Category: CD/DVD

  • その日に届いたもの

    [tmkm-amazon]B000228QA2[/tmkm-amazon] 実は以前発売されていた特典ディスク付きの5枚組と勘違いして購入してしまった。これは「パートI」から「パートIII」までの本編のみが収録された4枚組のボックスセット。 映画館で「パートIII」を見てけっこう気に入ってしまい、その後レーザーディスクで前作を見てみようと思った。ところが私が購入したレーザーディスクは特別編集版で、「パートI」と「パートII」の全てのエピソードを時代順に並べ替えたものであった。 なので、私は「パートI」と「パートII」で起こる全てのエピソードは知っている(はず …..)のだが、実は映画としての「パートI」と「パートII」はまだ見たことがないのである。 「パートII」から16年を経て制作された「パートIII」は、前2作に比べると完結編を飾るべきスケール感に欠けていたと思う。しかし、マーロン・ブランド扮する初代ゴッドファーザーのようなカリスマ性を持った人間がピラミッドの頂点に君臨するというヒエラルキーが現実的問題として難しくなってきていたという時代的背景があったのではないかと思う。それはマフィアの世界だけでなく政治やビジネスにおいてもそうであろう。 事実、マーロン・ブランドは「幸せな老後」とも呼ぶべき真っ当な形で人生を終わったし、2代目のアル・パチーノは孤独の中で風に吹かれる落ち葉のように生涯を終えた。そしてファミリーを継いだのは血のつながらないアンディ・ガルシアである。実はこんな企業けっこうあったりしません? ロームミュージックファンデーションSPレコード復刻CD集 近代日本音楽ファンを狂喜させた前作(http://www.rohm.co.jp/rmf/mf_cd-j.html)は残念なことに非売品であったのだが、今回は念願かなって一般発売されることになった。 喜び勇んでさっそく購入したのであるが、残念ながら非売品だった前作の方が明らかにインパクトが強い。今後もこのシリーズは発売されるそうなので、ぜひ前回のものをそのまま一般発売して欲しい。何せ山田一雄(当時は山田和雄)指揮の《交響譚詩》(伊福部昭:ひょっとして初演?)や歌舞伎座で行われた皇紀2600奉祝演奏会の実況録音が収録されているのである。この演奏会のために日本政府はリヒャルト・シュトラウス(ドイツ)、イベール(フランス)、ブリテン(イギリス)、ピツェッティ(イタリア)、ヴェレシュ(ハンガリー)に作品を委嘱した。(アメリカは対日関係の悪化を理由にこの依頼を拒否、ブリテンの作品《シンフォニア・ダ・レクイエム》は皇室の行事にふさわしくないとの理由で日本政府から拒否された。) ちなみに購入はこちら(http://www.onsei.co.jp/rohm/index.htm)から。

  • 坂本龍一とルイ・ヴィトン

    +33(坂本龍一) ルイ・ヴィトンの創業150周年を記念して坂本龍一さんが書いたピアノ曲。9月2日に晴海で行われた創業150周年パーティーで配布された1曲のみ収録のCD。 単なる連弾なのか多重録音なのかよくわからないが、ミニマルっぽく断片を積み重ねていく曲である。聞きながら立花ハジメさんのソロ・アルバム「Hm」に収録されている《ピアノ・ピローズ・ゴーイング・アブストラクト》を思い出した。確か、この曲も坂本さんの作曲だったはず。 坂本さんの最近の仕事として六本木ヒルズのオープニングのために書かれた《ランド・ソング》などもあるが、あれはちょっと売れ線狙いかなという気がする。それと比較していい意味で力が抜けていると思う。ノベルティとして書かれたがゆえの開き直りというか、潔さが、いい具合にユーモアになっている。  

  • 空軍バンドのリンカンシャー

    SONGS OF THE EARTH/アメリカ空軍バンド (BOL-9706) 待望のアメリカ空軍バンドの自主制作CD。何度も競り負けていたCDでやっと落札することができた。 《リンカンシャーの花束》(グレインジャー)、《ウィリアム・バード組曲》(ジェイコブ)、《シンフォニック・ソングス》(R.R.ベネット)など渋めのオリジナル作品を中心とした選曲。 やはり目当ては空軍バンドが演奏する《リンカンシャー》である。木管群の弱音の音色に独特のソノリティを感じる。弱音でも陰に隠れることなくしっかりと自己主張しているので、それがこのバンド全体としてのサウンドにつながっているのではないか。第5楽章などアゴーギクで少し不自然な点を感じないわけではないが、全体としては極度にシャープにまとまった演奏である。レイニッシュによるRNCMウィンドオーケストラによる名盤(やはりこの演奏の《リンカンシャー》ベストの座は揺るがない)をさらにきつくフォーカスしたような演奏である。 第6楽章はRVWの《イギリス民謡組曲》でも使われている民謡《グリーン・ブッシュ》が延々と演奏される変奏曲なのであるが、旋律ではない副声部の特徴を際立たせることによって楽章全体のクライマックス感を生み出しているのが面白い。これは新しい発見。 あとは「I AM AN AMERICAN」(BOL-0104)を手に入れれば、アメリカ空軍バンド(吹奏楽編成)の自主制作盤はほとんど手に入れたことになるのではないかな(たぶん)?お持ちの方で余っている方はぜひお知らせください。こちらのダブリと交換しましょう。  

  • ビーチ・ボーイズ

    某 DISK UNION でビーチ・ボーイズの紙ジャケを限定販売していたので買ってみた。本日到着。 ペット・サウンズ これはモノラル・ミックスだが、これから買おうとしている方はモノラル・ミックスとステレオ・ミックスが2種類入った輸入盤を買った方がいいと思う。私も「名盤」という評価に惹かれてこのアルバムを聞き始めたのであるが、ステレオ・ミックスの派手な音作りの方が曲のよさがわかるのではないかと思う。巷の意見では「聞けば聞くほどその良さがわかる」ということになっているが、私も賛成である。 スマイリー・スマイル これは実はよく知らない。幻の名盤「スマイル」へつながる作品だとか、ポール・マッカートニーが「野菜を齧る音」で参加しているとか。

  • 「10ミニッツ・オールダー」視聴(その1)

    10ミニッツ・オールダー コレクターズ・スペシャル [DVD] 少し時間が出来たので、先週購入した 「10ミニッツ・オールダー」 のDVDを見る。短編集だとこういう時に「つまみ見」ができるので助かる。8編が収録された第1部「トランペット」から見始める。収録順にアキ・カウリスマキ、ヴィクトル・エリセ、ヴェルナー・ヘルツォーク、ジム・ジャームッシュまで。 (ヘルツォークの作品だけは違うのであるが)上記の他の作品は基本的には作品の長さと等しい10分間の物語である。日常的な時間の流れから10分間だけを切り取り、そこに小さなドラマを提示している。ストーリーはあってないようなものなのだが、それぞれの監督が切り出す10分間のシチュエーションにも個性があって楽しめる。 カウリスマキの作品は、そこはかとなく漂うユーモアがジャームッシュの作風に近いところも感じる。エリセの作品はある家族の物語。内容はちょっと怖い。様々な情景をモンタージュしながら時間を進行させてゆく。モノクロームでありながら美しい映像である。ヘルツォークの作品は、ブラジルの未開民族を発見するというドキュメンタリー形式で取られているのだが、そもそもこれが事実なのかフィクションなのかよくわからない。ジャームッシュの作品は、ある女優が撮影の合間にトレーラーハウスの中で過ごす10分間の休憩シーン。グールドが弾くバッハの《ゴルトベルク変奏曲》(ちなみに死の直前に録音された新盤)をBGMに様々な関係者が訪ねてくるエピソード。

  • 会社にて

    演奏会に来てくれた同僚から感想を聞く。吹奏楽経験者で、学生時代に《コーラル・ブルー》を演奏したことがあるらしい。さすが吹奏楽経験者、バンドが抱えている技術的な問題点を痛すぎるくらいズバリとついてきた。こういう指摘も参考になる。 たまの最期!! [DVD] 「たま」の解散ライブの模様を収録したDVD。 イカ天で放送された「らんちう」や「さよなら人類」で衝撃を受けて以来「たま」にはかなりはまった。私にしては珍しくファンクラブに入ったりした。おかげで最前列中央でライブを見たこともあった。メジャーデビュー前にナゴムレコードから出ていたEP「でんご」やLP「しおしお」も買った。 インディーズ時代からすでに確立された世界を持っていたので、メジャーになってからの「のびしろ」が少なかったのだろう。単なるエキセントリックな集団として流行の波にさらわれていってしまったのはそういう理由があるのだと思う。

  • 馬鹿買い

    緊張感の反動か?気付いたら馬鹿買い。 [[amazon2][B00016AWD8]] ジム・ジャームッシュ(私のもっとも好きな映画監督)の新作をウェブで探していた時に発見。他にもアキ・カウリスマキ、ビクトル・エリセ、ヴィム・ヴェンダース、スパイク・リー、ベルナルド・ベルトルッチ、フォルカー・シュレンドルフ、ジャン = リュック・ゴダールなど、名前を聞くだけでわくわくする映画監督たち15名がそれぞれ手がけた10分間の短編映画のコンピレーション。 [[amazon2][B0002IJNG2][B0002IJNGM][B0002IJNGC][B0002IJNGW][B0002IJNH6]] 冨田勲の一連のシンセサイザー・アルバム。待望のリマスタリングCD。紙ジャケよりもリマスタリングされたことの方が意味が大きい。 上記のラインナップは年代順。「ダフニスとクロエ」までくるとかなり洗練されてくるのであるが、それは「斬新さ」が消えつつあることを意味する。 「月の光」に収録されているドビュッシーの諸作品や、「展覧会の絵」などは、シンセサイザーでなければ表現し得ない音色の魅力にあふれていた。まあ、これらは原曲がピアノ曲であるから、かなりイマジネーションを広げることができたのだろう。しかし、「ダフニスとクロエ」の場合、相手はオーケストレーションの魔術師と言われるラヴェルである。制作者である冨田勲さんにしろ、聴衆である我々にしろ、すでに完成された作品の呪縛から逃れることは難しい。 「惑星」や今月発売される「宇宙幻想」「バミューダ・トライアングル」など宇宙へ思いをはせるコンセプト・アルバムが続いたのは、時代だったのかシンセサイザーという楽器がそういう思いへ向かわせたのか? [[amazon2][B0001ZX394]] ほとんど「ジャケ買い」のUAのマキシシングル。DVDもついている。ジャケットだけでなくプラケースに特殊印刷を施した意匠も素晴らしい。ジャケット写真やDVDに収録されているビデオ・クリップはわが浜松の中田島砂丘で撮影されたらしい。 [[amazon2][B0002FQNEA]] NAXOSの日本人作曲家選輯の一枚。最近リリースペースが早くなってきてうれしい。ショスタコーヴィチと伊福部昭(と時々プロコフィエフ)を彷彿とさせる作風はかなり聞きやすいのではないか。 [[amazon2][B000059GHS][B00005B7EH][B000066AE0]] 期末処分で安く売っていたので買ってみました。

  • トーキング・ヘッズ(今日の積志ウィンドアンサンブル)

    The Name of This Band Is Talking Heads 今まで未CD化だったトーキング・ヘッズのライヴ・アルバムが大幅にボーナス・トラックを加えて初CD化。アルバムとしてまとまって形でトーキング・ヘッズを聞いたのはこれが最初だったように思う。これ以降のトーキング・ヘッズはすっかりポップになってしまったのであまり聞かなくなった。そういう意味で好きな時期のベスト盤的なアルバムである。 ほとんどの曲はオリジナル・アルバムでのバージョンに比べてかなりリラックスした雰囲気があるが、ライヴではとうてい再現不可能と思われた《ヒート・ゴーズ・オン(ボーン・アンダー・パンチズ)》はオリジナル・バージョンとは違うスピード感がある。 ***** 所属する吹奏楽団の本番がいよいよ一週間後に迫った。日曜日の午後を利用して最後の通し練習。いつも使っているホールが予約できなかったため、かなり狭い部屋での練習となってしまった。 暑いし狭いし空気悪いし、この環境ではピッチがかなり乱れてしまうのも仕方ないか。とはいえ、こういう十分とは言えない環境の中でも集中力は保たれていたと思うし、全般的な手応えとしてはかなりいい感じ。 その後、メンバーの何人かと沖縄料理を食べに行く。例によって団の未来について熱っぽい議論が交わされるのであるが、例によって酔っ払っているので覚えていない部分も多い(笑)。

  • ミスター・シンデレラ(ビョークとケヴィン・エアーズ)

    伊藤康英さんのオペラ《ミスター・シンデレラ》の東京初演を見に新国立劇場へ。鹿児島での初演と翌日の再演を見ているので、このオペラを生で見るのは3回目ということになる。 ホールのせいかソリストのせいかわからないが全体的に歌がはっきり聞こえる。鹿児島で見た時は歌がオーケストラに負けてしまって歌詞がよく聞き取れなかったのであるが、今回は歌詞がはっきり聞こえるということで、かなり内容に没頭することができた。 ついでにタワーレコード新宿店で買ったもの。 メダラ アテネオリンピックの開会式でも歌っていたビョークの最新アルバム。(この時に歌われた《オーシャニア》も収録されている。)帰ってから地元のCDショップで買えば割引価格で買えるのであるが、試聴したところ一刻も早く聞いてみたかったのでその場で買ってしまった。 リリース前から話題になっていたように、バックトラックも含めて基本的に人間の声(もちろん加工はされているが)だけで構成されている。日本からもDOKAKAが参加しているし、ロバート・ワイアットなども参加しているようだ。 個人的にはここ数年でいちばんのインパクトを受けたアルバムである。 amazon.co.jp のレビューを見ると、ビョークを知らない人は聞かない方がいいとある。私が初めてビョークのフルアルバムを聞いたのは前作「ヴェスパタイン」だったのだが、緻密な構成に多少の息苦しさも感じた。「メダラ」はそれに比べるといい意味でラフに作られているように思える。特に3曲目の《Where Is The Line》がお気に入りなのだが、この突き抜けたサウンド・プロダクションはほとんど狂気ともいえる。 ビョークが私より年上(1965年生まれ)だったのはかなりびっくり。 Didn’t Feel Lonely Till I Thought of You: The Island Albums ケヴィン・エアーズ(元ソフト・マシーン)とジョン・ケイル(元ヴェルヴェット・アンダーグラウンド)とブライアン・イーノ(元ロキシー・ミュージック)とニコ(元ヴェルヴェット・アンダーグラウンド)が共演したライヴがあるということで探していたのであるが、今回見つかったのはこの2枚組。 ケヴィン・エアーズがアイランド・レコードに所属していた頃のソロ・アルバム「夢博士の告白」「スウィート・ディシーヴァ−」と、上記のライヴ・アルバム「1974年6月1日」をカップリングした 3 in 2(とでも言うのだろうか?)である。 以前の日記に書いた、ニコによる《ジ・エンド》のカバーもこのライヴでの演奏のようだ。イーノによるシンセサイザーの伴奏のみによるかなり不気味な演奏。

  • ボブ・ディランの紙ジャケ

    いよいよ、ボブ・ディランの紙ジャケリリースが始まった。 ボブ・ディランのCDを初めて買ったのはおよそ3年前、その時買ったのはベスト盤であった。なぜ、このCDを買ったかというと、ちょうどその頃仕事の関係で「CD-TEXT 仕様」(対応しているCDプレーヤーで再生すると曲名が表示されるというモノ)に準拠したCDが必要で、近くのCDショップから送ってもらったリストの中で食指が動いたCDがほとんどこれだけだったからである。J-POP とか演歌のタイトルが多かった気がする。 まあ、《風に吹かれて》とか《ライク・ア・ローリング・ストーン》だとかの代表曲は耳にしたことがあったのだが、妙に気に入っているが《ミスター・タンブリン・マン》である。 「ヘイ、ミスター・タンブリン・マン、歌ってくれよ。眠くないし行くところもないんだ。」 この冒頭1行のドロップアウト感(ホールデン・コールフィールドあたりが心の中で言っていそうな台詞である)がたまらなく気に入っている。