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ハチャトゥリアン9枚組
今朝、朝一番でメールをチェックするとamazon.co.jpから「お客様がリクエストされました商品が、Amazon.co.jp でご注文いただけるようになりました。」というメールが来ていた。ということで、すかさずポチッ。 ハチャトゥリアン:管弦楽作品集(9枚組)/The Essential Khachaturian ロリス・チェクナヴォリアン指揮アルメニア・フィルハーモニー管弦楽団のコンビが1990年代にイギリスのASVというレーベルに録音したハチャトゥリアンの管弦楽作品を集めたもの。 確か、数年前(4~5年くらい前?)にリリースされたと記憶しているのだが、買おうかどうしようか躊躇しているうちに生産中止になってしまい、その後探してもなかなか見つからず … ということになっていた。 どうしてこの時期にいきなり入手可能になったのかよくわからないのだが、とりあえず最後の1セットを確保することができた。(購入手続き後に上記リンクページを見たら、また「再入荷見込みなし」という表示になっていたので、現物が届くまではまだまだ安心できないわけだが …) 実は交響曲第1番と交響曲第3番《シンフォニー・ポエム》のカップリング盤だけは以前購入している。実はそれほどいい演奏だとは思えなかったのであるが、まあ、他に入っている珍しい作品が楽しみなわけで …
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マッケラス/イーノ
またまたjpc.deから。 Janacek & Martinu 先ごろ亡くなったイギリス人指揮者サー・チャールズ・マッケラスがチェコのスプラフォン・レーベルに残した全録音(ただしオペラを除く … らしい)が2つのボックスでリリースされた。一つ目はドヴォルザークとスメタナ、二つ目はヤナーチェクとマルチヌーということで、私は二つ目のボックスを買った。 ヤナーチェクについては先日、室内楽とオペラのボックスを買ったのだが、このボックスには管弦楽作品が多く収められている。マッケラスがウィーンフィルを振った《シンフォニエッタ》が今一つだったので、ここで演奏されているチェコ・フィルとの演奏がそれを超えるといいなあ、という期待と、DVDで収録されている《グラゴル・ミサ》の原典版を聴いて(見て?)みたかったのが大きな動機である。 《シンフォニエッタ》。ウィーンフィルとの演奏に比べると、オケが指揮者の言うことを聞いている感じがする。確かにまとまってはいるのだが、この演奏を聞くと、ウィーンフィルとの演奏で気に入らない点だった「オケが暴れている感じ」が逆に個性として聞こえてくる。今のところどっちもどっち、どちらの演奏も及第点だが気に入らないところもある、というところ。もう少し聞きこんでみますかね。 Small Craft On A Milk Sea (WARPCD207) ブライアン・イーノの新譜。他のアーティストとのコラボレーションはいろいろ買ってきたが、ソロアルバムをリアルタイムで買うのは初めてではなかろうか? 短めの曲が多いので、目の前をさまざまな風景が通り過ぎていく感じ。イーノ自身の解説によると「コンポジションというよりはインプロヴィゼーション」「歌い手は存在せず、語り手も存在せず、聴く者が何を感じるべきかを指し示す案内人も存在しない」ということなので、昔から実践しているサウンド・インスタレーション的なコンセプトに基づいているのかな? アンビエントっぽい雰囲気の作品から始まって、だんだんリズム的要素の強い曲になり、また最後は静かになっていくという曲構成。使う音の選択にものすごく気を使っていることを思わせる上品なサウンド、特にリズミカルな曲で聞こえるかっこよさがいい感じなのだが、もう少しパトスが欲しい。作品を通して見えるイーノの姿の距離感が中途半端なのがじれったい。以前の作品では、イーノはもうちょっと遠くにいてまったく姿が見えないか、あるいはもうちょっと近くにいてはっきりその思惑が見えていたりしたのだが … 教授の近作とかハービー・ハンコックの近作に感じた「ご隠居」的なソフトな感触(これは褒め言葉ではないです)が、ここでも感じられてしまった。
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アクサントゥス4枚組
アクサンチュス・スペシャル・ボックス (Transcriptions 1 & 2: Requiem Sacred Night) (4CD box) [Import from France] 古楽器関連のトピックをつらつらウェブを眺めていたら面白そうなCDボックスを見つけたので、ついポチッと。 フランスで活動している合唱団「アクサントゥス」の4枚のアルバムを集めたボックスである。それぞれに興味ある内容であるし、4枚で20ユーロという価格は万が一気に入らなかった場合にも諦めがつくレベルである。 まず1枚目。クラシックの名曲を無伴奏合唱に編曲したレパートリーである。 目玉はバーバーの《弦楽のためのアダージョ》を作曲者自身が無伴奏合唱に編曲した《アニュス・デイ》と、おそらくはマーラーの全作品の中でもっともロマンティックであろうマーラーの交響曲第5番の第4楽章(原曲はハープと弦楽合奏のみで演奏される)だろう。 前者は原曲も好きだし、この編曲版の存在も知っていたし、以前からちゃんとした演奏を聴いてみたかった作品である。実は吹奏楽選抜大会@浜松で聞いたことがあったのだが、あまり安定しない歌唱だったので … 上のアルバムのコンセプトを引き継いでいる第2弾。 多少はこちらの方が耳にしたことがある曲が多いのかな?いや、そんなことはないか … バッハの曲に詩篇の言葉を載せるというのが興味深い。 フォーレの《レクイエム》。 レビューを見てみると、このアクサントゥスというグループの声は透明感があるとのことなので、そういった合唱でこの《レクイエム》を聞いてみたかった。伴奏も規模の小さい室内オーケストラ編成ということだし。 DG箱に入っているジュリーニ/フィルハーモニア管の演奏は、オケも合唱も重過ぎるし、独唱のキャサリーン・バトルがいかにもオペラチックで大仰に歌っているので、あまり好きではないのである。 これが古楽器演奏グループ「コンチェルト・ケルン」と共演しているクリスマス・アルバム。 パッヘルベルの《カノン》、バッハの《主よ、人の望みの喜びよ》、グノーの《アヴェ・マリア》、ヘンデルの《ハレルヤ・コーラス》、それから《きよしこの夜》など、いかにもクリスマスらしい作品が収録されている。 全般的には、解釈という名の表現付けは極力避けて、とにかくハーモニーの美しさを追求しようとしているように思える。(例外もある。《アヴェ・マリア》などは表現過多でちょっと聞いていて恥ずかしい)聞きようによっては物足りないのかも知れないが、個人的には音を磨き上げれば磨き上げるほど、音そのものが説得力を持ってくるのだと思う。 だから、これでいいのだ。
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ひさびさのだめ
夜中というか明け方というか、そのへんの微妙な時間に目が覚めてしまい、なかなか寝付けなかったので独りでリビングに下りていってゴソゴソ。今さらながらに劇場版「のだめカンタービレ 最終楽章 前編」の DVD を見ることにした。 のだめカンタービレ 最終楽章 前編 スペシャル・エディション [DVD] これは「テレビドラマ(全11回)」→スペシャルドラマ「のだめカンタービレ 新春スペシャル in ヨーロッパ(全2回)」の続編ということでいいのか?そういえば「新春スペシャル」はちゃんと見ていないような気がする。前編は帰省のために予約録画ができずに後で友人に借りてダビング、後編は「前編を見てから …」ということで先送りになっていた。 テレビドラマ版は、全11回枠に収めるためか、原作と違う部分がかなりあって楽しめたのだが、この映画版は良くも悪くも原作通り。もちろん細部は省略があったり、多少の改変があったりするのだろうが(原作は日本に置いてきたので忘却の彼方)、大きな展開はほとんど先読み可能。原作を読んでいる私にとっては、登場する主人公が動いて、実際にパリやウィーンが舞台になっていて、実際に音が出てくる、つまり原作が多少リアルになったというだけの印象である。「メディアとしての映画」としてどうか?と言われると、正直映画館まで足を運ぶ気にはなれない。本質的にはコミック→映画とメディアを変えた意味がないと思う。 というわけで本筋とはあまり関係のない印象を。演技とはいえムジークフェラインザールで実際にオーケストラを振るのは気持ちいいだろうな。それからテレビドラマの頃に比べるとかなり指揮はうまくなっていると思う。3拍子の3拍目、あるいは4拍子の4拍目で、体で右腕を引っ張るようなクセ(つまり「指揮者の筋肉」での右上腕部の引き上げが弱いので体を使って引き上げているのかなあ)がちょっと気になりましたが。 使われている音楽について。エルガーの《NIMROD》(エニグマ変奏曲より)は個人的に涙腺が自動的に緩んでしまう曲なので、ああいう場面で使われるとちょっと弱い。それから、後半でドイツ国歌が弦楽で演奏されているのを耳にした。よくよく調べてみるとこのメロディーはハイドンが作曲した弦楽四重奏曲第77番《皇帝》の第2楽章の冒頭のものらしい。この発見が、このDVDを見てのいちばんの収穫かも知れない。 あ、当然のことながら上野樹里の演技力は素晴らしいと思います。
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マイコーの Behind the Mask
(あ、すでにいろいろなところで公開されていますね …) アメリカのYMOメーリングリストからの情報。マイケル・ジャクソンのニュー・アルバムに長い間お蔵入りだった《Behind the Mask》が収録される模様。 http://www.cnn.com/2010/SHOWBIZ/Music/11/12/michael.jackson.album/index.html?hpt=Sbin
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カンブルラン/春の祭典
ときどき書いていることであるが、基本的にいわゆる「同曲異演」、つまりある曲をいろいろな指揮者/演奏者で聞き比べるという趣味はない。 「基本的に」なので、好きな曲で、なおかつ決定的な演奏が見つからない場合には、理想的な演奏を求めて、あるいは自分が理想しているアプローチとは別の可能性を求めて、いろいろな音源に手を出してみる。吹奏楽だとホルストの《第一組曲》やグレインジャーの《リンカンシャーの花束》は30種類くらいの音源を持っているはずだ。 吹奏楽以外のクラシック音楽についてはそれほどパースペクティヴが広がっているわけではないので、同曲異演を聞くよりはいろいろな作品を聞いて見識を広げたいと思っているのであるが、ストラヴィンスキーの《春の祭典》に関しては、「好きな作品であるが決定的な演奏に巡り合っていない」という意味で、興味がある盤があればちょっと聞いてみようという気になる。 今回買ってみたのは、シルヴァン・カンブルラン指揮南西ドイツ放送交響楽団による演奏。 HMVのオンラインショップでなかなか評判がよい バレエ・リュス(ロシアバレエ団)の委嘱によって書かれた作品を集めてシリーズ、ということで気になった。 のだが、付随的かつ実利的な理由として、 ドイツのオンラインショップjpc.deから、誕生月ということで5ユーロのクーポンが送られてきた。 しかも、同時にjpc.deが送料無料キャンペーンをやっていた。 というのもある(笑)。ちなみにカンブルランは読売日本交響楽団の常任指揮者に就任しているらしい。 Les Ballets Russes 1 収録曲は、その《春の祭典》、ドビュッシーの《遊戯》、デュカスの《ペリ》。《ペリ》は比較的珍しい舞踏詩本編と、比較的ポピュラーなファンファーレである。 《春の祭典》は冷静さと凶暴さが共存した演奏とでもいえようか、とてもダイナミクスの広い演奏。(だから車の中で聞くのにはちょっと向かない)各楽器の音色を生かしたアンサンブルの妙とか、重めのテンポでありながら鋭いリズムなどが聞ける。 惜しむらくは、この曲のキモであろう複合拍子の部分、具体的には第2部の《生贄への賛美》と《生贄の踊り》がリズム的に著しく不安定に聞こえるのである。複合拍子なので感じ方に個人差があるのだと思うが、私としてはかなり崩壊して聞こえてしまう。拍子の頭を打つべき低音や打楽器が前に行こうとしてタイミング的に少しフライングしているように感じる。 《遊戯》や《ペリ》は上に書いたような弱点が目立たず、長所が活きるような曲想なので面白く聞けた。 ということで、手放しで絶賛するには若干不安要素はあるが、もう少し他の曲も聞いてみたい、という微妙な評価になってしまった。 この指揮者は現代音楽も得意にしているらしく、メシアンのボックスもあるし、リームの管弦楽作品もまとめて録音しているようだ。とりあえず《トゥランガリラ交響曲》あたりを聞いてみたいのだが、そのために8枚組ボックスを買うのもリスキーだし … 機会があれば実演を聞けるといいのだが、その名の通りこのオーケストラはドイツの南西部にあるバーデン=バーデンやフライブルクを本拠地にしており、ハンブルクからは約700km …
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誕生日プレゼント (for me)
自分への誕生日プレゼントは(なぜか)クリストファー・ホグウッド/アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージックによるモーツァルト交響曲全集にした。(ウェブでいろいろ探すと物欲が刺激されてしまうのだなあ、これが …)概ね100ユーロないしは10000円くらいで売られているのだが、amazon.de を見てみるとおよそ50ユーロで売られていたので買ってみた。DHL で今日到着。 Mozart : The Symphonies やはり、何となくピリオドアプローチの演奏に心が傾いてしまう。そういえば、ベートーヴェンの交響曲全集もガーディナー/オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク(長い名前(笑))を買ってしまったし、最初に聞いたバッハのブランデンブルグ協奏曲もピノック/イングリッシュ・コンソートの演奏だった。 もともと吹奏楽から入ってクラシックを聞き始めたわけなのでフルオーケストラの音色(特に古典派~ロマン派と言われている音楽のそれ)にはあまり耐性がない。また、ここ5年から10年くらいは「吹奏楽」というよりも「ウィンド・アンサンブル」をそれなりに一所懸命考えていたわけで、ウィンド・アンサンブルという演奏形態でのアプローチはある意味ピリオドアプローチの演奏形態に通じるものがあるのでは?と思ったしだい。 ドイツへ来る少し前に買って、未だに持てあましているドラティ/フィルハーモニア・フンガリカのハイドン交響曲全集(これはいわゆるモダンアプローチです)をなかなか楽しめないのもそういった理由があるのかな? とりあえず、よく知っている第25番や第40番あたりから聞き始めるが、予想通りノンビブラートのすっきりとした音と快活なテンポが気持ちよい。また、弦楽器の人数が少ないとか、弦のテンションが今より低いために音量が出ないとか、といった理由で管楽器の存在感が大きい。古い管楽器が混じった時の音色は独特である。
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バーンスタイン/マーラー《巨人》
せっかく買ったので、ドイツ・グラモフォンの111周年記念ボックス第2弾からひとつまみ。バーンスタインによるマーラーの交響曲第1番《巨人》である。ちょうど自宅から会社までの所要時間がこの交響曲の長さと同じくらい(笑)。 1980年代(だからバーンスタインの晩年と言っていい)にニューヨーク・フィル、コンセルトヘボウ、ウィーンフィルという3つのオケを振り分けて録音されたバーンスタインにとって2回目のマーラーの交響曲全集の一つ。(正確に言うと交響曲第8番《千人の交響曲》はこの全集としては録音されずに1970年代に録画された全集の音源を借用しているのだが …) この《巨人》はコンセルトヘボウによる演奏。この全集の第9番(オケは同じコンセルトヘボウ)がリリースされた時にそれを買った友人が狂喜していたので私も借りて聞いてみたのだが、あまりピンと来なかった記憶がある。まあ当時は(今もそうだが)同曲異演にのめり込むよりは未知の曲をたくさん聞きたいと思っていたので、演奏そのものにはあまり注目していなかったのかも知れない。 それ以降も「晩年のバーンスタインはくどい」という耳年増的先入観があったので、この全集には興味があったものの積極的には聞こうと思っていなかった。ありがたいことにボックスの中に収録されていたのでちょっと聞いてみようと思ったしだい。 おそらくスコアを見ながら聞けばテンポの揺れとかダイナミクスの処理とかがわかるのだろうけど、ざっと聞いてみたところそんなに違和感はない。「表現が濃い」という風評からさぞかし感情的な演奏だろうと想像していたのだが、雑ということはなく細かいところまで注意がいきとどいている用に思える。長年リファレンスとして聞いてきたインバル/フランクフルト放送響の淡白な演奏よりむしろ楽しめる。 確固たるヴィジョンがあるから大胆な解釈があっても不自然さを感じないのだろう。以前、指揮者の汐澤安彦さんに指導いただいた時にスコアを深く読んだ上で大胆なダイナミクスの変更をされたことを思い出す。 《巨人》はマーラーの交響曲の中でも淡白な方だと思うので、もっと濃厚な交響曲でバーンスタインの「濃さ」がどのくらい表出されているのか聞いてみたい気もする。《復活》とか第5番とか。 (まあ、先日買った新ウィーン楽派録音集成が面白かったので、シノーポリが振ったマーラーもさぞ面白かろうと思っていたところなのですが …)
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土曜日の買い物
日本(およびアジア)の食材を購入するために久しぶりにハンブルクの中心部(中央駅付近)へ。 妻が食料品を買い込んでいる間、私と息子はまずレゴショップへ。そろそろクリスマス向けの商戦も始まっているようで、サンタクロース+トナカイのレゴとか、クリスマスツリー+たくさんのプレゼントのレゴなども売られている。 息子のお目当ては「CREATOR」シリーズと呼ばれているもので、1つのパッケージで3種類の乗り物を作ることができる。先日もらってきたカタログを見て決めていたらしい。 その後、家電ショップのSATURNへ行ってCDやDVDを物色。このSATURNの駐車場に車を停めたので、何か買えば駐車場料金が割引になる。 息子が「マウス」のDVDを欲しいと言ったので探してみるのだが、DVD売り場の配置が変わったようでなかなか探せない。その代わりに「ひつじのショーン」とか「シンプソンズ」のDVDが欲しいと言いだすが、そんなの日本語吹き替えで見なきゃ(お父さんやお母さんでも)意味わからんだろう … ということで、思いついたのが今年行われたワールドカップのハイライトDVD。もちろんドイツ代表の各試合のハイライトが収録されているものにした。国営放送であるARDやADFが放送した試合の得点シーンを中心に収録したもので、(まだ見ていないが)決勝戦のハイライトもあわせて収録されているらしい。これで10ユーロだったら持っておくべき。 お父さんが買ったのはこちらのCD。 シマノフスキ:交響曲第3番/ヴァイオリン協奏曲第1番 ピエール・ブーレーズがウィーンフィルを振ってポーランドの作曲家シマノフスキの作品を録音したCD。スペシャルパッケージということで、ハードカバーの装丁、ブーレーズが英語、ドイツ語、フランス語で語ったインタビューCDが付属しているとのこと。 収録されているのは交響曲第3番《夜の歌》とヴァイオリン協奏曲第1番。交響曲の方は私がウィーンまで聞きに行った演奏会を含むシリーズ(確か、このプログラムは3回演奏されたはず)での演奏が収録されているとのことなので、衣擦れの音とか、拍手の音とか、咳払いの音とか、ブラヴォーの掛け声とかが収録されていないかと思い(冗談ですからね)、買ってみることにした。 演奏会が行われた楽友教会大ホール(いわゆるムジークフェラインザール)はかなり残響が多いホールとして知られている。当日の演奏会でも残響によって細かいところが聞き取りにくいと思っていたのだが、このCDの録音ではそういった残響はあまり感じられず、最近のブーレーズのアプローチの特徴である、細部まで神経が行き届いた演奏を聞き取ることができる。正直、生演奏よりも面白さが感じられる。 Part: Symphony No 4 こちらはエストニア生まれの作曲家アルヴォ・ペルトの最新作品集。ロサンゼルス・フィルからの委嘱で作曲され、2009年に初演された交響曲第4番《ロサンゼルス》と、合唱曲《カノン・ポカヤネン》(の断章?)が収録されている。 この交響曲は今年の2月にフィンランド/エストニアへ旅行した際にペルト自身の指揮によるエストニア初演を聞くことができた。その時にはよくわからなかったので聞き直してみようと思い、このCDを買ったわけである。(こちらの旅行記に書きましたが全てのプログラムで曲間の拍手がなかったので、どれがどの曲かよくわからなかったのです) 演奏会での生体験でも感じたことなのであるが、オーケストラという編成はペルトの音楽は合わないのかな?というのが率直な感想。過去の教会音楽などに根ざしている(と思われる)ペルトの音楽の研ぎ澄まされた緊張感や静謐な響きは、小さな編成や合唱でこそ活きるのではないか?
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One Rainy Night in Hamburg
ここ一週間ほど、ハンブルクらしく雨が降ったりやんだりの天候が続いている。 全く「いまさら」の話だが、雨の日の夜間ドライヴはかなり怖い。(まあ、夏の間は6時から22時くらいまでは明るいので暗い中で運転するという機会はあまりない。最近、夕暮れの時間と会社からの帰宅時間が合ってきたのであらためてそう感じたわけなのであるが …) というのは、道路に書かれている車線がよく見えないのである。ハンブルク(ドイツはみんなそうかな?)では複数車線の道路が急に一車線にまとめられてしまうとか、二車線のうち左側が左折専用車線になって、直進するために右車線を通らなければ行けないとか、道路状況を把握していないと頻繁に車線変更をしなければいけない場合がある。いわゆる「下道(したみち)」は日本に比べると車線の幅も狭いのでかなり気を使う。 原因はいくつかあるのだが、まず照明が少ないので道路自体が暗くて見えにくい。それに加えて車線を書く白い塗料に反射材が含まれていないような道が多いので、雨が降ると道路全体が反射して車線が区別できなくなる。また、道路の補修が断片的に行われていると道路の光沢が違う部分(アスファルトが含まれる割合かなあ?)があってこれまた路面状況がわかりにくくなる。 昨年住んでいたアパートと会社の間は比較的整った道路ばかりだったのであまり気にならなかったのですが、今年の通勤路はいくつもの街を抜けていくのでかなり神経を使う。 ***** 予定通り、ガブリエルくんと彼の友達がうちに遊びに来てサッカーをしたそうである。すごいなあ、どうやってコミュニケーションを取っているんだろう? ***** ヤナーチェクのボックス2つが無事到着。室内楽曲を集めた5枚組と、オペラを集めた9枚組である。 恐ろしいことに(笑)どちらのボックスにもマッケラス/ウィーンフィルの演奏による《シンフォニエッタ》と《タラス・ブーリバ》が収録されている。この演奏は私が以前買ったCDと同じ音源なのである。