とある本を探しに書店へ行ったところ見つからず。癪だったので全然別の本を買ってしまった。
ストレンジ・デイズ12月号増刊 アーティスト&ディスク・ファイル・シリーズ Vol.5『カンタベリー・ミュージック』
最近お気に入りのカンタベリー・ミュージックを特集した本。このシリーズは過去にも『イエス』や『キング・クリムゾン』や『クイーン』などが出ているが、対象アーティストとその周辺を俯瞰した文章と、カラーページを豊富に使ったアルバム紹介でなかなか読み応えがある。
ということで、このシリーズを読むとさらに興味対象が広がってしまうところがいいところというか罠というか …..
久しぶりに見かけた立花隆さんの新刊。香月泰男さんについてはこの本を手にするまで名前も知らなかったのであるが、シベリアでの抑留体験に基づいた 57点にも及ぶ絵画「シベリア・シリーズ」を残した画家だそうである。この本には小さいながら全ての図版が載っているのであるが、黒を主体としたプリミ ティブな造形からは確かに抑圧された怒りや悲しみのようなものを感じる。
前書きでこの「シベリア・シリーズ」がいかに鮮烈なものであるかを立花隆さんが熱く語っているので、否が応でも先に読み進む意欲が湧く。
また、立花さんは「実物を見なければ、この『シベリア・シリーズ』を体験したことにはならない。」と繰り返し書かれている。幸い、11月から静岡県立美術館でシリーズ全点を含む特別展が開催されているらしい。ぜひ見に行かなければ。
(全点を所蔵している山口県立美術館では展示面積の関係で一度に全てを展示することができないらしく、こういう機会でないとこのシリーズを全点鑑賞することは不可能なのだそうだ。)