日別アーカイブ: 2010 年 1 月 24 日

演奏会その27: ハンブルク・フィル(第5回)

5. Philharmonisches Konzert

Johannes Brahms – Tragische Ouvertüre op. 81
Johannes Brahms/Detlev Glanert – Vier Präludien und Ernste Gesänge für Bariton und Orchester
Anton Bruckner – Sinfonie Nr. 1 c-Moll (Urfassung, “Linzer”)
Sonntag 24. Januar 2010, 11:00 Uhr

Dirigentin: Simone Young

今日はハンブルク・フィルの今シーズン(ちなみに第182シーズン目だそうです)5回目の定期公演。9月の第1回以来、久しぶりに音楽監督のシモーネ・ヤングが指揮台に立ちます。

1曲目はブラームスの《悲劇的序曲》。恥ずかしながら初めて聞いたと思います。というわけで他の演奏を聞いたわけではないので比較はできないのですが、冒頭のテンポは通常よりも早いんだろうなあ、と想像されます。オケも指揮者もかなり気負っていたようでちょっと慌てる感じでしたが、だんだん落ち着いてきました。

2曲目はブラームスの《4つの厳粛な歌》。この作品はブラームスの死の前年に書かれたという最晩年の作品で、歌詞は聖書から取られているそうです。ちなみにこの歌曲の第1曲目の冒頭で歌われる旋律は童謡《黄金虫》にそっくりということで知られています。↓こんな感じで。

この作品、ブラームス自身による管弦楽伴奏のスケッチも残っているらしいのですが、結局それは完成せず、現在はピアノ伴奏だけが残っています。今日演奏されたのは、ドイツ生まれ(1960年)の作曲家デトラフ・グラナートが管弦楽編曲を行ったものです。4曲は続けて演奏され、それぞれの歌曲の冒頭にはグラナート自身が作曲した前奏曲が追加されており、また原曲にはないエンディング(後奏曲)も追加されています。

残念ながらバリトン独唱の歌手がキャンセルということでした。演奏会の最初にシモーネ・ヤングが説明していたのですが、当然ドイツ語なのでわかりません。ただ、説明の途中で聴衆が一斉にため息をついたので何となく察しはつきました。その代わりに、オケの首席チェロ奏者が独唱パートを演奏するという形になりました。せっかくプログラムにドイツ語の歌詞が書かれていたのに追えないし、チェロの音色は当然のことながらオケに埋没してしまうことがあるので声部として明確に聞こえなかったのがちょっと残念でした。作品としては歌の伴奏部分のオーケストレーションは比較的オーソドックスだったのですが、前奏曲に入ると全く語法が変わって現代的になるのが面白かったです。消え入るように終わる後奏も印象的でした。

ブラームスはそれほど聞き込んでいない作曲家だし、どちらも聞いたことのない作品だったし、途中で退屈してしまうのではないかと考えていたのですが、全然そんなことはありませんでした。意外にウマが合う作曲家なのかも知れません(笑)。

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休憩後はブルックナーの交響曲第1番。前回、ハンブルク交響楽団の交響曲第5番を聞いた時にくじけてしまったので、今回はかなり一所懸命予習しました。そういえばヤングとハンブルク・フィルのコンビは初稿によるブルックナー交響曲全集の録音が進行中ですが、探してみたところまだ第1番のCDは発売されていませんでした。今日はたくさんのマイクが立っていたのでこのライヴを録音しているのかも知れません。

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予習のかいあってか、あるいはまだブルックナーとしての個性が十分ににじみ出ていない初期の交響曲だからか、前回のような不本意なことにはなりませんでした。分厚いブルックナー的なオーケストレーションは見受けられますが、まだ古典的な4楽章交響曲の構成に多少なりとも固執しているのかなあ、という気がします。

オケの「鳴り」についてはもう少し洗練さが欲しい気もしましたが、全体としては非常にいい演奏だったと思います。例によってヤングは精密というよりは大きな流れで音楽をとらえているように思いましたが、その棒の動きが的確に音楽的に表出されるのは、さすがに音楽監督として自分のオーケストラをうまく引っ張っているという感じでした。私のリファレンスはインバル/フランクフルト放送響の演奏だったのですが、サウンドの構築感という意味ではインバル、曲全体の音楽的な構築感という意味ではヤングに軍配をあげたいです。

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昼食は、またまたライスハレ近くのカリーブルストのお店「EDEL CURRY」へ。イェーファーのピルス、ポテト付きカリーブルスト、ミックスサラダ(ちなみにです、これ)で満足です。

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お店にこんな張り紙があるのを見つけました。やはり、このお店は一般的にも評価されているんですね。自分の味覚センスにちょっと安心(笑)。

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しかし、本当に寒いです。午後2時過ぎで気温マイナス8℃。

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