日別アーカイブ: 2012 年 7 月 15 日

ビートルズ巡り

前日「ビートルズの朝食、食べに行かへん?」と誘われて、ハンブルクの繁華街であるレーパーバーン周辺へビートルズ巡りに出かけた。

ご存知、ハンブルクはビートルズがデビュー前にライブ修行(まさに修行と言っていいだろう)を重ねたことでバンドとしての演奏能力を高めていったことで知られており、ビートルズの第二の故郷とでも言えるところである。

確か、ビートルズ側が販売差し止めを要求したので今後公式に発売されることはないと思うが、デビュー直後(1962年12月)にハンブルクのスター・クラブというライブハウスで行われたライブも録音されており、かつては発売されていた。あまり音質はよくないのだが演奏自体は勢いがあってかなりよい。

ハンブルクにはビートルズにまつわるスポットがいくつかあるのだが、私はといえばこちらに来た当初に「ビートルマニア」という博物館のような施設に行ってみただけだった。(ちなみに、この「ビートルマニア」は経営不振のために2012年6月末をもって閉館になったらしい。確かに値段のわりにしょぼいとは思っていたのだが … 行っておいてよかった …)

今回、いろいろ連れて行っていただいたわけである。

まずは、その「ビートルマニア」の並びにある小さなレストラン。ビートルズが朝食を食べに来ていた、というレストランで、それにちなんだメニューがあるらしいので、まずはそれを食べてみた。まあ、紅茶とハムエッグトーストという、ごく普通のものなのだが、そういえばドイツ的というよりはイギリス的な朝食メニューなのかも知れない。

その後はビートルズが演奏したことで知られている著名なライブハウス(正確に言うとそのほとんどは跡地だが)を訪ねた。

出発はレーパーバーンに面した「Beatles Platz(ビートルズ広場)」から。各メンバーを模した金属のモニュメントが立っている。もちろん、ドラムはリンゴ・スターではなくピート・ベストだし、ここには写っていないがちょっと離れたところにはスチュアート・サトクリフがいる。この通りを北に上がっていく(画像の奥方向)と、いろいろなライブハウスがある。

まずはカイザーケラー。

それから、上にも書いたスター・クラブ。裏通りに入ったところにレリーフが建っている。

インドラ。1960年にハンブルクに来たビートルズが初めて演奏した場所として有名。当時から場所は移動しているそうで、現在地は繁華街の外れにある。

レーパーバーンに面していて、いちばん立地条件のよかった「トップ・テン・クラブ」は現在ピザハットになっている。

バンビ・キノ。ビートルズが映写室の裏の狭い部屋で寝泊まりしていたという映画館である。もはや映画館の面影もないほどひっそりしているが、建物の窓には往時のビートルズの写真が飾られていたりして、わずかな「わかる人だけがわかればいい」といった感じの痕跡をとどめている。

それから、ジョン・レノンが1975年に発表したアルバム「ロックン・ロール」のジャケット写真もレーパーバーンの近くで撮影されたものだ。

アルバムジャケットを見ると、通りに面した建物の前で撮影されたように見えるが、実際には集合住宅の入り口で、正直あまり裕福でない人たちが住んでいるような雰囲気である。以下の写真にあるようなゲートを越えたところにこの建物は立っている。普通、この門をくぐって扉を開ける勇気はないなあ …

それから、車をとばしておよそ30分、ハンブルクの南にあるハイムフェルト(Heimfeld)という街へ。この街にある Friedrich-Ebbert-Hall というコミュニティホールで、ビートルズ初の商業レコーディングが行われた。すなわち1961年6月22日から23日にかけて行われた、独ポリドールへの録音、トニー・シェリダンのバックバンドとして「ビート・ブラザーズ」名義で演奏した録音のことである。

今回いろいろ調べていたところ、やはりトニー・シェリダンとの2回目のセッション(1962年)は、私の勤務先の前のオフィスの近くにある Studio Hamburg というところだということがわかった。今度行ってみようかな?

私の知人で、これらのスポットを満喫できる人がどのくらいいるかわかりませんが(笑)、これで私もガイドできるようになったのでお立ち寄りの際はご所望ください。