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「10ミニッツ・オールダー」視聴(その1)

10ミニッツ・オールダー コレクターズ・スペシャル [DVD]

少し時間が出来たので、先週購入した 「10ミニッツ・オールダー」 のDVDを見る。短編集だとこういう時に「つまみ見」ができるので助かる。8編が収録された第1部「トランペット」から見始める。収録順にアキ・カウリスマキ、ヴィクトル・エリセ、ヴェルナー・ヘルツォーク、ジム・ジャームッシュまで。

(ヘルツォークの作品だけは違うのであるが)上記の他の作品は基本的には作品の長さと等しい10分間の物語である。日常的な時間の流れから10分間だけを切り取り、そこに小さなドラマを提示している。ストーリーはあってないようなものなのだが、それぞれの監督が切り出す10分間のシチュエーションにも個性があって楽しめる。

カウリスマキの作品は、そこはかとなく漂うユーモアがジャームッシュの作風に近いところも感じる。エリセの作品はある家族の物語。内容はちょっと怖い。様々な情景をモンタージュしながら時間を進行させてゆく。モノクロームでありながら美しい映像である。ヘルツォークの作品は、ブラジルの未開民族を発見するというドキュメンタリー形式で取られているのだが、そもそもこれが事実なのかフィクションなのかよくわからない。ジャームッシュの作品は、ある女優が撮影の合間にトレーラーハウスの中で過ごす10分間の休憩シーン。グールドが弾くバッハの《ゴルトベルク変奏曲》(ちなみに死の直前に録音された新盤)をBGMに様々な関係者が訪ねてくるエピソード。