日別アーカイブ: 2010 年 11 月 13 日

ひさびさのだめ

夜中というか明け方というか、そのへんの微妙な時間に目が覚めてしまい、なかなか寝付けなかったので独りでリビングに下りていってゴソゴソ。今さらながらに劇場版「のだめカンタービレ 最終楽章 前編」の DVD を見ることにした。

のだめカンタービレ 最終楽章 前編 スペシャル・エディション [DVD]

これは「テレビドラマ(全11回)」→スペシャルドラマ「のだめカンタービレ 新春スペシャル in ヨーロッパ(全2回)」の続編ということでいいのか?そういえば「新春スペシャル」はちゃんと見ていないような気がする。前編は帰省のために予約録画ができずに後で友人に借りてダビング、後編は「前編を見てから …」ということで先送りになっていた。

テレビドラマ版は、全11回枠に収めるためか、原作と違う部分がかなりあって楽しめたのだが、この映画版は良くも悪くも原作通り。もちろん細部は省略があったり、多少の改変があったりするのだろうが(原作は日本に置いてきたので忘却の彼方)、大きな展開はほとんど先読み可能。原作を読んでいる私にとっては、登場する主人公が動いて、実際にパリやウィーンが舞台になっていて、実際に音が出てくる、つまり原作が多少リアルになったというだけの印象である。「メディアとしての映画」としてどうか?と言われると、正直映画館まで足を運ぶ気にはなれない。本質的にはコミック→映画とメディアを変えた意味がないと思う。

というわけで本筋とはあまり関係のない印象を。演技とはいえムジークフェラインザールで実際にオーケストラを振るのは気持ちいいだろうな。それからテレビドラマの頃に比べるとかなり指揮はうまくなっていると思う。3拍子の3拍目、あるいは4拍子の4拍目で、体で右腕を引っ張るようなクセ(つまり「指揮者の筋肉」での右上腕部の引き上げが弱いので体を使って引き上げているのかなあ)がちょっと気になりましたが。

使われている音楽について。エルガーの《NIMROD》(エニグマ変奏曲より)は個人的に涙腺が自動的に緩んでしまう曲なので、ああいう場面で使われるとちょっと弱い。それから、後半でドイツ国歌が弦楽で演奏されているのを耳にした。よくよく調べてみるとこのメロディーはハイドンが作曲した弦楽四重奏曲第77番《皇帝》の第2楽章の冒頭のものらしい。この発見が、このDVDを見てのいちばんの収穫かも知れない。

あ、当然のことながら上野樹里の演技力は素晴らしいと思います。