-
浜松南高校第10回定期演奏会
基本的に高校の吹奏楽部の定演というのは見に行かないのであるが、いろいろ事情があって見に行った。(武道館で行なわれる方の?)マーチング大会では過去に何回も全国大会に出場しているので、その筋ではいくらか知名度があるのではないだろうか。 第1部「クラシック・ステージ」第2部「ドリル・ステージ」第3部「企画ステージ」第4部「ポピュラー・ステージ」というてんこもりの構成。マーチングの方で鍛えているだけあって、音の立ち上がりのよさや開放的な明るいサウンドは魅力的である。クラシック・ステージでは時として荒く聞こえたりバランスが悪くなったりすることもあるが、そのへんをうまくまとめてやればもっといい演奏ができるバンドだと思う。また、多くのメンバーがそこそこのソロが取れるというのもいい。いかにも「譜面を間違えないように吹いてみました」というソロではなく、自分なりに消化していることがわかるソロである。最初にも書いたように昨今の高校吹奏楽部の様子はよくわからないのであるが、これだけ強烈なヴァイタリティを表現できたら、演奏の良し悪しに関係なく聴衆を動かすことはできると思う。ブラヴォー。 ***** 中古DVDショップを物色。 散り行く花 (トールケース) [DVD] 映画創成期の巨匠グリフィスの作品。1919年制作。グリフィス作品には欠かせない名女優リリアン・ギッシュも出演している。「ゴダールの映画史」にも引用されている。ここで見つけたのもシンクロニシティか?いつ見るかはわからない(だいたい数年前に買ったグリフィス作品「国民の創生」「イントレランス」もまだちゃんと見ていない)が、とりあえずライブラリとして持っていたい。 バック・トゥ・ザ・フューチャー トリロジー・ボックスセット [DVD] リリースされた直後から買おうかどうしようか迷っていたボックスセットであるが、中古で値段も手頃、状態もかなりよかったので購入することにする。LDでは全部持っているんだけど。 モンスターズ・インク [DVD] これもライブラリに加えておきたかった作品。 Wingspan: Hits and History 輸入CDバーゲンで。数年前にリリースされたポール・マッカートニーの2枚組ベストアルバム。どちらかというと「ジョン派」なのであるし、ジョン以外のソロ・ビートルにはあまり興味はないのだが、ポールのソロ作でも何曲か気に入っているものはあるので買っておく。 Last Smile I will be with you ラヴ・サイケデリコのシングルは、タイトル・チューン以外の曲がアルバムに収録されないことが多いので、シングルはレンタル落ちを安く買っている。
-
テルミン・レクチャー・コンサート
日本のテルミン演奏の第一人者である竹内正実さんのレクチャー・コンサートが浜松市楽器博物館の主催で開催された。 スライドやビデオを使いながらテルミンの生涯を簡単にたどり、その合間にクラシックの小品を演奏するといった構成。そういえば、ちゃんと演奏されたテルミンの音色を生で聞くのは初めてかも知れない。以前、展示会で展示されていたテルミンを少し演奏させてもらったことがあるのだが、(当たり前のことではあるが)音階すらまともに弾けなかった。 しかし、人(私も含めて)はテルミンの何に惹かれるのだろう?楽器に全く触れずに、空中で動かす手で演奏を制御するという多少オカルト的なにおいのする怪しさか?ヴォカリーズにも似た響きと、電子楽器にはそぐわないある種の不安定さを含んだ音色か? テルミンで和音を出そうと試みた「ポリフォニック・テルミン」のテルミン博士自身によるプレゼンテーション(レクチャー終了後に竹内さんにうかがったのであるが、この音源は世に出ていない模様。テルミンに関する資料は娘さんがかなり厳しく管理されているそうだ。)や、アンコールに使われたマトリョミン(ロシア名物マトリョーシカ人形にテルミンを組み込んだもの)が興味深かった。 ***** ニュー・サウンズ・イン・ブラス 2003(CCCD) 去年も書いたような気がするが、一応バンドの選曲資料のために毎年購入はしている。 が … ううん、こういう曲やこういうアレンジを求めている現場はそんなに多いのだろうか? 対象としては、おそらく中・高校生バンドが多いのだろう。しかし、今 J-POP のヒットチャートの上位にいる曲をかっこいいと思って聴いている吹奏楽部員たちが、こういう曲やこういうアレンジを「吹奏楽界でかっこいいとされているスタイル」だと思い、そのギャップに無自覚でいることは、とても不幸なことなのではないかと思う。 少なくとも私は供給する側の目指している「かっこよさ」と、それを受容する側の「かっこよさ」のどうしようもない乖離を感じている。
-
ゴダールの映画史
ジャン=リュック・ゴダール 映画史 全8章 BOX [DVD] 先々週はホームシアターシステム、先週は(壊れてしまったので仕方なく新調した)PCと散財続き。その勢いで買ってしまった5枚組のDVDである。 もともと、ゴダールという監督に強い思い入れを持っているわけではないのだが、この作品はWOWOWで放送されたのを見て強い衝撃を受けた。テキスト、絵画、音楽、それからもちろん映画のおびただしい量の引用。そこからゴダールなりの「8つの映画史」が作り出された。私はこのむせ返るような情報量に心が躍る。 DVDでは、DVDならではの機能を利用して引用の出典を簡単に参照することができる。例えば音楽が流れているときには「M」という文字が画面上に現われ、それを選択すると引用されている音楽を説明する別画面が引き出されるという感じ。これを見た後でゴダール作品を見ると何かが変わるのだろうか? 第1章、繰り返し登場するゴダールの電子タイプライターの紙送り音を聞きながら、ビートルズの「Revolution No.9」の「なんばーないん、な」という声を思い出した。
-
憧憬
憧憬 ~基町高等学校器楽部全国大会の記録1971−1982~ ブレーンが制作した、増広卓三氏が顧問をしていた時代の広島市立基町高等学校の全国大会での演奏を収めたCD。(成績一覧はこちら。)このバンドの選曲やサウンド作りにおける方向性がとても気に入っていた。 ヴェルディの歌劇《ナブッコ》序曲(第19回大会/1971年)や、ゴセックの《古典序曲》(第21回大会/1973年)あたりを聞くと、さすがに時代を感じさせる演奏なのだが、歌劇《タンクレディ》序曲(第25回大会/1977年)以降ははっきりとサウンドが変わる。このバンドの持ち味であったまろやかさや柔らかさが徐々に完成されてゆくのがわかる。頂点は《リシルド》序曲(第28回大会/1980年)と《序曲ハ調》(第29回大会/1981年)あたりか。
-
ホームシアター
ホームシアターシステムをセットアップしたところで、DTSの効果が楽しめるソフトを借りにビデオレンタルへ。とりあえず、「バンド・オブ・ブラザース」の第1巻と「ハリー・ポッター」を借りてみる。 「バンド・オブ・ブラザース」は昨年の夏くらいからWOWOWで放送されていたのを見て結構はまっていた。第2次大戦中のある精鋭部隊についてのノンフィクションをもとにしたアメリカのテレビ番組である。スピルバーグやトム・ハンクスが制作に携わっているので「プライベート・ライアン」と同じような路線なのだが、「バンド・オブ・ブラザース」を見てから「プライベート・ライアン」を見たらその表層的な陳腐さにがっかりした覚えがある。 で、「バンド・オブ・ブラザース」であるが、DTSで見ると今まで見ていたものが何だったのかと思うくらい「のめり込み度」が違う。一応WOWOWで放送されたものは全話録画してDVD-Rで保存してあるのだが二度と見ることはないと思う(笑)。今まではボックスセットで限定販売されていて、オークションなどでもプレミア付きで取引されているようだが、近々分売されるようなのでちょっと安心。
-
BCLサンプル到着
曲目解説を書かせていただいたCD「バンド・クラシックス・ライブラリー」の見本盤が届く。 昨今の業界事情を考えてみれば、こういうレパートリーの録音はプロもやらないし、CDをリリースしている有名アマチュア楽団もやらないだろう。いわゆる「ニッチ」な位置づけなのであるが、以前にたとえば日本コロンビアあたりからリリースされていたシリーズが入手しにくくなっている現在、なかなかいい目のつけどころなのではないかと思う。 いい意味でも悪い意味でも中庸な演奏なのであるが、細かいところまで丁寧に仕上げようとしている意志が感じられて好感が持てる。 ***** 先日やっと購入に踏み切った6.1chのホームシアターシステムが到着。午前中からケーブルの引き回しやらスピーカーの設置やらを行う。疲れた。
-
リージョンフリーDVDプレーヤー
某PCショップのDVDプレーヤーを購入。浜松店には在庫もあったし、たまたまセールだったらしく通販価格の2000円引きで売られていた。 確かに何の問題もなくリージョン1(北米・カナダ仕様)のDVDを再生することができた。少なくとも29インチのブラウン管で見る限り、画質もまったく問題がない。 PALなども再生できるそうなので、輸入DVD購入に拍車がかかりそうである。
-
空軍バンドCD2枚
空軍バンド関係のCDを2枚ゲット。 From This Moment On / アメリカ空軍バンド (BOL-0103) 昨年のミッドウェストで配布されていた空軍バンドのCD。ミュージカルナンバーから構成されている。 Fireworks for Band / アメリカ空軍戦術航空軍バンド (MCD-848) 現在、アメリカ空軍バンドの指揮者を務めているロウェル・E・グラハムが以前指揮していたバンドのCD。1990年の録音とある。ホルジンガーの《危険な空を制圧するために》、デロ=ジョイオの《ハイドンの主題による幻想曲》、パーシケッティの《交響曲第6番》、バーンズの《パガニーニの主題による幻想的変奏曲》など、重めの内容の作品が収録されている。サウンドは軽めというか、とても楽そうに吹いている。(どの曲も大変なはずなんだけどな。)1曲だけアイラ・ハーシェンが編曲した《3/4拍子のブロードウェイ》というポップス・ナンバーが収録されている。タイトル通り《マイ・フェイヴァリット・ソング》や《I Feel Pretty(だっけ?ウェスト・サイド・ストーリー)》など 3/4 拍子のブロードウェイ・ナンバーを集めた曲である。
-
今日買ったもの(ショスタコーヴィチ/クセナキスなど)
久々に上京したので買出し。 ショスタコーヴィチ:交響曲全集(11枚組) ショスタコーヴィチの交響曲全曲(全11枚)が国内盤1枚ほどの価格で買える。(新宿TOWERでの購入価格は2850円) まだ 1、2、5 しか聞いていないが概ねよい。全体的な楽器バランスを考えると木管楽器(特に高音)がかなり大きめなのだが、金管も出るところは出ているし大きな問題ではない。端正にまとめられているので「圧倒的な音量感」を期待すると少し物足りないかもしれないが、しっかり作品に向かい合っているという意味では好感が持てる。とりあえずショスタコーヴィチの交響曲を全部聞いてみたいという人には投資するだけの価値があるコストパフォーマンスだと思う。 Xenakis: Metastasis; Pithoprakta; Eonta いわゆる「ユージエオンタ」の再発盤。ちょっと前にYahoo!オークションで出品されていたが落札しなくてよかった(笑)。(新宿TOWERでの購入価格1190円だったかな?) 金管五重奏とピアノのための「エオンタ」が収録されている。クセナキスの弟子でもある高橋悠治はこの曲の初演者でもある。 ***** 御茶ノ水オーディオユニオンでレイカのレコードクリーナーお試しセットを購入。「高い」という人はいるが「効果がない」という人はいない優れもののレコードクリーナーらしい。とりあえず藁にもすがる思いで買ってみる。これで中古レコードの音がよくなればよいのだけれど。 ***** 銀座・山野楽器で今はなき Rene Gailly の吹奏楽CDを4枚購入。全部で何枚あるのかな? ***** ヤマハ銀座店では、地元ではなかなか見つからない「ブラスバンドの社会史」を購入。ヴァン=デル=ローストの「シンフォニア・ハンガリカ」のミニチュア・スコアが意外な安値で売っていたのでこれも購入。たまたま外囿祥一郎さんのインストアライブがあったのでのぞいてみる。 ブラスバンドの社会史―軍楽隊から歌伴へ (青弓社ライブラリー)
-
伊藤康英さん三昧
会社を休んで(^_^;)伊藤康英さん漬けの一日。 まずは午後から行われたレクチャーコンサート。平日昼間ということでなかなかシビアな観客数であったが(^_^;)、その分ざっくばらんな話が聞けた。伊藤作品からは《抒情的「祭」ファンタジー》《歌》《木星のファンタジー》《琉球幻想曲》などを披露。《木星のファンタジー》のコード進行が V6 の「Take Me Higher」から取られたという話は意外だった。ご子息が「ウルトラマン・ティガ」が好きでよく見ていたそうで(笑)。そうそう、伊藤さんのレクチャーコンサートではお馴染みになったモーツァルト風《大きな栗の木の下で》は、ついに楽譜まで作られてしまった。 夜は航空自衛隊中部音楽隊の定期演奏会。第25回定期演奏会を記念して伊藤さんに委嘱された作品が初演される。《コラール幻想曲》。グレインジャーも吹奏楽編曲しているバッハのコラール《おお汝、その罪深きを悔い改めよ》を下敷きにした作品である。 この曲を最後にしばらく吹奏楽曲を書くのを止めるそうで、高校時代の思い出でもあるこのバッハのコラールを使おうと思ったそうである。吹奏楽のための、いわば区切りの作品でこのコラールを引用するあたり、「汝」とは誰なのか?「罪」とは何なのか?を詮索するとなかなか楽しい(笑)。まあ、私の詮索はそんなにうがった見方ではないと思っているのだが … また後日うかがったのであるが、伊藤さんが大学時代に作曲したオラトリオ《第七の封印》も引用されているとのこと。こちらは聴いたことがないのでどこでどういう風に引用されているのかわからなかったが ….. 内容は題名が示すようにバッハのコラールがほとんどそのままの形で引用され、それが自由に変奏されるような形式。突出した派手なクライマックスがないかわりに、(伊藤さんもおっしゃっていたように)緊張感のある音楽がずっと持続されていく。最終部では再びコラールが演奏されるが、これもバッハの音楽に対して手は加えられていないという。朗々と演奏されるコラールを聞いているうちに、伊藤さんが母校のために書いた《ジュビリー・シンフォニー》の第2楽章のタイトルである “Remembrance – Farewell” という言葉を思い出した。「回想 – 別離」。吹奏楽に対する伊藤さんの惜別の辞のように思えてならない。コラールが盛り上がったあと、金管楽器が次々とミュートをつけ、全合奏の ppp で曲を閉じるのが効果的。何ともいえない余韻を残す。 惜しむらくは、指揮者がおそらくこの作品を完全に消化していなかったと思われること。全曲の構成を考えると、もっと感動的に仕上げる余地を残していたと思う。(途中変拍子が続く部分はあるし、最後はかなり遅いテンポなので振るのは難しいそうだけどね …..) その他の曲は樽屋雅徳《絵のない絵本》、セルジュ・ランセン《マンハッタン交響曲》、ビゼー(淀彰編曲)の《カルメン》組曲。しかし、毎回思うけど、このバンドは渋いプログラムだね(笑)。最初から最後までソロ吹きっぱなし、ハイトーン吹きっぱなしのトランペットのトップの方、ブラヴォー! ***** ということで街へ出たついでに。 山下達郎 LP-BOX [12 inch Analog] 以前の日記にも書いた山下達郎の再発アルバムのアナログボックス。まずは「ぎりぎりで予約したので初回入荷できずに完売」という連絡が入った。他店で見つけたものの、この時は思いとどまって購入せず。「ま、いいか。」ということでこのために確保していた予算を別に使ってしまった。その後「入荷したのですが、どうされますか?」という連絡。以下の件でショップにご迷惑をかけてしまったのでさすがにキャンセルするわけにはいかんというわけで購入した次第。 やっぱり、CDと違ってアナログ盤には文字通りのボリューム感と「買った!」という充実感がある。おそらくCDとは異なる未収録曲が収録されたボーナスディスク以外は針を通さないと思うのだが(^_^;)。 テルミン コレクターズBOX [DVD] すみません。コレクターズボックスが出ることを知りませんでした(_0_)。通常盤を予約しておきながら、再度コレクターズボックスを注文するというわがままなことをしてしまいました(_0_)。ごめんなさい、Mさん。 映画「テルミン」の DVD と、テルミン奏者といえばこの方たち、元女王クララ・ロックモアと現役女王リディア・カヴィナの演奏する映像を収めた DVD 「テルミン演奏のすべて」と、クララ・ロックモアの演奏を収めた CD の3枚組。かれこれ10年近く前、冨田勲さんの講演会を聴きに行った時に、若かりしクララ・ロックモアの映像を見たのがテルミンとの出会いだったと思うのだが、残念ながらこの映像は含まれていないようだ。(映画本編には使われているのかな?) COMICA 「LIFE」の時にもやっていたけど、これはスケッチ的な位置付けなんだろうな。秋には「正真正銘の」オリジナル・ソロアルバムがリリースされるというし。(じゃあ、これは「正真正銘」ではないのか(笑)?)内容を希釈する方向でのバブリーなマーケティングに対して、まず抵抗を感じる。 全体に散漫な印象で、これで3000円はちょっとな … というのが正直な感想。ジャンルとしてはアンビエントといえるのだろうけど、ジャケットワークなども含めて何をやりたいのかよくわからない。 ナクソスの日本人作品集を聞いていたので《朱鷺に寄せる哀歌》がちょっと頭をよぎりました(笑)。