30周年記念委嘱作品ということで鈴木英史さんの《Life Variations》、天野正道さんのSuite Symphonique《Gaia》の第3楽章が初演された。
作品によるものなのか、サウンドの作り方によるものなのかよくわからないが、強奏での色彩感が飽和しているように感じるのが気になる。どちらの曲も 浜響吹のシンフォニックなサウンドを念頭に作曲されたのであろうが、ある程度以上のボリュームを持ったサウンドが単色に聞こえてしまう。ポップスなどが中 心となる第2部ステージでは、団員アレンジャーの遠藤さんによる編曲がそれぞれのパートの持ち味を引き出していたのとは対照的に思える。
《Life Variations》は第2部に当たる部分が面白いと思った。原始主義的な作風が《春の祭典》に近い雰囲気があるなあと思ったら、テーマは「法悦の詩」 だそうで、何となく納得。《Gaia》は残念ながら第3楽章のみの演奏。おそらく4楽章構成の第3楽章ではないかと思うのでまだ評価は保留。天野さんは 「この曲を聴いて怒る人がいるかも知れませんが …..」と書かれていたが、個人的には《おほなゐ》を聞いたときほど心が動かなかった。