フェネルのCDが出るらしい

フェネル/イーストマン・ウィンド・アンサンブルのコンビがマーキュリーに録音したアルバムが3月に一挙に14枚リリースされるそうだ。

(amazon には全部入っていないのかな?以下のような感じ。)

まあ、このシリーズは以前から何度も再発されているし、率直に言って全てが「聞くべき演奏」ではないと思う。ホルストの2つの組曲や RVW の《イギリス民謡組曲》《トッカータ・マルツィアーレ》、グレインジャーの《ヒル・ソング第2番》はぜひとも聞いておいていただきたい1枚ではあるが。

マーキュリーに録音されたものよりも、テラークに録音されたものの方が価値は高いと思う。クリーヴランド管弦楽団の管楽器セクションのメンバーとともに録音された2枚のアルバムからの編集盤も同時に発売される。SACD と書かれているけどハイブリッドなのかなあ?

(こちらも)ホルストの2つの組曲が収録されている盤は名盤の誉れ高く何度も再発されているのだが、もう一枚の方は残念ながら国内盤は廃盤のようである。《イギリス民謡組曲》や《リンカンシャーの花束》、あるいはいくつかの行進曲なども優れた演奏の「隠れ名盤」である。この機に聞ける状態になったことはうれしいのであるが、SACD でしか聞けないとなるとちょっと残念である。

ホルストが入っている盤は高校時代に先輩から借りたことをよく覚えている。もちろん CD ではなくレコードだった。当時のレコードの相場は確か 2800 円くらいだったと記憶しているのだが、このレコードは直輸入盤で確か 3800 円もした。また、オーディオマニアだったその先輩からは「安物のレコードだと針が飛んで再生できない」とも言われた。それが、あのホルストの《第1組曲》のバスドラムである。幸い、うちのオーディオ設備はそこそこいいものであったので、ちゃんと聞くことができた。

今でこそいろいろな演奏がだれでも簡単に手に入るようになっているが、当時の状況、また私が住んでいたような田舎では、吹奏楽の演奏というと、コンクールとか、「ブラスのひびき」でかかるような演奏(やはり行進曲が多かったような気がする)しか耳にすることができなかった。

そんな時に聞いたこの盤はカルチャー・ショックだった。マーキュリーの諸録音に見られるようなフェネルの奔放な演奏ではなく、適度に抑制の効いた練られた演奏だった。(このあたりは主兵であるイーストマンではなかったからこその指揮者と演奏者の相乗効果があったものと推測する。)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください