有休を取って、東京国立近代美術館で開催されている「アンリ・カルティエ=ブレッソン 知られざる全貌」を見に行く。
ブレッソンといえば、「決定的瞬間」の代名詞ともいえるこの作品がいちばん有名なのかな? やはり、印象としてはヨーロッパ、スペイン内戦とか第二次大戦中/戦後の各国の様子とかを撮影した作品が頭に浮かぶのであるが、今回はその他の国々を訪問して撮影された作品をあらためて認識したしだい。
例えば、1947〜1948年のインドでは暗殺される直前のガンジーに接していたり、彼の葬儀に立ち会っていたりするし、1949年の中国では国共 内戦に敗れた国民党が逃走する現場に立ち会っていたりするのだ。「日本で行なう展覧会では日本を撮った作品を展示するのがエチケットだ」ということで日本 を撮影した作品もある。
日常を切り取るということは、その被写体全てを撮影者がコントロールできるわけではないということである。にも関わらず、彼の写真には全ての被写体が「そう撮影されること」を必然的に自覚しているようなたたずまいがあるのである。
世界各地で撮影された作品、それらが掲載された雑誌、個人的な記録写真、デッサン、映像作品など、ほぼその生涯を網羅できる大規模な展示である。駈け足気味で見たのであるがそれでも2時間かかった。
その後、常設展示に古賀春江の「海」があることを思い出し、昼食を取ってから見ることにした。日本人によって書かれたシュールレアリスム絵画の傑作である。
また、同じフロアに岸田劉生とその娘麗子に関する資料がいくつか展示されていたので見てみる。麗子というのは、あの泣く子も黙る「麗子像」のモデルである。 麗子の写真(絵よりずっとかわいい)や、劉生の日記、劉生が麗子に当てた手紙などを見ていると、「麗子像」だけでは知ることのできない父親から娘への温かい愛情がよくわかる。
その後、新丸ビルにてカバンを衝動買い。 いやあ、都会ってやっぱりいいですね。