日別アーカイブ: 2012 年 1 月 8 日

R.I.P. 林光 / W.フランシス・マクベス

林光さんが亡くなったそうだ。昨年自宅で転倒されて、それ以来意識不明の状態が続いていたらしいが …

2009年、当時所属していた吹奏楽団で邦人作品を特集することになって探し出してきたのが、氏がヤマハ吹奏楽団のために書いた吹奏楽作品《プロメテウスの火》だった。事務所に問い合わせて快く楽譜をお借りすることができた。(というか、ヤマハ吹奏楽団から借りた方が早いと思うのでそうしてくれ、と言われたのであるが …)結局、本番の数ヶ月前に海外赴任が決まってしまったので本番で振ることはできなかった。技巧的にはそれほど難しくないのであるが非常に味わい深い作品である。どこか録音しませんかね …

それから、同じくヤマハ吹奏楽団のために書かれた作品で《ユーフォニウムと吹奏楽のための架空オペラ組曲》という作品もある。初演時のコメントによると、(管弦楽作品を書く作曲家にはありがちなことだと思うのだが)「ユーフォニアムをどう使うか考えあぐねていた」そうで、「それならば独奏者として使えばいいのではないか。ちょうどヤマハ吹奏楽団のユーフォニアム奏者はとても上手だし。」ということで書かれたのがこの作品である。

あと、個人的にはやはり無伴奏合唱のための組曲《原爆小景》が印象に残る。最初にこの曲を知ったのは高校時代で、私が通っていた高校の合唱部が第1曲「水ヲ下サイ」を取り上げた。カタカナで書かれた直接的な歌詞がショッキングだった。

これは東京混成合唱団によるライヴ録音。

この時は、まだ《原爆小景》は第1曲「水ヲ下サイ」第2曲「日ノ暮レチカク」第3曲「夜」という3曲構成だった。のちに第4曲「永遠(とわ)のみどり」が追加され、最終的には4曲構成となる。

4曲構成の版による録音もあるのだが、私はこちらの演奏が好きである。あまりエモーショナルにならず、客観的であるからこその説得力があるように思う。

アンコールとして演奏された武満徹の《死んだ男の残したものは》もいい。こちらは原曲のメロディを大胆に崩してエモーショナルに歌っている。

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とか書いていたら、吹奏楽作曲家のW. フランシス・マクベスも亡くなったそうで …

私くらいの年代の吹奏楽経験者だったら、彼の作品を演奏したことがない人はいないだろう。《聖歌と祭り》《カディッシュ》《マスク》などなど …