そういうわけで、最近集中してグリーグの作品を聞いている。有名な《ペール・ギュント》や自身が撤回してしまった《交響曲》などを聞いていると、がっちりとした構成感のある作品ではなく、美しい旋律がちりばめられた小規模な作品の方が、この作曲家の魅力を味わえるのではないかと思っている。それを考えると66曲にもなるピアノ曲集《抒情小曲集》も聞いてみたくなる。
そんな中で妙に気に入っているのが《ホルベルク組曲》。組曲《ホルベアの時代から》とも言われる。たぶん以前にも聞いたことがあるはず … と思ってちょっと探したら、森田一浩さんによる小編成吹奏楽への編曲が全日本吹奏楽連盟から出版されていた。この出版時には参考音源CDも発売されたので、それで聞いているはずだ。
Wikipedia によると、グリーグと同じくノルウェーのベルゲンに生まれた、デンマーク文学の父と言われている文学者ホルベアの生誕200年(1884年)を記念して書かれた作品で、もともとはピアノ曲として書かれたものを作曲者自身が弦楽合奏に編曲した。ホルベアの生きていた時代の音楽であるバロック時代の音楽の形式を借りた、いわゆる「擬古典主義」的な作品である。
… ってなことを読んでいると、私の好きな作品の一部は、この「擬古典主義的」という言葉で括られるのかなあ?と思ったしだい。例えば、レスピーギの《リュートのための古い舞曲とアリア》第3番や、ストラヴィンスキーがペルゴレージの作品を使ったバレエ音楽《プルチネルラ》などがそうだ。ウェーベルンやシェーンベルクが新しいオーケストレーションを施したバッハの作品なんかもひょっとして含めていいのかも知れない。
あ、吹奏楽でもジェイコブの《ウィリアム・バード組曲》なんかは好きだなあ。