一連のエッグやハットフィールド&ザ・ノースのリリースで、これだけが近くのショップで見つからなかったので通信販売で購入。(実際には通信販売で発注したあとにとあるショップの店頭で見つけてしまったんだけど …)
デイヴ・スチュアートがハットフィールド&ザ・ノースのレコーディング中に急遽エッグを再結成してレコーディングしたものらしい。オーボエ、バスーン、クラリネット(ヘンリー・カウのメンバー)などの管楽器奏者も参加している。さて、どうなることやら。
通信販売で一枚だけ買うのも何なので、ヘンリー・カウを一枚買ってみることにした。
大ざっぱにくくってしまうのも問題があるのかもしれないが、一連のカンタベリー・ミュージックに属するバンドがフュージョンに近い「さわやかな」ジャズ・ロックをやっているのに対して、ヘンリー・カウはフリー・ジャズに近いというか、かなりアンダーグラウンドな匂いがする。その匂いがなかなか好きである。
ヘンリー・カウのアルバムは「靴下シリーズ」(以下参照)しかよく知らなかったのであるが、スラップ・ハッピーとの共同名義作品があるということを知って、これを聞いてみたいと思った。
どちらかというと、スラップ・ハッピー主導のアルバムにヘンリー・カウが協力した形になっているらしい。スラップ・ハッピーのヴォーカルであるダグマー・クラウゼの歌ものを中心とした内容になっている。ということで、インストゥルメンタル/インプロヴィゼーション中心のヘンリー・カウよりは聞きやすい。1曲1曲も短めだし。
1曲目はいきなりシェーンベルクの《月に憑かれたピエロ》を思わせる音楽、ピアノ/クラリネット/ヴァイオリンを中心とする伴奏に、シュプレッヒシュティンメのヴォーカルが重なる。この「ツカミ」でけっこうやられてしまった。いい感じ。
このあとスラップ・ハッピーとヘンリー・カウは発展的に解消し、ヘンリー・カウの中心人物だったフレッド・フリス、クリス・カトラーにスラップ・ハッピーのダグマー・クラウゼを加えて「アート・ベアーズ」を結成することになるそうだ。こちらも面白そう。