で、次は村上春樹さん訳によるカポーティの「ティファニーで朝食を」。
新潮文庫版(出版はなんと1968年)を読んだのは10数年前だ。 村上さんの訳のせいか、私自身の変化のせいか、よくわからないけど、前回読んだときよりも映画のヒロインであるオードリー・ヘップバーンと、この小説のヒロインであるホリー・ゴライトリーが重ならない。
やはり、オードリーはホリーほど「壊れて」いないのである。 映画のようにハッピーエンドではなく、読み終わったあとも続く喪失感がこの小説の面白いところだと思うのである。
読み終わった後に聞きたいと思った曲が、ロバート・ワイアットの《シー・ソング》。