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ツイン・ピークス第16章
無事バンドジャーナル誌の原稿も(一応)脱稿したので、やっと「ツイン・ピークス」の続きを見る。 (年末年始に貸し出すために、何とか年内に見終わってあげないと。私は帰省行脚なので年末年始はゆっくり見れないし。) ファーストシーズン(第1章〜第7章)は人間関係が必要以上に絡まっていくので展開がたるい。 第10章を過ぎたあたりから、謎が収束し始める。 そして、全編のクライマックスとも言える第16章でローラ・パーマー殺しに関する謎が全て明らかになる。 すごく久しぶり(10年ぶりくらい?)に見直したのだが、留置場の中で犯人(ネタばれになるのであえて名を秘す)が告白する場面は圧巻である。 アンジェロ・バダラメンティが作曲した例のテーマに乗せて、クーパーに抱きかかえられた犯人がパーマーを殺めたことを告白する。 降り注ぐのは雨ではなく、故障した(というか、タバコの煙に過敏に反応した)スプリンクラーである。 美しく、可笑しく、悲しい。 デヴィッド・リンチの真骨頂である。 このあと後日談みたいな形で1話くっつければ、整った形で終わることができたのだろうが、さすがデヴィッド・リンチ、そんな期待通りのことはしてくれない(笑)。 打ち切りが決まった「ツイン・ピークス」は、もっと訳が分からない世界に進んでいくのでした。
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京都ぐだぐだ日記(その2)
ところで、宿泊したのは「ハートンホテル京都」というホテル。 季節柄、修学旅行生(最近って研修旅行って言うんだっけ?)が宿泊している。 ホールに集まって食事を取ったり、ロビーに臨時の宅配便受付所ができていたりする。 (まあ、そんなことはどうでもいいのであるが …) このホテル、いわゆる「ビジネスホテル」なので客室はちょっと狭いが、朝食はなかなかよい。 また、客室に置かれている、従業員が作ったものらしい「ハートン通」という情報誌(?)が面白い。 希望者には分けてくれるということだったので、チェックアウト時にフロントでもらう。 雨が降っていたので、地下鉄で四条へ。 錦市場を一通り眺めて帰りの新幹線でつまむちょっとした食べ物を買う。 (息子は「ぜんまいざむらい」みたいな三色だんごにご満悦。) その後は妻と別れてそれぞれ買い物。 たまには私が息子の相手をすることにした。 昨年、「Joe’s Garage」が四条に引っ越してきたので便利になった。 しかも、十字屋のほぼ真向かいである。 十字屋では貴志康一がベルリンフィルを振って自作自演した CD を購入。 (一部は確かローム・ミュージック・ファンデーションから復刻されていたはず。) 曲もそうだが、復刻のプロセスにも興味がある。 その後、「Joe’s Garage」で CD/LP を物色しているところで抱っこしていた息子が熟睡。 さすがにこの状態では購入もままならないので、妻と落ち合い、少しの間息子を預けて購入。 ほうろう Early Days 最近、はっぴいえんどやキャラメルママ時代の細野さんの仕事を聞いてみたくて、この CD を買った。 《ありがとう》のオリジナルバージョンも聞いてみたかったし。 その後、熟睡中の息子がいては何もできなくなってしまったので、大丸でお弁当を買い、京都駅へ。 タクシーの中で息子は目を覚ます。 帰りは「ひかり」に乗ることにしたのだが、今回は 700 系。 一回の旅行で 300 / 500 / 700 系の新幹線に乗るなんて、なかなかできることじゃないよなあ。 ということで、皮下脂肪と(腕の)筋肉痛がお土産であった今回の京都旅行でした。
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ジョンとベガ
午前中は息子が通う保育園の「生活発表会」。 まあ、学芸会のようなもので、劇や演奏や踊りなどの練習の成果を発表する場である。 本番に弱い息子は、かなり緊張して歌を歌っていた。 (こんなに緊張した顔を見たのは初めてかも知れない(笑)。) その後、CD を引き取りにショップへ。 エスカレーターをのぼると「12:30 〜 13:30 の間にアキラさんが来店予定です」とある(12/2 は浜松でアンサンブル・ベガのコンサート)。運がよければサインでも ….. と思っていたのだが、残念ながら我々が来る直前に帰られてしまったらしい。 それにもめげず、息子が先日買ったアンサンブル・ベガの DVD に食いついていたので、CD も買ってみることにした。 なぜアンサンブル・ベガがこんなに心に効くのか聴けば解る!というCD 収録内容は先日買った DVD とそんなに変わらないのだが、アキラさんの語りが入っていない分、息子には集中できていいのかもしれない。 吹奏楽版もある組曲《ブラック・ジャック》全曲収録。 EMI のジョン・レノンのソロ・アルバムが紙ジャケ化。 音的には既存の音源、つまり「ジョンの魂」「イマジン」「マインド・ゲームス」は2000年前後にリマスターされた音源、「平和の祈りをこめて」と「サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ」はリマスタリングされていない音源である。 「サムタイム」は2枚組だったオリジナルアルバムを1枚にまとめてしまった悪名高きリマスタリング盤があるのだが、紙ジャケにすると辻褄が合わなくなってしまうため、リマスタリング前の音源に戻したのだろう。 ということで、5枚中4枚はすでに持っている音なのだが、いいんです、ジョンだから。 ふだんはボーナス・トラックをあまり気にしない私であるが「ジョンの魂」はボーナス・トラックを削った方がよかったのでは? やはり、このアルバムはカセットレコーダーで録音された《母の死》で終わって欲しい。そのあとでハイテンションな《パワー・トゥ・ザ・ピープル》や《ドゥ・ジ・オズ》を聞かされてしまっては余韻も何もないのである。 夜、吹奏楽団の練習の後で来年の定期演奏会の選曲会議。 充実した議論の末にメインに置く曲が決まる。
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アンサンブル・ベガのDVD
宮川彬良&アンサンブル・ベガ Vol.1[ひらめきは きらめき] [DVD] そういえば、もうすぐ浜松でもアンサンブル・ベガのコンサートがあるんだなあ ….. ということで、YM 浜松店でもたくさん商品が並べられていた。 NHK 教育の「クインテット」とは多少毛色が違うので、息子が食いつくかどうか心配だったのだが、意外と興味を持って見ている。 オーケストラよりも編成が小さいので、各楽器と奏者のアップが多く、演奏している姿がじっくりとらえられているのが原因かな、と思ったしだい。 息子の中では《トルコ行進曲》(モーツァルト)がブレーク中。
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Visionaire No.53
Visionaire の No.53 が「SOUND」というテーマでいろいろなアーティストの楽曲を収録することになっていたのは以前から告知されていたのだが、(自動車の)MINI とのコラボレーションらしい。 http://www.press.bmwgroup.com/pressclub/jp08.nsf 12 インチのヴィニール盤が 5 枚と、MINI のミニカー型レコードプレーヤーがついている。 MINI は針とスピーカーがついていてレコードの上を自走して音を出すのだそうだ。 教授、デヴィッド・シルヴィアン、デヴィッド・バーン、U2、ヨーコ・オノらが参加しているということで、やはり買うしかないのである。 Visionaire 53: Sound
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あいのてさんコンサート
浜松市浜北区のなゆたホールで開催された「あいのてさんコンサート」を息子と見に行く。(あいにく妻は土曜日勤務だった) この地区で活動するママさんブラスの草分け「アザレアママズアンサンブル」が主催しているようだ。 演奏会が行われた 13:00 〜 14:30 というのは、ふだん息子が昼寝をしている時間なので、途中で眠くなったりぐずったりするのを心配していたのだが、コンサートの間はずっと集中してみていた。正直すごいと思った。 コンサートの内容は前半と後半がテレビの「あいのてさん」でやっていた曲で、途中で各メンバーのソロが入った。赤いあいのてさんこと野村誠さんは鍵盤ハーモニカとピアノでかなり過激なパフォーマンスをやっていた。 終演後、ロビーでは各メンバーの CD が売られていた。前から欲しかったので野村さんが主催する鍵盤ハーモニカアンサンブル「Pブロッ」の CD を買う。コミカルな感じの内容を想像していたのであるが、意外とシニカル。《コアラリス序曲》なんていうほのぼのしたタイトルの曲でも、途中でフリーミュージック的な要素が入っていたりして作風としてはかなりハード。期待以上に楽しめた。 あと、息子が欲しがったので、口琴を買ってみた。口(というか歯)に当てた細い金属片を指ではじいてビヨンビヨン鳴らし、その音を口の中に共鳴させる。口の容積や舌の位置を変えることによってピッチや音色を変えるのである。(番組の中でも使われていたが、最近の音楽で使われているようなフィルターで変調をかけたような音になるのである)青いあいのてさんから少し手ほどきを受ける。 最後に、息子とあいのてさんたちと写真を撮っていただく。
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やっぱりツインピークスが好きなのだ
結局買ってしまいました ….. ツイン・ピークス ゴールド・ボックス【10枚組】【初回限定生産】 [DVD] 「ツイン・ピークス」は序章(パイロット版)と29話のエピソードからなるテレビシリーズである。 5年ほど前にパイロット版とファーストシーズン(第1話〜第7話)をまとめた DVD ボックスが出たっきりそのままだったのであるが、このたび セカンドシーズン前半(第8話〜第18話)をまとめた DVD ボックス(3枚組) セカンドシーズン後半(第19話〜第29話)をまとめた DVD ボックス(3枚組) パイロット版、パイロット版の別バージョン、全29話をまとめた DVD ボックス(いわゆるゴールド・ボックス10枚組) がリリースされた。 それぞれのボックスで特典映像が異なるというファン心理を逆撫でする商品企画であるが、パイロット版の別バージョンも収録されているし、ファースト シーズン分もリマスターされたということだし、5.1 サラウンド音声も追加されたということで、ゴールドボックスを購入することにした。 ちなみに前回ファーストシーズンボックスを購入したときの感想はこちら。 パイロット版を見ただけであるが、確かに絵は綺麗になっているような気がする。サラウンド感はあまりないが、そんなに臨場感を期待するような内容のドラマでもないのでこのくらいでいいのだろう。 ちなみにパイロット版というのは、とりあえず主要な登場人物が一通り登場し、表の(そして一部は裏の)人間関係が紹介されて、第1話への滑らかな導入の役割を果たしている。 パイロット版の別バージョンは、このパイロット版にエンディングを追加して、とりあえず(本当にとりあえず)誰がローラ・パーマーを殺したのかがわ かるようになっている ….. が、追加した部分の展開は無茶苦茶で、デヴィッド・リンチが暖めておいたモチーフ(片腕の男とか赤いスーツの小人とか)を無理やり登場させているような感 がある。(とはいえ、映像の逆回転による小人の奇妙なダンスはツインピークス全体の中でもっとも印象的なシーケンスだろう。) なので、初めてツインピークスを見る人は別バージョンのパイロット版を見ると無用に混乱するので、少なくともファーストシーズンを見てからの方がいいでしょう。
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ピストルズ/スカイ
勝手にしやがれ(紙ジャケット仕様) セックス・ピストルズ唯一のオリジナル・アルバム。 好きとか嫌いとかという問題ではなくて、やはりロックの文脈上避けるわけにはいかない「コモン・センス」なのではないかと。 ちゃんと聞いたことがなかったので。 (そういえば、《ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン》はその昔結婚式の2次会に招待された時に新郎が絶叫していたことがあるなあ …..) Sky 2 オリジナル・リリースは1980年とのこと。 中学生の頃、FM から流れてきた《トッカータ》(バッハの《トッカータとフーガ ニ短調》のアレンジ)にそれなりにしびれた。 友人の間でも多少話題になって誰かがアルバムを買ったので、それを借りて聞いた覚えがある。 当時はフュージョンという括りで捉えられていたように思うのだが、今聞くとプログレッシヴ・ロックにも近いのかなと思う。
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コルトレーンにはまる
とある雑誌で「コルトレーンしか聴く気になれない時期があった」と書いていた人がいたが、何となくその心境がわかるような気がする。 というわけで、いろいろと。 アフリカ/ブラス マイ・フェイヴァリット・シングス:コルトレーン・アット・ニューポート ライヴ・イン・ジャパン コルトレーンの唯一の来日公演は1966年7月。 ビートルズの来日公演の直後だったらしい。 しかも亡くなる前年。 2回の公演を2枚ずつに収録した4枚組なのであるが全6曲 ….. 総収録時間247分ということなので、1曲平均40分 ….. CD1枚まるごと《マイ・フェイヴァリット・シングス》ってどうなっとんねん ….. インプレッションズ トランジション クレッセント ジョン・コルトレーン・アンド・ジョニー・ハートマン デューク・エリントン・アンド・ジョン・コルトレーン クル・セ・ママ セルフレスネス・フィーチャリング・マイ・フェイヴァリット・シングス
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コルトレーン
The Complete 1961 Village Vanguard Recordings 近所のタワーレコードでインパルス・レーベルのジャズの CD が叩き売られていた。 ふと見てみると、コルトレーンの(1回目の)ヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴのボックスセットがあった。 その場で買いそうになったのだが、以前、タワーで衝動買いしたら実は amazon で買った方がずっと安くて後悔した ….. という経験が何度もあるので、念のため amazon の価格を調べてから購入することにした。 というわけで、amazon から購入したのだが、いまさらながらに考えると HMV のマルチバイで買った方が安かったらしい ….. このボックスセットは、以前複数枚のアルバムに分散して収録されていたヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴ4日間分を演奏日/演奏順に並べたコンプリートもの。 (おそらくいちばん有名な)「ヴィレッジ・ヴァンガード」というアルバムは以前買っていたのだが、つい最近までエリック・ドルフィーも演奏に加わっていることを知らなかった。まだフリージャズに足を突っ込む前のコルトレーンをドルフィーが刺激しているような構図なのだな。