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ヒンデミット/リー・モーガン/大澤壽人

HMV で輸入盤が 20% OFF だったので。

Hindemith: Kammermusik 1-7; Der Schwanendreher

以前は分売されていた、アッバード/ベルリン・フィルによるヒンデミットの《室内音楽》全7曲を番号順に並べ直し、ヴィオラ協奏曲である《白鳥を焼く男》を追加したもの。以前、分売されていた方の1、4、5番を聞いていたのだが、久しぶりに取り出して聞き直したら面白かったので全部聞いてみようと思ったしだい。

ヒンデミットというと、なかなかとっつきにくい作風である。 《吹奏楽のための交響曲》なんかも、スコアを見るととても面白く書かれているのだが、これを聞いて最後に感動に満ち満ちる ….. という感じでもない。

とても「ドライ」である。音楽に余計な感情を入れ込まずに、客観的に音の関係を構築しているのである。いわゆるノイエ・ザハリッヒカイト。「音楽は何も表現しない芸術である」というストラヴィンスキーの発言とも近い。

最近の、自己陶酔的に、表現しかしていない一部の吹奏楽曲(笑)を聞いた耳には、こういう音のミニアチュアが心地よいのである。

リー・モーガン Vol.3+1

名曲《アイ・リメンバー・クリフォード》のオリジナル演奏が収録されたリー・モーガンのリーダー作。クリフォードは夭折のジャズ・トランペッターであるクリフォード・ブラウンのこと。サックス奏者のベニー・ゴルソンが事故で亡くなったブラウニーのために書いた曲である。

実は、20年くらい前、大学の吹奏楽団の中でジャズ・コンボもどきをやった時にこの曲を吹いた。その時から「なかなかいいメロディーだなあ」と思っていたのであるが、聞く機会がなかった。 (国内盤はかなり前に紙ジャケ化されていたのであるが、RVG がリマスターした海外盤がリリースされたのはつい最近である)

もっとしっとり歌い上げているのかと思ったら、テンポも早めで意外に明るい。

大澤壽人:ピアノ協奏曲第2番/交響曲第2番(ロシア・フィル/ヤブロンスキー)

何か NAXOS がナクソス・ジャパンになってからリリースのスピードが落ちているのがちょっと気になるのだが、まあこのシリーズは買っています。

クパティーノ日記(その2)

ちょっとサンノゼまで足を延ばしてみる。

アメリカに来る前にウェブで探してあって、ぜひ行ってみたかった中古CD屋があるのである。

主たる目的はブルーノートレーベルのアメリカ版のRVGリマスターを買うこと。 ある時期から後にリリースされたRVGリマスターのEU盤はCCCDでリリースされており、日本国内ではEU盤が跋扈している。US盤はなかなか見つから ないし、あったとしてもEU盤より割高なので「何だかなあ」なのである。特にハービー・ハンコックの「スピーク・ライク・ア・チャイルド」や「インヴェン ションズ&ディメンションズ」あたりはぜひ買っておきたかった。

と思っていろいろ探していると「中古CD全品25%OFF」という張り紙があった。 中古といっても、ほとんどのCDは「新品同様」と言えるくらい状態がよい。 そんなCDが普段は$8〜$10くらい、25%OFFだと$6〜$8くらいで買える。

あまり優先度の高くない非CCCD盤を買うよりは、聞きたいと思っていた盤を安く買った方がいいのではないか、と方針変更。 ホレス・シルヴァーとかアート・ブレイキーとかデクスター・ゴードンとかの超有名盤を買い込む。

最近出たビョークのリマスター盤も中古だと$10以下。 「ホモジェニック」「ヴェスパタイン」「メダラ」を買う。 デュアル・ディスクで、DVD 面にはプロモーション・ビデオも収録されている。

あと、リマスタリングしてボーナストラックを追加したジョン・レノンの「ロックン・ロール」も確か国内では CCCD だったはず。これも買う。

などなど、楽しくお買い物できました。

cd

夕食は近くのバーベキュー屋で。 これもネットで探してかなり評判がよかったので行ってみた。 もっとカジュアルなレストランのようなものをイメージしていたのであるが、かなり胡散臭いというかローカル色が強い店だった。 クアーズと一緒に食べたバーベキューサンドウィッチはなかなか美味しかったけど。

「タクシー呼んでくれ」と言ったら「電話貸してやるから自分で呼べ」とのこと。 サンノゼに来るときに乗ったタクシーのドライバーから名刺をもらっておいてよかった。 これがなければ、どこに電話すればいいかすら分からなかった。 電話だし、英語が訛っているし(お互い様だ)ほとんど会話にならない。 とりあえず通りの名前と番地は伝えたし、(たぶん)「行く」と言っていたし大丈夫なのだろう。 ほとんど閉店しかかっている店の中で「万が一タクシーが来なかったらどうやって帰ろう?」と不安で待っていたのだが、15分くらい経ってから来てくれた。 おお、何か感動。

ブルーノート3枚

そういうわけで、ブルーノートのCDを少し買ってみることにした。

ア・ニュー・パースペクティヴ

完全なジャケ買い。編成はトランペット、テナーサックス、リズム隊、ヴィブラフォン、ギターにゴスペル・コーラスが加わる。1曲目《ELIJAH》のグルーヴ感は今の時代にも合っているのではないかな。かっこいい。

ソング・フォー・マイ・ファーザー

「ソング・フォー・マイ・ファーザー」というアルバムで本当の父親をジャケット写真にするストレートさはいかがなものか(実はブルーノートにはこの手のダジャレ系ジャケットがけっこうある)と思いつつ、決まっているんだなあ。なぜか1曲目のタイトル曲は聞いたことがあった。どこで聞いたんだろう?

アウト・トゥ・ランチ

これは amazon では在庫なしということだったので、近所のタワーレコードで購入。タワーのブルーノートの輸入盤は高めなのだが、幸いこれは 10% オフの対象になっていた。一応フリー・ジャズという範疇に入りそうなのだが、フォーマットはもっとしっかりしている。ドルフィーの吹くアルトサックス、バスクラリネット、フルート、それにヴィブラフォンが組み合わされると独特の音響が生み出される。大友良英率いる ONJO(Otomo Yoshihide’s New Jazz Orchestra)が全曲カバーしているアルバムもある。こちらも聴いてみたい。

ブルーノート

最近、またブルーノートでも聞いてみようかと思い、こんな本を買ってきた。

超ブルーノート入門―ジャズの究極・1500番台のすすめ (集英社新書)

超ブルーノート入門完結編―4000番台の至福 (集英社新書)

「マイルスを聴け」とは違い、少し落ち着いた文体になっている。 見開き2ページで1500番台/4000番台の各アルバムを紹介している。 解説の最後にある勿体つけた言い方が意味不明(分かる人には分かるのか?)だが、各アルバムが作られるまでの大まかな背景を知る上では重宝する。

(この本の冒頭で「ジャズはマイルスとブルーノートだけ聴けばよい」と書かれているが、私はまさにそんな聴き方しかしていない …..)

で、CD ショップに行くと東芝 EMI から「ブルーノート名盤 RVG コレクション」なるシリーズが発売されていた。これって amazon で 980 円(一部は 1600 円くらい)で売られている輸入盤と同じ音源?

ちなみに、ちょっと前に1500円でどかっと売っていたブルーノートのシリーズは RVG によるリマスタリングではなく、その前のマスターを使っている。なので、私はこのシリーズを買わずに輸入盤の RVG エディションで揃えようと決めたのである。

輸入盤 RVG は曲順/構成/ジャケットがオリジナルと異なっている場合もあるので、そのへんが批判されることもあるらしいのだが、音質とコストパフォーマンスを考える とこれがベストの選択肢かなと思うのである。あと一部タイトルは CCCD になっているらしいのだが、これも買い方で回避できるだろう。

以下、コルトレーンがブルーノートに残した唯一のリーダー作「ブルー・トレイン」のジャケット画像なのであるが、輸入盤 RVG (左)はわざわざカタログ番号を現在のものに変えている。東芝盤(右)はオリジナルのまま 1577 である。

ジャケットがオリジナルと全く違うのであればそれはそれで OK なのであるが、こういう懲り方は無駄な努力のような気がするんだなあ …..

あ、そうだ。こんな本も買ったんだった。

風に吹かれて豆腐屋ジョニー―実録男前豆腐店ストーリー (セオリーBOOKS)

実はけっこう前から男前豆腐店のファン。 味に自信があるからこそ、こういう大胆なマーケティング戦略が取れるんだろうな。

つらつらと休日

先週は東京へ「響宴」を見に行ったので週末は全然休めなかった。今週は久々にぼーっと休む。

午前中は食材などの買出しでショッピングセンターへ。

石ノ森章太郎変身ヒーロー写真集1971-1975

衝動買い。「仮面ライダー」「人造人間キカイダー」「変身忍者嵐」といった石ノ森章太郎原作の特撮ヒーローの写真集。かなり懐かしい気持ちでいっぱいになったのだが何かコンセプトが中途半端。

ブルーノート・コレクターズ・ガイド

決してブルーノート・レーベルのオリジナル盤をコレクションしようなどという不埒な野望を持ち合わせているわけではない。以前の日記にも書いたことがあるが、「開運!何でも鑑定団」ではコンプリート・セットに1200万円という値がついたのである。ひょっとして同じような金額を出せばシャトー・ムートン・ロートシルトのヴィンテージもかなり揃えることができるんじゃないかな?

ともあれ、そういう「コレクター道」に関する文章を読むのも面白いので買ってみることにした。(いつどこで読めるのだろう …..)

*****

久しぶりにカレーを作ろうと思って買出しに行ったわけなのだが、私が息子をあやしている間に妻が材料を買うという分担にした。下ごしらえも私が息子の機嫌を取っている間に妻にお願いした。野菜や肉を炒めて煮始めるところまでは私がやった。最後の仕上げをやろうと思っていたのだが、息子と一緒に寝てしまい、起きたらカレーはできていた。

さて、カレーを作ったのは誰でしょう?

メルローを開けてみたのだが、カレーに合わせるにはちょっとまろやかだった。スパイシーなカレーに合わせるにはもう少しスパイシーな赤がいい。

ブルーノート

そういうわけで、ブルーノートの紙ジャケを探しているのだが、有名どころはさすがに見つからない。

そんな感じで amazon.co.jp を見ていたら、何と輸入盤(もちろんプラケース入り)ではリマスター盤が1000円で手に入るらしいことが分かった。東芝EMIから出ていた紙ジャケは約2500円なので、紙ジャケを2枚買うとこの輸入盤は5枚買えることになる。紙ジャケをプラケースで再販した国内盤でも1枚1500円である。

これはもう買うしかないと思い、何枚か買ってみた。紙ジャケには入っていないボーナストラックが入っていたり、セッションごとに収録されているためにオリジナルとは異なる曲順になっているものもあるが、このへんは好き好きだろう。私は貧乏性なので1曲でも多く入っていると得した気分になる。

注意すべき点もいくつかある。amazon.co.jp では US 盤と書かれていても実際には UK 盤のことがあるらしい。以下の4枚のうち、「ブルー・トレイン」を除く3枚は amazon.co.jp ではUS盤と書かれていたが、届いたのはUK盤だった。「ブルー・トレイン」はUS盤。

これなら特に問題はないのだが、タイトルによってはUK盤がCCCDになっている場合もあるらしいので要注意である。上記のようなことがあると、US盤だと思って買ったのに届いてみたらCCCDのUK盤ということもあり得るのである。

ちょっと調べてみたら、ハービー・ハンコックの「スピーク・ライク・ア・チャイルド」は価格の安いUK盤(下左)がCCCD、ちょっと値段の高いUS盤(下右)が非CCCDだそうである。これはまだちゃんとUK盤/US盤と書かれているからいいけど。

… と思ってちょっと調べてみたら、US/UK という表記は amazon.co.jp が手配する業者の国籍なので、その国の盤であるとは限らないということである。

Speak Like a Child (CCCD) / Speak Like a Child

で、買ったものたち。

The Sidewinder

At the “Golden Circle” in Stockholm, Vol. 1

Genius of Modern Music, Vol. 2

Blue Train

どれもわざわざ紹介する必要のない名盤。

《サイドワインダー》は15年くらい前に(確か)ホンダのプレリュードのCMで弦楽四重奏バージョン(演奏はタートル・アイランド・ストリング・カルテット)を聞いたのが最初。ひょっとしてオリジナル・バージョンを聞いたのは初めてかも知れない。8ビートのこの曲は「ジャズ・ロックの走り」と言われているが、実は微妙にリズムがよれている。完全にロックのリズムになり切れていない感じ。

オーネット・コールマンの「ゴールデン・サークル」は今回いちばん聞きたかった作品。映画「スウィング・ガールズ」で竹中直人先生のオタク部屋にも飾られていた。

セロニアス・モンクも名前はもちろん知っていたものの、演奏はあまり聞いたことがなかったので。あまりにも奇抜なスタイルでの演奏であったために、ソロの自由度が狭められることを嫌ったマイルス・デイヴィスが「俺がソロを吹いているときにはバックで弾くな」と言ったのは有名な話。

コルトレーンの「ブルー・トレイン」はブルーノートに吹き込んだ唯一のリーダー作。後の求心性のようなものはまだあまり感じられない若い演奏である。

副読本として、こんなのも買ってみました。

ブルーノート・レコード―史上最強のジャズ・レーベルの物語 (朝日文庫)