積志ウィンドアンサンブル」カテゴリーアーカイブ

バンドクリニック(第二日目)

朝、「題名のない音楽会」を見ていたら突然「砂の嵐」が … おそらくケーブルテレビの送り出し側の不具合と思われる。何とか録画したものを団員から借りられそうなので助かったが … 何だかなあ。

というわけで、前日に引き続き汐澤安彦先生によるバンドクリニックの第二日目。録画して勉強したいと思い、急きょビデオ用の三脚を買ってクリニックに臨む。

今日はグレインジャーの《リンカンシャーの花束》を見ていただく。

休憩中にも「よく仕上がっているようなので、重箱の隅をつつくようで申し訳ありませんが …」とおっしゃっていたが(社交辞令だとしてもなかなかうれしい)、フレージングのちょっとしたコツとか、各パートのダイナミクスの処理などによって、音楽がとても立体的になる。

特に第1〜3楽章ではそういう多層的な音楽が展開されるので、ちょっとしたアタックの処理などで浮き出てくる旋律が変わるのがすごい。何度か感動してしまった。

基本的には昨日の感想と同じなのだが、うちのバンドの演奏者がここまで演奏できるということがわかってしまった今、問題は指揮者の力なのである。

バンドクリニック(第一日目)

ここ数年恒例になっている浜松市主催のバンドクリニック。今年も汐澤安彦先生においでいただき、定期演奏会で取り上げる曲をご指導いただく。

今日は第一日目で、私の担当分では《春の猟犬》(アルフレッド・リード)を見ていただいた。

汐澤先生に指導いただいたことを確認するという意味で、一通り見ていただいたあとに私の指揮で通すことにしたのであるが …

はっきり言って、シュトレーゼマン先生にダメ出しをくらった千秋の心境である(笑)。(「誰が千秋やねん」という突っ込みは置いといて …)

もちろん汐澤先生がダメ出しをしたわけではないのだが、同じ演奏者を指揮して、こうも出てくる音が違うのかと思う。

一応、《春の猟犬》の中間部はよくできているというコメントをいただいたのであるが、汐澤先生が細かいフレーズを調整していくと何度も「はっ」とするような瞬間がある。

当たり前ではあるが、その直後に私が振ってもそんな音が出ないのである。

細部にまで自分が思い描くイメージを持つこと、そして、それを正しく演奏者に伝えるバトンテクニックを持つことの必要性をあらためて痛感した。

明日は《リンカンシャーの花束》(グレインジャー)。楽しみでもあり、怖くもあり。さて、どうなることやら。

通し練習

毎年恒例の通し練習。

本来の目標としては、各演奏者の譜読みがここまでに完了していて、そこからおよそ2ヶ月かけて最後の仕上げを行う ….. という目論見なのだが、毎年それは達成されていない。この通し練習で「やばい」と実感してやっとお尻に火がつき始めるという状態なのである。

個人的には、各曲の仕上がりは一応「想定の範囲内」だったので、ある程度ゴールが見えてはいる。

《リンカンシャーの花束》は第3楽章と第5楽章が鬼門。やはりものすごく集中力とエネルギーが必要とされる曲である。前にも書いたような気がするが、指揮をしながら常に何かしら(デュナーミクとかアゴーギクとか変拍子とか)コントロールしないといけない。演奏者の音楽に流れを委ねることができないのである。前日や当日の通し練習の前にチェックしただけあって何とかうまくいった。指揮者も含めて演奏者全体でもう少し流れを作れるといいのだが。

第3楽章のソプラノ・サックスのソロは奏者からのリクエストもあって少しテンポを早くしたら「流れ」が出てきたような気がする。最初と最後の変拍子だらけのソロは少し迷いがあってうまく合わない。楽譜が読めてきて回りを聞くようになるときっと混乱してしまうのだろう。ここはもうひとふんばり。

《春の猟犬》は前半→中間部となかなかいい出来だったのだが、後半は気を抜くととたんにアンサンブルが乱れて集中力が途切れてしまう。注意しましょう。テンポが速くなるところの金管楽器が重なっていくところとか、最後に 6/8 と中間部の主題が重なるところとか。

その後の谷口くんは西村くんに化けた

午前中はサックスのパート練習に顔を出す。パート練習を見ると、かなり突っ込んだ指摘や確認ができるのでありがたいのだが、こればっかりはいくら時間があっても足りない。指摘されたところは抽象的な形にして(例えば、こういうパターンのフレーズが出てきたら同じようなアーティキュレーションやデュナーミクで演奏するとか)別の部分に応用する力をつけて欲しいものである。これを「水平展開」と言う。

午後からは食材の買出しのついでに、先日読み始めた「プレイボール」の続きを探す。とある書店に買いに行ったところ、全11巻のうち5巻と6巻がなかったので、とりあえず1〜4巻を買ってきて読んだ。5巻以降を買おうと思って何件か書店を回ったのだがどこにもない。その中でこんな本を見つけてしまったので買ってしまった。

光の雅歌―西村朗の音楽

同時代の日本人作曲家のエッセイは多くあれど、作曲家が生み出した作品あるいは音楽観に徹底的に焦点を合わせた書物はなかなかない。しかも、作曲家本人が携わっているとなればなおさらである。この本で西村朗さんの作品により一層近付けそうな気がする。

西村朗さんといえば《巫楽》という吹奏楽作品がある。アジア的な祝祭を表現するために吹奏楽という編成が効果的に用いられていると思う。氏の表現している世界を考えると、吹奏楽(もっと具体的に言うと管打楽器アンサンブルか)という編成を選択する余地はまだあると思えるのだが … 書いてくれませんかね?

ちなみに室内楽編成だと、管打楽器(それぞれ2本のクラリネット、オーボエ、バスーン、ホルンと2人の打楽器奏者)を伴奏にした《フルート協奏曲》がある。

また、分かる人には分かると思うが、この本の装丁は、カメラータからリリースされている一連の西村朗作品集のジャケットデザインも手がけている杉浦康平氏によるものである。書店でこの本を手にとって、それらの CD との統一されている世界観にクラクラした。

今日買ったもの

無事にボーナスも出たのでいろいろとお買い物。

まずは、息子が歩き出す前にと思い、ビデオカメラを買った。ハードディスクムービーも興味があったのだが、まだ技術がこなれていない感じだし、価格も高めだったので、売れ線の DV にしておいた。

iPod のイヤホンがそろそろ壊れつつあるので新しいものを買おうと思ったのだが、ディスカウントで有名な電器店では品数が少ないし、試聴もできないのでまたの機会に。

で、とりあえず買ってはみたもののまだ聞いていない CD たち。

深井史郎:パロディ的な四楽章

ナクソスの日本人作品集の一枚。その昔、秋田南高校が取り上げた《パロディ的な四楽章》が収録されている。

ブラスの祭典(3)

シエナ/佐渡裕コンビの三枚目。いつの間にかレーベルがワーナーからエイベックスに移っている。《風紋》とか《フェスティヴァル・ヴァリエーション》とかホルストの《第一組曲》とか、こてこての吹奏楽定番レパートリーばかり並べられているが、ルディンの《詩のない歌》が収録されているのが異質で面白いかも。

カーステレオで聴いただけなので断言はできないが、かなり残響の多い録音。このコンビのファーストアルバム(確かすみだトリフォニーで録音)も同じような傾向の音だったような気がする。

DVD(ブラスの祭典 ライヴ 2004 [DVD])も出るみたいですね。

*****

夜は所属する吹奏楽団の合奏。梅雨入り直後で、しかも冷房が入っていない部屋での合奏はさすがにしんどい。

近くの中学へ教えに行く

今日は、団員の有志で近くの中学校へ教えに行く。

まずはパートごとに練習をして、そのあとで合奏というスケジュール。《元禄》(櫛田(月失)之扶)と《マツケンサンバII》の合奏をした。《元禄》は今年の自由曲候補(ちなみに小編成)だということだが、なかなかいい曲を持ってきている。無理に背伸びした編曲モノとか、小編成でよく取り上げそうな海外の教育的オリジナル作品を取り上げるよりは勉強のしがいがあると思う。

うちの団員も一緒に吹いていたからかも知れないが、前もって聞いていた話よりもかなり吹けているようだ。何よりも演奏だけでなく、我々から何かを吸収しようという姿勢にもとても積極性を感じた。(やっぱり「若い」っていいですね。)この積極性があれば上達するのも早いのではないかな。かなり有望だと思うのでがんばって欲しい。

合奏で指示を出していて、「何か、うちの団員に出している指示とそんなに変わらないなあ …..」と密かに思っていたりしていました。

プロムナード・コンサート

浜松駅前でのプロムナード・コンサート。

昨年は雨のために中止になってしまったので久しぶりである。

《サンダーバード》《オレンジレンジ・メドレー》《朧月夜》《ムーン・リバー》《時代劇絵巻》《マツケンサンバII》を演奏した。このコンサートを見に来ているのは比較的年配の方が多いので、《時代劇絵巻》や《マツケンサンバII》などは、かなりお客さんの反応もよかったので喜んでいただけたのではないかな。

本日の合奏

所属する吹奏楽団の合奏。

ゴールデンウィーク後半から風邪をこじらせていて(昼間っから酒飲んでソファーで寝ていたのが敗因?)、しかもこの日は出勤日で「今週いっぱい」という締め切りがたくさん。そのあとの練習というのもなかなかしんどい。

この日は 5/21(土) に浜松駅前で行なわれるプロムナード・コンサートのための練習である。そういえば去年は雨が降って中止になったんだっけ。今年のニューサウンズの新譜である《ジャパニーズ・グラフィティX〜時代劇絵巻》を取り上げることになったのでほぼ初見で合奏。

ここで取り上げられている曲のオリジナル演奏を事前に団員から聞かせてもらっていた。(何でこんな CD 持ってんだ?)《水戸黄門》が時代につれて編曲が変わってきているのは何となくわかる気がするのだが、《大岡越前》もラテンというかトロピカルなリズムになっている。記憶にある淋しい雰囲気とはちょっと違う気がするな。《銭形平次》はちゃんとした演奏を初めて聞いたような気がするのだが、この演奏のシャッフルのリズム感が素晴らしくかっこいい。

ニューサウンズの方は原曲をあまりいじっていない編曲なので、わりととっつきやすかったのかな?変拍子だらけの《大江戸捜査網》も意外とうまくいった。あと、この編曲は《大岡越前》から《暴れん坊将軍》へのつなぎが見事。いつの間にか、あのオープニングにつながっているのである。

他にもオレンジレンジとか、(お得意の?)懐かしい日本のメロディとか取り上げる予定。

5月21日の午後3時30分から浜松駅前で演奏しますので、ぜひお越しください。

結婚式などなど

所属する吹奏楽団の団員どうしの結婚式。

午前中に教会での挙式に立ち会うために出かける。教会のように反響ばっちりのところで息子が泣き出したらどうしようと心配していたが、ギリギリ持ちこたえてくれたようだ。

その後、記念写真を撮影しに。実はこの日はうちの結婚記念日でもある。一応、ほぼ毎年、結婚記念日の前後に記念写真を撮りに行っているのである。(「ほぼ毎年」というのは機を逸して行けなかったことが何回かあるため …..)

今年は初めて3人で撮影した。自動車の中ではすぐに寝てしまうため、着いたときには寝起き状態で少し機嫌が悪い。しかし、さすが写真屋さんは子供の扱いが慣れている。あっという間にいい表情を作ってしまう。

夕方からは結婚式の二次会。自分の時もそう感じたのであるが、こういう二次会の司会や企画をやってくれる友人の存在は本当に貴重だし、大切にしたいと思う。

お幸せに。

リンカンシャーの花束

そろそろ解禁してもいいかな?

9月に行なわれる積志ウィンドアンサンブルの演奏会でグレインジャーの《リンカンシャーの花束》を取り上げることになった。

確か、昨年フレデリック・フェネルが亡くなった時には取り上げることが決定していたように思う。ちょっと時期外れになってしまうが、個人的には追悼という意味合いが強い。

私の《リンカンシャー》のスコアにはフェネルの直筆サインが入っている。「フレデリック・フェネルのコンダクターズ・クリニック」に参加したときにサインしてもらったものである。手持ちのスコアの一冊だけにサインをもらおうと思っていて、やはり「これしかない!」と思ったのが《リンカンシャー》である。

サインをもらった時に「実はまだ指揮したことがないんです。」という話をしたら「難しいけど、きっと楽しいと思うよ。」という言葉をいただいたことを覚えている。

今回もまた団員の皆さんにわがままを聞いていただいて、ほぼグレインジャーの指定通りの編成で《リンカンシャー》を演奏できることになりそうである。残念ながらバスサックスは集められなかったが(某有名楽器メーカーにもないらしい。東京ディズニーランドで吹いているアンサンブルはあるんだけどね)、コントラバスーンも使えることになりそうだ。

団員の皆さんにも言ったのであるが、「ウィンドアンサンブル」を標榜するからには避けては通れない曲だと思っている。この先何回もやる機会はないと思うので一期一会のつもりで悔いのない演奏をしたい。

私が中学生や高校生だった頃には、まだこの曲でコンクールに出てくる団体があった。その時はちっとも面白い曲だと思わなかったのだが、この曲を好きになったのはいつだったんだろう?そういうわけで若い団員がこの曲を「よくわからない変な曲」と言ってもあまり責めることはできない(笑)。まだ、少し時間があるので好きになって欲しいと思う。

つづく(かも?)