クパティーノ日記(その5)

とりあえず業務は無事終了。

周りに何もないクパティーノにいてもやることがないので、その日のうちにサンフランシスコに移動することにした。

5時過ぎにタクシーでクパティーノを出る。 ドライバーはインド人のおじさん。 「私は人々が歩いているのを見るのが好きなので、車ばかりのシリコンバレーは嫌いだ。」と言っていた。

渋滞でなかなか進まなかったが、6時30分くらいにサンフランシスコに到着。 当然サンノゼのドライバーはサンフランシスコのダウンタウンのことはあまり知らない。交差点で隣にいる自動車に道を聞きながら無事ホテルにたどり着いた。 (ジム・ジャームッシュの「ナイト・オン・ザ・プラネット」を思い出す。)

時間が合えば行こうと思っていたサンフランシスコ交響楽団の演奏会(8時開演)に行けそうなので、チェックイン後着替えてすぐに外出。そのために会場であるデイヴィーズ・シンフォニー・ホールの徒歩圏内にホテルを取ったのだ。

7時からのプレトークにぎりぎり間に合った。 副指揮者が曲の断片を流しながら、演目の聞きどころを紹介してくれる。

  • ミリ・バラキエフ/交響詩《ロシア》
  • ケヴィン・ヴォランス/アトランティック・クロッシング(大西洋横断)−ピアノと管弦楽のための(世界初演)
    • マルク・アンドレ・アムラン(ピアノ)
  • ドミトリ・ショスタコーヴィチ/交響曲第5番

席はいわゆる「テラス席」を取った。下手側(ステージに向かって左側)の指揮者のほぼ真横。マイケル・ティルソン・トーマスの振り方も管楽器奏者の演奏する様子もよく見える。

ヴォランスのピアノ協奏曲はソリストとオーケストラの超絶技巧が楽しめた。変拍子の中でパルスが刻まれ、その中でピアノは延々と細かい音符を引き続ける。 CD 出ないかな?場所的にピアノの音が聞こえにくかったので聞き直してみたい。

しかし、オケってこんなに音がでかいんだっけ? 私がオケを聞くのはほとんど浜松アクトシティの大ホールなのだが、ここまで弦の音が固まりとして聞こえてくることはあまりないように思う。 会場によるものなのか、オケによるものなのか。

さて、ショスタコ。 全体的には淡白なテンポ設定なのだが、第1楽章のクライマックスや第4楽章のコーダなどでは思いっきりテンポを落としているのが印象的。特に第4楽章のコーダは金管いじめとしか思えないほど重々しい「強制された歓喜」になっている。

終演後、アムランによるサイン会があった。 ミーハーな私はメトネルの作品集を買ってサインしてもらう。

結局、サンフランシスコではコンサートホール以外のどこにも行けなかったなあ …..

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