吹奏楽」カテゴリーアーカイブ

浜松西高等学校第29回定期演奏会

基本的に高校の吹奏楽部の演奏会は聞きに行かない主義なのであるが、この演奏会はどうしても聞きに行きたかった。

第1部しか聞かなかったので、とりあえずそのプログラム。

  • 樽屋雅徳/民衆を導く自由の女神
  • デヴィッド・ギリングハム/ウィズ・ハート・アンド・ヴォイス
  • 伊福部昭(編曲者不明)/シンフォニア・タプカーラより第3楽章
  • フローラン・シュミット/ディオニソスの祭

《タプカーラ》は吹奏楽版も管弦楽版も生で聞いたことはなかったし、《ディオニソスの祭》もなかなか生で聞く機会はない。これはぜひ聞かなければということで。

どの曲も「演奏してみました」という感じ。パート間のバランスとか音楽的に妥当な全体のテンポ設定とか、ほんのちょっと調整するだけでもう少し説得力のある演奏ができると思うのだが。

全体としては中等部(この学校は中高一貫)が演奏した《民衆を導く自由の女神》が人数が少なかった分すっきりして聞こえたように思える。

《タプカーラ》は前半と後半はやはり血が沸き立つのだが、中間部が意外と難しいのかな?ソリストで成り立っているような部分なのでもっと積極的に吹かないと曲が漫然と流れてしまう。最終部でピッコロトランペットに持ち替えたトップの女の子、ブラヴォー。あれがあったおかげで最後が締まった。

《ディオニソスの祭》はノーカットでやっていただけたのがうれしかった。(ひょっとして全曲を生で聞くのは初めてかも)また、サクソルン系の楽器もいろいろ集めてきていたようだ。この曲もサビの部分は何とかなると思うのだが、前奏や中間部のアゴーギクが揺れた中でのアンサンブルが難しい。木管低音はなかなか健闘していた。

スウィング・ガールズなどなど

スウィングガールズ プレミアム・エディション [DVD]

試写会の抽選に外れたので、すっかり見るのを忘れていた。DVD が発売されたところ、かなり評判がいいようなので買ってみることにした。買うとなると、やっぱりいちばん特典映像が収録されているプレミアム・エディション。すでに発売されたあとだったので入手できるかどうか心配だったのだが、行きつけのショップに在庫があったので無事入手できた。

まだ特典映像しか見ていないのだが、ちょっとした感想を。

オーディションで配役が決まったあとに特訓して撮影に望んだと聞いていたので、妙に演奏がうまかったりしたらうそ臭いなあ ….. といらぬ心配をしていたのだが「特訓四ヶ月」相当のサウンドだったので一安心(笑)。

技術的にはいくらでも注文をつけられると思うのだが、スウィングのノリなんかはかなり正統的だし、何よりも演奏者それぞれの自発性が感じられて「楽しさ」がストレートに伝わってくるのが魅力。多くの管楽器奏者にありがちな「吹奏楽部」的な価値観を打破してくれる爽やかさがある。変な先入観(例えばピッチは合わせなきゃいけないとか言われたとおりに演奏しなきゃいけないとか)がないのがかえっていいのかも。

管楽器の経験者にとっては、プレミアム・エディションにしか収録されていない東北地方からニューヨーク、ロサンゼルスにいたる各地でのライヴ演奏の様子が参考になると思う。

黛敏郎:シンフォニック・ムード

NAXOS の日本人作曲家シリーズ第12弾。とりあえず1曲目の《シンフォニック・ムード》しか聞いていないのだが … 黛の吹奏楽曲《トーンプレロマス’55》の解説などを見るとヴァレーズからの影響が大きいとあるが、比較的初期に書かれたこの作品のきらびやかなオーケストレーションはメシアンに近いものを感じる。《舞楽》は秋田南高校がコンクールで取り上げていましたね。

ジャケットは日本のシュルレアリズム画家である古賀春江(ちなみに男性です)の「海」。これも伊福部の時の青木繁「海の幸」のように黛の作風にマッチしているように思う。

戦前日本の名行進曲集~秘蔵名盤篇~

「戦前日本の名行進曲集」シリーズの最後の一枚が遅れて入荷。他の2枚は海軍軍楽隊篇、陸軍軍楽隊篇とそれぞれまとまっていたのだが、このCDは特に収録団体にこだわらずに貴重録音を集めている。どの音源がどのくらい貴重なのかはよくわからないのだが、1935年に録音された、ベルリン・フィルが演奏する《軍艦行進曲》はかなり珍しいのではないか。

What,Me Worry?

これもYMOのメンバーのソロアルバムラッシュから一枚だけ遅れて入荷連絡があったもの。

オセロ/ハムレット

そういえば買ってなかったなあ … ということで。リードの代表作《オセロ》と《ハムレットへの音楽》が収録されたアルバムを2枚まとめて再発したもの。価格もかなり安くなっている。

コンクールで演奏されているこれらの作品しか聞いたことがない人は、全曲を聞くとさぞかし驚くことだろう。《オセロ》の場合、取り上げられるのはだいたい1・3・4楽章だし、《ハムレットへの音楽》にいたっては第1楽章前半から第3楽章に飛んで再び第1楽章に戻ってくるという荒業、通称「天理カット」と呼ばれている構成に慣れてしまっているのではないか。どちらの曲も実は悲劇的な結末で重苦しく終わっているのである。

今日買ったものたち(YMOとかオフコースとか吹奏楽とか)

すっかり忘れていたのだが、予約していた紙ジャケがどかっとリリースされたのだった。

YMO の各メンバーのソロ作は、ソニーとキングが足並みを揃えて一気に11枚リリース。 YMO 結成前の、初 CD 化や長らく廃盤だったタイトルが含まれている。

ソニーは再プレス以降での流用性も考慮しているためか、ライナーノートの表紙がジャケット写真と同じになっている。プラケースになったときにもそのまま使えるようにするということらしい。つまり、YMO やスネークマン・ショーの紙ジャケ再発の時もそうだったのだが、LP レコード時代の内容物の再現についてはほとんど注意を払っていないということである。

紙ジャケ売り切れ後もすぐに再プレスして市場供給を切らさないという姿勢も評価できるので、一概にどっちがいいとは言えないのであるが …..

ディスアポイントメント – ハテルマ

サマー・ナーヴス

B-2 Unit

「B-2 UNIT」は YMO 絶頂期の 1980 年(げ。四半世紀前か)に発表された坂本龍一のソロアルバム。ということは、どんな内容にしろ売れることはわかっていたわけで、それを逆手に取った過激な音作りになっている。昔からのコアな坂本ファンには評価の高いアルバムである。

中学生だった私は(今みたいに硬直していない)スポンジのような感受性を持っていたからこのアルバムの音を受け入れることができたのだと思うし、そういう時期にこのような音楽を受け入れたことがその後の嗜好の下地になっているのだと思う。

サラヴァ !

音楽殺人

ニウロマンティック ロマン神経症

「サラヴァ!」は高橋幸宏の初ソロアルバム。ジャケットを見ていただければわかると思うが、ヨーロッパ・ポップスを強く意識している。初めて聞いたのは中学生の時だったが、YMO で雷に打たれた中学生にはちょっと渋過ぎた。最近聞き直したいと思って探したところ廃盤中だった。まずは再発を歓迎したい。

「音楽殺人」は YMO の絶頂期にリリースされたソロアルバム。YMO のメンバーはもちろん参加しているが、サポートメンバーや YMO ファミリーも多数参加している。スカやレゲエのリズムを使った曲が多く、全体的にポップな雰囲気。
このポップな雰囲気は大村憲司、鮎川誠、立花ハジメなどのギタリストの存在感が大きいからなのかも知れない。LP の初回プレスは爽やかなクリア・ブルーのカラーレコードだった。
同じく初回プレス特典だったレーベル・ステッカーは再現されているが、ポスターは再現されていない。残念。

「ニウロマンティック」はリアルタイムでは聞いていなかった。たぶんこの頃(1981年3月発売)はビートルズの雷に打たれたことだったので、自分の中で YMO の波はちょっと去っていたように思う。

HOSONO HOUSE

COCHIN MOON (コチンの月)

はらいそ

フィルハーモニー

YMO のファーストアルバムの評価は「YMO 以前の細野晴臣が好きかどうか?」できっぱり分かれるらしい。つまりYMO 以前の細野晴臣ファンにとってファーストアルバムは「傑作」なのだが、そうでもない人にとっては「ま、それなり」という評価なのだそうだ。ちなみに私は後者である(^_^;)。

というわけで、細野さんのソロアルバムにはあまり思い入れがない。(ごめんなさい。ごめんなさい。)「フィルハーモニー」はほぼリアルタイムで聞いたのであるが、YMO の素直なかっこよさに比べるとちょっとひねくれているなあ、と感じた記憶がある。「HOSONO HOUSE」「コチンの月」は未聴。

Three and two(紙ジャケット仕様)

LIVE(紙)

SELECTION1978-81(紙ジャケット仕様)

We are(紙ジャケット仕様)

over(紙)

I LOVE YOU(紙ジャケット仕様)

NEXT SOUND TRACK(紙ジャケット仕様)

幸い、当時は身近にオフコースファンがたくさんいたので、これらのアルバムはリアルタイムで聞いていた。デュオ時代からのオフコースファンに言わせると、「over」あたりは軟弱の極みらしいのだが、《さよなら》のヒットによってオフコースを知り、5人のオフコースしか知らない私にとっては、やはり「We are」と「over」はオフコースの頂点だと思う。特に「over」のトータルアルバムとしての完成度は素晴らしい。(ちなみに今回は15枚のアルバムが再発売されたのだが、私は5人のオフコースが作った7枚のアルバムしか買わなかった。)小田和正のソングライティングは素晴らしいと思うが、確かにそれだけだとやはり軟弱に聞こえてしまうのかもしれない。鈴木康博を初めとする他のメンバーの曲がいいアクセントになっていた。

「We are」や「over」はインナースリーヴを含めたジャケットデザインも素晴らしいが、このあたりもちゃんと復刻しているあたりが東芝EMIのいい仕事である。「I LOVE YOU」のタイトル曲はシングルとアルバムでヴァージョンが異なり、アルバム・ヴァージョンの間奏ではジョン・レノンが暗殺されたことを伝えるニュースの音声がオーヴァーラップされている。

戦前日本の名行進曲集~海軍軍楽隊篇~

戦前日本の名行進曲集~陸軍軍楽隊篇~

というわけで、最近、戦前・戦中の音楽/音源に興味が湧いてきている。これらの CD の存在は以前から知っていたのだが、そういう興味によってこれらの資料性の高さを再認識するようになった。発売されてから時間が経っているし、いつ廃盤にされるかわからないので、今のうちに押さえておこうと思って購入した。

ジャケットは SP レコードのレーベル面である。特に陸軍軍楽隊の方は趣のあるデザインである。まだ音は聞いておらず、ライナーノートを読んだだけなのだが、以前のブログ「日本の童謡」でも取り上げた郡修彦氏が関わっているらしい。オリジナル音源の出自などもちゃんと記載されている。いい仕事である。

第8回「響宴」

そういうわけで今年も「響宴」を聞きに行って来た。

http://www.asahi-net.or.jp/%7EMJ2T-IIJM/test/8th.html

「Early Birds Get the Worm」というわけで早めに入場。まずは一般発売されていない(よね?)中央大学の定期演奏会のCDを購入。

「響宴」の過去の演奏会のビデオも売っていたので、ちょっと考えた末に第5回(陸上自衛隊の《三つのジャポニスム》(真島俊夫)を見てみたかった。)と、昨年の第7回(神奈川大学の《[コリアン・ダンス》(高昌帥)を見てみたかった。確か最終曲で小澤俊朗さんは両手で違う拍子を振っていたような気がする)を購入。

ビムス・エディションズでは、キングから出る伊福部昭作品集(交響譚詩、シンフォニア・タプカーラ(全曲)、吉志舞、SF交響ファンタジー第1番)に続いて、團伊玖磨作品集や齋藤高順作品集も出るという情報を入手。

また旧知の方々とも久しぶりに会うことができ、いろいろ近況を話し合った。

*****

で、響宴。

全般的な感想としては私が聞きに行った回の中ではいちばん面白く、初めて「聞きに行ってよかった」と思えるような内容だった。

今年は例年に比べて、いわゆる「現代的な」作品が多かった。例えば《Thread for Wind Orchestra》(寺井尚行)、《枯木のある風景》(飯島俊成)、《Secret Song》(北爪道夫)、《残酷メアリー》(田村文生)などである。アンケートにも書かせていただいたのであるが、いわゆる「コマーシャルな作品」と「アカデミックな作品」のバランスはこのくらいでいいのではないだろうか。

以下は気に入った作品。

《枯木のある風景》はかなりシリアルな作風なのであるが、川越奏和奏友会吹奏楽団の演奏からは「愉しみ」すら感じ取ることができた。

同じく川越奏和の演奏した《Salty Music》(三浦秀秋)もジャジーな雰囲気に個性があってよかった。こういうハードな雰囲気の曲(例えるならグランサムの《バムズ・ラッシュ》のような感じ)は邦人作品ではあまりなかったのでは?作曲者はオーネット・コールマンのオーケストラ曲に触発されてこの曲を作ったらしいのだが、コールマンの曲ってどんな感じなんだろう。聞いてみたい。

神奈川大学の《残酷メアリー》はさすがと思わせる緻密さ。開演前にスコアを見たのだが「田村作品の中では」比較的難易度は低いように思える。田村さんが寄せたプログラムノートが面白い。曲のことなんか全然書いていなくて作曲姿勢の表明のような文章である。ご自身のホームページに書かれている「響宴」を聞いての感想(http://www.kobe-u.ac.jp/bunsay/critic.HTM)とあわせて読むと、「響宴」に対する警鐘というか宣戦布告のように思えてくる。

本日の合奏

そろそろ本格的に定期演奏会の練習が始まる。

ここ最近「こども講座」の練習でポップス系の曲ばかり振っていたせいか、いわゆる「指揮者の筋肉」の感覚がどうもしっくりこない。

普段は重心がほぼ握る位置にある指揮棒を使っているのだが、今日はそれより少し棒の先の方に重心がある指揮棒を使う。なかなか意図通りに動かない腕を、棒の重さによる慣性の力を借りて動かしてみようと考えたのである。

わりと意図通りにうまくいったような気がする。やはり「素振り」(指揮の基礎練習)はきちんと時間をかけてやらないと筋肉が退化してしまうのかなあ?

日本の行進曲

キングレコードから「The Best Collection of March」と題された行進曲シリーズが10枚リリースされた。とりあえず上記の4枚を購入した。

基本的には以前のシリーズを再編集したものなのであるが、何曲かはこのシリーズのために新録されたものもある。(どの作品が新録なのかちゃんと明記されているのが親切)中橋愛生さん(ネット上では NAPP さんという呼び方の方がわかりやすいか?)や福田滋さんが選曲に携わっているということもあって、旧シリーズの隙間にピンポイントで収まる秘曲を選んだという感じ。《行進曲「新潟」》(湯浅譲二)、《行進曲「信濃路」》(小山清茂)、近作では《行進曲「海辺の道」》(酒井格)、《コンセルト・マーチ「シンタックス・エラー」》(中橋愛生)など。

「コンサート・マーチ」と題されたCDは全日本吹奏楽コンクールの課題曲を中心に選ばれているが、課題曲からのセレクションとしては納得のいく選曲。吹奏楽コンクールでのある意味「歪な」演奏が残っていくよりは、こういう実直な演奏が残っていく方がいいと思う。

「戦前編」は各曲に個性が乏しい(と感じるのは私の修行が足りないから?)ので鑑賞するには少々辛いのであるが、この4枚はセットで聞いた方がいいと思う。歴史的にもスタイル的にも日本の作曲家による行進曲を俯瞰できる。

 

航空自衛隊中部音楽隊第28回定期演奏会

航空自衛隊中部音楽隊第28回定期演奏会を見に行った。

2005年3月11日(金) PM7:00 アクトシティ浜松大ホール

第1部

  • アーロン・コープランド/エンブレムス
  • 渡部哲哉/行進曲「風の音に乗って」
  • 高橋伸哉/ライト・フライヤー(中部航空音楽隊委嘱作品 本邦初演)
  • I will…/清水大輔(中部航空音楽隊委嘱作品 本邦初演)
  • ロン・ネルソン/ロッキー・ポイント・ホリデー

第2部

  • ジョン・フィリップ・スーザ(日下部徳一郎)/士官候補生
  • ホセ・ラカーリェ(中村春彦)/アマポーラ
  • スティーブン・フォスター(前田憲男)/草競馬
  • 大野雄二(三浦秀秋)/ルパン三世
  • 清水大輔/ネクスト・エンジェルス(吹奏楽版 本邦初演)
  • (渡部哲哉)/エルヴィス・ライブス

アンコール

  • 矢部政男/航空自衛隊行進曲《空の精鋭》

私には演奏会をコープランドの《エンブレムス》で始める勇気はない。 あの有名な《アメイジング・グレース》が引用されているとはいえかなり晦渋な作品だし、情け容赦なく不協和音が続く。聞き手を惹き付けるのは難しい曲である。 しかし、鳴りのよいサウンドで聞かせたという感じ。

ネルソンの《ロッキー・ポイント・ホリデイ》もメカニカルで難しい曲である。 かなり速めのテンポでもしっかり曲になっていた。サウンドはちょっと荒くなってしまった気がしたが、勢いのある曲なのであのくらいでもいいのかも知れない。 マレット・パーカッションが密かに超絶技巧。

第2部は特に後半でピッチの乱れが気になった。各曲のリズムもちょっとタメがなくて流れてしまっているように思えた。

個人的には清水大輔さんの2曲を聞けたのが収穫。

北欧吹奏楽作品集

RNCM ウィンドオーケストラは、イギリス、ドイツ、フランス、ロシアなど国別に作曲者を集めた作品集をリリースしている。

 

これは北欧の作曲家の作品を集めたCDである。確かリリースされた順番としてはフランスものとロシアものの間に位置するものだったと思う。遅ればせながらやっと買った。

Nordic Wind Banc Classics

例えば、イギリスものにはホルストやRVW、ドイツものにはヒンデミットの《交響曲》やシェーンベルクの《主題と変奏》、フランスものには《ディオニソスの祭り》や《フランス組曲》、ロシアものにはストラヴィンスキーの《サーカス・ポルカ》、プロコフィエフの行進曲集、リムスキー=コルサコフの《トロンボーン協奏曲》など、他のシリーズでは有名どころの作曲家や作品が収録されているが、この北欧作品集は極めて地味である。

作品として聞いたことがあったのはアウリス・サリネンの《コラーリ(コラール)》、作曲家としてかろうじて名前を聞いたことがあったのはラウタヴァーラやアルヴェーンといった具合。(ニールセンはもちろん聞いたことがあったが)

全般的な印象としては、いい感じで楽しめた。

個人的に昨今の、特にオランダ周辺の分厚い響きの作品はあまり好きではないので、このCDに収録されているような、声高にならない透明な響きはいかにも「管楽器がアンサンブルしている」という感じでほっとする。

上述のサリネンやラウタヴァーラは現代的な作風で、あまり地域性は感じられないのだが、アルヴェーンやトヴェイトといった作曲家の作品はシベリウスあたりからの影響が感じられる。

サリネンの《コラーリ(コラール)》は久しぶりに聞いたが、現代的で透明感あふれるオーケストレーション(ハープやチェレスタが使われている)が印象的である。トヴェイトの《シンフォニエッタ・ディ・ソフィアトーリ》はシベリウスに通じる作風の自然描写がコンパクトにまとまっている作品。これも気に入った。オーレ・シュミットの《ストラヴィンスキーへのオマージュ》はストラヴィンスキーの作風を踏襲しながら、《春の祭典》、それからなぜか《ボレロ》(ラヴェル)や《結婚行進曲》(メンデルスゾーン)まで引用しているパロディ的な作品である。

意外な収穫。

 

こども講座

ふだん練習に使わせていただいている公民館主催の「こども講座」での演奏。

  • 第1部:演奏
  • 第2部:パート紹介&指揮者体験コーナー
  • 第3部:楽器体験コーナー
  • 第4部:合同演奏

という構成で行った。

演奏者もリラックスして楽しめたようだし(これがいちばん大事)、聞きに来てくれた小学生にも楽しんでもらえたのではないかと思う。

楽器体験コーナーでは、意外といろいろな楽器にチャレンジする子供が多かった。団員も自分の担当楽器とは別の楽器を演奏していたし(笑)。

たまには原点に立ち返って「楽器を演奏するとはどういうことなのか」「演奏を人に聞かせるということはどういうことなのか」ということを考えるいい機会だった。

アメリカ空軍バンドのCD

Spirit of the Land(The United States Air Force Singing Sergeants)

アメリカ空軍バンドの合唱隊「Singing Sergeants」の自主制作CD。

コンセプトはよくわからないが、コープランドの歌劇《テンダー・ランド》、合唱曲《シオンの壁》、バーンスタインの歌劇《キャンディード》、ジョン・ラターの《アメリカ年代記》などからの作品が収録されている。

密かにロン・ネルソンが編曲した合唱作品もある。