(今日の前振り)
あわただしい出勤前の準備の時、息子が「iPhoneでE5系見たい」と言い出した。昨日見た以下の記事をもう一回見たいらしい。
ページを表示して、iPhoneを息子に渡して、着替えを始めたら、いつの間にか(息子用にiPhoneに取り込んでいる)《羞恥心》が鳴り始めている。ううん、完全にiPhoneの使い方をマスターしつつあるなあ…
(本題)
御茶ノ水のカザルスホールが来年3月で閉館するそうで…
1987年に建設されたというから、私が大学に通っていた頃はできたばっかりだったわけだ。開館したばかりの頃、ハイドンの交響曲全曲演奏会というシリーズが行われていて、大学時代の友人が足しげく通っていた。その友人が風邪をひいたのだったか、他に外せない用事があったのだったか、よく覚えていないのだけれど、演奏会に行けないことがあった。演奏会で配布されるパンフレットが途切れるのが悔しかった友人は私に「交通費と演奏会のチケット代を全部もつから、代わりに演奏会を聞きに行ってパンフレットをもらってきてくれ。」と頼んだ。ハイドンの交響曲には全く興味なかったのだが、数時間拘束される代わりにタダで東京へ行けるということで、私は二つ返事で引き受けた。友人は丁寧にも(笑)学生席の買い方まで指南してくれた。
演奏会のことは全く覚えていないのだが、指揮者がなぜか(本当になぜか)元シカゴ交響楽団ホルン奏者のデール・クレベンジャーだったので非常にびっくりしたことを覚えている。アンコールでは、ついにホルンを持ち出して協奏曲を吹いてしまったし。
それから、もう一つよく覚えている演奏会は、伊藤康英さんの《サクソフォン四重奏曲第2番》が初演されたトルヴェール・カルテットの演奏会である。伊藤さんのホームページの記録によると、これは1991年1月13日らしい。確か、フローラン・シュミットの四重奏曲も演奏されたんじゃなかったかな?(こちらは記憶があやふやだが …)
伊藤さんの作品はカザルスホールの豊かな残響を念頭に置いたということで、須川さんがソプラノサックスで吹き切ったフォルティシモの音の残響の中から、同じ音程をピアニシモで吹き伸ばしている田中さんのバリトンサックス(然るに相当高い音である)が現われてくる、という効果が印象に残っている。また、この時期の伊藤さんの作品の特徴とも言える、胸のあたりをかきむしられるような微分音の旋律もよかったなあ。
… そのあとって何だっけ?もう何回かは演奏会を聞きに行ったはずなのだが覚えていない …
今ではそんなに珍しくないのかもしれないがホールにある見事なシャンデリア、そんなに大きくないキャパ(511席らしい)、前の席と交互になっている(座高の高い人の後ろでも大丈夫(笑))席など、「空間」を大事にしたいいホールだったと思う。
壊さないで欲しいなあ。