Tag: ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団

  • 演奏会その43: ハンブルク・フィル特別コンサート「Viva la France!」

    Summertime: “Vive la France!” Sonntag 4. Juli 2010, 11:00 Uhr Dirigentin: Simone Young Klavier: Di Wu PROGRAMM Paul Dukas: Der Zauberlehrling Darius Milhaud: aus »Suite française« Hector Berlioz: Königliche Jagd und Sturm aus »Les Troyens« Camille Saint-Saëns: »Africa«, Fantasie für Klavier und Orchester op. 89 Camille Saint-Saëns: Danse macabre Gabriel Fauré: aus »Pelleas et Mélisande« […]

  • 演奏会その41: ハンブルク・フィル(第9回)

    9. Philharmonisches Konzert Mon, 20:00 / Laeiszhalle / Großer Saal Philharmoniker Hamburg Deborah Polaski Sopran Dirigentin Karen Kamensek Sergej Rachmaninow: Die Toteninsel / Symphonische Dichtung op. 29 Arnold Schönberg: Sechs Orchesterlieder op. 8 Peter I. Tschaikowsky: Symphonie Nr. 5 e-moll op. 64 全然予習する暇がなくて臨んだハンブルク・フィルの第9回定期公演だったが、期待以上に楽しめた。プログラムはラフマニノフの《死の島》、シェーンベルクの《6つの管弦楽歌曲》、それからチャイコフスキーの交響曲第5番だった。 指揮者のカレン・カメンセクは1970年アメリカ生まれの女性指揮者。2000年ごろからドイツやオーストリアの主に歌劇場で活躍していて、ハンブルク歌劇場でも何度か振っているようである。レパートリーを見ると比較的現代ものが多い。 とにかく、この指揮者のオーケストラコントロールのうまさに惚れ惚れしてしまった。指揮法の的確さと、全体を見据えた構成力のバランスがとてもいい。ハンブルク歌劇場でも指揮経験があるということなので、このオーケストラとの付き合いも長いのだと思うが(ハンブルク・フィルはハンブルク歌劇場での演奏も担当している)、「オーケストラからこういう音を引き出したい」という明確な意思がある棒と、それに応えるオーケストラ、という構図がとても説得力のある演奏を生み出したように思える。 細かいところまで逐一コントロールしようとする姿勢はチャイコフスキーの交響曲のようなある意味大ざっぱな作品だと聴衆に息苦しさを感じさせる懸念もあるし、時としてその精密さがあざとさに聞こえてしまう可能性もあるが、まあこれも個性のうちなのだろう。いままであまり魅力的に思えなかったチャイコフスキーの交響曲第5番をここまで感動的に聞かせてくれたことがいちばんの収穫だったかも。

  • 演奏会その40: ハンブルク・フィル(第8回)

    8. Philharmonisches Konzert Joseph Haydn – Sinfonie G-Dur Hob. 1:100 “Militär-Sinfonie” Mauricio Kagel – Zehn Märsche, um den Sieg zu verfehlen Richard Strauss – Ein Heldenleben op. 40 Sonntag 18. April 2010, 11:00 Uhr Dirigentin: Simone Young 本来、行けるはずのなかったハンブルク・フィルの今シーズン8回目の定期公演なのですが、図らずも聞きに行くことができました。 ハイドンの交響曲第100番《軍隊》、カーゲルの《勝ちそこないのための10の行進曲》、リヒャルト・シュトラウスの《英雄の生涯》というプログラムで、テーマは「戦い」ですかね? 前半はハイドンの交響曲とカーゲルの行進曲が交互に配置されるという構成でした。カーゲルの行進曲はご存知の方はご存知かと思いますが、弦楽器を一切使わない、いわば吹奏楽曲です。そういえばハンブルク・フィルとメッツマッハーのコンビがやっていた「20世紀音楽なんか怖くない」シリーズでも取り上げられていました。タイトルからもわかるように少々諧謔的な作品で、ハイドンの交響曲の雰囲気に見事に「水を差していた」と思います。まず、トランペット奏者がファンファーレを演奏しながら入場したり、フルート奏者とクラリネット奏者がステージを歩き回りながら演奏したり、ピッコロ奏者が退場してしまったり、視覚的な要素もある作品です。 ハイドンの方は、第1楽章でヤングの指揮に演奏者がついていけないところがあって、少々ぎくしゃくした感じで始まりましたが、徐々に修正されてきたと思います。ちょっともっさりした重めの響きがヤングっぽかったかな。 《英雄の生涯》はかなり人数も増えていますので響きも充実するのですが、強奏の部分でバランス的にトランペットや打楽器が突出してしまうところが気になりました。いわゆる「流している部分」の自然な響きの方が今日はよかったかなあ。「英雄の戦場」のテンポはかなり早め。リファレンスにしていたケンペ/シュターツカペレ・ドレスデンの演奏も早めだと思うのですが、それ以上に前のめりのテンポです。上記のようなバランスの不具合による荒さはありましたが、このアグレッシヴさはよかったと思います。 あとは必死に睡魔と戦っていました … ***** ちょっと前に郵送でハンブルク・フィルの来シーズンの案内が来ていましたが、どこのオケも来シーズンのお客さん獲得の動きが出てきたようです。ハンブルク交響楽団のパンフレットがありました。メシアンの《峡谷から星たちへ》とか、ブラームスのピアノ協奏曲第1番と RVW の交響曲第5番を組み合わせたプログラムとか、このオケの選曲も個性的です。 それから、いよいよ2011年の3月と4月(ほぼ1年後ですが)にハンブルク歌劇場による《ニーベルンクの指環》の連続上演があります。どちらは聞きに行きたいのですが、まずは妻との交渉と、フランクフルト・ムジークメッセとの兼ね合いの調整だなあ … ***** 昼食は久しぶりに「EDEL CURRY」のカリーブルストを。電車で行ったので今日はビールを飲むことができました。早く家族と一緒にこのお店に来たいんですけどね。

  • 来シーズンのハンブルク・フィル

    引っ越し作業中の逃避行動 … 昨日、ハンブルク・フィルの来シーズンのプログラムを紹介する冊子が届きました。ご覧いただいてわかるようにグスタフ・マーラーのいろいろな作品にスポットを当てています。今年はマーラーの生誕150年のアニヴァーサリー・イヤーですし、1891年から1897年までハンブルク歌劇場の音楽監督を務めていたこともありました。 交響曲のみならず、第2番《復活》第1楽章の原型である交響詩《葬礼》、先達の作品のオーケストレーションを変更した編曲作品、交響曲以前に書かれていた若書きのカンタータ《嘆きの歌》などです。 そういえば、毎年レコーディングが続けられていたブルックナーの交響曲は次回シーズンでは一休みのようですね。 さすがに今シーズンのようにバカバカ聞きに行くわけにはいかなくなりそうですが、ベルクのヴァイオリン協奏曲や武満徹のブラスアンサンブル作品《シグナルズ・フロム・ヘヴン》はぜひ聞いてみたいです。 第1回(指揮:シモーネ・ヤング) ベルク/ヴァイオリン協奏曲 マーラー/交響曲第1番《巨人》 第2回(指揮:シモーネ・ヤング) シューベルト/水上の精霊の歌 マーラー/交響曲第2番《復活》 第3回 ベートーヴェン/交響曲第4番 ペーター・ルジツカ/… 島、孤立 …(訳は適当です …) マーラー/交響詩《葬礼》 第4回(指揮:シモーネ・ヤング) 武満徹/シグナルズ・フロム・ヘヴン マーラー/交響曲第3番 第5回 オルガ・ノイヴィルト/Clinaman/Nodus(何語だ?これ?) ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第3番 シューマン(マーラー編曲)/交響曲第3番《ライン》 第6回 ニールセン/パンとシリンクス モーツァルト/交響曲第41番《ジュピター》 シベリウス/交響曲第1番 第7回(ピアノはバレンボイム、指揮はシモーネ・ヤング) リスト/メフィスト・ワルツ第1番《村の居酒屋での踊り》 リスト/ピアノ協奏曲第2番 リスト/ピアノ協奏曲第1番 リスト/交響詩《マゼッパ》 第8回(指揮:シモーネ・ヤング) ヘンツェ/夢の中のセバスチャン マーラー/交響曲第7番 第9回(指揮:クリストファー・ホグウッド) ウェーバー(マーラー編曲)/歌劇《3人のピント》間奏曲 シューベルト(マーラー編曲)/弦楽四重奏曲《死と乙女》(弦楽合奏版) メンデルスゾーン/交響曲第5番《宗教改革》 第10回(指揮:シモーネ・ヤング) グバイドゥーリナ/メルヘン・ポエム マーラー/嘆きの歌

  • 演奏会その36: ハンブルク・フィル(第7回)

    朝から不測の事態が続いて大変な一日でしたが、まあ何とか夕方までには収束させることができて無事演奏会へ。 7. Philharmonisches Konzert Wolfgang Amadeus Mozart – Serenade G-Dur KV 525 “Eine kleine Nachtmusik” Arnold Schönberg – Verklärte Nacht op. 4 Claude Debussy – Nocturnes Karol Szymanowski – Sinfonie Nr. 3 op. 27 (Das Lied der Nacht) für Tenor, Chor und Orchester Montag 15. März 2010, 20:00 Uhr Dirigentin: Simone Young Tenor: Stig Andersen […]

  • 演奏会その31: ハンブルク・フィル(第6回)

    「そういえば、そろそろ今月のハンブルク・フィルの定期があるはずだけど、いつだったっけ?」と思い出したのが昨日の夜でした。危ない危ない。 例によってライスハレの近くに路上駐車して、例によってライスハレの近くの「am Gänsemarkt」で軽く夕食をとろうと思ったのですが、何かいつもと雰囲気が違います。 天井から無数の紙テープが下がっていて、店員さんやお客さんの中にはコスプレ(というか変装というか)している人もいます。ふだんは80’sがまったりとBGMに使われているのですが、今日はダンスミュージックがガンガンにかかっています。途中で踊り出す人も出てきました。よくよくカレンダーを見てみると、今日はカーニヴァルのイベント「バラの月曜日(Rosenmontag)」ということでした。このお店はケルンのビール(ケルシュ)が飲める店で、ケルンで行われるカーニヴァルはけっこう有名らしいので、まあ疑似体験というところでしょうか。 いつものアルコールフライと、今日はこのお店で初めてカリーブルストを注文してみました。カリーブルストは可もなく不可もなく、といった感じです。 6. Philharmonisches Konzert Ralph Vaughan Williams – Fantasie über ein Thema von Thomas Tallis Edward Elgar – Konzert für Violoncello und Orchester e-Moll op. 85 Oliver Knussen – Ophelia dances, Book 1 op. 13 Edward Elgar – Enigma-Variationen op. 36 Montag 15. Februar 2010, 20:00 Uhr Dirigentin: Simone Young Violoncello: […]

  • 演奏会その27: ハンブルク・フィル(第5回)

    5. Philharmonisches Konzert Johannes Brahms – Tragische Ouvertüre op. 81 Johannes Brahms/Detlev Glanert – Vier Präludien und Ernste Gesänge für Bariton und Orchester Anton Bruckner – Sinfonie Nr. 1 c-Moll (Urfassung, “Linzer”) Sonntag 24. Januar 2010, 11:00 Uhr Dirigentin: Simone Young 今日はハンブルク・フィルの今シーズン(ちなみに第182シーズン目だそうです)5回目の定期公演。9月の第1回以来、久しぶりに音楽監督のシモーネ・ヤングが指揮台に立ちます。 1曲目はブラームスの《悲劇的序曲》。恥ずかしながら初めて聞いたと思います。というわけで他の演奏を聞いたわけではないので比較はできないのですが、冒頭のテンポは通常よりも早いんだろうなあ、と想像されます。オケも指揮者もかなり気負っていたようでちょっと慌てる感じでしたが、だんだん落ち着いてきました。 2曲目はブラームスの《4つの厳粛な歌》。この作品はブラームスの死の前年に書かれたという最晩年の作品で、歌詞は聖書から取られているそうです。ちなみにこの歌曲の第1曲目の冒頭で歌われる旋律は童謡《黄金虫》にそっくりということで知られています。↓こんな感じで。 この作品、ブラームス自身による管弦楽伴奏のスケッチも残っているらしいのですが、結局それは完成せず、現在はピアノ伴奏だけが残っています。今日演奏されたのは、ドイツ生まれ(1960年)の作曲家デトラフ・グラナートが管弦楽編曲を行ったものです。4曲は続けて演奏され、それぞれの歌曲の冒頭にはグラナート自身が作曲した前奏曲が追加されており、また原曲にはないエンディング(後奏曲)も追加されています。 残念ながらバリトン独唱の歌手がキャンセルということでした。演奏会の最初にシモーネ・ヤングが説明していたのですが、当然ドイツ語なのでわかりません。ただ、説明の途中で聴衆が一斉にため息をついたので何となく察しはつきました。その代わりに、オケの首席チェロ奏者が独唱パートを演奏するという形になりました。せっかくプログラムにドイツ語の歌詞が書かれていたのに追えないし、チェロの音色は当然のことながらオケに埋没してしまうことがあるので声部として明確に聞こえなかったのがちょっと残念でした。作品としては歌の伴奏部分のオーケストレーションは比較的オーソドックスだったのですが、前奏曲に入ると全く語法が変わって現代的になるのが面白かったです。消え入るように終わる後奏も印象的でした。 ブラームスはそれほど聞き込んでいない作曲家だし、どちらも聞いたことのない作品だったし、途中で退屈してしまうのではないかと考えていたのですが、全然そんなことはありませんでした。意外にウマが合う作曲家なのかも知れません(笑)。 ***** 休憩後はブルックナーの交響曲第1番。前回、ハンブルク交響楽団の交響曲第5番を聞いた時にくじけてしまったので、今回はかなり一所懸命予習しました。そういえばヤングとハンブルク・フィルのコンビは初稿によるブルックナー交響曲全集の録音が進行中ですが、探してみたところまだ第1番のCDは発売されていませんでした。今日はたくさんのマイクが立っていたのでこのライヴを録音しているのかも知れません。 予習のかいあってか、あるいはまだブルックナーとしての個性が十分ににじみ出ていない初期の交響曲だからか、前回のような不本意なことにはなりませんでした。分厚いブルックナー的なオーケストレーションは見受けられますが、まだ古典的な4楽章交響曲の構成に多少なりとも固執しているのかなあ、という気がします。 オケの「鳴り」についてはもう少し洗練さが欲しい気もしましたが、全体としては非常にいい演奏だったと思います。例によってヤングは精密というよりは大きな流れで音楽をとらえているように思いましたが、その棒の動きが的確に音楽的に表出されるのは、さすがに音楽監督として自分のオーケストラをうまく引っ張っているという感じでした。私のリファレンスはインバル/フランクフルト放送響の演奏だったのですが、サウンドの構築感という意味ではインバル、曲全体の音楽的な構築感という意味ではヤングに軍配をあげたいです。 ***** 昼食は、またまたライスハレ近くのカリーブルストのお店「EDEL CURRY」へ。イェーファーのピルス、ポテト付きカリーブルスト、ミックスサラダ(ちなみに小です、これ)で満足です。 お店にこんな張り紙があるのを見つけました。やはり、このお店は一般的にも評価されているんですね。自分の味覚センスにちょっと安心(笑)。 […]

  • 演奏会その24: ハンブルク・フィル(第4回)

    雨は夜更け過ぎに雪へと変わりました。 4. Philharmonisches Konzert Montag 14. Dezember 2009, 20:00 Uhr Dirigent: Rafael Frühbeck de Burgos Isaac Albeniz – Suite espanola (Orchesterfassung: Rafael Frühbeck de Burgos) Igor Strawinsky – Suite aus “Der Feuervogel” (Fassung 1919) Ottorino Respighi – Fontane di Roma Ottorino Respighi – Pini di Roma なんか、吹奏楽コンクールみたいなプログラムです。当初は予定になかったレスピーギの《ローマの噴水》も追加されたようなので、なおさらです。 指揮者のラファエル・フリューベック・デ・ブルゴスは1933年生まれとのことなので今年で76歳なのですが、ものすごくはつらつとした指揮をします。自身の編曲でもあったアルベニスの《スペイン組曲》の鋭いリズム感はいいですね。全体的な傾向として、速めのテンポで進み、聞かせどころでググッとテンポを落ち着ける、という作り方がどの曲でもみられました。あまり細かいことは気にせずにどんどんオケを引っ張っていき、肝心なところはしっかりコントロールする、という感じの指揮です。《ローマの松》以外はオーケストレーションも曲調も軽やかな感じなので、ぐんぐん前にいく感じは全然違和感ありませんでした。プログラム自体が多少短めのショーピース的な作品ばかりを集めたものだったので「こみ上げてくる感動」という感じではなかったのですが、どの曲も聞いていて楽しめる演奏でした。全体的な満足感は非常に高かったです。 《ローマの松》は、やはり燃えますね。ブラヴォーもたくさん出ました。ちなみに《カタコンブ》のトランペット・ソロはステージ上の奏者が舞台裏に移動して演奏していました。《アッピア》のバンダはステージの下手(第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリンの後ろあたり)に座って演奏していました。一応、多少はオケ本体の奏者との掛け合いがステレオ的に聞こえていました。そういえば、《ローマの噴水》が終わったあとで指揮者は退場せず、そのまま拍手が終わったら間髪入れず、という感じで《ローマの松》を振り始めました。これにはちょっとびっくり。

  • 演奏会その19: ハンブルク・フィル第3回

    Sonntag 22. November 2009, 11:00 Uhr 3. Philharmonisches Konzert Aaron Copland – Quiet City Christian Jost – Pietà – in memoriam Chet Baker, Konzert für Trompete in B und Orchester Erich W. Korngold – Sinfonie Fis-Dur op. 40 Dirigent: Christian Jost Trompete: Sergej Nakariakov 珍しく、かれこれ2週間ほどライスハレへ行きませんでした。今日は毎月恒例のハンブルク・フィルの定期公演です。今回も月曜日の公演を日曜日のマチネに切り替えてもらいました。コープランドの《静かな都会》、クリスチャン・ヨストの自作自演によるトランペット協奏曲《ピエタ》、コルンゴルトの《交響曲嬰ヘ調》という地味なプログラムなせいか、いつもより心なしかお客さんが少ないような気がしました。 《静かな都会》はイングリッシュ・ホルンとトランペットに弦楽合奏という編成。タイトルからも連想されるように全編に渡ってゆったりとしたテンポで演奏されます。 《ピエタ》のトランペット・ソロはセルゲイ・ナカリャコフ。「うららイン・ザ・スカイ」ももう10年以上前のことなんですね。「バンドジャーナル」でよく見かけた頃はいかにも天才少年という風貌だったのですが、すっかり大人の雰囲気を醸し出していました。曲ですが、私の苦手なタイプの現代音楽でした。ソロは多くの部分でハーマン・ミュートをつけてちまちまとしたパッセージを吹きます。ときどきジャズっぽいリズムがクライマックスを気付いたり、スパニッシュ・モードっぽい感じのトランペット・ソロが出てきたりしますが、もう少しトランペットっぽい、あるいはソロっぽい役割があってもいいのではないかなと思いました。何につけてもひっかかるものがない作品でした。これもCDが出ているようなので解説を読みながら聞き直せばもう少し理解できるのかなあ? メインのコルンゴルトの交響曲ですが、まあマイナーと言っていいですよね。ユダヤ人だったためにオーストリアからアメリカに亡命し、そこで映画音楽を書いて生計を立てていたコルンゴルトが、第2次大戦後にウィーン楽壇への復帰を画策して書いた作品です。私はヴェルザー=メスト/フィラデルフィア管の演奏でかなり予習して臨んだのですが、この交響曲を初めて聞いて50分聞き続けるのは結構大変なのではないかと思います。構造的には古典的な4楽章交響曲、つまりソナタ形式の第1楽章、スケルツォである第2楽章、緩徐楽章の第3楽章、アレグロの第4楽章という形を取っているのですが、無調的な旋律で始まる第1楽章がかなり取っつきにくいので、ここで挫折するとそのあとも何となく煙に巻かれてしまいます(私がそうでした)。第2楽章以降はかなりわかりやすく面白い音楽なのですが。 そういうわけで、各楽想のキャラクターを明確に示した今日の演奏は非常にわかりやすかったし、楽しめました。反面、視点が微視的になりがちで、楽想ごとのつながりがあまり感じられなかったのが欠点だったように思います。第3楽章などは大きな流れでとらえないとクライマックスまでの到達感が不自然になってしまいますし、第4楽章は同じような旋律が続くので曲が漫然と流れてしまいます。まあ、ヨストの指揮を見ていると、そこまでコントロールするバトンテクニックは持ち合わせていないのかな、と思いましたが。 終演後、久しぶりに中央駅前の「NAGEL」で昼食を。 自家醸造らしい黒ビールはかなり苦みがあります。メインディッシュは、まだ試していなかったハンブルガー・パンフィッシュ。画像だとよくわかりませんが、フライパンの中ほぼ半分がジャガイモです。マスタードソースの下の魚も一種類だったのでちょっといまいちだったかな。 食事をしているとハンブルガーSVのレプリカを来た集団が入ってきて、試合前の景気付けをやっていました。今日の試合は小野伸二が所属するボーフム。完全に格下だったのですが、ハンブルガーSVは0-1で負けてしまいました。足踏みをしている間に5位まで交代してしまいました。(小野が先発フル出場したのだったら見に行けばよかったなあ …)

  • 演奏会その17: ハンブルク・フィル第2回

    ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会は月に1回(正確に言うと同じ演目で日曜日と月曜日に2回開催されますが …)行われますが、今日は今シーズン2回目の公演です。 軽い夕食は、昨日見つけた「am Gänsemarkt」というお店で。ハンブルクではなかなかお目にかかれないケルシュを頼んでみました。「ケルシュ」と名乗れるのはケルン地方で醸造されたビールだけなのだそうです。 シュタンゲと呼ばれる、くびれのないビアグラスに注がれます。これで300mlです。(ヴァイツェンなどの)上面発酵系の酵母を使って(ピルスナーなど)下面発酵系並みの低温で熟成させて作るのだそうで、爽やかというよりは後からコクが広がってくるような味でした。 一応、軽く頼んだつもりです。グラーシュズッペ(グヤーシュ)とサラダ。やはりグヤーシュは本場ハンガリーのようにこってりとは作らないのがドイツ風なのかなあ?牛肉の細切れがたっぷり入っているので、それなりにお腹にはたまります。 軽く酔ったような気がしたので、食後にラテ・マキアートを飲んで少し落ち着けました。 2. Philharmonisches Konzert Montag 26. Oktober 2009, 20:00 Uhr Alfred Schnittke – (K)ein Sommernachtstraum Sergej Rachmaninow – Paganini-Rhapsodie für Klavier und Orchester op. 43 Dmitri Schostakowitsch – Sinfonie Nr. 5 d-Moll op. 47 Dirigent: Dmitrij Kitajenko Klavier: Rudolf Buchbinder 会社から帰る車の中であらためて気付いたのですが、シュニトケもラフマニノフもショスタコーヴィチもロシア(あるいは旧ソ連)生まれですね。イメージされる曲想は三者三様なので全然注意していませんでした。 1曲目はシュニトケの《夏の夜の夢(ではなくて)》。今シーズンの第1回定期演奏会のメインだったメンデルスゾーンの《夏の夜の夢(ein Sommernachtstraum)》の冠詞 ein (英語だと a)を否定を表す kein (英語だと no)に変えた作品名です。こういう外国語での言葉遊びは日本語に訳すのが難しいですね。 […]