Category: CD/DVD

  • フェネス/バルトーク

    バケーションのシーズンも終わったのか、今週の頭あたりから交通量が増えて、通勤経路で渋滞する箇所が増えてきました。日本ではまだ暑い日々が続いているようですが、こちらでは暑さもやわらいですっかり秋という雰囲気です。 例によってアジア料理店「Asia Lam」へ。 ほとんど定番になっているアルコールフライのビールと最近付き出しとして出てくる春巻きは省略して、メインディッシュは白身魚を揚げたももにオイスターソースベースのちょっと辛いソースをかけて食べるものです。ご飯が進みます。 ***** 今日届いたCDたち。 Black Sea 先日、教授が主催するcommmonsのコンピレーション・アルバムで久しぶりにフェネスを聞いて感動したので、それに含まれていた《Saffron Revolution》という曲が収録されているアルバムを買ってみました。日本盤はcommmonsから出ているのですが、海外盤も収録曲は同じだったので安い海外盤の方です。 電子音くさいエレクトロニカではなく、ときおりギターなども加わって(実際、フェネスはギタリストとして教授のツアーに参加したこともあります)非常に抒情的なサウンドです。 分厚い電子音の重なりがものすごく雄大な世界を感じさせてくれます。 Bartok: Solo Piano Works 1 ちまちま集めているフンガロトン・レーベルの新バルトーク全集。「ピアノ作品集その1」です。amazon.deのマーケットプレイスで新品が3.33ユーロ(今のレートだと400円弱くらい?)で売られていたので、つい買ってしまいました。

  • カール・クレイグ&モリッツ・フォン・オズワルド/シノーポリ

    しかし、家族がいないと思いっきり生活が自堕落になりますなあ。よくこんな生活を10ヶ月も続けていたなあ … CDの購入メモです。 Recomposed By Carl Craig & Mor その昔、ブルーノートレーベルの作品をサンプリングして大ヒットしたUS3の「ハンド・オン・ザ・トーチ」というアルバムがありましたが、これは、そのクラシック編あるいはドイツ・グラモフォン編とでも言えましょうか。カラヤン指揮ベルリンフィルの演奏による《展覧会の絵》(ムソルグスキー/ラヴェル)、《ボレロ》《スペイン狂詩曲》(どちらもラヴェル)を「再作曲(Recomposed)」したものです。 上記に挙げた作品はほとんど原形をとどめないくらい(例を挙げるとThe ORBによるYMOの《東風》のリミックスのように)解体され、普通のテクノチューンに仕上がっています。聞き取れるのは《ボレロ》のスネアドラムのリズムとか、《展覧会の絵》の《サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ》のトランペット(「金貸してくれよ金貸してくれよ」)とか、《スペイン狂詩曲》に繰り返し現れる「F-E-D-Cis」の音形とか、そういったものです。 途中、アナログシンセっぽい音色が活躍するところは全然「Recompose」になっていないのですが、それ以外の部分では上記の素材が繰り返されながらゆったりと遷移していきます。遷移の途中でのリズムのずれなどが面白くて、意外に繰り返して聞いても面白いと思いました。 外観が特徴的なベルリンフィルハーモニーホールの写真を使ったライナーノートやCDを入れる内袋のデザインがなかなか素敵です。 Schoenberg Berg & Webern ジュゼッペ・シノーポリがシュターツカペレ・ドレスデンを振ったシェーンベルク、ベルク、ヴェーベルンらの新ウィーン楽派の作品を収めた8枚組ボックス。そもそもはベルクのヴァイオリン協奏曲を聞きたくて購入したのでした。 レビューでは賛否両論だったのですが、そういうレビューの方が面白い演奏に出会える可能性は高そうです。シノーポリの繊細なアプローチ、シュターツカペレ・ドレスデンの美しい音色に賭けて買ってみました。

  • アルゲリッチ(協奏曲編)

    マルタ・アルゲリッチのボックス第2弾「協奏曲編」がamazon.deのマーケットプレイスで安く売られていたので買ってみました。20ユーロちょっとくらい。 Collection 2: The Concerto Recordings そもそもは第1弾の「ソロ編」が同様に安く売られていたのを見て買ってしまったので、「毒を食らわば …」ということで、こちらも買ってみたのでした。 (ソロ編はおそらく旅行で外出中に配達されたとみられ、現在お隣さんに預かっていただいている状況のようです。) で、このボックスをつまみ食いで聞いてみました。まずはショパンのピアノ協奏曲第1番と、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番です。 ショパンは1968年の録音で、バックはアバド指揮のロンドンフィル。この時期のアバドはかなりすっきりとした響きを作り出すという印象がありますが、その印象通りの演奏です。アルゲリッチの演奏はかなり細かいところまで表現に気が配られてるといった印象。この曲は特に第1楽章の後半あたりが退屈だなあ、と思っていたのですが、今まで聞いてきた演奏に比べると面白く聞かせてくれます。 一方チャイコフスキーは1970年の録音で、バックはデュトワ/ロイヤル・フィルです。(当時、デュトワとアルゲリッチは夫婦だったのかな?)録音のせいかも知れませんが、上記の演奏とは正反対に、ソロ/伴奏ともに「力任せ」のような荒い音が好きになれません。

  • Blu-Day

    (最近、ネタがこればっかりですが …)そういうわけで、今日の通勤音楽はやくしまるえつことd.v.dの「Blu-Day」。 Blu-Day(DVD付) 結局のところ、やくしまるえつこのウィスパーヴォイスが相対性理論の魅力の一つなのですな。彼女の「歌」にはあまり力点を置かず、笑い声のコラージュとか、詩の朗読とか、そのウィスパーヴォイスの魅力を素材としてうまく抽出していると思います。 d.v.dの音楽についてはあまり詳しくありません。(以前、d.v.dのDVDを借りっぱなしで結局見ずに返してしまったのは暗い過去 …) わりとチープなサウンドを選んでいるあたりや、うまく説明できませんがそれっぽいアレンジは、1980年代のテクノポップをリアルタイムで体験した世代にははまります。 ***** 今日はサッカー・ドイツ代表とデンマーク代表の親善試合があります。ブンデスリーガ開幕直前というチームにとって大事な時期ということもあってか、ワールドカップの先発メンバーがことごとく選ばれていません。(ドイツのワールドカップ代表メンバーは当時全員がドイツの国内リーグのチームに所属していました。今はケディラがレアル・マドリードに移籍したりしていますが。) テレビ放送もあるようなので、ワールドカップで控えだった選手など次世代の選手に注目してみてみたいと思います。

  • シンクロニシティーン

    今日の通勤音楽は(やっと)相対性理論の「シンクロニシティーン」。 シンクロニシティーン その昔、イカ天(三宅裕司のいかすバンド天国)というテレビ番組がありました。その番組の中で映画監督の大島渚さんが、「たま」(このバンドも好きだったなあ …)を評して言った言葉です。 優れた作品は、それがどうやって作られたかを考えさせないで、ぽっかり生まれたように見える。 私が相対性理論の「ハイファイ新書」を聞いて、そしてその前の「シフォン主義」を聞いて、頭に浮かんだのがこの言葉でした。 それから、先日日本に帰った時にした、相対性理論についての会話。 相対性理論はちょっとしたバランスで「あり」にも「なし」にも振れる。 「ハイファイ新書」は私にとって、とても微妙なバランスで「あり」に大きく振れていたのですが、「シフォン主義」は「なし」に大きく振れていたのでした。 (そういや、「相対性理論+渋谷慶一郎」って買ったんだっけ?) ってなことを考えると、「ハイファイ新書」はぽっかりと生まれてきた名盤であり、この「シンクロニシティーン」は痛いほど生みの苦しみが伝わってきてしまうアルバムなのだなあと思います。 「前作とは違うものを作りたい」という意思はよくわかるのですが、結果として「ちょっと違うけど二番煎じ」という感覚がぬぐえませんでした。もうちょっと力を抜いた方がいいのでは?

  • ペンデレツキ/シマノフスキ

    今日の通勤の音楽はポーランドの作曲家クシシュトフ・ペンデレツキの《ポーランド・レクイエム》。 ペンデレツキ:ポーランド・レクイエム 今月「シュレスヴィヒ・ホルシュタイン音楽祭」の一環として、この作品の演奏会がハンブルク市内の聖ミヒャエル教会で行われます。 聞きに行きたいと思ってCDを買っていたのですが、今まで聞いていませんでした。まだチケットも確保していなかったので「CDを聞いてみて気に入ったら演奏会を聞きに行くか」くらいの気持ちで聞き始めたのですが … 気に入りました。 ペンデレツキが、例えば《広島の犠牲者に捧げる哀歌》(弦楽合奏)や《ピッツバーグ序曲》(管楽合奏)に代表される前衛の時代から、いわゆる新ロマン主義的な作風へと移行してからの作品なので、かなり聞きやすい「現代音楽」です。 いわゆるミサ曲としてのレクイエムの構成にかなり忠実に沿っている(ように素人の私は思います)が、後半でもちろんもともとのミサ曲にはないポーランド語の讃美歌が挿入されているのが異質なのではないかと思います。それから全編を通じてかなり劇的な表現で、本来もっと穏やかであるべき「サンクトゥス」や「アニュス・デイ」ですら、緊張感に満ちた音楽になっています。 トータルで1時間30分ほどの演奏時間に耐えられるかどうかが課題ですが、この作品をペンデレツキ自身の指揮で、教会のような残響豊かな演奏会場で聞くのもいい経験だろうと思い、さっそく(全然さっそくではありませんが …)チケットを購入しました。よく考えたら演奏会は今週末の土曜日なのですが間に合うのか? ***** ポーランドつながりということで、ブーレーズがウィーンフィルを指揮したシマノフスキの交響曲第3番《夜の歌》のCDがリリースされるようです。録音データを見てみると私が聞きに行った演奏会の音源(全てではないでしょうが)が使われるようです。記念に買ってみようかな。

  • 松平敬/モノ=ポリ

    松平敬さん。バリトン歌手。今までウェブ上でその活動を垣間見ることはできていましたが、演奏に接することができずにいました。その松平さんのソロアルバムをようやく耳にすることができました。 MONO=POLI (モノ=ポリ) まず特筆すべきはこのCDに含まれる全ての音が松平さん自身によって発せられていること。ファルセットも含めた歌唱で、最大16声部の合唱曲(リゲティの《ルクス・エテルナ》)を多重録音によって実現しています。 それから、そのミキシングについても松平さんの意志が最大限反映されていること。DAWを使って、各曲に適した残響(リバーヴ)、それぞれの声部の定位、それから各声部のピッチの微妙な修正(Melodyne というその筋では有名なピッチ修正用プラグインを使っているそうです)にいたるまで松平さん自身が行ったのだそうです。 ライナーノートの中で言及されていますが、コンサート活動を拒否したグレン・グールドが目指した「現実的には存在し得ない理想的な演奏」との共通性もあります。とはいえ、楽器を介在した演奏には何かしら演奏者の手の届かない領域があるわけです。例えば、ピアノの調律であったり、管楽器や弦楽器を製作する技術であったり。 そう考えると、声楽というのは演奏者の意図を100%(により近く)具現化することができるジャンルであり、そのように演奏者の意図が極限まで反映されたアルバムというのは、少なくともクラシックの分野では今までなかったように思えます。(J-POPだと山下達郎さんの「ON THE STREET CORNER」シリーズがすぐに頭に浮かぶのですが …) そんなことを考えていると、このアルバムの「極上のマニエリズム」に対して深い敬意を表したくなります。通勤時の車の中で聞き始めたのですが、どんどんボリュームをあげていきたい衝動にかられました。このアルバムの白眉であろう上記の《ルクス・エテルナ》では、まさにこの世のものとは思えない響きが聞こえます。(実際、いかなる実演でもこの響きを再現することは不可能なのですが) 久しぶりにショッキングなCDに出会えました。 予断ですが、以前仕事でお世話になった方(副業の方ですが …)がプロデューサーに名を連ねていたのを見てうれしくなりました。

  • 船便到着

    家族の渡独時に日本から発送した船便がほぼ3ヶ月かかってやっと我が家に到着しました。 「やったあ、これで日本で買ったメシアンの32枚組ボックスとか、松平敬さんのソロアルバムとか、school food panishment とか、シンクロニシティーンとか聞けるぞー。」と言っていたら、妻から「息子と同じレベルで喜ばないように!」と釘を刺されてしまいました。息子はプラレールやレゴやチョロQが届いたのでご機嫌です。 来週から日本人学校は夏休み。でかけたり、来客があったり、1ヶ月間のわたってかなり予定が入っているのですが、果たして無事に片付くのでしょうか?

  • おいでませハンブルクへ(第1日目)

    すっかり恒例となった「おいでませハンブルクへ」シリーズですが、今回は何回も来ている同期入社の友人たち2名、私の元上司、それからロンドンからも1名、計4名の出張者のサポートを1週間することになりました。 ということで、日本から持ってきてもらったDVDとCDと雑誌たち。(あ、1Q84 BOOK3 まだ読んでないや …) それから、普段は会社に缶詰めでミーティングを行うことが多いのですが、今回はわりと外回りが多い日程です。朝9時に会社に集まって事前ミーティング、そのあと社外に出て、また午後に帰って来る … というパターンでした。 ***** それから、アメリカの Mosaic Records に注文していた、生産中止になったブルーノートの1500/4000番台のCDが届きました。これらはルディ・ヴァン・ゲルダーのリマスタリングというわけではないんですね。だんだん、どうでもよくなってきています … 最近は、いわゆるハードバップ期から新主流派期までのクロスオーバーが特徴である4000番台よりも、素直でストレートアヘッドなジャズが聴ける1500番台の方が気に入っています。(4000番台は個性的なアルバムが多い分、全てが全て気に入るわけではないので …)例えば、今回買ったジャズ・ギタリスト、ケニー・バレルのアルバムあたりは約50年前に録音されたアルバムなのですが、そのサウンドはとてもコンテンポラリーです。

  • RVG from the USA

    廃盤になったRVGリマスター盤を集めておりますが、amazon.de になかったので amazon.com から買った一枚が届きました。 Smoke Stack ピアノトリオ(ピアノ、ベース、ドラム)にベースをもう一本加えた編成です。 ボウイングでソロを取るベースのメリスマがちゃんとしたスケールになっていなくて、この気持ち悪さが癖になりそうです。微分音好きなので。(単に音を外しているという可能性もなくはないですが …)