マイルスとコルトレーンの日々 (植草甚一スクラップ・ブック)
かつてのサブカルチャーの担い手 ….. と言っていいのかな、植草甚一さんの著作が晶文社から一気に復刻される。
とりあえず、目に留まった一冊を買ってみた。
まだ「マイルスの日々」の途中なのだが、マイルスの激動の時代(アコースティックからエレクトリックへの移行期)をリアルタイムに聞いていた強み、またその中での批評眼の確かさが非常に興味深い。
マイルスとコルトレーンの日々 (植草甚一スクラップ・ブック)
かつてのサブカルチャーの担い手 ….. と言っていいのかな、植草甚一さんの著作が晶文社から一気に復刻される。
とりあえず、目に留まった一冊を買ってみた。
まだ「マイルスの日々」の途中なのだが、マイルスの激動の時代(アコースティックからエレクトリックへの移行期)をリアルタイムに聞いていた強み、またその中での批評眼の確かさが非常に興味深い。
Composers on Composing for Band
マーク・キャンプハウスによる吹奏楽作曲家についての本。音楽学者である谷口昭弘さんのホームページ「音と音楽を考えるページ」で紹介されていた。その内容が面白そうだったので注文してみた。
キャンプハウス本人も含む11人の吹奏楽作曲家に対して同じ質問をし、その結果をまとめた本である。その11人とは、
である。また、質問については、
など、かなり具体的に参考になると思われる質問が設定されている。
年内の演奏予定行事も全て終了し、ぼちぼち来年のための準備に入る。
限られた時間内で借りることのできた楽譜の音出しをしてみようということで《リンカンシャーの花束》の合奏。やはり3楽章と5楽章の変拍子は初見では無理だと思い、「1」→「2」→「4」→「6」→「5」→「3」の順に通してみることに。
特に3楽章などはもっとてこずるかと思っていたのだが(そりゃ、かなりてこずったけど)、一応全ての楽章を音にすることができたのは素直に感動。1時間弱の合奏時間、しかも初見でこれだけできたのはすごい。
しかし3楽章、5楽章は予想以上に疲れる。演奏者に音楽の流れを委ねられる部分がほとんどない。変拍子を正しく振ったり、5楽章の例の無拍子の部分のキューを出したりするのはもちろんなのだが、ほぼ毎小節何らかのキューを出さないと、きっと音楽が止まってしまうだろう。
この曲、演奏会で取り上げるにはちょっと地味(演奏が難しいわりに報われない)かなと思っていたのであるが、ラトル/バーミンガム響の演奏を聞いて少し考えが変わった。吹奏楽の演奏とは違い、それぞれの奏者がソリストであるかのように鳴らしまくっている。こういう演奏ができるといいのだが。
以前、伊藤康英さんに「渡瀬さん(フルート・ダモーレ奏者の渡瀬英彦さん)をソリストにした吹奏楽のための協奏曲って面白いアイデアだと思いません か?」というネタ振りをしたところ、「フルバンドにするとソリストの音が埋もれてしまうので難しいね。」という返事が返ってきた。
伊藤さんがそんなネタ振りを覚えていらっしゃったのかどうかわからないが、今年の筑波大学吹奏楽団の演奏会のために書かれた作品が《フルート・ダモーレ協奏曲(あるいはフルート協奏曲)》である。送っていただいたスコアが今日届いた。
フルート・ダモーレとハープがかなり活躍するし、編成もかなり小さいのでバンドもかなり荷が重そう。吹奏楽というよりは完全に管楽合奏である。
(委嘱者のNくん、これ読んでいたら録音送って下さい(_0_)。)
東京出張。
早く終わったら初台に寄って「明和電機 ナンセンス=マシーンズ展」を見たいと考えていたのだが、さすがにそんなに都合よく物事は運ばない。(再来週の出張時にはがんばろう)
結局(いつものように)タワーレコード新宿店に寄って終わりである。
Live at Tonic 1999 [DVD] [Import]
久しぶりにジョン・ゾーンの名前を見たなあ ….. 以前はショートカットでいかにもニューヨークの先端アーティストという風貌だったのだが、このDVDでは髪の毛を伸ばしていて、眼鏡を外した假屋崎省吾といった感じである。
そのジョン・ゾーンが率いる「マサダ」のライヴDVD。輸入盤だがオール・リージョン。 かなりこじんまりとしたライブハウスでの録画のようで、メンバーもかなりリラックスしているようだ。
いわゆるフリー・ジャズはあまり好きではないのだが、ジョン・ゾーンがやっている音楽はけっこう好きである。この「マサダ」はジョン・ゾーンの音楽 の中でも「真っ当」な方になるだろう。(「ペインキラー」とか「ネイキッド・シティ」はかなり覚悟が要ると思う …..)。トランペット、アルトサックス(これを担当しているのがジョン・ゾーン)、ベース、ドラムという編成でのユダヤの伝統音楽に基づいたインプ ロヴィゼーション。音階がどことなく中東風である。
CD の「マサダ」は普通のジャズ8割フリー・ミュージック2割くらいの割合なので比較的聞きやすいが、このライブではフリー・ミュージックの割合が3割〜4割くらいになっているように思える。
いまさらながらにクライバー追悼。
クライバーの「ばらの騎士」はウィーン国立歌劇場版とバイエルン国立歌劇場の2タイトルがあるのだが、
ということで、ウィーン国立歌劇場版を買ってみることにした。
クラシックのDVDは画質が悪いので心配していたのであるが、まあこのくらいだったら許せるな。そういう意味でも収録が新しいウィーンの方がよかったのかも。
2004年11月5日の日記でも宣言していたように、静岡県立美術館へ「香月泰男展」を見に行く。
立花隆さんが著書「シベリア鎮魂歌 香月泰男の世界」の中で再三述べているように、シベリア・シリーズは印刷物と実物を比べると光の加減やサイズの違いなどで受ける印象が全く異なる。特に香月泰男さんの作品は絵具が厚く塗られていることが多いため、絵画といっても立体的な造形になっていることが多いのである。
絶筆となった「渚(ナホトカ)」は香月さんが亡くなった日にイーゼルに置かれていたという作品。シベリア抑留から解放されて日本に戻る直前の様子を描写している。無数に書かれた人間の姿は無念にもシベリアで亡くなって日本に帰れなかった同僚の魂を連れ帰ろうとする香月さんの意思だそうである。実物で見ていちばん胸を打たれた作品である。「雪」は抑留地で見たという樹木にかかる雪を描写した作品。こちらは柔らかい雪の描写が美しい。シベリア・シリーズは全体的に黒や土色を主体とした陰鬱な色使いの作品が多いので、この作品の白が引き立っている。
シベリア・シリーズ全作以外にも作品は展示されていた。戦地から送られたスケッチ入りの葉書や、台所にあるものを題材としたものなど、こちらは非常にほのぼのとした作風のものが多い。
あとは静岡県立美術館の名物らしいロダンの「地獄の門」を見に行った。前にもどこかで見たことがある気がしていたのだが、上野の国立西洋美術館にあるらしい。パリのオルセー美術館にもあるらしいのだがこちらは気が付かなかった。2階にあるロダン館の入り口を入ると、正面にこの「地獄の門」を見下ろすような配置になっている。浜松市のこじんまりとした美術館と比べると空間を贅沢に使っていてうらやましい。
ビムス・エディションズ バンド・コレクション Vol.1
「響宴VII」の会場で予約したビムス・エディションズの楽譜の参考音源。演奏はリベラ・ウィンド・シンフォニー。諸般の事情により最初はCD-R で作成されたらしいのだが、プレス盤がリリースされた時にはプレス盤も送付してもらえることになっていた。ということで届いたのがこれ。
以前の CD-R 盤に加えて、黛敏郎の行進曲《黎明》と、團伊玖磨作曲/福田滋編曲の《キスカ・マーチ》が追加収録されている。また、ホームページによるとヘンリー・ウッドの《イギリスの海の歌による幻想曲》ではカデンツァが追加されているらしい。
この出版社は今後も意欲的に邦人作品を出版していくようなので(おそらくリベラ・ウィンド・シンフォニーの音楽監督であり、バンドジャーナルに興味深い連載を執筆されている福田滋さんが絡んでいるのだろう)、ぜひともこのあたりも音源としてリリースして欲しいものである。
今年最後の演奏となる「積志公民館まつり」に出演。
子育てのため休団している何人かの団員もお子さんを連れてきていたりして、普段とは違うリラックスしたムードである。
10月の末に浜松市から「教育文化奨励賞」なる賞をいただき、そのあと最初の公開演奏となったわけであるが、控え室から会場へ向かうときにまったく知らないおばちゃんから「おめでとう」と声をかけられてびっくり。地域の方にも注目されているんだなあ。
《マツケンサンバII》《椰子の実》《九ちゃんグラフィティ》を演奏。相変わらずの課題は解消されていないが、昨日の最終練習でちょっと締めたためか演奏全体としてはかなりよかったと思う。
パンクあるいはニュー・ウェイヴというムーヴメントの中の代表バンドであるザ・クラッシュの代表作2枚。リアルタイムでは聞いていなかったのであるが、再発されたので聞いてみたいと思って購入。「ロンドン・コーリング」は確かどこかの雑誌(ローリング・ストーンズだったかな?)が選んだ1980年代の偉大なアルバムでかなり上位にランクされていた。
ライヴ・エイド★初回生産限定スペシャル・プライス★ [DVD]
1985年にアメリカとイギリスで開催された、おそらく今のところ最大規模のチャリティ・コンサート「ライブ・エイド」のDVD。計16時間の演奏時間中約10時間が収録されている。
リアルタイムで見たのは大学の夏休みだったのかな?日本での進行(確かフジテレビの逸見アナウンサーだったと思う)がかなり割り込んできてまともに演奏が聞けなくてイライラしていたのを覚えている。だからちゃんと見なかったのか、記憶の中にはあまり残っていない。スティングが演奏した《孤独のメッセージ》(残念ながら今回のDVDには収録されていないようだ)くらいかな。
ちなみに特典映像ではアメリカ・イギリス以外の国の参加アーティストも紹介されていて、日本からはラウドネスと矢沢永吉の映像が収録されている。
まだ半分くらいしか見ていないのであるが、以下のようなシーンはかなりうるうるきてしまった。
出演者も観客も「音楽で世界が変えられる」とは思っていなかっただろうが、一丸となって何かをやり遂げようとするパワーが確かにあった。今の時代にこういうパワーはないのか?
鈴木英史さんへの委嘱作である《カントゥス・ソナーレ》、ウィテカーの《クラウドバースト》などが収録されている。
最近、エリック・ウィテカーがお気に入りである。《ゴースト・トレイン》や《ラスヴェガスを食い尽くすゴジラ》などで注目を集めたせいか、イロモノ的な見方をされることが多かったのであるが、合唱での経験を生かした繊細な和声感覚はうるさいだけではない管楽合奏の魅力を聞かせてくれる。
《オクトバー》、先日購入したヘリオトロープ・ウィンド・シンフォニーのCDに収録されている《スリープ》、そしてこのCDに収録されている《クラウドバースト》、どれかは次の演奏会で取り上げてみたい。
いろいろなところで取り上げられているが、紙ジャケットの意匠といい、レーベル面の印刷といい、いかにもアメリカらしい大雑把な作りである(笑)。
「曲」に関しては、すでに発売済のイギリス盤CDを聞けば全てフォローできるので、「意表をついた曲の配置」や「ミックス違い」、それにもちろんリマスタリングなどがこのボックスの存在価値になるだろう。
前にも書いたが、私は「赤盤・青盤」→「イギリス版オリジナルアルバム」という形でビートルズを聴いてきたので、初期のビートルズのアルバムは《アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア》とか《イット・ウォント・ビー・ロング》とか《ア・ハード・デイズ・ナイト》とかで始まらないと違和感があるのである。
カーステレオで聴き始めたのであるが、ほとんど予測がつかない節操のない曲順(米キャピタルが何らかのコンセプトを持って選曲しているわけがない)はシャッフルプレイのような感じで、それはそれで悪くない。
また、ステレオミックスとモノミックスが同時収録されているのもうれしい。(アメリカ盤のように11曲くらいしか入っていなかったら収録時間は30分くらい。)アメリカ盤では悪名高き擬似ステレオミックスが多数存在するので、モノミックスで聞いている方が落ち着く。リマスタリングもナチュラルな感じでいいのではないか。