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積志ウィンドアンサンブル第25回定期演奏会

第1部

  • 伊藤康英/オン・ザ・マーチ
  • 真島俊夫/波の見える風景(改定新版)
    • (指揮:寺田光太郎)
  • ジョセフ・オリヴァドーティ/序曲《バラの謝肉祭》
  • アルフレッド・リード/アルメニアン・ダンス・パートI
    • (指揮:汐澤安彦)

第2部

  • 小長谷宗一/グランド・マーチ
    • (指揮:氏原竜也)
  • ケース・フラク/ロシアン・ダンス組曲
  • ロバート・ジェイガー/吹奏楽のための交響曲(第1番)
    • (指揮:阿部達利)

アンコール

  • ジェリー・ビリク/ブロックM
    • (指揮:汐澤安彦)
  • 中田喜直(藤田玄播)/夏の思い出
  • バリー・グレイ(森田一浩)/サンダーバード
    • (指揮:阿部達利)

汐澤安彦先生を客演指揮にお迎えしての第25回定期演奏会。

良くも悪くも練習通りの本番だったのではないかと思う。 いわゆる「ピーキング」、練習〜本番を通してどこに頂点を持っていくかの難しさを感じた。

直前までうまくまとまらなかった曲、いわば発展途上の曲が本番でがっちり決まってベストの演奏ができるというのはよくある話である。 また、練習である程度できあがっている曲は、そこそこの本番が迎えられる代わりに本番での「奇跡」を期待できないような気もしている。

そういった意味でなかなか自己評価しにくい演奏会であった。 《ロシアン・ダンス》はリラックスしたいい演奏だった。 (そりゃそうだ。汐澤先生の2曲と、団長の「涙の指揮」(笑)という2大イベントを終えたのだから。) 《ジェイガー》はもう少しいい演奏が出来たのではないかと思うのだが「奇跡」を期待してはいけない。直前の演奏でなかなかうまくいっていなかった第1楽章が期待以上の出来だったのでよしとしよう。

よいところはどんどん伸びている反面、改善すべきところもどんどん露呈している。 それは、バンドとして成長段階にあるということなのだろう。 やらなければいけないことはまだたくさんある。

前日、汐澤先生や遠山詠一先生と夕食をご一緒したのだが、その時遠山先生がおっしゃったのが「指揮者も演奏者も暗譜するくらいでないとダメだ。演奏者は指揮者を見て演奏しなければいけないし、指揮者も演奏者を見て指揮しなければいけない。」ということだった。

そう言われたからというわけではないのだが、今年は全て暗譜で振った。 (念のため指揮台の上にスコアは用意していたのだが、結局一度も見なかった。)

演奏会後のレセプションで再び遠山先生とお話ししたのだが「今日は暗譜で振ったね。非常によかった。」というコメントをいただいた。 そこまで見ていただいていたのかと思い、感服するとともにちょっと恐縮。

今日の積志ウィンドアンサンブル(&今日買ったもの)

Aha!(All We Want)(初回限定盤)

最近、DVD 付きの便乗商法が多い CD であるが、これは初回限定ピンボールつき。 ケータイの CM で使われているタイトル曲はデリコにしたら「まあまあ」というレベルなのであるが、NHK「英語でしゃべらナイト」で使われているビートルズの《HELP》はグッド。

以前からデリコで60〜70年代カバーアルバムを作ったら売れると思っているんだけど、いかがでしょうか?

ウクレレ栗コーダー

最近、栗コーダーがお気に入り。「ウクレレ」シリーズに収録された曲に、新録音を加えたベスト盤。例の(やる気のない)《ダース・ベイダーのテーマ》も収録されている。ディープ・パープルの《ハイウェイ・スター》も面白い。

ソウルトレーン

紙ジャケも再発されて安くなるのだ。ビクターの大英断に感謝。 まだ普通だった時代のコルトレーン。

Yumi Arai 1972-1976

魔が差したというか、目の前にディスプレイされていたので … ユーミンが聞きたかったというわけではなく(おいおい)、バックを務めているティンパン・アレーが聞きたかったので。

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来週はホールでの前日リハになるので、ちゃんと通せる練習はこれで最後。

私は「アマチュアの音楽活動=ドミノ倒し」という持論を持っている。 ドミノは並べたとおりにしか倒れない。 本番は最初のドミノを倒したら、あとは並べたとおりに倒れるのを見守るしかないのである。

そういう意味で、本番の一つ前の演奏がいいものであったなら、それで「練習の積み重ね」としては価値があるのだと思う。

今まで積み重ねた練習量に比べたら、本番の2時間なんてあっという間である。 2時間で、今まで並べてきた全てのドミノが倒れますように。

今日の積志ウィンドアンサンブル

午前中、髪の毛を切りに行く。 本当に髪の毛を切ってもらっている時くらいしか本を読めない今日この頃。

村上春樹の隣には三島由紀夫がいつもいる。 (PHP新書)

三島作品はほとんど読んだことがないので、表題のような筆者の考察の妥当性は評価できないのだが、解読の手法として面白いことは面白い。さすがに全てを鵜呑みにすることはしないが「解読とこじつけは紙一重である」ということを意識させられる。

そういえば、その昔、マーラーの交響曲の系譜とショスタコーヴィチの交響曲の系譜の類似性を指摘する作曲者がいた。最初に古典的な構成を持った曲を 書いて、声楽を使って、純音楽に戻り、大規模な作品を書いて、最後はまた純音楽に戻る、という流れが似ているというのである。これはそれなりに納得すると ころがあったのだが、そのあとでマーラーの交響曲とワーグナーのオペラを比較した時には「さすがにそれは無理があるだろう」と思った。

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積志ウィンドアンサンブルの練習はジェイガーの《交響曲》の合奏。

部分部分をチェックして、全曲を通して終わろうと思ったら全然時間が足りない。 「漫然と通すよりは本当に集中してやった方がいい」と途中で判断して、チェックポイントのチェックだけにした。部分部分を取り出すとうまくいくのだが、20分以上音楽を積み重ねて到達した時にちゃんとベストの演奏ができるかどうかが課題である。集中力を失ったときのちょっとしたミスで流れががらっと変わってしまう危険性についてはサッカー日本代表が身を持って示してくれたし :-P。

伊藤康英さんが浜松交響楽団の創立30周年のために書いたファンファーレの楽譜と参考演奏CDを入手。

トランペット飲み会

積志ウィンドアンサンブルのトランペットパートの新人歓迎会。

ここ数年は指揮ばっかりでトランペットは全く吹いていないのであるが、一応トランペットパートに籍を置かせていただいているので声をかけていただいた。

コンスタントに人員が増えているので、人口増加率はうちのバンドでいちばん高いのではないかな?というか、しばらく宴会をやっていなかったような気がするので今回歓迎されるのは何人なんだろう(笑)?

参加者は11名(だったかな?)。もうちょっとがんばればヤナーチェクの《ソコール・ファンファーレ》(《シンフォニエッタ》の第1楽章)が出来るじゃん、とか思った。

しかし、4時に起きてブラジル戦を見て、会社で仕事して、その後の宴会というのはなかなか辛い。一次会で帰らせていただきました。

体操教室/武満徹/今日の積志ウィンドアンサンブル

午前中、近くの保育園(まだ通園しているわけではない)の体操教室に参加。

開始時間の午前10時はそろそろ眠くなるので機嫌が悪い。少しぐずり気味で全然人のいうことを聞かない。勝手にステージの上に上って太鼓を叩き始めたり、引き戸の扉を開けようとしたり。

体操をする以前に、勝手に走り回る息子を押さえるために必要以上に疲れた …

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その後、先日注文しておいた楽譜を取りに行く。

SJ1159 武満徹 シグナルズフロムヘヴン

武満徹さんの金管アンサンブル曲である。最近出版されたのに気付かなかった。

《シグナルズ・フロム・ヘヴン》は《デイ・シグナル》と《ナイト・シグナル》からなっており、どちらも2群に分かれたブラス・アンサンブルが短いモチーフをアンティフォナルに演奏する作品である。(副題は「2つのアンティフォナル・ファンファーレ」)

私は《デイ・シグナル》だけ演奏したことがある。この楽譜には各パートが別々のタイミングで楽器のベルを高く持ち上げる(bell in air)という指定がある。11本の金管楽器がそれぞれにベルをかざす動作は見た目にもかなり印象的なのではないかと思う。

武蔵野音楽大学ウィンドアンサンブル Vol.13

前にも書いたが、以前は非常に先駆的な役割を担っていたこのシリーズも、海外の新譜CDがほぼリアルタイムで簡単に手に入る時代になってしまったために、あまりインパクトがなくなってしまった。

逆に、すでに廃盤になっている過去の作品(貴重な録音)をまとめて出したりする方が市場のニーズには合っているのではないかと思う。(いかがでしょう?ソニーさん)

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夜、吹奏楽団の合奏。《ロシアン・ダンス組曲》(ケース・フラク)。第3楽章のアッチェレランドのタイミングを変えてみる。まだ多少不安定だが棒にはついてきてもらっているので何とかなるだろう。第4楽章「トレパーク」は前回の通し練習での課題が克服され、かなり前ノリになってきた。

自分の指揮姿

前回の通し練習で録画した自分の指揮姿を見る。

毎度感じることであるが、「完全に手を抜いて振っている瞬間」の方が見た目に美しい。念のため言っておくと「手を抜いて振っている」というのは演奏 者の流れに委ねているのであって、「何にも考えていない」という意味ではないので ….. 時として「振り過ぎる」と自然に流れている音楽を妨げることもあるのだ。

余分な力が入っていることは自覚しているのだが、演奏者をドライブしていこうとして無理矢理流れを作るとかえって棒が曖昧になるような気がする。

「振り過ぎない勇気」が必要だ。

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指揮者の佐藤功太郎さん死去。

活動はあまり存じていなかったのだが、フォンテックからリリースされている矢代秋雄の《交響曲》のCDがあった。合掌。

今日の積志ウィンドアンサンブル(第2回通し練習)

日曜日の午後を使っての通し練習。

汐澤先生の下振りである《バラの謝肉祭》《アルメニアン・ダンス・パートI》は、テンポこそ違っていたが、全体のテンポ感を合わせるという課題は一応クリア。《アルメ》の変拍子でリズムが少し重くなっているが、汐澤先生の合奏で何とかなるだろう。

《ロシアン・ダンス組曲》(ケース・フラク)。問題は第3楽章か。演奏者から頻繁に出てくるアッチェレランドがしっくりこないとの指摘あり。確かに、テンポ変化があまりついていないのだが全ての演奏者がちゃんとついてこれるかどうかが不安。あと何回かの合奏で何とかなるか …

《吹奏楽のための交響曲》(ジェイガー)。第1楽章/第2楽章はOK。第1楽章は自分でも楽章全体の動きが頭に入ってきた。テンポの変化とか変拍子とかがあって全貌が把握しにくかったのだが、問題なく暗譜できている。(最近このくらい長い楽章を暗譜できたことなかったからなあ …..)昨日と今日の合奏でバンドを揺るぎなくドライブすることが出来たと思っているので、このままで行きたい。

第3楽章はもう少しスムースにアゴーギクがつけられるといいなあ。全体のテンポ設定と起伏はこれでいい。

第4楽章はもう少し。この楽章は曲の 3/4 くらいがアレグロなのでその間のスピード感は常に失いたくないのだが、曲想が変わったり編成が小さくなったりすると切り替えがうまくいかずにテンポが不安定になってしまう。最後の最後で転調してさらにスピードアップするところももう少し練り上げて納得感のある作りにしたい。

まあ、何とか間に合うでしょう。

演奏者にとっての最大の課題は、次の曲に向けていかに早く確実にイメージを切り替えられるかだろう。案の定、前回の合奏から時間が経っている曲については、かなり忘れている部分が多いようだ。指揮者が振り始めてもなかなか思い出せずに浮ついてしまい、バンド全体としての音楽が固まる前に曲が終わってしまったような印象を受ける。本番でそうなったら、もうやり直しはきかないんですよ、みなさん。

今日の積志ウィンドアンサンブル

ワインを飲みながらワールドカップを見る幸せ。

うちの演奏会案内が無事「バンドジャーナル」誌に載っていたのだが …..

重要な曲が「その他」になってしまっているなあ ….. 汐澤先生の指揮でリードの《アルメニアン・ダンス・パートI》やりますよ。なかなか生で聞くことができないジェイガーの《吹奏楽のための交響曲(第1番)》やりますよ。

….. というわけで、今日はそのジェイガーの交響曲の合奏。 演奏会1ヶ月前になると譜読みとか指回しはだいたい終わっているはず(というか、ここから後の急激な進歩は見込めない)ので、ここからは全体の意識合わせ と集中力の練習になる。常に本番並みに集中力を持って合奏に臨むことが重要になるのである。多少のテンポ感のずれや縦の線のずれはこれで解決できる。

個人的には、かなりうまい具合にメンタル面をコントロールできていたので、非常に集中できた合奏だった。 演奏者がついてきてくれるかどうか心配だったのだが、これもよかった。

ジェイガーの《交響曲》は、前回の通し練習でわりとうまくいった。これで安心したりすると、あとでとんでもないしっぺ返しが来たりする場合があるの で、実は「不安がないこと」が不安だったのである。今日の合奏でも通し練習並みの演奏ができたので、わりとムラなく仕上がっているのではないかな?

….. とか言って、安心しているとまたとんでもないしっぺ返しが来てしまうかも知れないが …..

明日は第2回通し練習。 骨格はここで決めてしまいたい。

下振りは難しい

所属する吹奏楽団の合奏。

汐澤先生に客演指揮をお願いする《バラの謝肉祭》(オリヴァドーティ)と《アルメニアン・ダンス・パートI》(アルフレッド・リード)を振る。

前回来ていただいた時の指摘内容の確認と、そのときにいただいた宿題の片づけが主な目的である。

やはり他人の解釈やテンポで振るのは難しい。

下振りの役割は、大まかなテンポ設定を真似て、そのテンポで演奏者が心地よく演奏できることを確認することなのかなあ、と思ったりもした。
でも、やっぱり私が意図しないところで汐澤先生と根本的に違う部分も出てくるらしい。例えば、汐澤先生がインテンポでいっている部分において、私がインテンポだと思って振っていても微妙に遅くなっていたりするらしい。

… んんん、難しい。

《ロシアン・ダンス組曲》。ちょっと表現の掘りを深くしようと思うとテンポが不安定になるなあ。最後の曲はアルメニアン・ダンスと同じように勢いで熱狂的に持っていきたい。

指揮者をやって20年近くになるが、初めて「指揮棒で左手の手の平を突き刺す」ということをやってしまった。怖いっすねえ。痛いっすねえ …

汐澤先生合奏(その1)

7/16 に行なわれる積志ウィンドアンサンブルの定期演奏会で客演指揮をお願いしている汐澤安彦先生との初めての合奏。 オリヴァドーティの《バラの謝肉祭》とアルフレッド・リードの《アルメニアン・ダンス・パートI》を見ていただく。

《バラの謝肉祭》は譜面通り演奏すると伴奏が厚くなってしまい、旋律がかなりがんばらないといけない事態になることがわかった。このへんは全体のバランスを考えてかなり大胆にダイナミクスの変更があった。

指揮者の立場からすると、譜面に書かれていることと相反することを指示するのは非常に勇気がいる。その根拠を明確にするスコアリーディングと、それを演奏者が納得できるように説明する術が必要なのだ。

先生に指導に来ていただくのは今年で三年目で、もう何回も先生の指揮で合奏する機会があった。(合奏前には「練習には何度もお邪魔していますが、本番で振らせていただくのは初めてです(笑)」という軽いツカミもあった。)

緊張しながら演奏している奏者よりも、私がいちばん勉強させていただいてるんじゃないかなあ、という気になる。 (「それをちゃんと普段の合奏に反映しろ」というツッコミも聞こえてきそうであるが …..) 「楽譜に忠実であることが音楽に忠実であるとは限らない」とか「(次の小節に早く突っ込んでしまうことを注意する際に)時間が熟さなければ動いてはいけない」とか、目からウロコがボロボロ落ちる勘所である。

コンクールでいい賞を取るための「バンド指導者」は他にもたくさんいるのだろうが、「音楽を演奏する楽しさ、面白さ」を教えていただけるという意味 で、汐澤先生に指導いただく機会が得られたことは本当にこのバンドのためになっていると思う。だから、25回の定期演奏会にあたって「汐澤先生を客演指揮 にお呼びしたい」という多くの団員の声があったのだ。

当たり前のことではあるが、先生の意図通りに演奏できれば聞きに来ていただくお客さんにも、そして演奏者自身にも感動があることは間違いない。(その場に演奏者として加われないのが、ちと残念ではあるが)

がんばりましょう。