日別アーカイブ: 2004 年 9 月 19 日

空軍バンドのリンカンシャー

SONGS OF THE EARTH/アメリカ空軍バンド (BOL-9706)

待望のアメリカ空軍バンドの自主制作CD。何度も競り負けていたCDでやっと落札することができた。

《リンカンシャーの花束》(グレインジャー)、《ウィリアム・バード組曲》(ジェイコブ)、《シンフォニック・ソングス》(R.R.ベネット)など渋めのオリジナル作品を中心とした選曲。

やはり目当ては空軍バンドが演奏する《リンカンシャー》である。木管群の弱音の音色に独特のソノリティを感じる。弱音でも陰に隠れることなくしっかりと自己主張しているので、それがこのバンド全体としてのサウンドにつながっているのではないか。第5楽章などアゴーギクで少し不自然な点を感じないわけではないが、全体としては極度にシャープにまとまった演奏である。レイニッシュによるRNCMウィンドオーケストラによる名盤(やはりこの演奏の《リンカンシャー》ベストの座は揺るがない)をさらにきつくフォーカスしたような演奏である。

第6楽章はRVWの《イギリス民謡組曲》でも使われている民謡《グリーン・ブッシュ》が延々と演奏される変奏曲なのであるが、旋律ではない副声部の特徴を際立たせることによって楽章全体のクライマックス感を生み出しているのが面白い。これは新しい発見。

あとは「I AM AN AMERICAN」(BOL-0104)を手に入れれば、アメリカ空軍バンド(吹奏楽編成)の自主制作盤はほとんど手に入れたことになるのではないかな(たぶん)?お持ちの方で余っている方はぜひお知らせください。こちらのダブリと交換しましょう。