月別アーカイブ: 2003年5月

浜松交響吹奏楽団定期演奏会

30周年記念委嘱作品ということで鈴木英史さんの《Life Variations》、天野正道さんのSuite Symphonique《Gaia》の第3楽章が初演された。

作品によるものなのか、サウンドの作り方によるものなのかよくわからないが、強奏での色彩感が飽和しているように感じるのが気になる。どちらの曲も 浜響吹のシンフォニックなサウンドを念頭に作曲されたのであろうが、ある程度以上のボリュームを持ったサウンドが単色に聞こえてしまう。ポップスなどが中 心となる第2部ステージでは、団員アレンジャーの遠藤さんによる編曲がそれぞれのパートの持ち味を引き出していたのとは対照的に思える。

《Life Variations》は第2部に当たる部分が面白いと思った。原始主義的な作風が《春の祭典》に近い雰囲気があるなあと思ったら、テーマは「法悦の詩」 だそうで、何となく納得。《Gaia》は残念ながら第3楽章のみの演奏。おそらく4楽章構成の第3楽章ではないかと思うのでまだ評価は保留。天野さんは 「この曲を聴いて怒る人がいるかも知れませんが …..」と書かれていたが、個人的には《おほなゐ》を聞いたときほど心が動かなかった。

カラヒー/ポパーピー

まさか店頭で売っているとは思わなかったバンド・オブ・ブラザース DVDコレクターズ・ボックス I。

バンド・オブ・ブラザース DVDコレクターズ・ボックス I

オークションなどでは未だに高値で取引されているようだし、すでに分売もされていたりで、ほとんど諦めかけていた状態だった。購入したショップも週一回くらい通っているところである。なぜ今まで店頭になくて突然出てきたんだろう?まあ、とにかくうれしい。

「ボックスII」の方はほとんど特典に魅力がないので、少しはモノがだぶついているようだが、この「ボックスI」にはWOWOWでも放送されなかったドキュメンタリーが併録されているのが貴重。当事者たちの証言と(必ずしも一致はしていないだろうが)当時の映像によって、「バンド・オブ・ブラザース」で描かれていた時代を回想するような構成である。

レフト・アローン

それから同じショップで見つけたので買うことにしたマル・ウォルドロン/レフト・アローンの紙ジャケ。

「♪ポパーピー〜」と吹き上げるジャッキー・マクリーンのサックス節であまりにも有名なタイトル曲を収録 … というか、それ以外の曲はほとんど印象に残らない。久しぶりに聞いたが、やはりよい。

ファウスト

というわけで、紙ジャケで発売されたファウストのCDを2枚。

ファースト・アルバム(紙ジャケット仕様)

もともとこのアルバムは透明のレコード(レーベル部分は銀色)、赤字で印刷された透明の歌詞カード、黒で拳(ファウストとはドイツ語で「拳」の意)のレントゲン写真が印刷された透明のジャケットというフォーマットだった。このたびリリースされた紙ジャケならぬビニジャケ(?)は、その雰囲気をかなり再現再現しているのではないかと思う。中身の方は … こういうのを「前衛」というのだろうけど、そんなに面白いとは思わない。カットアップやコラージュといった手法は今の耳にはそれほど斬新には響かないし、個人的には「ジャーマン・ロックの流れの源流の一つ」といった歴史の流れの中での位置づけしか出来なさそうだ。とはいえ、ジャケットワークだけでも価格分のもとは取れた感じ。

ソー・ファー(紙ジャケット仕様)

ファースト・アルバムとは対照的に、ジャケットからディスクまで真っ黒。内容としては、まだこちらの方が音楽としてまとまっている … というか、曲が曲として成立している。タイトル曲「So Far」は執拗に繰り返される7拍子のパターンの上に様々なエフェクトがかぶせられているもの。ある意味でビートルズの「Tomorrow Never Knows」に近いかな。これは十分に刺激的で面白い。