所属する吹奏楽団の定期演奏会前の最後の一仕事。 司会の方にお願いする曲目紹介の原稿作成である。 プログラムの内容をそのまま読んでいただくのもつまらないので、プログラムには書かれていなくてお客さんの興味を引くようなネタを探す。
要するに、これは曲目紹介を2回考えるようなものである。 まあ、司会原稿の方がはるかに短いし、文脈とか文章校正がちゃんとしていなくても司会の方が適切に補正してくれるので多少は楽なのであるが、それでも想像以上のエネルギーを使った。 英気を養うために早く寝ようと思っていたのに …..
以前、プログラムのネタ探しにウェブをさまよっていた時に「ウォレン・ベンソンの《落葉》にケネディ暗殺が影響を与えていることは明白である」というような評論を見つけた。 特に根拠がなさそうなことをもっともらしく説明するのも憚られると思いながら、今さらながらにフルスコアの冒頭にあるベンソンの文章を読み直してみたらその根拠を見つけることが出来た。 なぜ、今まで気がつかなかったんだろう …..
《落葉》の冒頭はもともと全く違う構想をもって作曲されたもので、その先がうまく展開しなかったのでしばらく放置されていたらしい。これに当時の教 え子だったルース・コマノフ(後にフランク・ザッパのバックでマレット・パーカッションを担当する)から贈られたリルケの詩のイメージを重ね合わせ、後半 に讃美歌を挿入することで詩そのものを音楽的に表現することができたという経緯になっている。
こういった成り立ちがありながら、ベンソンは実際に《落葉》の作曲を開始した日としてはっきり「1963年11月22日」(つまりケネディが暗殺された日)と記していたのであった。