ミュシャ展

会社を休んで浜松市美術館で開催されている「ミュシャ展」を見に行く。

気がつくと開催は今週末の日曜日(8月28日)までで、よくよく予定を見てみるともう休日には行けなくなってしまっていたのだった。 平日にも関わらず、台風にも関わらず、意外にもたくさんの人が見に来ている。 うちと同じように駆け込みなのか? ちょうどこの日は入場者数30000人突破ということで、浜松市長が来てくす玉を割っていた。 もう少し遅く入場していたらちょうど30000人目になっていたのかなあ?

ミュシャというとアール・ヌーヴォー様式のポスター画の印象が強い。印刷で見るとまあそこそこなのだが、実物の色彩は素晴らしい。実物を見てかなり印象が変わった。少し色温度を抑えた色彩で描かれている女性は本当に愛らしい。

今回の展覧会はミュシャが名声を得るきっかけとなった、女優サラ・ベルナールのためのポスターがメインのような扱いになっている。これらのポスターはかなり余裕のある空間で見ることができるようになっている。(というか浜松市美術館は狭すぎ)「トスカ」もあるとよかったんだけどな。

よく知られているミュシャの作品の作風はしっかりした輪郭線と淡い色調、幾何学的な構図が特徴なのであるが、スケッチや油絵を見るとデッサンの確かさや光の使い方のうまさが分かる。 スケッチの多くは鉛筆書きにほんの少しホワイトを加えたものが多いのであるが、そのホワイトで表現している光が絶妙である。

このへんがミュシャの一般的な顔なのであるが、それ以外の仕事も紹介されていて興味深かった。香水や酒(モエ・エ・シャンドン)やお菓子などのパッ ケージデザイン(実はゴーフルのパッケージを模した整理箱が売られていたので買ってしまった)などもあったし、写真にもかなり力を入れていたらしい。 晩年プラハに戻ったあとの絵画は民俗衣装が描かれていたり、国のために切手や紙幣などのデザインも行なっていたりと、愛国的な創作活動を行っていたよう だ。

その総決算とも言えるものが連作「スラヴ叙事詩」だそうだ。 絵のサイズは大きいし20枚からなる連作なので、今回の展覧会ではスケッチのみの展示だったのだが、いつか実物を見てみたい気がする。

プラハにある聖ヴィート教会のステンドグラスもミュシャが制作したものである。 すっかり忘れていたのであるが、1998年にプラハを訪れた際にちゃんとカメラに収めていたのだった …..

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