月別アーカイブ: 2013年6月

最後のお誕生会

息子は夕方から Gabriel の誕生日パーティーへ出かけて行った。

妻と、Gabriel のお母さんであるところの Agnese の会話によると、Gabriel のお父さんであるところの Robert が facebook 経由で私に招待状を送ったらしいのだが、残念ながらそれは届いていない。

確認のため、昨日妻が「招待状が届いていないんだけど、明日パーティーに行ってもいいかねえ?」というメールを書いたらさっそく Agnese から電話がかかってきて、Gabriel が手書きの招待状を持って来た。

誕生日のメインイベントはサッカーと Robert 特製のピザ(Gabriel 家はイタリアのヴェローナ出身。イタリアではピザは男の料理なのだそうだ)、サッカーができる格好で来てね。ということだった。Gabriel は息子よりも2歳年上なので、当然集まる子も年長の子が多い。その中で揉まれながらサッカーをやっていたようだ。

やはり心配なので、階上にあがって時々 Gabriel 家の庭の様子を見る。「O-TO-KO-NO-KO!(男の子)」という叫び声が聞こえたので、あとで息子にたずねると「日本語で Junge って何て言うの?と聞かれたので教えてあげた。」と言っていた。

閉会時間は 8 時。日本へ帰ることをちゃんと Gabriel 一家に挨拶したかったので、8 時頃に妻と二人で息子を迎えに行く … が、そんな時間に終わるわけがない。息子たちはサッカーを続け、息子を迎えに来た大人たちは息子たちが食べ荒らした食卓に座ってワインを傾けながら駄弁っている。

どうも話がうまく伝わっていなかったらしく(どこかで Juni (6月)と Juli (7月)が間違って伝わったらしい)、「え、もう来週日本に帰るの!?」みたいな話になってしまった。

以前、私や妻が Agnese と話した時にはしんみりしてしまって、Agnese は “schade …” (残念だ)を繰り返していたし、Gabriel が大泣きしたことも聞かされた。私も自分のことよりも何よりも、彼らが引き裂かれてしまうことがいちばん悲しい。

今日はバタバタしていたのでしんみりする暇もなかったのだが、かえってそれがよかったのかも知れない。facebook でメッセージを書くよ、とか、息子が一人で遊びに来るかも知れないからその時はよろしくね、とか明るく挨拶ができた。

まあ正直言って、日々に追われてこの関係をいつまで保てるのか自信がないが、また家族で会える日が来れば、と思っている。

後任者来たる

4/1 に出た正式な帰任辞令から2ヶ月、今日から後任者が着任した。

プライベートな面は大方整理がついているのだが、本業でも日本への帰国が具体的にカウントダウンを始めることになる。

(私の時もそうであったように)新任者をホテルに迎えに行き、社内に招き入れ、差し当たり必要な人(人事担当であったり、直属の上司になる人であったり)と顔合わせをする。

夜は、ささやかなウェルカムパーティーと、たまたま同じ日に入社25周年の記念日を迎えた Stefan のアニバーサリーを兼ねてディナーに。中央駅近くにあるタイ料理レストラン「Sara Thai」。

6/1 の徒然

(また一ヶ月空いてしまった …)

午前中は、まずハンブルガーSVの本拠地であるアイエムテック・アレーナ (Imtech Arena) へ。ハンブルガーSVが主催している「アレーナ・トレーニング」に息子が参加するためである。

ブンデスリーガのシーズンも終了したので、スタジアムはほとんど使われておらず、このシーズンオフには芝生のメンテナンスが行われるものと予想される。その前にいろいろな人たちに実際にピッチに立つ体験を提供する … という意図なのだと思われる。

各参加者の枠は55分。週末はほぼ一日中、それから平日の夕方にもいくつかの枠が設定されている。息子は今日の10:50〜11:45の枠を申し込んだ。ピッチに立つことができるのは(お金を払った)参加者のみ。保護者などはスタンドから観戦することになる。

おそらく、昨年の夏に一週間参加した「HSV サッカースクール」と同じような流れだと思うのだが、いくつかの異なる練習方法を次々に回って体験するような形になっている。息子が所属したグループ(10人くらいいた)の場合、

  • 少人数(息子の場合2対2)のミニゲーム。
  • シュート練習。ドリブルをして持ち込むパターンと、ちょっと離れたところからミドルシュートを打つパターン。シュートをした選手はそのままゴールキーパーの位置に入り、ゴールキーパーを終えたらボールをドリブルしながらシュートする位置に戻る。
  • 1対1での練習。チームは2つに分かれ、かなり小さなフィールドの左サイドバックの位置でそれぞれ待機する。コーチが真ん中にボールを出すので、お互いにそれを取りに行き、相手をかわしながらシュートまで持ち込む(最初にボールを取れなかった選手は相手からボールを奪おうとする)。

という練習内容をそれぞれ15分から20分くらい行っていた。

HSVサッカースクールの時のように言葉の壁が少し心配だったが、コーチも身振り手振りで教えてくれたので問題なかったようだ。息子もシュート練習の合間に同じチームになった子と話をしていたようだし、帰り際挨拶もしていた。こういうところを見ると、息子の適応力は本当に素晴らしいと思う。日本に帰った後も続くといいのだが、おそらくだいぶ勝手は違うのだろうなあ。

その後、ヘアカットや買い物のためにハンブルク中心部へ。ヘアカットは日本へ帰る前日にも行くことにしてあるのだが、特に息子はそれまで耐えられないようなので今日行くことにした。私も少し短めにしてみようと思っていたし。

そして、そのあとはハンブルクでの家族に記念写真を撮りに行った。個人的にはアルスター湖にかかるロンバルト橋の上からアルスター湖越しにハンブルク市庁舎を見る風景が好きなので、これをバックに撮りたかった。構図を変えて何枚か撮影して映りを確認したのだが、どの写真もかなり神妙な顔をしていたので、最後にもう一枚笑った写真を撮ろう、ということになった。結果的にこれがベストショットになった。

夜は、ベルリンで行われたDFBカップの決勝戦をテレビ観戦。日本でいうと天皇杯のようなものか。一発勝負のトーナメントなので、意外なチームが勝ち上がって来るケースも多い。バイエルン・ミュンヘンはブンデスリーガも制し、UEFAチャンピオンズリーグでもドイツ勢同士の決勝戦を制し、順当に勝ち上がってきた。片や酒井や岡崎を擁するシュトゥットガルトは今季ブンデスリーガ12位。組み合わせに恵まれたという要因もあるが、正直意外な決勝進出である。

やはり実力差は明らかで、先週のUEFAチャンピオンズリーグ決勝戦に比べると少々つまらない。前半終了時は1-0でバイヤンがリード、後半の早いうちにさらに2点追加し、勝負は決まってしまった。

ただ、このあと投入された酒井と岡崎が得点にからむ活躍をしたので日本人としてはうれしい。1点目は酒井が放り込んだクロスから生まれたし、2点目はバーにはじかれた岡崎のミドルシュートから生まれた。岡崎はこのあとも何回かヘディングのチャンスがあったのだが決め切れなかった。正直それまではかなりかったるい試合運びだったのだが、「ここぞ」という時に攻め込んで、そしてちゃんと点を取れるシュトゥットガルトの攻撃力が魅力的だった。確か、先シーズンだったか先々シーズンだったかもそういった試合運びでかなり上位まで食い込んでいたように記憶している。

というわけで、結局3-2でバイヤンの勝利。ドイツのチームでは初の三冠となるそうな。怪我人を何人も抱えていて(例えばドイツ代表のバートシュトゥーバーやクロース)のこの成績はすごい。また、これだけの成績を残したハインケス監督も今シーズン限りでの勇退が決まっており、来シーズンからは一昨年までバルセロナで指揮を執っていたグアルディオラが監督になる。(ハインケスはレアルに行くらしいが …)