映画「ベジャール、バレエ、リュミエール」を見る。稀代のバレエ振付師モーリス・ベジャールの新作「リュミエール(光)」が上演されるまでを追ったドキュメンタリーである。
原題は「B comme Bejart」。「いろはのい」ならぬ「ベジャールのB」という意味である。またこのバレエで使われているバッハ(Bach)と2人のシャンソン歌手バルバラ(Barbara)とジャック・ブレル(Jacque Brel)の「B」でもある。
この映画はリヨンの古代ローマ闘技場(もちろん野外)で行われた初演に、それに至る練習風景やバレエ上演中に流された映像の編集の様子などがインサートされながら進行していく。
最初から最後までほとんど同じテンポと構成ですすんでいくので、ドキュメンタリーとしてはかなり淡々としている。また上演自体がそのドキュメンタリーによって寸断されているので、バレエとしても入り込めないうちに映画が終わってしまったように思える。
素材としては申し分ないのだから、もっとうまい作り方があったんじゃないのかなあ?最初に流れた「ボレロ」にいちばんワクワクしてしまった。