日別アーカイブ: 2004 年 11 月 5 日

その日に買ったもの(CD・DVD)

風街クロニクル~another side of happy end~

はっぴいえんどのメンバー(松本隆:作詞/細野晴臣、大滝詠一、鈴木茂:作曲)による作品を集めたオムニバスCD。

私はどちらかというと細野さんから遡ってはっぴいえんどに行き着いたファンなのであるが、この作品集での大滝詠一作品の存在感は圧倒的である。細野作品がわりと歌い手に合わせて作風を変えているのに対して、大滝作品は誰が歌っても「大滝節」が聞こえてくる。

全体的には曲によってリマスタリングの違いが気になるところがあったり、メンバーのソロが入っていたり(あくまでも他者に提供した作品だけにして欲 しかった)しているのが若干気になるところであるが、記憶の中にだけ存在していたこれらの作品をちゃんとした形でまとめて聞ける形になったのはとてもうれ しい。

最近はソニーの紙ジャケラッシュがすさまじい。また年代的には70年代から80年代のアーティストに移行しつつあるので、リアルタイムに聞いていた音楽が多くなってきている。

ビリー・ジョエルは、ちょうど洋楽を聞き始めた頃に《ストレンジャー》が流行っていて、何とかエアチェックされているのを聞こうとがんばっていた記憶がある。《素顔のままで》(紙ジャケの帯では《そのままの君が好き》という邦訳になっている。まあ、こっちの方が Just the way you are に近いな)が評判が高いようであるが、個人的にはちょっとすかしているなあと思う。それよりも、シンプルな《ピアノ・マン》とか《オネスティ》あたりが好きな曲である。

ノーブル・エレメンツ

「やっと出た」という感じの中山鉄也さん指揮のヘリオトロープ・ウィンド・シンフォニーのCD。

その日に買ったもの(本)

とある本を探しに書店へ行ったところ見つからず。癪だったので全然別の本を買ってしまった。

ストレンジ・デイズ12月号増刊 アーティスト&ディスク・ファイル・シリーズ Vol.5『カンタベリー・ミュージック』

最近お気に入りのカンタベリー・ミュージックを特集した本。このシリーズは過去にも『イエス』や『キング・クリムゾン』や『クイーン』などが出ているが、対象アーティストとその周辺を俯瞰した文章と、カラーページを豊富に使ったアルバム紹介でなかなか読み応えがある。

ということで、このシリーズを読むとさらに興味対象が広がってしまうところがいいところというか罠というか …..

シベリア鎮魂歌 香月泰男の世界

久しぶりに見かけた立花隆さんの新刊。香月泰男さんについてはこの本を手にするまで名前も知らなかったのであるが、シベリアでの抑留体験に基づいた 57点にも及ぶ絵画「シベリア・シリーズ」を残した画家だそうである。この本には小さいながら全ての図版が載っているのであるが、黒を主体としたプリミ ティブな造形からは確かに抑圧された怒りや悲しみのようなものを感じる。

前書きでこの「シベリア・シリーズ」がいかに鮮烈なものであるかを立花隆さんが熱く語っているので、否が応でも先に読み進む意欲が湧く。

また、立花さんは「実物を見なければ、この『シベリア・シリーズ』を体験したことにはならない。」と繰り返し書かれている。幸い、11月から静岡県立美術館でシリーズ全点を含む特別展が開催されているらしい。ぜひ見に行かなければ。

(全点を所蔵している山口県立美術館では展示面積の関係で一度に全てを展示することができないらしく、こういう機会でないとこのシリーズを全点鑑賞することは不可能なのだそうだ。)