チェリビダッケをちょびっとだけ

そういうわけで、買ってしまったチェリビダッケをちょこちょこと聴いてみた。

まずはリムスキー=コルサコフの交響組曲《シェエラザード》。第1楽章は確かに遅めのテンポだが、たゆたうようなメロディの細かい音符を適切に聞かせるにはこのくらいのテンポが必然なのだろうという気がする。個人的には賛成。だが、第2楽章の冒頭のファゴット・ソロの遅さはかなり驚く。好意的に解釈すれば「いつ終わるとも知れない寝物語を極限まで引き延ばされた時間の中で表現する」みたいなことが言えるのだろうけど、これはちょっとついていけない。第4楽章も基本的な納得できる解釈である。無駄に高揚しないのがいい。

それからラヴェルの《ボレロ》。これもラヴェルは遅めのテンポを好んでいたらしいので、こういうテンポ感もありなのだろう。ちょっとリズムが重厚過ぎる気もするが。

全般的にはオケが指揮者のいうことを聞いて、細かいところまでお互いを聞き合っているなあ、という気がする。時々、勢い「だけ」の演奏や、バランスが悪かったりアインザッツが合っていない演奏を聴いてげんなりすることがあるのだが、これはその対局にあると言えるのではないだろうか。ライヴでこれだけの整然とした演奏をするだから、スタジオ録音にしたら息が詰まりそうな気がする。

あまり、チェリビダッケっぽくないところから手をつけてしまった気がするので、今度はドイツものでも聴いてみることにしますかね。

 

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