Category: CD/DVD

  • 京都でザッパ

    やっぱり京都へ行くとJoe’s Garageに寄りたくなる。銀閣寺行きバスで京大農学部前下車。 まずは久しぶりにマイルス・デイビスのブートレッグを眺める。そもそもマイルスのブートレッグを置いているような店に入るのが久しぶりだ。以前はいわゆる「黄金のクインテット」(しかし、このネーミングは何だかな)のライブを集めていたのだが、最近はいわゆる「電化マイルス」(このネーミングもちょっと変)の方に興味が移っている。 「マイルスを聴け!」やいろいろな掲示板で話題になっていた《Another Unity》を見つけたので買うことにした。1975年の東京厚生年金会館でのライブ。この年の大阪公演は《アガルタ》《パンゲア》という公式盤で発表されているが、それに勝るとも劣らない演奏らしい。この年以降マイルスは6年間の演奏活動停止に入るわけなので、「ジャズの最先端を走り続けてきた」マイルスの総決算とも言える時期の演奏なのである。(活動再開後のマイルスも嫌いではないのだが、やはりこの時期と比べると「ぬるい」。)それからワーナーから発売予定だったボックスセットに収録予定だった未発表音源集の《Black Album》も買ってみた。あったら買おうと思っていた音楽活動停止中の音源集(活動停止と言いながらスタジオでの録音は続けていたらしい。TDKのCMに出演した際の録音も含まれているらしい)は残念ながらなかったようだ。 あと最近気になっているフランク・ザッパを何枚か。ちなみに「Joe’s Garage」というお店の名前はザッパのアルバムのタイトルから取られている。前にも書いたように、お買い上げ袋はヴェルヴェット・アンダーグラウンドの「バナナ」(by アンディ・ウォーホール)なのであるが。 ザッパは非常に守備範囲の広いミュージシャンで、さまざまなスタイルの音楽についてのアルバムを発表している。したがって全貌というものを把握しにくいわけで、出会いとなるアルバムによってその印象がかなり異なる。私の場合、最初に買った《フィルモア・ライブ》は普通のアメリカン・ロックのようでいまいちピンと来なかったし、ピエール・プーレーズがアンサンブル・アンタルコンタンポランを率いてザッパ作品を演奏した純然たるクラシック作品集《パーフェクト・ストレンジャー》も「まあ、こんなもんかな」という感じだったし、それほど注目すべきでもないなと感じていた。そんな認識が変わり始めたのが、《ホット・ラッツ》や《ジャズ・フロム・ヘル》といった、いわゆる「ジャズ・ロック」という範疇に含まれるインストゥルメンタルものを聴いてからである。特に後者はほとんど打ち込みによる変拍子ジャズなのであるが、打ち込みゆえのクールさがとてもかっこよい。そんなわけでちょっと深く入り込んでみようと思っているしだい。(しかしアルバム全部集めると60枚くらいあるんだよな …) あとは、なかなか地元で見つけられなかった紙ジャケを。上記ヴェルヴェッツの「バナナ」の姉妹編とも言えるニコの《チェルシー・ガール》とヒプノシスのデザインが面白いキャラヴァンの《カニング・スタンツ》。

  • ベンソン/マクベス

    久しぶりに海外のショップから楽譜とCDを買った。 まず、ウォレン・ベンソンの《落葉(Leaves are falling)》のフルスコア。ウォレン・ベンソンは日本ではほとんど注目されていないが、アメリカではその作品の多くが吹奏楽の重要なレパートリーとして位置付けられている作曲家。 この《落葉》はリルケの詩「秋」に基づく作品で、今から40年ほど前に書かれた。後半で賛美歌《神はわが砦》が引用されている。複調やポリメー ター(この作品は 4/4 拍子と 6/4 拍子が同時進行する)といった技法が舞い落ちる木の葉をうまく写実的に表現している。とはいえ、精神的に非常に深い内容を持った感動的な作品である。 音源はおそらく委嘱者であるイーストマン・ウィンド・アンサンブルが CENTAUR という非常にマイナーなレーベルに録音した盤が唯一のものではないかと思うが、これも現在は廃盤になっているそうである。 正直、吹奏楽作品のスコアを見てこれほどまでの畏敬の念を感じたのは初めてである。例えばシュワントナーの《…そして、どこにも山の姿はない》 もかなり衝撃的なスコアであるが、これは内容よりも表現が先走っているような気がする。この《落葉》が表現しようとしているとてつもなく深い世界を音にす ることができるのだろうか?次回の定期演奏会の候補曲として考えていたのであるが、大きな期待と不安を抱えている。 あとはサザン・ミュージック・カンパニーからリリースされているフランシス・マクベスの自作自演集「McBeth conducts McBeth」。とりあえず3枚購入したのであるが、Vol.3 は近作なので、おそらくサザンの無料サンプルと同一音源なのではないかと思われる。それよりも貴重と思われるのは Vol.1 と Vol.2。《神の恵みを受けて》(かの市立川口高校の圧倒的名演が懐かしい)や《第七の封印》などなかなか聞くことができなかった大作が収録されている のが楽しみ。

  • イエス/ビル・エヴァンス/ピーガブ

    イエスの「こわれもの」(DVDオーディオ)、ビル・エヴァンスの「ワルツ・フォー・デビー」「ポートレイト・イン・ジャズ」、ピーター・ゲイブリエルの「III」をゲット。 [rakuten]warnermusic:10009904[/rakuten] [rakuten]auc-avscy:10001942[/rakuten] [rakuten]joshin-cddvd:10317591[/rakuten]    

  • スティーリー・ダンの「彩(エイジャ)」をゲット。 [rakuten]murauchi-dvd:16686940[/rakuten]

  • COMPUTE, COMPUTE, COMPUTE

    坂本龍一の非売品CD「COMPUTE, COMPUTE, COMPUTE」をゲット。京セラのコンパクトカメラ「SAMURAI」のための作られた曲で、昨年リリースされたベスト盤にも収録されていなかった音源である。  

  • マイルス/矢野顕子

    マイルス・デイヴィスの箱「コンプリート・ジャック・ジョンソン・セッションズ」と、矢野顕子のピアノ弾き語りベスト「ピヤノアキコ。」をゲット。 [rakuten]hmvjapan:10387213[/rakuten] [rakuten]hmvjapan:10297775[/rakuten]

  • 国体リハーサル

    朝から国体開始式のリハーサル。 演奏する我々としては、この日が初めてだった独唱者との合わせ以外は特に問題なし。優勝旗返還や永年出場者表彰の際に演奏する《得賞歌》は曲を切るタイミングがわからないので不安といえば不安なのであるが、まあ歩く距離や時間なんかは会場へ行かないとわからないから当日になってみないとどうにもできませんね。というわけで、10/25(土)にアクトシティ中ホールで本番。また早起きだ(涙)。 ***** イエスの「ドラマ」と「ロンリー・ハート」の紙ジャケCDが到着。「ドラマ」の時にはイエスの中にバグルス(トレヴァー・ホーンとジェフ・ダウンズ)がいたわけで、このアルバムに収録されている《レンズの中へ》は、バグルスの2枚目のアルバム「モダン・レコーディングの冒険」にも収録されている。 [rakuten]booxstore:10133084[/rakuten] [rakuten]warnermusic:10009913[/rakuten]

  • オンド・マルトノ・レクチャーコンサート

    前回のテルミンに引き続き、オンド・マルトノのレクチャーコンサートを聞きに浜松市楽器博物館へ。 講師兼演奏者は日本のみならず世界を代表するオンド・マルトノ奏者である原田節(ハラダタカシ)さんである。オンド・マルトノが使われている曲で 真っ先に思い出すのはメシアンの《トゥランガリラ交響曲》である。この作品ではピアノとともにソリスト的な役割が与えられている。原田さんとオンド・マル トノとの出会いもこの曲であったらしいし、原田さんはシャイー/コンセルトヘボウの録音でソリストを務めている(この録音は残念ながら未聴)。 オンド・マルトノという楽器に対する私の印象は、この作品での使われ方のようにポルタメントが多用された(リボンコントローラーによって音の間を滑 らかに移動できる)甘美な旋律を受け持つ単旋律(同時に一つの音しか出せない)の楽器というものだった。この既成概念を完全に払拭したのが、トリスタン・ ミュライユが作曲した2台のオンド・マルトノのため《マッハ2.5》という作品である。2台のオンド・マルトノで微妙に異なる音程(微分音)を演奏するこ とによって生じるうねりや、「メタリック」と呼ばれるスピーカー(詳細は省略しますがオンド・マルトノは最終的に出力するスピーカーを演奏者が選択するこ とができます。それによって残響の音色もコントロールすることができるわけです。「メタリック」と呼ばれるスピーカーは銅鑼の真後ろにスピーカーを設置し たもので、当然金属的な残響を生み出します。)から出力される音は、もはや「ノイズ」とか「音響系」とか呼ばれるジャンルに近い。クセナキスやシュトック ハウゼンの電子音楽に興味を持っている人ならきっと愉しめるのではないかと思う。 これはサイン目当てに会場で購入したCD「In The Garnet Garden」にも収録されていた。 ***** その帰り、タワーレコードでピーター&ゴードンの紙ジャケ「ピーター・アンド・ゴードン・プラス」を購入。 ピーター・アンド・ゴードン・プラス(紙ジャケット仕様) ちなみにピーター(ピーター・アッシャー)というのは往時ポール・マッカートニーと付き合っていたジェーン・アッシャーのお兄さんらしい。かのビー トルズ・ナンバー《抱きしめたい》はジェーン・アッシャーの家の屋根裏部屋で書かれたというのがビートルズ・マニアの間では定説になっている。そんな人間関係もあってか、レノン=マッカートニー作品(実際にはポールだけが書いたんだろうけど)が何曲か収録されている。ビートルズ初期のコーラス・ワークに似 た、いかにも「イギリス」という感じのグループである。 ジャケットには二人が写っているのだが、どちらがピーターでどちらがゴードンか知らない(^_^;)。その程度の認識しかない私がこのCDを買った のは、《アイ・ゴー・トゥー・ピーセズ》という曲を聞きたかったから。もはや曲の断片すら記憶になかったのであるが、中学生くらいの時に聞いていた深夜放送(時代を感じますね)で偶然かかったこの曲の持つ雰囲気がえらく気に入ってしまったということだけはずっと覚えていたのである。中学生の英語力ではピーセズを「peaces」だと思い込んでいて「私は平和になるんだ」みたいな意味だと勝手に思い込んでいた。 それから数年後、この曲が村上春樹の最高傑作(だと私は思っている)「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」の中に登場することを知っ た。そして、決して「私は平和になるんだ」という意味ではなく「私はばらばらになる(I go to pieces)」という意味だと知った時には、その世界観の逆転に呆然としたものである(歌詞自体は全然深刻なものではないんですけどね)。この本の中で は多くの洋楽作品が登場するのであるが、《アイ・ゴー・トゥー・ピーセズ》は極めて象徴的に重要な形で使われているのでお楽しみに。

  • カラヒー/ポパーピー

    まさか店頭で売っているとは思わなかったバンド・オブ・ブラザース DVDコレクターズ・ボックス I。 バンド・オブ・ブラザース DVDコレクターズ・ボックス I オークションなどでは未だに高値で取引されているようだし、すでに分売もされていたりで、ほとんど諦めかけていた状態だった。購入したショップも週一回くらい通っているところである。なぜ今まで店頭になくて突然出てきたんだろう?まあ、とにかくうれしい。 「ボックスII」の方はほとんど特典に魅力がないので、少しはモノがだぶついているようだが、この「ボックスI」にはWOWOWでも放送されなかったドキュメンタリーが併録されているのが貴重。当事者たちの証言と(必ずしも一致はしていないだろうが)当時の映像によって、「バンド・オブ・ブラザース」で描かれていた時代を回想するような構成である。 レフト・アローン それから同じショップで見つけたので買うことにしたマル・ウォルドロン/レフト・アローンの紙ジャケ。 「♪ポパーピー〜」と吹き上げるジャッキー・マクリーンのサックス節であまりにも有名なタイトル曲を収録 … というか、それ以外の曲はほとんど印象に残らない。久しぶりに聞いたが、やはりよい。

  • ファウスト

    というわけで、紙ジャケで発売されたファウストのCDを2枚。 ファースト・アルバム(紙ジャケット仕様) もともとこのアルバムは透明のレコード(レーベル部分は銀色)、赤字で印刷された透明の歌詞カード、黒で拳(ファウストとはドイツ語で「拳」の意)のレントゲン写真が印刷された透明のジャケットというフォーマットだった。このたびリリースされた紙ジャケならぬビニジャケ(?)は、その雰囲気をかなり再現再現しているのではないかと思う。中身の方は … こういうのを「前衛」というのだろうけど、そんなに面白いとは思わない。カットアップやコラージュといった手法は今の耳にはそれほど斬新には響かないし、個人的には「ジャーマン・ロックの流れの源流の一つ」といった歴史の流れの中での位置づけしか出来なさそうだ。とはいえ、ジャケットワークだけでも価格分のもとは取れた感じ。 ソー・ファー(紙ジャケット仕様) ファースト・アルバムとは対照的に、ジャケットからディスクまで真っ黒。内容としては、まだこちらの方が音楽としてまとまっている … というか、曲が曲として成立している。タイトル曲「So Far」は執拗に繰り返される7拍子のパターンの上に様々なエフェクトがかぶせられているもの。ある意味でビートルズの「Tomorrow Never Knows」に近いかな。これは十分に刺激的で面白い。