CD/DVD」カテゴリーアーカイブ

55+56=111

というわけで、ドイツ・グラモフォン111周年記念のボックス第2弾(56枚組)が発売されたわけですが …

111: The Collector’s Edition 2

  • 「111」なのに第1弾は55枚組だった
  • 第1弾と同時に発売されたハイライト6枚組には、第1弾ボックスに収録されていない音源もあった

という時点で第2弾の存在に気付くべきだったんですね。

第1弾ボックスでは奇跡的にダブりはありませんでしたが、こちらのボックスでは多少ダブりがありました。バレンボイムが弾くベートーヴェンのピアノソナタ(何で買ってしまったんだろう …)とか、ジュリーニが振ってキャサリーン・バトルが歌ったフォーレの《レクイエム》(何で買ってしまったんだろう …)とか、ポリーニが弾いた現代作品集(ストラヴィンスキー、プロコフィエフ、ウェーベルン、ブーレーズ)とか。

アルゲリッチ第3の箱

マルタ・アルゲリッチのボックスが着々とリリースされています。第1弾がソロ作品、第2弾が協奏曲だったのですが、第3弾の室内楽ボックスが届きました。

で、まず聞き始めたのがこれ。バルトークの《2台のピアノと打楽器のためのソナタ》、ラヴェルの《マ・メール・ロワ》と《スペイン狂詩曲》というカップリングです。

ちなみにラヴェルの作品はバルトーク同様、2台のピアノと2人の打楽器奏者のために編曲されています。

期待通り《マ・メール・ロワ》がいちばん楽しめました。アルゲリッチがソロで弾いたシューマン作品集の《子供の情景》でも感じたのですが、個人的にはちょっと力を抜いて幻想的な曲想を弾いた時のアルゲリッチが肌に合うような気がします。この《マ・メール・ロワ》のすっきりしたオーケストレーション、金属打楽器とピアノの余韻などが心地よいです。

バルトークは予想通りというか、かなり大仰な音楽になってしまっています。エモーショナルです。ただ、エモーショナルということは弛緩⇔緊張という、いわば「波」を繰り返すことによって曲を構成するということなのだと思いますが、こういう「波」はバルトークの音楽には不要なのではないかと思います。ぴんと一本通った緊張感がないとどうしてもリズムやフレーズが甘くなってしまうのではないでしょうか。どっかんどっかんやられてもちょっとな … という感じです。

122分の2

「Musik in Deutschland 1950-2000」から。今日は管弦楽作品です。1950年から1975年に書かれた作品ということで、戦前の新ウィーン楽派からの影響を引きずった作品とか、古典的な様式の枠組の中で新しい響きを模索しようとしている作品が集められているように思います。少なくともこのディスクの中には「前衛」はありませんね。

クレーベの作品は特に第1楽章にアルバン・ベルクからの影響が顕著に認められます。ブラッハー、コーヒャン、エンゲルマンあたりが古典的な枠組みを持った作品(まあ、その方向性はタイトルにも表れていますが。)あ、ちなみに吹奏楽ネタ的な話として、エンゲルマンはロルフ・ルディンの師匠なのだそうです。

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シリーズ : 管弦楽作品 1950-1975

Der Umgang mit dem Orchester war zu allen Zeiten eine Herausforderung und vor diesem Hintergrund scheint sich die ungebrochene Attraktivität des Orchesterstücks zu erklären. Es unterliegt dem Verdacht, keine echte Symphonie zu sein, andererseits aber hebt es sich über die Symphonie, da es ihr Überlebtheit und fehlende Aktualität unterstellt. In eben diesem Spannungsfeld agierten die deutschen Nachkriegskomponisten gleichermaßen in Ost und West mit Titeln wie Nocturne, Invention, Divertimento, Capriccio und Bagatelle.

ギーゼルヘル・クレーベ Giselher Klebe (1925)
《2つの夜想曲》~大管弦楽のための Deux Nocturnes für großes Orchester op. 10 (1950/51)

Länge: 17’01
NDR Sinfonieorchester
Heinz Wallberg
Eine Aufnahme des Norddeutschen Rundfunks, 16./17.II.1957, Sendesaal
© Boosey & Hawkes . Bote & Bock GmbH & CO. KG

ボリス・ブラッハー Boris Blacher (1903–1975)
《2つのインヴェンション》~管弦楽のための Zwei Inventionen für Orchester op. 46 (1954)

Länge: 9’42
Nürnberger Symphoniker
Günther Neidlinger
Eine Produktion des Bayerischen Rundfunks, 29.VI.1971, Nürnberg
© Boosey & Hawkes . Bote & Bock GmbH & CO. KG

ギュンター・コーヒャン Günter Kochan (1930)
管弦楽のためのディヴェルティメント
– カール・マリア・フォン・ウェーバーの主題による変奏曲 Divertimento für Orchester – Variationen über ein Thema von Carl Maria von Weber (1964)
Länge: 11.44
Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin
Carl von Garaguly
Lizenziert durch Deutsches Rundfunkarchiv über RBB Media GmbH
Aufnahme: 28.X1.1966, Funkhaus Nalepastr.
© Verlag Neue Musik GmbH

ハンス・ウルリッヒ・エンゲルマン Hans Ulrich Engelmann (1921)
《カプリチオ風》~管弦楽のための Capricciosi für Orchester (1968)

Länge: 9.02
Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
Thomas Ungar
Eine Produktion des Bayerischen Rundfunks, 3.1.1969, München
© Breitkopf & Härtel

ライナー・ブレーデマイヤー Reiner Bredemeyer (1929–1995)
《B.のためのバガテル》~管弦楽のための Bagatellen für B. für Orchester (1970)

Läne: 7.17
Stefan Kozinski, Klavier
Anhaltische Philharmonie Dessau
Golo Berg
Eine Aufnahme des Mitteldeutschen Rundfunks, 9.IX.2002, Theater Dessau
© C. F. Peters/Henry Litolff’s Verlag Frankfurt/Main

カール・オットマール・トライプマン Karl Ottomar Treibmann (1936)
《カプリチオ ’71》~管弦楽のための Cappriccio ‘71 für Orchester (1971)

Länge: 9.44
Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin
Max Pommer
P 1979 VEB Deutsche Schallplatten Berlin
Mit freundlicher Genehmigung von edel CLASSICS GmbH
Aufnahme: 9.VIII.1977, Funkhaus Nalepastr.
© C. F. Peters/Henry Litolff’s Verlag Frankfurt/Main

ヴィルヘルム・キルマイヤー Wilhelm Killmayer (1927)
《楽園》~管弦楽のための Paradies für Orchester (1974)

Länge: 10.17
Symphonie-Ochester des Bayerischen Rundfunks
Wilhelm Killmayer
Eine Produktion des Bayerischen Rundfunks, 27.IX.1985, Herkulessaal München
© Schott Musik International Mainz

122分の1

というわけで通勤の音楽として「Musik in Deutschland 1950-2000」から一枚をピックアップ。

以下はウェブページからの内容紹介の抜粋です。時間があったら翻訳してみようっと。

予想通りというか、面白かったのはシュニトケとグリゼーの作品。シュニトケの作品ではメトロノームのビートに合わせて鍵盤打楽器とピアノがさまざまな旋律の断片を演奏します。はっきり認識できたのは《怒りの日(Dies irae)》だけですが他にも有名どころの旋律が使われているものと推測します。最初は1台のメトロノームがビートを刻んでいるのですが、別のテンポに設定されたメトロノームが次々に参加してきて不均一なリズムを作り出します。全くランダムなリズムではなくてちょうど4/4拍子の16分音符に配置されるようにそれぞれが同期しているのが面白いところです。

グリゼーはスペクトル楽派の作曲家ということで前から興味があった作曲家。「スペクトル楽派」というと、もっとスタティックな音楽が展開されるのかと思いきや、意外にリズミカルです。以下のサイトに興味深い記事があります。

http://d.hatena.ne.jp/guano/20090824/1251059914

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ブンデスリーガはイレギュラーな開催のようで、今日はホームで長谷部誠が所属するヴォルフスブルクとの対戦です。ウェブの速報で見たら1-1だったので安心して風呂に入ったのですが、出てきたら1-3 … 今シーズン初黒星です。「シーズン当初はよかったが徐々に得点力不足が露呈してズルズルと後退」という昨シーズンのパターンがすでに見えてきているのがちょっと不安です …

Porträt: Wittener Tage für neue Kammermusik

In den Jahren 1969 bis 1990 stand bei den Wittener Tagen für neue Kammermusik vor allem die Musik aus dem europäischen Osten im Vordergrund. Dies schlug sich nicht nur in Ensemble-Gastspielen nieder, sondern auch und vor allem im Repertoire. Ab 1990 veränderte sich das Festivalprofil. Der Fokus Osteuropa und der regionale Zug wichen einem höheren Maß an internationaler Ausgewogenheit, es fand eine Öffnung für Formen jenseits des klassischen Podiums, namentlich für das Musiktheater, die Performance und die Klanginstallation statt.

モートン・フェルドマン Morton Feldman (1926–1987)
Half a minute is all I’ve time for für Klarinette, Posaune,Violoncello und Klavier (1972)
Länge: 00.59 Ensemble „Musikalische Werkstatt“ Warschau P Eine Produktion des Westdeutschen Rundfunks Köln, 1973, Funkhaus, Saal 2, 27.IV.1973 © Morton Feldman

ヴィルフリート・イェンチュ Wilfried Jentzsch (1941)
《弦楽四重奏曲72》 Streichquartett 72 (1972)
Länge: 10.52 Berner Streichquartett P Eine Produktion des Westdeutschen Rundfunks Köln, 1976, Funkhaus, Saal 2, 29.X1.1976 © G. Ricordi & Co., Bühnen und Musikverlag GmbH

アルフレート・シュニトケ Alfred Schnittke (1934–1998)
《履歴書》~4つのメトロノーム、3人の打楽器奏者とピアノのための Lebenslauf für 4 Metronome, 3 Schlagzeuger und Klavier (1982)
Länge: 8.40 Sabine Roderburg, KlavierV Christian Roderburg, Karl-Josef Kels und Karl Hausgenoss, SchlagzeugV Michael Brod, TonbandV P Eine Produktion des Westdeutschen Rundfunks Köln, 1982, Funkhaus, Saal 2, 28.IV.1982V © Musikverlag Hans Sikorski GmbH & Co.KG, Hamburg

ゲオルク・クレル Georg Kröll (1934)
《ミによるカプリチオ》~ヴィオラ、チェロとコントラバスのための Capriccio sopra mi für Viola, Violoncello und Kontrabass (1982)
Länge: 10.11 trio basso Köln P Eine Produktion des Westdeutschen Rundfunks Köln, 1982, Studio N, 25.II.1983 © G. Ricordi & Co., Bühnen und Musikverlag GmbH

ハンス―ヨアヒム・ヘスポス Hans-Joachim Hespos (1938)
bi 7 à trois für Oboe, Klarinette, Saxophon, Trompete, Posaune, Kontrabass und Schlagzeug (1988)
Länge: 2.42 Michael Niesemann, Oboe David Smeyers, Klarinette Hanns Wilhelm Goetzke, Baritonsaxophon Malte Burba, Trompete Uwe Dierksen, Posaune Eberhard Maldfeld, Kontrabass Frank Zschäbitz, Pauke und Große Trommel Leitung: Johannes Harneit P Eine Produktion des Westdeutschen Rundfunks Köln, 1989, Festsaal Witten, Konzertmitschnitt 22.IV.1989 © Hans-Joachim Hespos

ヤコプ・ウルマン Jakob Ullmann (1958)
《アラカタ》~8つの楽器のための5部の作品 Alakata – Komposition in 5 Teilen für 8 Instrumente (1990)
Madrigal II Länge: 3.32 Gruppe Neue Musik „Hanns Eisler“ Leitung: Christian Münch P Eine Produktion des Westdeutschen Rundfunks Köln, 1990, Studio Stolberger Straße, 21.IV.1990 © Ariadne Verlag Wien

ジェルジ・クルターク György Kurtág (1926)
Életút (Lebenslauf) op. 32 für 2 Bassetthörner und 2 Klaviere im Vierteltonabstand (1992)
Länge: 6’21 Beate Zelinsky, David Smeyers, Bassetthorn Tamara Stefanovic´, Nenad Lec´ic, Klavier P Eine Produktion des Westdeutschen Rundfunks Köln, 2006, Funkhaus, Saal 2, 30.VI.2006 © Editio Musica Budapest

ジェラール・グリゼー Gérard Grisey (1946–1998)
《時の渦》 Vortex temporum I (1994–96)
Klaus Steffes-Holländer, Klavier ensemble recherche Leitung: Kwamé Ryan P Eine Produktion des Westdeutschen Rundfunks Köln, 1996, Freiburg, Haus der Musik, 4.–7.X1.1996 Mit freundlicher Genehmigung des ensemble recherche © G. Ricordi & Co., Bühnen und Musikverlag GmbH, Mailand

マティアス・ピンチャー Matthias Pintscher (1971)
《フィギュア I》~弦楽四重奏とアコーディオンのための Figura I per quartetto d’archi e fisarmonica (1998)
Länge: 7.20 Teodoro Anzellotti, Akkordeon Arditti String Quartet P Eine Produktion des Westdeutschen Rundfunks Köln, 2000, Studio Stolberger Straße, 14.VII.2000 Mit freundlicher Genehmigung von Winter & Winter (www.winterandwinter.com) aus dem Album „Matthias Pintscher“, Winter & Winter 910 097-2 © Bärenreiter-Verlag Kassel Basel London New York Prag

ロベルト・HP・プラッツ Robert H P Platz (1951)
up down strange charm für Klavier/Oktett/Violine und Akkordeon/Klarinette, Harfe und Schlagzeug (1999)
Länge: 14.42 Florian Müller, Klavier Annette Bik, Violine Georgio Schultz, Akkordeon Bernhard Zachuber, Klarinette Genny Reitano, Harfe, Lukas Schiske, Schlagzeug Klangforum Wien Leitung: Emilio Pomàrico P Eine Produktion des Westdeutschen Rundfunks Köln, 1999, Theatersaal Witten, Konzertmitschnitt 25.IV.1999 © G. Ricordi & Co., Bühnen und Musikverlag GmbH

はやっ

映画「トイ・ストーリー3」のDVD/ブルーレイが11月3日に発売されるとか。日本公開7月10日→DVD/ブルーレイ発売11月3日なのでずいぶん早いですね。

「『カールじいさん』の時はもっとかかったはず …」というネタを書こうと思ったのですが、「カールじいさん」も日本公開2009年12月5日→DVD/ ブルーレイ発売2010年4月21日なのでそんなに大きくは変わらないんですね。もっとも「カールじいさん」はドイツの夏休み時期(2009年8月頃)には上映されていたので、その印象が強くてブルーレイ発売までに時間がかかっていた、と思っていたのかも知れません。

息子と妻は夏休みに日本に一時帰国をした際に映画館で「トイ・ストーリー3」を見てきたそうなのですが、ネタばれを聞きたくない私としてはこの映画の話題を封印しているわけです。

また「カールじいさん」は初めてブルーレイで買ったピクサー作品なのですが、この映像の素晴らしさを見ると以前の作品も買い直したくなります。(当然ピクサーが制作したDVDは全て持っているので)

「トイ・ストーリー3」が発売される時に過去2作とまとめたボックスセットが出ることは容易に予想されることで、その時にボックスを買って「トイ・ストーリー」2作をまず買い換えようという話になっていました。なので、うちではこれを買います。

トイ・ストーリー ブルーレイ・トリロジー・セット (期間限定) [Blu-ray]

ルーセル/続サッカー教室

毎年恒例の吹奏楽コンクールも支部大会が終盤に近づき、全国大会に出場する団体もかなり決まりつつあるようです。ということで、今年もぼちぼちデータの整理を始めているのですが、出場団体のデータを見ていると時々懐かしい作品を目にすることがあります。

そんなわけで、フランスの作曲家アルベール・ルーセルが作曲したバレエ音楽《バッカスとアリアーヌ》、それに付随してルーセルの交響曲を聴いてみたくなりました。ウェブでいろいろなレビューを眺めたところ、NAXOSのステファン・ドヌーヴ/ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管の演奏がコストパフォーマンスがよさそうなので購入してみることにしました。交響曲第3番と《バッカスとアリアーヌ》を買うついでに他の3曲の交響曲もついでに買ってしまうのは悲しい性です(笑)。NAXOSなので計4枚でも20ユーロちょっとくらいなのですが。

フランスの近代作曲家というと、どうしてもドビュッシーやラヴェルのような感覚的というかディオニソス的な作品が頭に浮かぶのですが、ルーセルはもっとアポロン的というか純音楽的な姿勢で音楽に取り組んでいるような気がします。新古典主義的な作品に属するということでヒンデミットを聞く印象に近いのかな?オケの乾いた音色も作品に合っていると思います。買って正解でした … ってまだ一枚しか聞いていませんが …

よく見たら、この全集には《バッカスとアリアーヌ》と同じくらい知名度の高い管弦楽曲《蜘蛛の饗宴》が含まれていないんですね。この作品は誰の演奏がいいのでしょう?クリュイタンス?

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息子のサッカー教室の話です。

先週はちょっと離れたシェーネフェルト(Schenefeld)のサッカー教室に見学に行ったのですが、今日は近所のハルステンベック(Halstenbek)の見学に行きました。妻によるとシェーネフェルトよりは基礎練習に重点を置いていて、パスやドリブル練習が多く、ミニゲームは少なめとのことでした。息子はミニゲームがたくさんできるシェーネフェルトの方が気に入っているようですが、妻は会場が近所で送り迎えが楽なハルステンベックの方を薦めているようです。両方行ったら?

イマジン・プロジェクト

通勤音楽メモ。

先日購入したハービー・ハンコックの新譜「イマジン・プロジェクト」です。

イマジン・プロジェクト

豪華なゲストを呼んでの一大コラボレーション!というパターンは、ジョニ・ミッチェルへのトリビュートである前作「リヴァー」とか、その前の「ポシビリティーズ」のパターンを踏襲しているようです。

(「リヴァー」はちょっと食指が動いたのですが結局買わずにいたのでした …)

最近の洋楽には疎いので共演者は知らない人が多いのですが、タイトルにもなっているジョン・レノンの《イマジン》、ピーター・ゲイブリエルの《ドント・ギヴ・アップ》、ビートルズの《トゥモロー・ネヴァー・ノウズ》、ボブ・ディランの《時代は変わる》あたりが並んでいると、やはり興味はそそられます。

で、感想ですが、一言で言うと decorative ではあるが creative ではないな、ということ。ゴージャス過ぎて、隙がなさ過ぎて、「こういうもん作れば売れるでしょ?」というセレブ感が少々鼻についてしまいました。結局、上記のレパートリーにしても、それを選択することの必然性や意外性のようなものが感じられなくて、なんかハービーの掌の上で喜ばされているなあ、という感じです。

まあ、心地よいことは心地よいのですが、70歳を過ぎたおじいさんに昔のようなとんがった作品を期待する方が無理なのでしょうか?

Home again

日本にちょっと帰っていた妻と息子が今日の夕方ハンブルクへ帰ってきました。

妻の荷物はほとんど食品で、なかなかハンブルクで買えないものを仕入れてきたようです。例えば、

  • 錦松梅のふりかけ。ひょっとしてデュッセルドルフあたりに行けば売っているのかなあ?
  • おいしい紅茶。
  • 大量のふりかけ。
  • 大量のおやつ。
  • ゴマすり器。普通のゴマは現地のスーパーマーケットでも売られているのですが、すりゴマはなかなか売っていないのだそうです。こちらのアジア食材店で見つけたゴマすり器がかなり高かったので、日本へ帰ったタイミングで買ってきたとのこと。
  • 残念ながら「桃ラー」は見つけられなかったそうなので、パチモンというか二番煎じの商品を。それから自分で作るキットも売られていたそうなのでそれも買ってきたようです。

息子は息子で、新しい京成スカイライナーのチョロQとか、VooVというシリーズのおもちゃで新幹線が「関空特急 はるか」に変身してしまうやつとかにご満悦でした。

私が持って来てもらったものたち。

  • 「黛敏郎の世界」(本)。氏の作品リスト、評論などがまとめられている。NAPPさん(作曲家の中橋愛生さん)が吹奏楽作品についての評論を書いているらしい。どうでもいい話ですが、若き日の黛さんって「さかなクン」に似ていませんか?
  • 「芥川也寸志―その芸術と行動」(本)。こちらは芥川也寸志さんについて作曲だけではなく音楽教育、著作権保護なども含めた活動をまとめた本です。私のホームページからamazonのアフィリエイトで購入された方がいたのですが、けっこうとんでもない値段がついています(今日現在で39800円)。他の古書サイトで調べてみたらもっと安い値段(0が一つ取れるくらい)で出ていたので後学のために買っておくことにしました。
  • 「スコラ 坂本龍一 音楽の学校」(DVD-R)。実家に頼んで録画しておいたもらったものをDVD-Rに落として持って来てもらったんですが … 見れないぞ …
  • 「ハイパービートルズ 3 ノルウェーの森」(CD)。その昔、「ハイパービートルズ」というシリーズで4枚のCDが出ていました。ピアニストの高橋アキさんが内外の著名な作曲家にビートルズの作品のピアノアレンジを委嘱し、それをレコーディングするというものでした。2枚は持っていたのですが、まだ持っていないものが2枚あったので、この機にオークションで手に入れておこうと思ったわけです。数年前、確かお茶の水の三省堂の前で中古CDのワゴンセールが行われていて、この「ハイパービートルズ」シリーズ4枚が破格の値段で売られていました。「帰る時に買おう」と思って三省堂に入り、帰る頃にはすっかり忘れていたのは「人生における後悔ベスト10」に入るくらいの悔恨でした。欲しいものは見つけた時に買いましょう。
  • ピタゴラスイッチ うたのCD」なぜ、この番組では「ピタ」と「ゴラ」と「スー」しかいなかったのか、謎がやっと解けました(笑)。おおむね満足ですが、収録時間がちょっと短いようなので「フレーミー」は歌なしのバージョンもあった方がうれしいなあ。まあ、「うたのCD」なのでしょうがないのかも知れませんが。
  • 「大いなる秋田」東京公演のCD/DVD。勢いで買ってしまったのでした。経緯はこちら(http://www.akita-great-tokyo.org/)にありますが、この作品は秋田県が石井歓氏に委嘱した吹奏楽と合唱のための組曲です。

芥川也寸志―その芸術と行動

フェネス/バルトーク

バケーションのシーズンも終わったのか、今週の頭あたりから交通量が増えて、通勤経路で渋滞する箇所が増えてきました。日本ではまだ暑い日々が続いているようですが、こちらでは暑さもやわらいですっかり秋という雰囲気です。

例によってアジア料理店「Asia Lam」へ。

ほとんど定番になっているアルコールフライのビールと最近付き出しとして出てくる春巻きは省略して、メインディッシュは白身魚を揚げたももにオイスターソースベースのちょっと辛いソースをかけて食べるものです。ご飯が進みます。

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今日届いたCDたち。

Black Sea

先日、教授が主催するcommmonsのコンピレーション・アルバムで久しぶりにフェネスを聞いて感動したので、それに含まれていた《Saffron Revolution》という曲が収録されているアルバムを買ってみました。日本盤はcommmonsから出ているのですが、海外盤も収録曲は同じだったので安い海外盤の方です。

電子音くさいエレクトロニカではなく、ときおりギターなども加わって(実際、フェネスはギタリストとして教授のツアーに参加したこともあります)非常に抒情的なサウンドです。

分厚い電子音の重なりがものすごく雄大な世界を感じさせてくれます。

Bartok: Solo Piano Works 1

ちまちま集めているフンガロトン・レーベルの新バルトーク全集。「ピアノ作品集その1」です。amazon.deのマーケットプレイスで新品が3.33ユーロ(今のレートだと400円弱くらい?)で売られていたので、つい買ってしまいました。

カール・クレイグ&モリッツ・フォン・オズワルド/シノーポリ

しかし、家族がいないと思いっきり生活が自堕落になりますなあ。よくこんな生活を10ヶ月も続けていたなあ …

CDの購入メモです。

Recomposed By Carl Craig & Mor

その昔、ブルーノートレーベルの作品をサンプリングして大ヒットしたUS3の「ハンド・オン・ザ・トーチ」というアルバムがありましたが、これは、そのクラシック編あるいはドイツ・グラモフォン編とでも言えましょうか。カラヤン指揮ベルリンフィルの演奏による《展覧会の絵》(ムソルグスキー/ラヴェル)、《ボレロ》《スペイン狂詩曲》(どちらもラヴェル)を「再作曲(Recomposed)」したものです。

上記に挙げた作品はほとんど原形をとどめないくらい(例を挙げるとThe ORBによるYMOの《東風》のリミックスのように)解体され、普通のテクノチューンに仕上がっています。聞き取れるのは《ボレロ》のスネアドラムのリズムとか、《展覧会の絵》の《サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ》のトランペット(「金貸してくれよ金貸してくれよ」)とか、《スペイン狂詩曲》に繰り返し現れる「F-E-D-Cis」の音形とか、そういったものです。

途中、アナログシンセっぽい音色が活躍するところは全然「Recompose」になっていないのですが、それ以外の部分では上記の素材が繰り返されながらゆったりと遷移していきます。遷移の途中でのリズムのずれなどが面白くて、意外に繰り返して聞いても面白いと思いました。

外観が特徴的なベルリンフィルハーモニーホールの写真を使ったライナーノートやCDを入れる内袋のデザインがなかなか素敵です。

Schoenberg Berg & Webern

ジュゼッペ・シノーポリがシュターツカペレ・ドレスデンを振ったシェーンベルク、ベルク、ヴェーベルンらの新ウィーン楽派の作品を収めた8枚組ボックス。そもそもはベルクのヴァイオリン協奏曲を聞きたくて購入したのでした。

レビューでは賛否両論だったのですが、そういうレビューの方が面白い演奏に出会える可能性は高そうです。シノーポリの繊細なアプローチ、シュターツカペレ・ドレスデンの美しい音色に賭けて買ってみました。