Month: July 2009

  • 年間チケット/愛のフェスティヴァル

    えいやっ、でハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団の年間チケット(シーズンシート)を買うことにした。配布されているパンフレットを見ると、ほとんどが 興味深いプログラムだったし、毎回チケットを予約するのも大変だし、1公演38ユーロのところを10公演で285ユーロで聴けるし、何よりも先日のコン サートでのいい雰囲気を味わいたいと思ったのである。で、チケットオフィスに行って(今日はちゃんとオンラインシステムは動いていた)契約時に説明を聞い た。(何回も「これはあなたとオーケストラの間の契約である」と説明された)いろいろルールがあるらしい。 キャンセルしなければ翌年以降もずっと継続される。 予約したコンサートに行けなくなった場合は最大5つのプログラムまで変更できる。1つのプログラムでの演奏会は2回開催されるので別の演奏会に行くか、次回のプログラムに繰り越すことができる。初回と2回目の変更は無料、3回目からは変更手数料として5ユーロかかる。 ハンブルク歌劇場やハンブルク・バレエや室内楽コンサートのチケットを10%OFFで買える。(早く言って欲しかったなあ …) ちなみにこんなプログラムです。 第1回 指揮:シモーネ・ヤング ブラームス/ヴァイオリン協奏曲(ヴァイオリン独奏:五嶋みどり) メンデルスゾーン/劇音楽《夏の夜の夢》 第2回 指揮:ドミトリ・キタエンコ シュニトケ/夏の夜の夢(ではなくて) ラフマニノフ/パガニーニの主題による狂詩曲(ピアノ独奏:ルドルフ・ブフビンダー) ショスタコーヴィチ/交響曲第5番 第3回 指揮:クリスチャン・ヨスト コープランド/静かな都会 ヨスト/トランペット協奏曲《ピエタ》〜チェット・ベイカー追憶(トランペット独奏:セルゲイ・ナカリャコフ) コルンゴルト/交響曲嬰ヘ長調 第4回 指揮:ラファエル・フリューベック・デ=ブルゴス アルベニス/スペイン組曲第1番(デ=ブルゴス編曲) ストラヴィンスキー/バレエ組曲《火の鳥》(1919年版) レスピーギ/ローマの松 第5回 指揮:シモーネ・ヤング ブラームス/悲劇的序曲 ブラームス/4つの前奏曲と厳粛な歌(バリトン独唱:トーマス・クヴァストホフ) ブルックナー/交響曲第1番(リンツ版) 第6回 指揮:シモーネ・ヤング ヴォーン=ウィリアムズ/タリスの主題による幻想曲 エルガー/チェロ協奏曲(チェロ独奏:アリサ・ワイラースタイン) ナッセン/オフィーリアのダンス エルガー/エニグマ変奏曲 第7回 指揮:シモーネ・ヤング モーツァルト/アイネ・クライネ・ナハトムジーク シェーンベルク/浄められた夜 ドビュッシー/夜想曲 シマノフスキ/交響曲第3番《夜の歌》 第8回 指揮:シモーネ・ヤング ハイドン/交響曲第100番《軍隊》 カーゲル/勝ちそこないのための10の行進曲 リヒャルト・シュトラウス/英雄の生涯 第9回 指揮:カレン・カメンセック ラフマニノフ/交響詩《死の島》 シェーンベルク/6つの管弦楽歌曲(ソプラノ独唱:デボラ・ポラスキ) チャイコフスキー/交響曲第5番 […]

  • またまたベトナム料理

    金曜日はカレーブルストの日。社員食堂が閉まっているので近くの食堂まで食べに行く日である。食事中に「海外で人気があるドイツ人ミュージシャンは、ドイツ国内ではマイナーである」という話題になる。Stefan(ルチアーノ・ベリオとかルイジ・ノーノとかメルツバウとかが好きだと言っている彼です)が「CAN とかそのメンバーであるホルガー・シューカイやジャキ・リーヴェツァイトなんかもドイツだとほとんどの人が知らないけど、海外だとけっこう評価が高いし …」みたいな話を出したので、「CAN は日本でもマイナーだけど私は好きだな」「うん、CAN は偉大なミュージシャンだ」みたいな会話になるが、さすがに誰もついてこない(笑)。 今日も帰りは本格的な雨なので、中心部に行くのはやめて、帰り道の途中にある「Asia Lum」で夕食を取ることにする。来店5回目にして、初めて英語メニューが出てきた。(あるんなら、最初から出して欲しかったなあ …) 食べたのはライスヌードル。どんぶりのいちばん下にはキューリの千切りが敷いてある。その上にライスヌードルが載っていて、さらにその上に豚肉のミートボールを輪切りにしたものと、鶏肉が詰まった春巻きが載っている。そこにスイートチリソースをちょっと薄めた感じのスープをかけて食べる。ベトナム風冷やし中華というところかな。取ってつけたようなミートボールと春巻きはともかく、さっぱりしていてうまいです。スイートチリソースが底にたまるので、だんだん味が辛くなってくるのが欠点かもしれませんが。やっぱり、このお店はベトナム料理がメインと見た。

  • 北ドイツ料理

    上司と仕事の話のついでにちょっと雑談。ふだんはヘビーメタルばっかり聞いている人だが、ワーグナーのオペラも好きなんだとか。「2時間30分休憩なしでやるオペラよりは、5時間で2回休憩が入るオペラの方が短く感じるよ。」とのこと。実演を見るとそうなのかなあ。確かに《ニーベルンクの指環》の諸作を休憩なしで見るのはほとんど拷問であろう。この秋に初演が予定されているハンブルク歌劇場の《ジークフリート》も幕間に30分の休憩が2回入ることになっている。プレミアと第2プレミアはもういい席が残っていないし、修業期間が足りないので断念したが、来年くらいには見に行きたいなあ。 で、今日はちょっと街中に行って夕食を食べようと思った。ガイドブックを適当に探して「オーソドックスな北ドイツ料理」の店に決めた。カーナビに住所を打ち込んで、ほとんどそれを頼りに進む。これ、本当に便利なんだけど、こればっかりに頼っていると全然道を覚えられないんだなあ。目的地にたどりついたら、出張時によく使っていた中央駅前のホテルのすぐ隣だった … 逆方向から来ると全く景色が違うので最初は全然気付かなかった。当然その近辺に駐車スペースがあるはずもなく、ぐるぐる回ったあげくにアルスター湖沿いにたまたま空いていたスペースに停めることができた。片側3車線の道路なのでけっこう怖いです。 お店はかなり年季が入っている感じ。 車なので、当然アルコールフライのビールを。HOLSTEN だが、今まで飲んだアルコールフライの中ではいちばん風味がない感じ。 じゃがいもと何かを裏ごししたスープ。中に鮭の切り身が入っています。 例によって「ハンブルガー・パンフィッシュ」を注文しようと思ったがなさそう。似たようなメニューで、3種類の魚のグリルを注文した。まぐろと鮭とスズキですかね。サラダつき。 最近、このくらい簡単に食べてしまえる自分が怖くなっています … やはり、ソースが軽い方がいいのかなあ。この魚のグリルはバターがちょっと付いているだけです。仕上げはエスプレッソで。 決して味は悪くないんだけど、まあ場所柄としても観光客向けかなあ? 帰りがけに見つけたイチゴの屋台。(これはもう閉まったあとだけど)ここで摘みたてのイチゴを売っています。こちらのは、日本のイチゴより硬くて甘みが少ないような気がする。だから、生クリームとかアイスクリームと一緒に食べるのかなあ?ちなみに近所の「Conrad’s」にあった「旬のイチゴ&バニラアイスクリーム+生クリーム」は上記の店にもありました。

  • 雨そして自炊

    ハンブルクは天気が変わりやすい。いくら天気がよくても急に雨雲がやってきてかなりの大雨が降りだすことがあるし、逆もまた然り。「常に傘を持っていないといけない」という考え方もあるが、逆に「ちょっと待てば止むから傘を持たなくてもよい」という考え方もある。 今日は珍しく退社時間に雨が降ってきた。こういう日にアウトバーンに乗るのはかなりこわい。日本と比較するとかなり車間距離が狭いし、車線変更も頻繁なのである。ちなみに車線変更が頻繁なのは、ちゃんと遅い車は(右側通行だから)右レーンに寄り、追い越す時は必ず左から、というルールが徹底されていることの裏返しとも取れる。 ということで、雨もなかなか止まないし、こんな日は車で出歩きたくないので、アパートにある食べ物で何とかしのぐことにした。 スパゲッティのトマトクリームソース アスパラガスのスープ パン ビール(BECKS) すごく適当に作ったわりには一応食べられる水準にはできあがった。日本にいた時はずっとガスだったので、初めて煮炊きにIHを使ったのであるが、聞いていたようにかなりパワー不足。おかげでパスタのゆで時間の塩梅を失敗してしまった。

  • 田舎のイタリアン

    朝の出社時に、会社の近くの自動車修理工場に車を置いてくる。タイヤ交換が終わったら連絡してくれるのだそうだ。 昼食はフランス人の Yvan と一緒に。フランス料理のレストランの話をしてもらう。なんでこの話になったんだっけ?あ、「ハンブルクで日本料理の店を見つけたか?」とか聞かれたんだった。で、アルザス地方の料理の店とか、クレープの店とかを教えてもらう。Yvan もネイティブはフランス語なので、英語での会話はちょっと辛そう。近くのドイツ人に「crape って英語で何て言うんだっけ?」と聞いて「crape は crape だよ。」と言われたりとか(笑)。ちなみに「クレープの店には行ったことないよ。だって、自分ちでできるもん。」とのこと。 で、車が直ったので、ちょっと遠出して夕食を取ってみることにする。昼食時の会話からフランス料理を食べてみたくて、ちょっとウェブで調べたのであるが、街の中心部にあるお店が多い。駐車スペースを探すのがちょっと大変そう。それよりなにより、人気のある店は混むので予約すべし、とか書いてある。そうか、予約できるくらいのドイツ語は覚えないとなあ。 結局、ハンブルクの北にある Norderstedt という町のイタリア料理店に行ってみることにした。レビューの評判がかなりよかったのと、何よりも駐車スペースの心配がなさそうだったからである。会社から30分くらいかけてたどり着く。しかし、カーナビがなかったら絶対にたどりつけないなあ。 メニューがあったのかどうか定かではないが、基本的に「おまかせ」なのかなあ?壁にかかれているメニューを見ると、「3品メニュー」(前菜、パスタ、魚か肉)とか「4品メニュー」(3品メニュー+デザート)とか「前菜盛り合わせ」とか書いてある。一応、カメリエーレは英語が通じるみたいで、「何飲む?ビールか?ワインか?」「あ、アルコールフライのビール下さい …」「何食べたい?パスタか?」「あ、魚食べたいんですけど …」「魚か。ツナあるぞ。ツナでいいか。」「あ、ツナでいいです …」みたいな感じで、小心者の日本人はほんのちょっとの自己主張を交えつつ、ほとんど言われるがままに注文しました。 ビールはイェーファー(JEVER)のアルコールフライ。「アルコールフライ」という観点ではこの間飲んだ ERDINGER の方がおいしかったなあ。あまり風味がない。 前菜のサラダ。ドレッシングはバルサミコと何だろ?いい感じ。ルッコラはちゃんとルッコラの味がする。 メインはツナをオリーブオイルで軽く焼いたもの。それにレモンをしぼって食べる。そうそう、こういうシンプルなのが食べたかったんですよ。ミディアムな焼き加減が絶妙。 付け合わせは、やはり「ドイツ」という感じですが、少しにんにくが効いたほうれん草のソテーはうまい。なんか、満腹感は量の問題ではなくて味付けの問題のような気がしてきた。これはすんなり胃袋に収まりました(ただし、ジャガイモは除く。こんなん無理だって)。 エスプレッソを飲んでからお愛想。まあ、最近通っていたお店に比べるとちょい高いですが、適度に洗練された感じがいいかも。帰りしなキッチンの方を見ると、魚とかの素材がディスプレイされていました。これを見て選べばよかったのかも。 アパートに戻ったらハンブルク歌劇場からチケットが郵送されてきていた。ハンブルク・バレエの「ロシア・バレエ団へのオマージュ」とハンブルク歌劇場の「トスカ」。予約した時にはいい席が残っている週末を狙っていたので、日程については全然気にしていなかったのだが、よく見たら同じ週の金曜日と土曜日だった … 大丈夫なのか? …

  • パンクその後

    とりあえずスペアタイヤで会社へ。いつもはアウトバーンで通勤しているのだが、さすがにスペアタイヤではアウトバーンは走れない(制限速度80km/hまでと書いてあるし)。ということで最短距離を通る道をたらたら走る。途中から見覚えのある道に入る。出張に来た時に中央駅前のホテルに泊まって、そこからタクシーで出社した時に通った道である。 会社に行って庶務担当に相談する。「会社の近くに修理工場があるので、とりあえずそこに持って行こう。」とのこと。修理工場で様子を見てもらい、タイヤを発注してもらう。時間がかかったらどうしようかと思ったら、明日修理してくれるとのこと。 なので、今日はなるべく余計なところは走りたくない。会社からの帰り道にあるスーパーマーケットで買い出しをして、会社からの帰り道にあるアジア料理屋による。通算4回目かな?いつもはかわいい女の子の二人組が給仕をしているのだが、今日はおばさんが一人である。例によって「Sprechen Sie Englisch?」と聞いてみるが「No」とのこと。私も「ドイツ語は話せない」と言ったと思うのだが、ドイツ語でいろいろ話しかけてくる。メニューを指差しながら何となく「日本人はこのへんを注文するよ」と言っているような気がする。お米を食べたかったので、その中からお米を使っているらしき料理を注文してみる。 でてきたものはタマネギやマッシュルームや牛肉をオイスターソースで炒めたもの。ご飯はチャーハンというかケチャップご飯である。「ご飯がついているけど、これでいいか?」みたいなことを聞かれたと思うので、「Ja」とか言ってしまったら、これとは別に白いご飯を持ってきてくれた(結果的にこれはサービスだった)。確かに白いご飯の方がオイスターソースには合いますなあ。 ちなみにこのお店は中華/ベトナム/タイ料理がメニューに載っている。こういう折衷のお店は結構やばいことが多いのだが(だって、例えばお寿司と麻婆豆腐とキムチがメニューに載っている店を想像してみよう)、今までの経験上、このお店はちゃんとそれぞれの味がしている(ような気がする)。ま、中華がちょっと距離感がありますが許容範囲でしょう。

  • 少々大変な休日

    例によって洗濯しながら二度寝。こちらの洗濯機は洗濯→脱水だけでも2時間前後かかるんですよ。 昼は近所のドイツ料理店「Conrad’s」のサンデーバイキングを、と思っていたのだが、残念ながら今週はやっていないとのこと。まあ、せっかく来たので別のものを頼むことにする。昼間っから、いわゆるノンアルコール(こちらではalcholfrei、アルコールフライといいます)のビールを飲むことにする。文句あるか。先日のソフトボール飲み会で「アルコールフライのビールはうまいものとまずいものがあるので気をつけた方がいい」というアドバイスを聞いていたのだが、これはおいしい部類だと思う。 メインはmatje(にしん)の酢漬け。ハンブルクの名物料理である。前回クリームソース添えを食べた時にはいまいち好みに合わなかったのだが、今回はクリームを塗った黒パンの上に乗せた、いわゆるオープンサンドのようなものを頼んでみた。matjeだけで食べるよりはこちらの方がずっとおいしいなあ。 そのあと、日曜日はほとんどのお店が休みだし、ひょっとして街中は空いているのではないか、という判断のもと、ガソリンを補給してからちょっと車でぶらぶらする。ちなみにガソリンスタンドは休日でも開いていて簡単な食料はここで買える。日本におけるコンビニのような役割を担っているのである。セルフ給油なのでガソリンの入れ方などは同じなのであるが、料金の払い方が違う。日本ではお金を入れてその分だけ(もしくは満タン分)給油できる形だが、こちらでは後払いなので、レジに行って使った給油所の番号を申告してお金を払う。やろうと思えば「入れ逃げ」しやすいシステムだと思うんだけど、誰もやらないんですかね? で、詳細は恥ずかしいので省略しますが、結果的に右前輪をパンクさせてしまいました。幸い、パンクしたのが自宅の近くだったのでとりあえず自宅まで帰ってタイヤを交換する。ジャッキとかレンチとかが見つからずに非常に焦るが、スペアタイヤの下に隠れていた。普通トランクの内側とかについてません?会社から支給されている車なので、とりあえず明日会社に行って指示を仰ぐことにする。 もともとの予定では、ちょっと遠出して夕飯を食べようと思ったのだが、スペアタイヤでうろうろするのも怖いので、またご近所のギリシャ料理店「OLYMPIA GRILL」へ。どうやら顔を覚えてもらっていたようで、「何飲む?またWarsteinerにする?」とか言われる。今日は別のビールを。 グラーシュズッペを頼んでみるが、前回の「豆のスープ」と同じような感じ。本場ハンガリーのとはかなり違うなあ。ちょっとはずれ。メインはちょっと少なめにと思い、ピタ(なんて言うんだろ、ナンのようなものですね)とその上にギロをのせたものを頼む。構成はケバブと同じような感じになる。前回と比べると付け合わせが減っただけでメインの分量はほとんど変わっていないような気がするなあ。 最後に「何か飲むもんいるか?シュナップス(食後に飲む蒸留酒)とかどうだ?」と言われたので、優柔不断な日本人はシュナップスを頼みました。会計の間違いなのかもしれないけどシュナップスは計上されていませんでした。おごってくれたのかなあ?もう一回来て試してみよう(笑)。

  • 演奏会その2:黄金の20世紀

    前日寝たのは午前3時くらい(前日じゃねえな、当日だな)なのだが、律儀に午前8時に目が覚めてしまう。さすがにもう少し体を休めたいので、洗濯を仕込んでもう少し寝る。 今日は、まず予約した演奏会のチケット(今日の分も含めて)を引き取りに行って、そのついでにいくつか買い物、いったんアパートに戻ってきて、あらためて演奏会に出かける、という計画にした。まずはハンブルク歌劇場のチケットオフィスに行こうと思うのだが、やはりHasselbrookとBerliner Torの間のS1(Sバーンの1号線)は動いていないようなので、この間は連絡バスに乗る。Berliner Torからハンブルク歌劇場最寄りのGänsemarktまでは乗り換えなしに行ける。 ということでハンブルク歌劇場。グスタフ・マーラーが一時ハンブルク歌劇場の音楽監督として在任していたらしく(そうだったっけ?)、正面の壁にレリーフが飾ってあった。チケットオフィスは左手の奥にある。窓口によるとオンラインのチケットサービスが故障して動いていないらしくチケットの発券ができなくなっているとのこと。「今日の分はすでに発券されているかも知れない」ということで探してみてもらうが、やはりまだのようで「開演前にライスハレのチケット売り場に行ってくれ」とのこと。ううん、何しに来たんだか。演奏会案内とか機関誌をもらって帰る。 そのあとはOCSハンブルクに行ってみる。日本の商品をいろいろ売っているところである。ここで土曜日に日本風のパンを売っている(デュッセルドルフから持ってくる)ということを教えてもらったのでちょっと買ってみようと思ったのである。そのあとはデパート「カールシュタット」に。一泊旅行に使えるくらいの大きさのカバンを買う。やはり秋冬は昼の時間が極端に短くなるのでちょっとした観光には適さない。日が長い時期のうちに近場(一泊旅行圏内)の観光地は回っておこうかなと思ったわけである。以前、アメリカ駐在中の友人とメールをやり取りした時に言われたのであるが、やはりヨーロッパでは日が長い時期はアウトドアに出かけ、長い冬はインドアの演奏会とかを楽しむのではないかと。そういうわけで、これからの季節はちょっとおでかけした方がいいのかも知れない。とりあえずケルンに行ってみたいと思っているのだが。 で、いったん出直して演奏会。今日の演奏会は通常のコンサートホールであるライスハレであるが、ここも最寄り駅はGänsemarktである。少しだけお腹に入れておこうと思うがライスハレ周辺にはあまり選択肢がない。土曜日なのでそもそも空いている店が少ないのかも知れないが。ライスハレの向かいにあるイタリア料理店に入る。とりあえずお酒はやめておいてアプフェルショーレ、それからラビオリのレモンソースを頼む。お店のロケーション上、多少高めなのはしょうがないか。味はなかなかよい。(ハンブルクのイタリア料理店の多くはあらかじめ麺を茹でてあるらしいので、そういうところに比べれば …) 実はライスハレの前で簡単な食べ物や飲み物が売られていることにあとで気がついた。次回からはこれでいいや。チケットはかなりギリギリで入手できたが、あわてて別の席に座ってしまい、怒られる。 今日の演奏会は「黄金の20世紀」と題されたハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団の特別演奏会。20世紀前半に作曲された作品のうち、ジャズとか映画音楽とかに関連のある作品を集めた演奏会である。かなりリラックスした雰囲気で、鮮やかな色のドレスを着ている女性奏者もいるし、黒シャツに赤い蝶ネクタイという男性奏者もいる。音楽監督のシモーネ・ヤングはノースリーブでほとんど背中丸出しといういでたちで棒を振る。 フリートリヒ・ホレンダー/映画「嘆きの天使」のメロディによるマレーネ・ディートリヒ・メドレー フランシス・プーランク/管弦楽組曲《牝鹿》より〈アダージェット〉、〈ラグ―マズルカ〉 ジョージ・アンタイル/ジャズ・シンフォニー ベルトルト・ゴルトシュミット/管弦楽組曲より〈シャコンヌ〉、〈タランテラ〉 ドミトリ・ショスタコーヴィチ/バレエ音楽《ボルト》より〈官僚の踊り〉、〈荷馬車引きの踊り〉 ボフスラフ・マルティヌー/ジャズ ダリウス・ミヨー/屋根の上の牡牛 アルテュール・オネゲル/夏の牧歌 クルト・ヴァイル(モートン・グールド編曲)/ベルリン組曲(〈マック・ザ・ナイフ〉、〈スラバヤ・ジョニー〉、〈ビルバオ・ソング〉) ジョージ・ガーシュウィン/3つの前奏曲より第2番、第1番 アンコール スコット・ジョプリン/メイプルリーフ・ラグ マルティヌー/ジャズ (不明) シモーネ・ヤングについては名前は知っていたがその演奏は聴いたことがなかった。正直、女性指揮者ということで多少の先入観があったことは確かなのだが、そんな先入観がまったく無意味だったと思わせるくらい私好みだった。全体的にはかなり手堅くまとめているのだが、大胆に歌わせるところと、きっちりリズムを刻ませるところのコントラストが明確だし、その指示も的確、また無理にオーケストラをドライブせずに、自然に生まれる流れを大切にしているような感じである。 ちょっと調べてみたら、アンタイルの《ジャズ・シンフォニー》は前任指揮者インゴ・メッツマッハーがやっていた「Who is afraid of 20th century music?」で取り上げられていた。全般的には第1部の方がにぎやかな作品が多くて面白かった。個人的に面白かったのはゴルトシュミットの管弦楽組曲。ヘンテコなリズム・オスティナートに乗っかった作風が映画「サイコ」のサウンドトラックを彷彿とさせる。ヴァイルの作品はグールドの編曲によってちょっと毒がなくなってしまったかな。マルティヌーのジャズという作品は初めて聞いたのだが、演奏者による歌などが入っていて面白い演出。ミヨーの《屋根の上の牡牛》も初めて聞いたかな、サンバのリズムの鮮やかな部分を中心とするロンド形式(?)、あるいはこの部分とミヨー得意の複調旋律が登場する抒情的な部分が交代で出てくるような構成。 演奏会はシモーネ・ヤング自身の解説をはさんで進められるのだが当然ドイツ語。ときおりお客さんの笑いを取っているのだが、何を言っているのか全然わからないのがちょっと悔しい。アンコール一曲目ではメイプルリーフはカナダの国旗に描かれていますうんぬんかんぬん、ピッコロ奏者がカナダ出身でうんぬんかんぬんと言っていた(推測)。ピッコロ奏者がおもむろにカナダ国旗を取り出して譜面台に貼り付けて演奏スタート。そういえば「カナダ人のバッグパッカーはバッグに国旗をつけているのですぐわかる」というジョークを思い出す。 何よりもこの演奏会でよかったのは、指揮者と演奏者と聴衆の結びつきのようなものを感じられた点である。この演奏会はシーズン(2008年〜2009年シーズン)の定期演奏会を全て終えたあとでの特別演奏会、いわば「シーズン最終戦のあとのファン感謝デー」のような位置付けなのである。指揮者はコンサートマスターをはじめとする演奏者をねぎらい、演奏者は指揮者をねぎらい(当然団員から花束が送られた)、聴衆は指揮者と演奏者におしみない拍手を送る(ちなみにシモーネ・ヤングはオーストラリア出身なのでオーストラリアの国旗を振っているお客さんもいた)、といった構図に、このオーケストラがこの街(つまりこの街の人たち)に根付いていることを感じる。東京や大阪だとこういう感慨を感じることができるのかなあ?浜松では100年かかってもできない気がするが。

  • 飲み会

    昨日に増して暑いなあ。ハンブルクといえども少々蒸し暑い。こんな蒸し暑い日に部屋にこもってほぼ丸一日検討会を行う。さすがに心身共にバテバテになる。 仕事のあとは先日のソフトボール大会の打ち上げ。新入りなので顔見せのために参加させていただく。来年の参加は丁重にお断りさせていただいたのだが、トランペットで応援なんて話も出てきた。なんかトランペット3本くらいは集まるみたいで。ギタリストはいるし、ドラマーはいるし、ベーシストはいるし、ばっちりじゃないですか、みたいな話になる。 なんだかんだで7時30分から深夜12時まで飲み続けていた。問題は終電である。一応時間的には大丈夫らしいことを聞いたのだが、駅までの方向を間違えて家までたどり着けないと命に関わるので、駅までは先輩駐在員についてきてもらう。無事Uバーン(いわゆる地下鉄)で中央駅(Hauptbahnhof)まで行って、あとはSバーン(いわゆる近郊電車)に乗り換えれば最寄りの駅に着けるはず。電車の行き先も確認したし、このまま無事帰れると思って電車に乗っていたのであるが、隣のBerliner Tor駅でかなり長く止まっていた。アナウンスが流れ(当然何を言っているかはわからない)降りた人もいたが、降りない人もいる。まあ、このまま待っていればすぐに発車するだろう、と思ったのだが、扉を閉めた電車は逆に走り出して、再び中央駅に向かってしまった。中央駅で降りて、もう一度確かに最寄り駅に止まるSバーンに乗る。今回もやはりBerliner Torで何かアナウンスがあり、今度はほとんどの人が降りて行く。これはついて行った方がいいと思ってみなさんについていく。どうも立て看板を見るとHasselbrook(私のアパートの最寄り駅)までうんぬんかんぬん、バスの160番乗り場でうんぬんかんぬん、と書いてある。おそらく、そこから代行バスが出るのだろうと思って、みなさんと一緒にバスに乗ってみる。案の定、無事Hasselbrook駅近くで降ろしてもらうことができた。そこから10分ほど歩いて午前1時30分頃無事自宅に到着。心底疲れました。 どうでもいいけど、こんな時間に若い女性が瓶ビール(やはりBECKSとかHOLSTENが多かった)を持って数多く電車に乗っているのにちょっと驚きました。なので、深夜でも(酔っぱらいは結構歩いているけど(あ、私もだ))けっこう安全です。

  • お散歩2題

    暑い暑い。ハンブルクでもこんなに暑くなるのか。今日は最高気温28℃だそうな。やはり通常ではこんなに暑くなることはないらしい。 今日は体もなまっている気がしているし、午前中の仕事も煮詰まってきていたので、昼食後に、以前 Heiko に教えてもらったウォーキングコースを歩いてみることにした。会社がある地域は、以前、軍の演習場だったらしく、ちょっと建物から離れると、かなり広い敷地の中に狭い舗装道路が何本か敷かれていて(戦車の通り道だったらしい)、その周りはうっそうとした草地になっている。車は入ってこれないし、一度中に入ると道路以外は草木しか見えないので、リフレッシュにはちょうどいいよ、と赴任間もない頃に教えてもらっていたのだった。 今日もそのルートを歩いていたら、このルートを教えてくれた Heiko が乗った自転車に追い抜かれたし、上半身裸で歩いている社員ともすれ違った。けっこう利用している人は多いのかな。外を歩いたら汗ダラダラになるかと思ったら、意外に心地よい。日差しは強烈なのだが、湿度は低いし、風は涼しいし、木陰に入るとかなり快適である。 夕食は近所のドイツ料理レストラン「Conrad’s」へ。 今日飲んだのはリュプツァー(Lübzer)というピルスナー。最後に残る風味がヴァイツェンに近いような気がする。あまり苦みはなくすっきりした感じ。スープはいわゆる「ビーフブイヨン」か。いろいろなところのメニューに載っているが食すのは初めて。メインは軽く食べようと思ってカリーブルストにした。でも、これでも多いなあ。ポテトが少なめでサラダが多めなのは助かる。ソースはかなりスパイシーだが悪くない。先日食べたパンフィッシュよりは繰り返し食べたい味である。さて、メインディッシュを少なめにしたのは、この「Erdbeerbecher」(直訳すると「ストロベリーカップ」)が食べたかったから。ちなみにカップから上にはみ出しているのはほとんど生クリームです(普通こんなに要らんだろう …)。その下にバニラアイスクリームと旬のイチゴが隠れています。今日の食事は、英語が話せる女性店員のヘルプもあってかなり楽しめました。 で、そのあと近所にある公園を散歩してみようと思ったわけです。 こんな感じで門が少ししか開いていないので「入っていいもんなんだろうか?」とずっと思っていたのですが、歩行者や自転車が吸い込まれるように入って行くので、まあ、大丈夫なのだろうと。 中に入るとかなり開けている広場があって、ビール飲んだり、とうもろこし焼いたり、カップルが超ラブラブしてたり、おばあさんが独りでベンチに座っていたり、なかなかいい雰囲気です。ここも木々がうっそうとしているので、本当に意識的に「日光を浴びている」んだなあ、とあらためて思います。 今日は日差しが強過ぎるのでちょっとアレだけど、夕暮れ時にこういうところでボーッとするのもいいかも知れません。