アクサンチュス・スペシャル・ボックス (Transcriptions 1 & 2: Requiem Sacred Night) (4CD box) [Import from France]
古楽器関連のトピックをつらつらウェブを眺めていたら面白そうなCDボックスを見つけたので、ついポチッと。
フランスで活動している合唱団「アクサントゥス」の4枚のアルバムを集めたボックスである。それぞれに興味ある内容であるし、4枚で20ユーロという価格は万が一気に入らなかった場合にも諦めがつくレベルである。
まず1枚目。クラシックの名曲を無伴奏合唱に編曲したレパートリーである。
目玉はバーバーの《弦楽のためのアダージョ》を作曲者自身が無伴奏合唱に編曲した《アニュス・デイ》と、おそらくはマーラーの全作品の中でもっともロマンティックであろうマーラーの交響曲第5番の第4楽章(原曲はハープと弦楽合奏のみで演奏される)だろう。
前者は原曲も好きだし、この編曲版の存在も知っていたし、以前からちゃんとした演奏を聴いてみたかった作品である。実は吹奏楽選抜大会@浜松で聞いたことがあったのだが、あまり安定しない歌唱だったので …
上のアルバムのコンセプトを引き継いでいる第2弾。
多少はこちらの方が耳にしたことがある曲が多いのかな?いや、そんなことはないか …
バッハの曲に詩篇の言葉を載せるというのが興味深い。
フォーレの《レクイエム》。
レビューを見てみると、このアクサントゥスというグループの声は透明感があるとのことなので、そういった合唱でこの《レクイエム》を聞いてみたかった。伴奏も規模の小さい室内オーケストラ編成ということだし。
DG箱に入っているジュリーニ/フィルハーモニア管の演奏は、オケも合唱も重過ぎるし、独唱のキャサリーン・バトルがいかにもオペラチックで大仰に歌っているので、あまり好きではないのである。
これが古楽器演奏グループ「コンチェルト・ケルン」と共演しているクリスマス・アルバム。
パッヘルベルの《カノン》、バッハの《主よ、人の望みの喜びよ》、グノーの《アヴェ・マリア》、ヘンデルの《ハレルヤ・コーラス》、それから《きよしこの夜》など、いかにもクリスマスらしい作品が収録されている。
全般的には、解釈という名の表現付けは極力避けて、とにかくハーモニーの美しさを追求しようとしているように思える。(例外もある。《アヴェ・マリア》などは表現過多でちょっと聞いていて恥ずかしい)聞きようによっては物足りないのかも知れないが、個人的には音を磨き上げれば磨き上げるほど、音そのものが説得力を持ってくるのだと思う。
だから、これでいいのだ。