Category: CD/DVD

  • The Model か Das Model か?

    最近、クラフトワークのメーリングリストで紛糾している話題。 先日の日記でも書いたようにクラフトワークの最新ライブアルバム「Minimum-Maximum」にはドイツ語バージョンと英語バージョンが存在するのであるが、このドイツ語バージョンにも2種類あるらしいという話である。 私が amazon.de から購入したドイツ語バージョン(マトリックス:5607002 @ 5)では《Das Model》はドイツ語で歌われているのだが、日本に輸入されているドイツ語バージョン(マトリックス:5607002 @ 4)では《Das Model》は英語で歌われているらしいのだ。他にも マトリックス:5607002 @ 5 を持っているという方がいたが、この方は海外出張中にフランクフルトの空港内で購入したとのこと。 日本はドイツ語バージョンと英語バージョンが日本盤としてリリースされている(ややこしい)のだが、どうやらこの盤もマトリックス:5607002 @ 4 をベースにしているようで、東芝EMIのサイトでもこのことには言及されていない。

  • シエナのDVD

    というわけで DVD も買ってみた。 ブラスの祭典 ライヴ 2004 [DVD] いつも買っているショップで品切れだったらどうしようと思っていたのだが、たくさんディスプレイしていたのでかなりプッシュして売っているのかな?昨日の吹奏楽団に練習でも買ったという団員がいたし、かなりヒットしているのかも知れない。 「ブラスト」に参加している石川直さんのソロ、アンコールでの観客を交えた《星条旗よ永遠なれ》(大学の後輩が映っていてびっくりした(笑)。 pontaくん、記念に買った方がいいよ。)なども含まれており、CD よりもなお一層エンタテインメント性が強調されているように思える。 確かに佐渡/シエナのコンビには聞き手をわくわくさせる雰囲気がある。それは佐渡さんが吹奏楽という音楽をやりながら、吹奏楽という範疇を超えた視点で音楽を見つめているからなのではないかと思う。聞いている人の多くが吹奏楽関係者であっても、その視点には意味があろう。 これまでの CD ではわりとそういう「わくわく感」を訴えやすい作品が選ばれてきた。 (例えばバーンスタインの《キャンディード序曲》であったりリードの《アルメニアン・ダンス》であったり。) いわば「自分の土俵で相撲を取っていた」というメリットがあった。 今回の CD / DVD はそういう路線の総決算のような気がする。 このまま進んでしまうとマンネリ化してしまう恐れがあるので、個人的には、ちょっと方向転換をしていただいて、例えばしかめっ面をして聞きそうな作品たちを自分たちの土俵に引き込んで「シエナの音楽」にして欲しい気がする。 … と思ってホームページを見ていたら、今度はドビュッシーの《喜びの島》をやるのか … ニヤリ。

  • 北海道教育大学函館校吹奏楽団

    渡部謙一さんから北海道教育大学函館校吹奏楽団の演奏会の DVD を見せていただいた。今年の3月6日に行なわれた「吹奏楽的温故知新」と題された演奏会である。 第1部は現代の日本人作曲家による作品、第2部は渡部さん、国塩哲紀さん、伊左治直さんによるトーク、第3部はいろいろな国の行進曲という構成になっている。 第1部は国塩さんによる簡単な楽曲解説を実演を交えながら行い、そのあとで作品を演奏するというレクチャー・コンサートのような形式。例えば《プレリュード》(浦田健次郎)では、冒頭のティンパニソロを取り出し、《夕焼けリバースJB急行〜ハイドン・バリエーション・メタモルフォーゼ>伊左治直》(伊左治直)では変容された「聖アンソニーの主題」を取り出し、田村文生編曲によるドビュッシーの《海の微風、春の再来〜弦楽四重奏曲第4楽章》では原曲と聞き比べて編曲者がどのように原曲をオーケストレーションしたのかを説明している。非常に面白い試みだと思うが、ひょっとして会場で聞くと少し長すぎたのかなという危惧も感じる。 しかし、《夕焼けリバースJB急行〜ハイドン・バリエーション・メタモルフォーゼ》はすごい曲。一応、ブラームスの《ハイドンの主題による変奏曲》が下敷きになっているらしいのだが、ほとんど原型をとどめないくらい解体されている。かろうじて聖アンソニー・コラールのそれらしい響きは聞き取れるのであるが、中盤ではジャズっぽい曲想になりトランペットやらサックスやらがスタンドプレイを演じる。そして最後はぽんっと放り出されたように唐突に終わってしまう … もうちょっと聞いてみないとよくわからないなあ … 第2部のトークは比較的期待通りの内容であった。現代音楽と吹奏楽の両方を俯瞰している渡部さん、国塩さんに、どちらかというと現代音楽の立場からものを言っている伊左治さん。まあ、この方の場合はガチガチのクラシックではなく舞台作品やいわゆるポピュラー音楽にも足を突っ込んでいるわけだが。この3人が「現代の音楽」における吹奏楽の位置付けのようなものを語っている。このトークを聞いている人のバックグラウンド(こういう問題意識を持っていない)によっては「何を話しているか全くわからない」状況だったのかも知れない。 第3部は未見なのであるが、ロシア、フランス、日本、ドイツ、アメリカ、イギリスとそれぞれの国の代表的な行進曲が集められている。ちなみに日本からは間宮芳生の《マーチ「カタロニアの栄光」》が選ばれている。

  • ブルーノート

    そういうわけで、ブルーノートの紙ジャケを探しているのだが、有名どころはさすがに見つからない。 そんな感じで amazon.co.jp を見ていたら、何と輸入盤(もちろんプラケース入り)ではリマスター盤が1000円で手に入るらしいことが分かった。東芝EMIから出ていた紙ジャケは約2500円なので、紙ジャケを2枚買うとこの輸入盤は5枚買えることになる。紙ジャケをプラケースで再販した国内盤でも1枚1500円である。 これはもう買うしかないと思い、何枚か買ってみた。紙ジャケには入っていないボーナストラックが入っていたり、セッションごとに収録されているためにオリジナルとは異なる曲順になっているものもあるが、このへんは好き好きだろう。私は貧乏性なので1曲でも多く入っていると得した気分になる。 注意すべき点もいくつかある。amazon.co.jp では US 盤と書かれていても実際には UK 盤のことがあるらしい。以下の4枚のうち、「ブルー・トレイン」を除く3枚は amazon.co.jp ではUS盤と書かれていたが、届いたのはUK盤だった。「ブルー・トレイン」はUS盤。 これなら特に問題はないのだが、タイトルによってはUK盤がCCCDになっている場合もあるらしいので要注意である。上記のようなことがあると、US盤だと思って買ったのに届いてみたらCCCDのUK盤ということもあり得るのである。 ちょっと調べてみたら、ハービー・ハンコックの「スピーク・ライク・ア・チャイルド」は価格の安いUK盤(下左)がCCCD、ちょっと値段の高いUS盤(下右)が非CCCDだそうである。これはまだちゃんとUK盤/US盤と書かれているからいいけど。 … と思ってちょっと調べてみたら、US/UK という表記は amazon.co.jp が手配する業者の国籍なので、その国の盤であるとは限らないということである。 Speak Like a Child (CCCD) / Speak Like a Child で、買ったものたち。 The Sidewinder At the “Golden Circle” in Stockholm, Vol. 1 Genius of Modern Music, Vol. 2 Blue Train どれもわざわざ紹介する必要のない名盤。 《サイドワインダー》は15年くらい前に(確か)ホンダのプレリュードのCMで弦楽四重奏バージョン(演奏はタートル・アイランド・ストリング・カルテット)を聞いたのが最初。ひょっとしてオリジナル・バージョンを聞いたのは初めてかも知れない。8ビートのこの曲は「ジャズ・ロックの走り」と言われているが、実は微妙にリズムがよれている。完全にロックのリズムになり切れていない感じ。 オーネット・コールマンの「ゴールデン・サークル」は今回いちばん聞きたかった作品。映画「スウィング・ガールズ」で竹中直人先生のオタク部屋にも飾られていた。 セロニアス・モンクも名前はもちろん知っていたものの、演奏はあまり聞いたことがなかったので。あまりにも奇抜なスタイルでの演奏であったために、ソロの自由度が狭められることを嫌ったマイルス・デイヴィスが「俺がソロを吹いているときにはバックで弾くな」と言ったのは有名な話。 コルトレーンの「ブルー・トレイン」はブルーノートに吹き込んだ唯一のリーダー作。後の求心性のようなものはまだあまり感じられない若い演奏である。 副読本として、こんなのも買ってみました。 […]

  • でぃー・くらふとヴぇるけす・つぇーでーず

    クラフトワークのライブCDが出た。 Minimum-Maximum これにはドイツ語バージョンとインターナショナルバージョンがあり、一部収録地が異なる音源が収録されていたり、ドイツ語バージョンの方が1曲多かったりする。結局はドイツ語バージョンの日本盤もリリースされたが、当初はドイツ国内のみのリリース予定だったので amazon.de から買うことにした。 結局、日本盤も amazon.de から送られてきた EU 盤も CCCD … この音源は真っ当な CD では聞けないのかな? 内容は期待以上によかった。最近リリースされたアルバム/シングルがかなりオーソドックスなサウンドだったので心配していたのだが、このライブでは血沸き肉踊るビートが押し出されている。旧作(もう20〜30年前の作品だ)をうまく現代のトレンドに合うようにアレンジしているのか、そもそも旧作自体が普遍的なビート感を持っていたのかよくわからないのであるが … で、ドイツから一枚だけ買うのも何なので、オリジナルアルバムのドイツ語盤も数枚買ってみることにした。 Computer World Electric Cafe The Mix クラフトワークの CD は基本的にドイツ語バージョンと英語バージョンがある。世界的に流通しているのは英語バージョンの多いようで、日本ではなかなか手に入らない。前半のCDは5年ほど前にドイツへ行った時に買ったので、今回は後半の作品を買ってみた。 彼らはドイツ人なのでドイツ語バージョンの方がしっくり来ると思いきや、必ずしもそうではないのが面白い。例えば「めんしゅ・ましーね」より「まん・ましん」の方が、「こんぴゅーたー・りーべ」よりは「こんぴゅーたー・らぶ」の方がメロディに乗っているように思える。 「コンピューター・ワールド(というかコンピューターヴェルト?)」はクラフトワーク的なミニマル感がギリギリ残っているアルバム。サウンド的な新しさはあまりないのであるが、《電卓》《ナンバーズ》《コンピューターラヴ》といった名曲が入っている。 「エレクトリック・カフェ」は失敗作だと思う。前作の収録漏れと時代に迎合しようとしてうまく迎合できなかったポップな曲が並べられているだけ。アルバムとしてのコンセプトも希薄である。《セックス・オブジェクト》におけるチョッパー音の違和感がアルバム全体の違和感を象徴しているように思える。 そんな失敗をリサーチしてか、次のアルバム「THE MIX」では過去の作品を大胆なリズムアレンジでセルフカバー。今回のライブアルバムの立脚点もここにあるのだろう。

  • 今日買ったもの

    無事にボーナスも出たのでいろいろとお買い物。 まずは、息子が歩き出す前にと思い、ビデオカメラを買った。ハードディスクムービーも興味があったのだが、まだ技術がこなれていない感じだし、価格も高めだったので、売れ線の DV にしておいた。 iPod のイヤホンがそろそろ壊れつつあるので新しいものを買おうと思ったのだが、ディスカウントで有名な電器店では品数が少ないし、試聴もできないのでまたの機会に。 で、とりあえず買ってはみたもののまだ聞いていない CD たち。 深井史郎:パロディ的な四楽章 ナクソスの日本人作品集の一枚。その昔、秋田南高校が取り上げた《パロディ的な四楽章》が収録されている。 ブラスの祭典(3) シエナ/佐渡裕コンビの三枚目。いつの間にかレーベルがワーナーからエイベックスに移っている。《風紋》とか《フェスティヴァル・ヴァリエーション》とかホルストの《第一組曲》とか、こてこての吹奏楽定番レパートリーばかり並べられているが、ルディンの《詩のない歌》が収録されているのが異質で面白いかも。 カーステレオで聴いただけなので断言はできないが、かなり残響の多い録音。このコンビのファーストアルバム(確かすみだトリフォニーで録音)も同じような傾向の音だったような気がする。 DVD(ブラスの祭典 ライヴ 2004 [DVD])も出るみたいですね。 ***** 夜は所属する吹奏楽団の合奏。梅雨入り直後で、しかも冷房が入っていない部屋での合奏はさすがにしんどい。

  • あえてこの時期に

    このDVDを見てみる。 六月の勝利の歌を忘れない 日本代表、真実の30日間ドキュメント DVD-BOX 以前から面白いという話は聞いていたのだが、たまたま知人から借りることができた。 言ってしまえば、ワールドカップの日本代表の練習風景をまとめただけのものなのだが、いろいろな新しい発見がある。 やはり中山と秋田を選んだのは正しかったなあ(まさに精神的支柱)とか、柳沢もかわいいところがあるなあとか、中田英が意外と無邪気だとか。 その中でトゥルシエの指導者としての態度はさすがだなあ、と思う。選手の鼓舞の仕方とか、ミスを指摘した選手に対してはそのあとにちゃんとフォローしているとか。でも、ちゃんと選手たちにプールに落とされることを忘れないとか。 おそらく著作権の関係だろうが、実際のゲームの映像はアニメーションのような画像処理がされている。まあ、日本のワールドカップでの試合は全部録画してあるからいいや。 私はアンチ・ジーコなので、今の日本代表でこういうドキュメンタリーを撮った時のことを考えると少々悲しくなってしまうが、とりあえずはワールドカップに連れて行ってくれるようなので感謝しよう。

  • 海兵隊バンドなどなど

    久しぶりに MUSICSTORE.JP からお買い物。 MUSICA DE TOT UN SEGLE – MOROS I CRISTIANS (CD&DVD) ブニョール・ラ・アルティスティカ交響吹奏楽団によるライヴ。 「モーロ人とキリスト教徒」と呼ばれるお祭りにまつわる音楽を集めたコンサートである。DVD と CD の二枚組。 先月のジャパン・バンド・クリニックで聞いたヴァレンシア市吹奏楽団の演奏がよかったので、同じようなスペインのバンドのサウンドが味わえるのではないかと思って購入した。 内容はなかなか微妙。 まずチェロを含む巨大な編成は一見の価値あり。 そこから生み出されるサウンドはスペインのバンドならではの特徴がある。 重厚なサウンドであるのだが、湿度を感じるなめらかな響きである。 しかし、曲はほとんど聞いたことがないものばかり。 また、DVD ではお祭りそのものの様子がかなり盛り込まれているのだが、その分演奏そのものを映した映像は少なくなっているのがちょっと残念。 録音はちょっと残響が多くてモヤモヤしている。 曲ではなくサウンドを聞きながら異国の風景を楽しむ … という BGV 的な楽しみ方の方がいいのかも。 ミッドウェスト2004:アメリカ海兵隊バンド MUSICSTORE.JP は「海軍バンド」と紹介しているが、やはり Marine Band は「海兵隊バンド」の方が適当だと思う。「海軍バンド」は Navy Band ではないかな。 昨年からティモシー・フォーリーに代わって、マイケル・J・コルバーンという人が第27代の音楽監督になったらしい。 神奈川大学吹奏楽部も出演した昨年のミッドウェスト・クリニックでのライヴ。 (ちなみに今年はヤマハ吹奏楽団が出演するらしい。)2枚組で、1枚は吹奏楽編成での演奏、もう1枚は室内楽編成でのモーツァルトの《グラン・パルティータ》が収録されている。 やっぱり、最近の演奏ではワシントン空軍バンドよりも海兵隊バンドの方が好きだなあ。 一般に販売されているものとしては 2001年にルツェルンで行われた WASBE でのライヴもいい演奏なのでこちらも聞いて欲しい。 シュワントナーの《打楽器協奏曲》はアンドリュー・ボイセンによる吹奏楽編曲で、2001 年の WASBE でも演奏されたレパートリー。ライヴならではの緊張感と熱狂が伝わってくる。 海兵隊バンドから委嘱を受けた(交響曲第2番《テン・オブ・ア・カインド》)こともあるラコウスキーの《シブリング・レヴルリー》は、ポピュラーな素材を使った4楽章からなる作品。各楽章のタイトルには「タンゴ」「バップ」「ブルース」などという言葉が並んでいる。 アイラ・ハーシェンの《ディヴェルティメント》(これはワシントン空軍バンドによる委嘱作品)も同じような傾向の作品であるが、この《シブリング・ […]

  • ますますエレクトロニカ(フェネス)

    夏に坂本龍一ライブを聞きに行くことになった。 最後にバンドとしてライブを行なったのは1995年の「D&Lライブ」らしいので、かれこれ10年ぶりということになる。 私も教授のライブとしては、佐渡裕さんとやったオーケストラのコンサートやオペラや岩井俊雄さんとやったピアノコンサートあたりは見に行っているのだが、バンドとしてのライブとなると、ひょっとして「BEAUTYツアー」以来かもしれない。 というわけで、予習がてらツアーメンバーであるクリスチャン・フェネスのCDを買ってみた。確か昨年来日したデヴィッド・シルヴィアンのライブにもいたような気がする。 エンドレス・サマー アマゾンでレビューを見てみるとなかなか評判がいい。 エレクトロニカは全体を俯瞰して聞いているわけではないので、これがエレクトロニカというジャンルの中でどのへんに位置しているのかわからないが、なかなかよい。 タイトル曲の《エンドレス・サマー》ではサンプリングされたギターのフレーズがかなり大胆に使われているのだが、そのサウンドとノイズを組み合わせて一曲の中でドラマを作ってしまうのは面白い。 先日の竹村延和さんの「フィナーレ」でも感じたのであるが、電子音の組み合わせ(多少裏技というかアクセントとして自然音も入っていたりするが)で叙情性を喚起する音楽を作っているというあたりが個人的には気に入っている。

  • 竹村延和/村上隆

    [tmkm-amazon]B00005HIW3[/tmkm-amazon] 最近いろいろな人にエレクトロニカなおすすめアルバムを紹介してもらっていて、その分野に踏み込みつつある。これは、ちょっと前に聞かせてもらって、とても気に入ったアルバム。 竹村延和が ISSEI MIYAKE MEN のミラノ・コレクションのために作曲したものである。国内ではとっくに廃盤になっているようで、海外のオークションで入手した。 この写真だとわかりにくいが、ジャケット・デザインは今や世界の巨匠である村上隆である。トレードマークである、顔が書かれた花びらがちりばめられている。 何と言ってもラストに収録されている17分にもおよぶタイトル曲《フィナーレ》が素晴らしい。