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今日届いたもの(20世紀ヴァイオリン協奏曲集)

そういうわけで、ジョナサン・ノットが指揮するシューベルト交響曲全集+αを買ってから、彼のディスコグラフィをつらつらと眺めていたのですが、気になる一枚を発見。

ヴァイル/ヴェレス/シュテファン: ヴァイオリン協奏曲集

すでに廃盤なのか、マーケットプレイスでけっこういい値段がついています。手に入れにくいものほど手に入れたくなる性格なので(笑)、amazon.fr のマーケットプレイスで見つけた新品(まあ妥当な価格)を買ってみました。本日到着。

20世紀に書かれたヴァイオリン協奏曲を3作集めたもので、指揮はそのジョナサン・ノット、オーケストラはルツェルン交響楽団、ヴァイオリン・ソロはステファン・テンツ。テンツは1990年のジュネーヴ国際音楽コンクールでヴァイオリン部門第2位を受賞しているようです。

クルト・ヴァイルのヴァイオリン協奏曲は実は吹奏楽(管楽オーケストラ)が伴奏です。

エゴン・ヴェレスはシェーンベルクの弟子で橋本國彦の師匠に当たる人。

ルディ・シュテファンは第一次世界大戦でわずか28歳で戦死したドイツの作曲家。時代的に表現主義的な作風を持っているそうです。

ヴェレスとシュテファンは名前すら初めて聞く作曲家です。まあ、聞いてみることにしましょう。

フル・メタル・ヴィレッジ

昼食時の話題。

昼食で席が一緒になったエンジニアの出身地がいかに田舎か、という話題になりました。隣りの家まで何キロあるとか、学校で「標準ドイツ語スピーチコンテスト」があるとか … で、その時に上司が振った話題がありました。

北ドイツにはヴァッケン(Wacken)という小さな村があるのですが、そこで毎年全世界からファンが集まるヘヴィーメタルのフェスティヴァル(W.O.A. = Wacken Open Air)があるのだそうです。ちなみに公式ホームページはこちらなのですが、今年の8月4日〜6日に行われるフェスティヴァルのチケットはすでにソールドアウトになっているようです。

そのフェスティヴァルの模様を韓国人女性が取材したドキュメンタリーフィルムがあって、それがなかなか面白いのだそうです。

ちょっと調べたら、それが「フル・メタル・ヴィレッジ」という映画だということがわかりました。(タイトルも秀逸)

日本語版は出ていないようなのですが、見てみたいなあ。

シューベルト/MARIA/Perfume

今日届いたもの

シューベルト交響曲全集

ジョナサン・ノット指揮バンベルク交響楽団によるシューベルトの交響曲全集。

このコンビは以前実演を聞いた時にもかなり気に入りました。先日の演奏会でシューベルトの《未完成》を聞いて、もうちょっとちゃんと聞いてみたいと思い、最近リリースされたこの全集(とりあえず全部!)を買ってみようと思ったのです。

この全集はいままで4枚のSACDでリリースされていたシューベルトの交響曲全曲に加えて、現代の作曲家がシューベルトの作品を素材に作った作品を集めた2枚の作品集「ダイアログ」と「エピローグ」をまとめた6枚組です。

ベリオ、ヘンツェ、ツェンダー、リームなどの作品が収録されています。意外(といっては何ですが)と後世の作曲家に影響を与えているんですね。そういえばベルリオーズも《魔王》を管弦楽編曲していますし、ウェーベルンも《ドイツ舞曲》を編曲していたりします。(ウェーベルンの編曲は本人が指揮した音源がCD化されています。)

で、とりあえず《未完成》から聞いてみました。遅。冒頭の16分音符の刻みの細かいパルスが明確に聞こえます。ダイナミクスも(譜面通りなんだろうけど)かなり極端。

MARIA/朝比奈マリア

デビュー直後のYMOが「YMO名義」で参加した1979年リリースのアルバム。ちなみに「YMO」として参加したレコーディングはそんなに多くありません。近田春夫「天然の美」とかシーナ&ロケッツ「真空パック」とか。

このアルバムはソニーの「オーダーメイドファクトリー」での通販限定販売。

結成10周年、 メジャーデビュー5周年記念! Perfume LIVE @東京ドーム 「1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11」【初回限定盤】 [DVD]

年末に帰省した時に見たNHKでのドキュメンタリーが面白かったので。いつも「足の洗いどころ」を考えているのですが、やはり買っちゃいますねえ …


Songs for Japan

今日からサマータイムでの出勤。

サマータイムになると日没時間が遅くなるわけで、何となく会社から帰り辛くなる今日この頃。

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iTMSで東日本大震災復興チャリティのために作られたコンピレーション「Songs for Japan」をさっそく購入しました。

http://itunes.apple.com/jp/album/songs-for-japan/id428415201

名前を聞いたことがあってもちゃんと聞いたことがなかったアーティスト、例えば Red Hot Chili Peppers であったり、Beyonceであったり、Foo Fighters であったり … をあらためて聞くことができました。意外に印象に残ったのが、The Black Eyed Peas の《One Tribe》、それから最後に置かれた Norah Jones の《Sunrise》が厳かな余韻を残します。全然関係ないけどジム・ジャームッシュの映画「ナイト・オン・ザ・プラネット」のエンディングに似た雰囲気を感じました。

それからクイーンの《手を取り合って》も話題になっているようで。

坂本龍一 NHK session

ototoyから「坂本龍一 NHK session」をダウンロード購入。

http://ototoy.jp/feature/index.php/20110322

今年の元旦にNHK-FMで放送された「坂本龍一ニューイヤー・スペシャル」での大友良英、大谷能生、ASA-CHANG、菊地成孔、やくしまるえつことのセッションを高音質でミックスし直したもの。

48kHz/24bitのWAVとDSD+mp3という2種類のパッケージがありますが、せっかくならより高音質のものにしようと思い、DSD+mp3版を購入しました。

出勤時に聞こうと思って朝食前にダウンロードを始めたら4時間かかると言われたのでそのままにして会社へ。帰ってきて夕食を食べながら聞こうと思ったら大友良英さんとのセッションは「うるさい」と言われ、やくしまるえつこさんとのセッションは「不気味だ」と言われ …

明日はちゃんと車の中で聞きます。

今日届いたもの(グレインジャー/バッハ)

Grainger: the Grainger Edition

結局買っちゃったよ … CHANDOSレーベルからリリースされていたグレインジャーの作品集19枚を廉価盤ボックスにしたもの。

吹奏楽作品はもちろんのこと、室内楽作品や管弦楽作品も機会があれば(アウトレットで安く出ていたら)ちまちま集めていたのであるが、今までのCD2枚分くらいの価格でこの全集が買えてしまうので、ダブりは承知で買ってみた。

自分で指揮したこともあるので《リンカンシャーの花束》は何十種類もの演奏を聞いてきたのであるが、ここに収められている演奏は究極の理想形といっていいと思う。RNCM(ロイヤル・ノーザン・カレッジ・オブ・ミュージック)ウィンドオーケストラの研ぎ澄まされた「いかにもウィンドアンサンブル!!」というサウンドでグレインジャーの非凡なオーケストレーションの妙が楽しめる。

また、グレインジャーは同じ作品をさまざまな編成で生み出している「編曲魔」なのであるが、編成の違いによる雰囲気の違いを味わうのも楽しい。《岸辺のモリー》《コロニアル・ソング》《カントリー・ガーデンズ》などを管弦楽、吹奏楽、室内楽で聞き比べると面白い。

声楽やピアノ曲はあまり聞きこんでいなかったのでこれから勉強したい。

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Flute Sonatas(左)

6 Brandenburg Concertos: Bwv 1055 1060(右)

ふと、バッハの《ブランデンブルグ協奏曲》が聞きたくなった。最近、耳が「ピリオド演奏」に慣れている私としては、そちらの演奏を選択してもよかったのだが、選択肢が多くてよくわからない。正直に言えば、数多の古楽器演奏団体がどのような演奏をしてどのような評価を得ているのかがよくわからないのである。モーツァルトの交響曲全集がすこぶる愉しかったホグウッドの盤もあるのだが、初稿を使っているそうなのでファーストチョイスにはちょっとリスクが高い。

そういうわけなので、無難にカール・リヒター/ミュンヘン・バッハ管弦楽団による盤を買ってみることにした。リヒターのバッハは《管弦楽組曲》にしろ《音楽の捧げもの》にしろ非常に気に入っている演奏なので《ブランデンブルグ》の印象も大きくは違わないのではないか、と思ったわけである。また、将来的にはきっとピリオド演奏も買うことになると思うので、モダン演奏を聞くモチベーションは今がいちばん高いのではないか、という判断もある。

《管弦楽組曲》や《音楽の捧げもの》にはピリオド演奏にも通じるスピード感が感じられたのであるが、リヒターの《ブランデンブルグ》はかなりノーブルというかゆったりした感がある。(あ、ちなみに日本に置いてきた(=リッピングし忘れた)ブランデンブルグはピノック/イングリッシュ・コンソートです。)

で、私がリヒターの《管弦楽組曲》や《音楽の捧げもの》が好きなのは、これらの盤でオーレル・ニコレがフルートを吹いているという要因も小さくはない。というわけで、リヒターとニコレによるバッハのフルート・ソナタ集も買ってみた。長年買いたいとは思ってもいなかったのだが、なかなか手が出ていなかった盤である。

これなら、フルート吹きの妻も文句は言うまい(ニヤリ)。

今日届いたもの(インバルのベルリオーズ)

Hector Berlioz Edition

以前はDENONから出ていた(あ、今も廉価盤で出ているか …)インバル/フランクフルト放送響のコンビによるベルリオーズの管弦楽作品集。最近よくお世話になっている激安レーベル Brilliant Classics からのライセンス販売である。jpc.deで19.99ユーロ。CD 11枚に

  • 幻想交響曲
  • イタリアのハロルド
  • 劇的物語《ファウストの劫罰》
  • 劇的交響曲《ロメオとジュリエット》
  • キリストの幼時
  • テ・デウム
  • レクイエム

が収録されている。

ちなみにインバルは《幻想交響曲》の続編と位置付けられている《レリオあるいは生への復帰》(作曲者自身が連続した上演を指示しているにもかかわらずその機会は少ない)も録音しているのだが、なぜかこのボックスには含まれていない。これがこのボックスのマイナスポイントであると指摘する人もあるのだが、私は《幻想交響曲》の初発売時に限定生産された《レリオ》とのカップリング盤を持っているので問題ない。(好きな言葉は「初回限定」です。)まあ、廉価盤では普通に《レリオ》も手に入るようだが …

「音楽が重い」だの「抑揚に欠ける」など批判的な意見の多いこの頃(1980年代後半~1990年代前半)のインバルであるが、マーラー交響曲全集やブルックナー交響曲全集における、感情的に拘泥することなく曲の細部を見渡せる演奏はけっこう気に入っている。もっとも同じ頃にリリースされたラヴェル管弦楽作品集における《ダフニスとクロエ》はさすが重くて嫌だった覚えがあるが。

ということで、この全集を買う前に手持ちの《幻想交響曲》を聞き直してみたのだが、やはり悪くない。フランス的というよりはドイツ的だし、多くのリスナーがこの作品に期待するであろうグロテスクさや魑魅魍魎さは薄味だとは思うが、純音楽的なアプローチは明快で爽快である。第4楽章「断頭台の行進」で前半部がリピートされるのはちょっとびっくりするけれど。

今日届いたCD(ラインハルト・フリードリヒ)

Nobody Knows De Trouble I See

(CAPRICCIO 10 482)

  • ベルント・アロイス・ツィマーマン/トランペット協奏曲《誰も知らない私の悩み》
  • ルチアーノ・ベリオ/セクエンツァX
  • ヴォルフガング・リーム/無題I
  • ジャチント・シェルシ/トランペットソロのための4つの小品
  • ヴィルヘルム・キルマイヤー/途切れた別れ

先日買った《若き詩人のためのレクイエム》でベルント・アロイス・ツィマーマンという作曲家に興味を持った。その前に購入した(そしてなかなか聞けていない)「Musik in Deutschland 1950-2000」という大規模なボックスの中にトランペット協奏曲《誰も知らない私の悩み》が収録されていたので聞いてみた。このタイトルは作品に引用されている黒人霊歌から取られている。その黒人霊歌のメロディが12音音楽を経てクライマックスでビッグバンドを伴うジャズに変容してしまうのがとても面白い。

「Musik in Deutschland 1950-2000」に収録されていた演奏は少しトランペットソロが不安定に思えたので、ソロが安心できるフリードリヒの演奏で聞いてみたかったのである … が、このCDの演奏はきれいにまとまり過ぎているような気がする。高揚感を味わうには多少の荒さがあった方がいいのかな?と思ったしだい。

ベリオの《セクエンツァX》はトランペットソロと、共鳴のために音を発しないピアノ(つまり鍵盤をそっと押さえてペダルを踏んでおく)のための作品。これは申し分ない。

シェルシの《4つの小品》はあまりシェルシっぽくないなあ。もうちょっと「誰も近づけない孤高の世界」の音楽を期待していたのであるが。

衝動買い:ギーレンのマーラー

ミヒャエル・ギーレンが南西ドイツ放送(SWR)交響楽団を振ったマーラーの交響曲全集の評判がよろしいということでウェブをつらつら見ていたら、ドイツのCDショップjpc.deでダウンロード販売が9.95ユーロだった。(第1番から第9番まで全曲ですよ!)

この値段だったら「ちょっと聞いてみたい」というモチベーションで買うのも全然OKである。(CD棚のモノが増えるわけでもないので妻にもばれないし)

よく考えたら、このオーケストラは昨年買ったカンブルランの《春の祭典》でも最近聞いている「モダンを回想する」でも耳にしているオケである。

とりあえず第9番から聞き始めてみるが、醸し出される音色の多彩さに驚く。私のマーラーのリファレンスは主に(淡白と言われている)インバル/フランクフルト放送響のコンビなのであるが、それと比較して表現の幅が広い。とはいえバーンスタインのような感情的な表現ではなく、徹底的に客観的に意味付けを行っているように聞こえる。指揮者が語っているのではなく、音楽そのものに語らせているというか。

それから、このオーケストラで《春の祭典》を聞いた時にも感じたのであるが、オーケストラ自身が異質なものを異質なまま表現できる資質を持っているのではないかと思う。例えば楽器間のバランスとか、ソロで演奏する場合の音色とか、20世紀音楽が持っている「前時代の音楽とは違うもの」を慣習に抗ってそのまま提示できる能力を持っているのではないかと思う。

このオケが「現代音楽を得意にしている」というのは後付けの理由になってしまうかも知れないが、ふだんからそういう音楽に触れる機会が多いことで、マーラーの音楽が持つ分裂症的なところやグロテスクなデフォルメなどが説得力を持つのかなあ、と思ったしだい。

デュティユーかなりよい

というわけで、ヤン・パスカル・トルトゥリエ指揮BBCフィルハーモニー管弦楽団によるアンリ・デュティユー管弦楽作品全集を聞いている。

ちなみに「管弦楽作品全集」と銘打たれているものの、1916年生まれのデュティユーは存命で、この作品集は1992年から1998年にかけて録音されたものなので、それ以降に書かれた作品は収録されていない。最新作(らしい)《Le Temps L’horloge》いたっては90歳を超えてから書かれた作品である。

それはさておき、ディティユーの音楽はかなり気に入った。もちろん「ゲンダイオンガク」に属する音楽なのだが、作風は保守的といっていだろう。鍵盤打楽器も含めた打楽器の多彩さが特徴になっている部分はあるが、内容的にも形式的にも奇をてらうようなことはやっていない。

特徴的だな、と思ったのは和音の美しさとリズムの先鋭さ。

もちろん機能和声的な動きはほとんど聞き取れないのであるが、刹那刹那の響きと、それの移ろいゆくさまが官能的である。「旋律の美しさ」を聞くのではなく「組み合わせられた音の美しさ」を聞くという意味で、無調であることの必然性を感じる。しいて挙げればアルバン・ベルクに通じるところがあるのかな。

あと、最近何となく現代音楽ばかり聞いているのだが、多くがドイツの作曲家による作品である。ドイツの作曲家だけの傾向ではないのかも知れないけれど、作品が持っている律動(端的に言ってしまうとスピード感といえるのか?)があまり感じられない。かなりスタティックに音が推移していくような印象がある。デュティユーの作品には時間的に前へ前へ進もうとするダイナミズムが感じられるのである。

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ちなみにモーツァルト大全集170枚組の方はというと、内容をチェックしながらMacに取り込み中。昨年買ったホグウッドのモーツァルト交響曲全集(11枚組)でダブりがあったので、やはりチェックせずにはいられないのである。

「今までにもそんなこと(ボックスでのダブり)があったの?」と聞いて、少し考えた後「あ、全部聞いてなきゃ分かんないよね」と鼻で笑った妻。はいはい、DG111枚もブラームス大全集46枚組もCHANDOS30枚組もDHM50枚組もちゃんとチェックしますよ(そのうち)。