(CAPRICCIO 10 482)
- ベルント・アロイス・ツィマーマン/トランペット協奏曲《誰も知らない私の悩み》
- ルチアーノ・ベリオ/セクエンツァX
- ヴォルフガング・リーム/無題I
- ジャチント・シェルシ/トランペットソロのための4つの小品
- ヴィルヘルム・キルマイヤー/途切れた別れ
先日買った《若き詩人のためのレクイエム》でベルント・アロイス・ツィマーマンという作曲家に興味を持った。その前に購入した(そしてなかなか聞けていない)「Musik in Deutschland 1950-2000」という大規模なボックスの中にトランペット協奏曲《誰も知らない私の悩み》が収録されていたので聞いてみた。このタイトルは作品に引用されている黒人霊歌から取られている。その黒人霊歌のメロディが12音音楽を経てクライマックスでビッグバンドを伴うジャズに変容してしまうのがとても面白い。
「Musik in Deutschland 1950-2000」に収録されていた演奏は少しトランペットソロが不安定に思えたので、ソロが安心できるフリードリヒの演奏で聞いてみたかったのである … が、このCDの演奏はきれいにまとまり過ぎているような気がする。高揚感を味わうには多少の荒さがあった方がいいのかな?と思ったしだい。
ベリオの《セクエンツァX》はトランペットソロと、共鳴のために音を発しないピアノ(つまり鍵盤をそっと押さえてペダルを踏んでおく)のための作品。これは申し分ない。
シェルシの《4つの小品》はあまりシェルシっぽくないなあ。もうちょっと「誰も近づけない孤高の世界」の音楽を期待していたのであるが。