがとう。 音楽図鑑坂本竜一―エピキュリアン・スクールのための (1985年) 1985年に発売されたビジュアル版「音楽図鑑」。当時、貧乏生活を送っていた私は躊躇したあげく買わなかったのであるが、その後はなかなか手が出せなかったのである。 ちなみに音版「音楽図鑑」は、その前年にリリースされている。(LP が 2 種類発売されたのはご存知?)YMO 散開後初のソロとして発表されたこのアルバムはリラックスした雰囲気の中にもクオリティの高い曲が揃っている名盤である。何でも50曲近いストックから選 ばれたものらしく、その中の何曲かは日本生命のプロモーション非売品「LIFE IN JAPAN」で聞くことができた。(今は CD で聞ける) 奥村靫正デザインなので、先日見に行った「WORKSHOP MU!」の展覧会で2冊展示されていた。私がボソッと「2冊あるなら1冊売ってくれればいいのに …..」と言ったのを同行の友人が聞いていて、オークションで落札してくれたのだそうだ。 「アレ」より先にもらっていたら私は涙を流していたでしょう。本当にありがとう。 (余談1) 息子はミキティの「アレ」を見て「かわいい」と言っていました。 自分以外に「かわいい」と言ったのは初めてです(笑)。 (余談2) 来年は富士フイルムの非売品テクノバッジとか ….. あ、TECHNOPOLIS 2000-20 のパンフレット「SUTRA」もいいなあ ….. YMO 弁当とかだったら私はあなたの犬になります …..
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alva noto + ryuichi sakamoto -insen-
「alva noto + ryuichi sakamoto -insen-」を見に東京へ。 まずは同行者のかしくんおすすめの店で昼食を食べようということで神田神保町界隈へ。ちょうど「神田古本まつり」という催し物が行なわれていて、歩道などにも古書を売り出すお店が溢れている。出版社も露店を出していて、多少コンディションが悪い本を格安で売っている。とりあえず「第三帝国と音楽家たち―歪められた音楽 (叢書・20世紀の芸術と文学)」を半額で購入。 それから三省堂の8階で中古レコードフェアをやっていたのでのぞいてみる。ヒカシューの「そばでよければ」というピクチャーレコードを発見して購入。1985年にリリースされたアルバムらしいが存在すら知らなかった。 そのあとかしくんおすすめの某(あえて名を秘す)中古CDショップをのぞいてみる。価格も安いし(しかも最終土曜日は全品200円引き)品揃えも適度にマニアック。YMO 周辺を中心に今まで聞いていなかったものをまとめて購入。(それでも5000円でお釣りがくるんだもんなあ …..) La pensee THE SHOW Vol.4 yohji yamamoto collection music BTTB 非売品プロモ盤 Low Power(非売品プロモ盤) music for 陰陽師 ブライアン・イーノと雅楽のコラボレーションらしい。リリース当時は躊躇して買わなかった。 ストーカー 逃げきれぬ愛 Sister M(実は娘の坂本美雨ちゃん)が歌った《The Other Side of Love》は教授が作った屈指の名メロディだと思っています。確か買ってなかったよなあ ….. Tin Pan(Tin Pan) 松任谷正隆以外のティン・パン・アレーのメンバー(細野晴臣、林立夫、鈴木茂)で2000年に再結成された「ティン・パン」のアルバム。これも買いそびれていたらあっという間に廃盤になってしまったような気がする。レイドバックな感じとリアルタイムのデジタルな感じが交じり合っている。 その後は原宿へ移動。「ドゥファミリー美術館」で開催されていた「WORKSHOP MU!」の展覧会を見に行った。我々の世代だとやっぱり YMO 第2回ワールドツアーのポスターとか細野晴臣さんのソロアルバム「S・F・X」のポスターとかが印象的である。 一通り見た後で隣の「EX’REALM」でお茶(じゃないなあ ….. みんな酒飲んでたもんなあ …..)をしているところで grok さんと合流することになった。お店に入って来た grok さん曰く「さっき(立花)ハジメさんが(美術館に)入って行ったよ」とのこと。(注:立花ハジメさんは WORKSHOP […]
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別の列車で昼食へ(あるいは電気的対位法)
タワーレコードのポイントカードが溜まったので何かを買いに。 ONJOプレイズ・エリック・ドルフィー・アウト・トゥ・ランチ 先日書いた、エリック・ドルフィーの「OUT TO LUNCH」を大友良英率いるONJO(Otomo Yoshihide’s New Jazz Orchestra)がカバー(リメイク?)したもの。まだ聞き込んでいないのだが、例えば1曲目は原曲の冒頭にあるフレーズが聞かれたと思ったら、あとは原曲から遠く離れた世界の音楽のように聞こえる。(妻曰く「悪魔のような音楽」) さて、もう一枚何を買おう?と思ってふと頭に浮かんだのがこれ。最近会話に出てきたのが記憶に残っていたのかな? ライヒ/ディファレント・トレインズ クロノス・カルテット(弦楽四重奏団)による《ディファレント・トレインズ》とパット・メセニーの多重録音による《エレクトリック・カウンターポイント》が収録されている。表ジャケには線路、裏ジャケにはその構図を模したギターのフレットが並んでいる。初期の作品(例えば《カム・アウト》とか《ピアノ・フェイズ》とか)では反復の細かなずれが大きなうねりのように聞こえてくるのが面白かったのだが、それに比べるとこのあたりの作品はずいぶん大らかになっていてポップに聞こえる。《ディファレント・トレインズ》とクラフトワークの《アウトバーン》の距離は近い。 のだめカンタービレ 16巻 限定版 (Kodansha Comics Kiss―講談社プレミアムKC) おっと、もう発売していたんだ。そうね、ドラマも始まるもんね。とりあえずシャーペン付きを買った。やっぱり千秋は千秋なのである。(ああ、そうですか。私もそうですか。)最後の最後で思いがけない展開。