Category: クラシック

  • ミュージック・トゥモロー2004

    金曜に録画しておいた「N響演奏会 ミュージック・トゥモロー2004」を見る。毎年、尾高賞受賞作品を披露するのにあわせて現代作品のみで構成された演奏会である。 とりあえずは、お目当ての望月京さんの《クラウド・ナイン》を見てみる。N響が望月さんへ委嘱した作品の世界初演。「クラウド・ナイン」というのはバックミンスター・フラーという建築家が提唱した球形の空間浮遊都市だとか。もっともスラングで「天にも昇る心地」という意味もあるらしいので、ウェブで検索すると精力増進剤などがよくヒットする。私が真っ先に思いついたのはジョージ・ハリソンのアルバム・タイトルだったのだが … この作品はタケミツ・メモリアル・ホールでの演奏を前提にしたということで、ステージ上に小編成の管弦楽がおり、その他さまざまな楽器がステージを取り囲むように配置されている。ホールで聞けばさぞ面白かったのだろう。 長さはおよそ20分ほど。多少冗長に思える部分もあるのだがユニゾンを中心とする音色の作り方が面白い。特に冒頭のヴァイオリンのユニゾンが徐々に全体に波及していくあたりや、エンディングのかなり延々と同一音が点描的に演奏されるあたりが面白かった。

  • 浜松交響楽団演奏会など

    浜松交響楽団の定期演奏会を聞きに行く。 前日の早起きがたたって、午後2時30分開演なのに起きたのは午後1時30分(^_^;)。何とかギリギリのタイミングでたどり着くことができた。プログラムは以下の通り。 J.S.バッハ(シェーンベルク編)/前奏曲とフーガ 変ホ長調 BWV552 パガニーニ/ヴァイオリン協奏曲 第1番 ニ長調 op.6 ブラームス/交響曲第1番 ハ短調 op.68 吹奏楽的ネタについて触れておくと、オープニングのバッハは通称「聖アン」、田村文生さんが《バッハナール》なるタイトルで吹奏楽編成のために編曲している。このシェーンベルクの編曲は管楽器が活躍する硬質なオーケストレーションが特徴的である。アンサンブルが難しいからか、かなり慎重というか小さくまとまってしまった演奏だった。最後の和音にたどりついてやっと一安心という感じ。 ブラームスは演奏者の熱気が伝わってくる好演だった。アマオケ事情はよく知らないのであるが、きっと演奏者の誰もが演奏したことのあるレパートリーだと思われるし、演奏していてきっと楽しいのだと思う。 ***** ジョージ・ハリソンのボックス「Dark Horse Years」を買う。ジョージ自身が立ち上げたレーベル「ダーク・ホース」からリリースされたアルバム6タイトル(7枚)と、特典DVDがセットになったボックスである。2枚組CD「Live In Japan」は、おそらくビートルズ関係初のSACDでのリリースとなる。 [tmkm-amazon]B00014TJ66[/tmkm-amazon] 日本盤:CCCDの分売のみ。ボックスの発売はなし。 US盤:非CCCD。レーベルはキャピトル。DVDはオールリージョンのNTSC。日本語字幕つき?日本への入荷量が極端に少ないらしい。日本語版解説が付くの付かないのという話の顛末は 2ch の「ビートルズ・オールディーズ」板に詳しい。 EU盤:CCCD。 UK盤:非CCCD。レーベルはダークホース。DVDはPAL。 ということで、いろいろ迷ったあげくにUK盤を買うことにした。私の環境だとDVDのフォーマットは問題にならないし、出遅れた今となってはUK盤がおそらくもっとも早く入手できるのだろう。(もちろんCCCDは論外) 「ジョージ好きだったっけ?」という妻の突っ込みもあったが、少なくともポールよりは好きな気がする(笑)。 このレーベルからの第1弾である「33&1/3」は、LPレコードの1分間の回転数と当時のジョージの年齢をひっかけたもの。中学生くらいの時に近所のレコード屋で新品が1000円で叩き売られていたのを買った。当時の私はビートルズ(正確に言うとジョン・レノンとその周辺)を聞き始めた頃で、例えばジョンの「マザー」とかに比べるとえらくあっさりしたアルバムという印象があった。まあ、当時はテクノポップ全盛期だったし、Up-to-date な音楽は過激な音作りをしていたように思えるから、ジョージのようなアコースティック主体の音楽はかなり風通しのいい音楽に聞こえたのだろう。 時代はめぐって、最近はアコースティックな音楽が割とメインストリームであるし、このアルバムもリマスターされていたりして、とてもみずみずしく感じる。この手の音楽を聞いてほっとするのは、やはり年をとったせい?  

  • 楽譜乱れ買い

    期末ということで、ヤマハミュージック浜松店では輸入楽譜の半額セールをやっていた。メシアンの《世の終わりのための四重奏曲》と、ヒンデミットの《画家マチス》を買う。 《世の終わりのための四重奏曲》はヴァイオリン、クラリネット、チェロ、ピアノという編成による四重奏曲。第二次大戦中にメシアンが囚われていた収 容所の中で作曲・初演された作品である。この作品がこのような編成になっているのは、メシアン(ピアノ)が収容所で出会った演奏家が演奏する楽器だったからだそうである。ピーター・ゼルキン(ピアノ)やリチャード・ストルツマン(クラリネット)らが結成した「アンサンブル・タッシ」はこの作品の編成と同じ メンバー構成で、もちろんこの作品の録音も残している(が、私はまだ聴いたことがない)。また、武満徹はこのアンサンブル・タッシのために「カトレーン」 という作品を書いている。 この《世の終わりのための四重奏曲》はタイトルから想像されるほど悲観的な音楽ではない。むしろ宗教的な救済を希求しているような穏やかな曲調であ る。例えば《トゥランガリラ交響曲》のような色彩感があるわけではないので「感覚的に」とても長く感じるのであるが、それを除けばそれほど難解な音楽ではないと思う。(まあ、私も耳だけでは長さを克服できないのでスコアを買ったわけなのですが …..)「鳥の声」とか「移調の限られた旋法」とか「不可逆リズム(でしたっけ?)」などメシアンを語る上での重要な語法がかなりわかりやすい形で提 示されている。 《画家マチス》も聞いただけではよく分からなかったのでスコアを買ってみたしだい。 あわせて、クイーンの紙ジャケ第2弾の6枚と、LOVE PSYCHEDELICO の新譜「III」と、坂本龍一の新譜「chasm」を。

  • プラハ国立歌劇場《トスカ》

    アクトシティ大ホールへプラハ国立歌劇場の《トスカ》を見に行く。前にも同じ会場で見たことがあった(演奏団体は完全に失念)のだが、こうも印象が違うものか。