伊福部/マイルス/ビリー・ジョエル

伊福部昭:シンフォニア・タプカーラ

NAXOS の日本人作曲家シリーズで登場した伊福部昭の管弦楽作品集。《シンフォニア・タプカーラ》や《SF交響ファンタジー第1番》あたりをロシアのオケ(ロシア・フィルハーモニー管弦楽団)がどのくらい凶暴に演奏してくれるのかが楽しみであったのだが、ちょっと期待外れ。

日本人(というか日本の伊福部ファン)に暗黙のうちに刻み込まれている「伊福部サウンドはかくあるべし」といった了解事項がこの演奏にはないのである。もちろん楽譜に純粋に向かい合えばこういう音楽が出てくることは納得しているのだが、《タプカーラ》を聞いていてもあっさりしていてなかなか血がたぎって来ないのである。(かといって、先日購入した「伊福部昭の芸術(8)特別篇 卒寿を祝うバースデイ・コンサート 完全ライヴ」の《タプカーラ》の第3楽章のように最初からオケが沸騰しているのもリスナーがついていけなくてちょっと白けてしまうのだが …)

音楽に国民性や民族性(やっぱりウィンナ・ワルツはオーストリアのオケじゃなきゃ、とかバルトークはやっぱりハンガリーのオケだね、とかいったドグマ)を持ち込むのはあまり好きではないのだが、やはり「血」が違うのかな、と思ったしだい。

ということで、淡々と盛り上がっていく《SF交響ファンタジー第1番》の後半のマーチメドレーが違和感なく聞けた。これは適度に抑制が効いていていい演奏だと思う。

ジャケットに青木繁「海の幸」を使ったのは秀逸。

マイルス・エレクトリック 〜 パフォーマンス・アット・ザ・アイル・オブ・ワイト[DVD]

幻と言われている、1970年に開催された「ワイト島ミュージック・フェスティヴァル」に出演したマイルス・デイヴィス・バンドの完全演奏と、(それだけではDVD1枚分の時間が持たないので)周辺ミュージシャンのインタビューによって構成されたドキュメント。

マイルスがいわゆる「アコースティック」時代から「エレクトリック」時代へと方向を変えていった時期の演奏はなかなか映像がなかっただけにかなりうれしい。個人的にこの時期のアルバム(「イン・ア・サイレント・ウェイ」とか「ビッチェズ・ブリュー」とか)が結構好きなので。

とはいえ、前半のインタビューが長かったので力尽きて寝てしまった … まだライヴまでたどり着いていない …

ビリー・ジョエルの紙ジャケ第2弾。リアルタイムで聞いていたのは「イノセント・マン」とかろうじて「ビリー・ザ・ベスト」くらいまでかな。

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