月別アーカイブ: 2004年10月

その日に届いたもの

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実は以前発売されていた特典ディスク付きの5枚組と勘違いして購入してしまった。これは「パートI」から「パートIII」までの本編のみが収録された4枚組のボックスセット。

映画館で「パートIII」を見てけっこう気に入ってしまい、その後レーザーディスクで前作を見てみようと思った。ところが私が購入したレーザーディスクは特別編集版で、「パートI」と「パートII」の全てのエピソードを時代順に並べ替えたものであった。

なので、私は「パートI」と「パートII」で起こる全てのエピソードは知っている(はず …..)のだが、実は映画としての「パートI」と「パートII」はまだ見たことがないのである。

「パートII」から16年を経て制作された「パートIII」は、前2作に比べると完結編を飾るべきスケール感に欠けていたと思う。しかし、マーロン・ブランド扮する初代ゴッドファーザーのようなカリスマ性を持った人間がピラミッドの頂点に君臨するというヒエラルキーが現実的問題として難しくなってきていたという時代的背景があったのではないかと思う。それはマフィアの世界だけでなく政治やビジネスにおいてもそうであろう。

事実、マーロン・ブランドは「幸せな老後」とも呼ぶべき真っ当な形で人生を終わったし、2代目のアル・パチーノは孤独の中で風に吹かれる落ち葉のように生涯を終えた。そしてファミリーを継いだのは血のつながらないアンディ・ガルシアである。実はこんな企業けっこうあったりしません?

ロームミュージックファンデーションSPレコード復刻CD集

近代日本音楽ファンを狂喜させた前作(http://www.rohm.co.jp/rmf/mf_cd-j.html)は残念なことに非売品であったのだが、今回は念願かなって一般発売されることになった。

喜び勇んでさっそく購入したのであるが、残念ながら非売品だった前作の方が明らかにインパクトが強い。今後もこのシリーズは発売されるそうなので、ぜひ前回のものをそのまま一般発売して欲しい。何せ山田一雄(当時は山田和雄)指揮の《交響譚詩》(伊福部昭:ひょっとして初演?)や歌舞伎座で行われた皇紀2600奉祝演奏会の実況録音が収録されているのである。この演奏会のために日本政府はリヒャルト・シュトラウス(ドイツ)、イベール(フランス)、ブリテン(イギリス)、ピツェッティ(イタリア)、ヴェレシュ(ハンガリー)に作品を委嘱した。(アメリカは対日関係の悪化を理由にこの依頼を拒否、ブリテンの作品《シンフォニア・ダ・レクイエム》は皇室の行事にふさわしくないとの理由で日本政府から拒否された。)

ちなみに購入はこちら(http://www.onsei.co.jp/rohm/index.htm)から。

ファイヤーマンズアクトコンサート

「第5回全国消防音楽隊フェスティバル ファイヤーマンズアクトコンサート」を聞きにアクトシティ浜松大ホールへ。

全国の消防音楽隊が集まるフェスティバルのコンサートの一つ。他にも「浜名湖花博」会場でのコンサートとパレード、浜松市内の秋祭りイベントと連動してのパレード、浜松アリーナでのマーチングコンサートなど多彩なイベントが計画されている。

「ファイヤーマンズアクトコンサート」は演奏会形式のコンサート。浜松市消防音楽隊、さいたま市消防音楽隊、名古屋市消防音楽隊、大阪市消防音楽隊、神戸市消防音楽隊(出演順)が出演した。(実際には浜松市内をパレードする予定だった音楽隊も急遽参加したのであるが団体名を失念(_0_))期待以上にクオリティの高い演奏を楽しめた。

特に名古屋市消防音楽隊と大阪市消防音楽隊はかなり完成度が高い。

名古屋市消防音楽隊の《君の瞳に恋してる》(真島俊夫編曲)はフルート・ソロを全面的にフィーチャーした編曲なのであるが、このソロが凄い。淀みなく細かいパッセージを吹いているだけでも凄いのであるが、アドリブのフレーズの緩急のつけ方やクライマックスへの持って行き方なども堂に入っている。全体的な演奏も落ち着いていて、最小限のパワーで最大限の演奏効果を発揮しているように思える。

大阪市消防音楽隊はそれとは対照的にかなりパワフル。《サンバ・デ・アイーダ》《あの日聞いた歌》《USJメドレー》(全て真島俊夫編曲)というきついプログラムだが、全て豪快に鳴らしまくっていた。

いろいろな制約(よくわかりませんが)があるためか、どの消防音楽隊も必要最低限の演奏者しかいない。例えばフルートは2人で1人はピッコロ持ち替え、クラリネットはBb管が5〜6人でEbもバスクラもいない、サックスは2+1+1、ホルンは4人いるバンドは少なくて2〜3人、トランペットも通常は4人くらい、トロンボーンも3〜4人、ユーフォニアムはもちろん1人、テューバは1人ないし2人でエレキベースで補強、打楽器は3〜4人くらい、といったところであろうか。

当然ごまかしが効かず、一人一人の技術力がそのまま演奏として表われてしまうシビアな編成である。神戸市消防音楽隊は25人という、おそらくこの日の最少人数のバンドだったのであるが、非常に充実した演奏であった。