Category: 日記

  • 馬鹿買い

    緊張感の反動か?気付いたら馬鹿買い。 [[amazon2][B00016AWD8]] ジム・ジャームッシュ(私のもっとも好きな映画監督)の新作をウェブで探していた時に発見。他にもアキ・カウリスマキ、ビクトル・エリセ、ヴィム・ヴェンダース、スパイク・リー、ベルナルド・ベルトルッチ、フォルカー・シュレンドルフ、ジャン = リュック・ゴダールなど、名前を聞くだけでわくわくする映画監督たち15名がそれぞれ手がけた10分間の短編映画のコンピレーション。 [[amazon2][B0002IJNG2][B0002IJNGM][B0002IJNGC][B0002IJNGW][B0002IJNH6]] 冨田勲の一連のシンセサイザー・アルバム。待望のリマスタリングCD。紙ジャケよりもリマスタリングされたことの方が意味が大きい。 上記のラインナップは年代順。「ダフニスとクロエ」までくるとかなり洗練されてくるのであるが、それは「斬新さ」が消えつつあることを意味する。 「月の光」に収録されているドビュッシーの諸作品や、「展覧会の絵」などは、シンセサイザーでなければ表現し得ない音色の魅力にあふれていた。まあ、これらは原曲がピアノ曲であるから、かなりイマジネーションを広げることができたのだろう。しかし、「ダフニスとクロエ」の場合、相手はオーケストレーションの魔術師と言われるラヴェルである。制作者である冨田勲さんにしろ、聴衆である我々にしろ、すでに完成された作品の呪縛から逃れることは難しい。 「惑星」や今月発売される「宇宙幻想」「バミューダ・トライアングル」など宇宙へ思いをはせるコンセプト・アルバムが続いたのは、時代だったのかシンセサイザーという楽器がそういう思いへ向かわせたのか? [[amazon2][B0001ZX394]] ほとんど「ジャケ買い」のUAのマキシシングル。DVDもついている。ジャケットだけでなくプラケースに特殊印刷を施した意匠も素晴らしい。ジャケット写真やDVDに収録されているビデオ・クリップはわが浜松の中田島砂丘で撮影されたらしい。 [[amazon2][B0002FQNEA]] NAXOSの日本人作曲家選輯の一枚。最近リリースペースが早くなってきてうれしい。ショスタコーヴィチと伊福部昭(と時々プロコフィエフ)を彷彿とさせる作風はかなり聞きやすいのではないか。 [[amazon2][B000059GHS][B00005B7EH][B000066AE0]] 期末処分で安く売っていたので買ってみました。

  • ビフォア・アフター・ダーク

    新作 「アフター・ダーク」 の発売が間近ということで、にわかに村上春樹さんの周辺が慌しくなっている。氏はなかなかインタビューを受けないことで有名なのであるが、 「PAPER SKY」 という雑誌の最新号(Vol.10)にインタビューが載っているということを聞いたので購入してみることにした。そういえば、ずっと前に買った 「キャッチャー・イン・ザ・ライ」 はまだ読んでいないんだっけ … 村上作品との出会いは高校2年のときだったと思う。何もすることがない夏休みを過ごしていたら、友人が薦めてくれた。その頃は、まだ「風の歌を聴け」や「1973年のピンボール」くらいしか文庫化されていなかったので、とりあえずその2冊を読んでみた。 当時の印象はそれほどいいものではなかった。どうも、主人公である「僕」の物の見方にホールデン・コールフィールドに近いものを感じて(今になって読み返してみるとまったくそんなことはないのであるが)、何かサリンジャーを意識しているようで素直に入り込めなかったような気がする。 で、大学に入ってこれまた暇を持て余していて、その頃に出版されたのが「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」。村上春樹メーリングリストでのやり取りを見ていると、この作品をベストに推す人が多い。私も同感である。村上作品の中ではこの作品がいちばん好きだ。ご存知の方も多いだろうが、この作品は「世界の終わり」と「ハードボイルド・ワンダーランド」という2つの物語が同時進行する。この「世界の終わり」の世界観が、オールドファンが共感する「村上春樹の世界」をもっとも端的に表しているのだと思う。この作品ではまり込んでしまい、その後は新作が出るたびに購入している。 だから「ノルウェイの森」も予約をして発売日に買った(のはちょっと自慢)。この作品も実は最初に読んだときは、それまでの村上作品とは違うリアリズムを指向した文体に違和感を覚えて、さほど感動しなかった覚えがある。今から考えると、この作品は近作である「ねじまき鳥クロニクル」や「少年カフカ」で確立された作風に向かって、確実にハンドルを切った作品なのだと思う。最近の確固たる作風に入ってからの作品では、確かに根底にしっかりとした思想が横たわっていることがわかるのであるが、以前の作品、例えば上記の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」や短編集「回転木馬のデッドヒート」に見られるような不安定さに共感を覚える私にとっては、少し距離が開いてしまった作家である。まあ、相変わらず好きな作家であることには変わりないのであるが。 作家デビュー25周年を記念して「風の歌を聴け」「ノルウェイの森」の文庫本がオリジナル装丁で再発売されるらしい。このへんの発想は昨今の紙ジャケブームに似ていなくもない。リマスタリングされているとかボーナストラックがついているとかということはないと思うが。 ***** ついでに購入した 「天使と悪魔」 も到着。「ダビンチ・コード」に先立つダン・ブラウンの日本デビュー作。 しかし、こんな日にアマゾンからの小荷物を受け取ると、はたからは「ハリー・ポッター」の新作を買ったように見られるのかも知れない(笑)。

  • トーキング・ヘッズ(今日の積志ウィンドアンサンブル)

    The Name of This Band Is Talking Heads 今まで未CD化だったトーキング・ヘッズのライヴ・アルバムが大幅にボーナス・トラックを加えて初CD化。アルバムとしてまとまって形でトーキング・ヘッズを聞いたのはこれが最初だったように思う。これ以降のトーキング・ヘッズはすっかりポップになってしまったのであまり聞かなくなった。そういう意味で好きな時期のベスト盤的なアルバムである。 ほとんどの曲はオリジナル・アルバムでのバージョンに比べてかなりリラックスした雰囲気があるが、ライヴではとうてい再現不可能と思われた《ヒート・ゴーズ・オン(ボーン・アンダー・パンチズ)》はオリジナル・バージョンとは違うスピード感がある。 ***** 所属する吹奏楽団の本番がいよいよ一週間後に迫った。日曜日の午後を利用して最後の通し練習。いつも使っているホールが予約できなかったため、かなり狭い部屋での練習となってしまった。 暑いし狭いし空気悪いし、この環境ではピッチがかなり乱れてしまうのも仕方ないか。とはいえ、こういう十分とは言えない環境の中でも集中力は保たれていたと思うし、全般的な手応えとしてはかなりいい感じ。 その後、メンバーの何人かと沖縄料理を食べに行く。例によって団の未来について熱っぽい議論が交わされるのであるが、例によって酔っ払っているので覚えていない部分も多い(笑)。

  • ミスター・シンデレラ(ビョークとケヴィン・エアーズ)

    伊藤康英さんのオペラ《ミスター・シンデレラ》の東京初演を見に新国立劇場へ。鹿児島での初演と翌日の再演を見ているので、このオペラを生で見るのは3回目ということになる。 ホールのせいかソリストのせいかわからないが全体的に歌がはっきり聞こえる。鹿児島で見た時は歌がオーケストラに負けてしまって歌詞がよく聞き取れなかったのであるが、今回は歌詞がはっきり聞こえるということで、かなり内容に没頭することができた。 ついでにタワーレコード新宿店で買ったもの。 メダラ アテネオリンピックの開会式でも歌っていたビョークの最新アルバム。(この時に歌われた《オーシャニア》も収録されている。)帰ってから地元のCDショップで買えば割引価格で買えるのであるが、試聴したところ一刻も早く聞いてみたかったのでその場で買ってしまった。 リリース前から話題になっていたように、バックトラックも含めて基本的に人間の声(もちろん加工はされているが)だけで構成されている。日本からもDOKAKAが参加しているし、ロバート・ワイアットなども参加しているようだ。 個人的にはここ数年でいちばんのインパクトを受けたアルバムである。 amazon.co.jp のレビューを見ると、ビョークを知らない人は聞かない方がいいとある。私が初めてビョークのフルアルバムを聞いたのは前作「ヴェスパタイン」だったのだが、緻密な構成に多少の息苦しさも感じた。「メダラ」はそれに比べるといい意味でラフに作られているように思える。特に3曲目の《Where Is The Line》がお気に入りなのだが、この突き抜けたサウンド・プロダクションはほとんど狂気ともいえる。 ビョークが私より年上(1965年生まれ)だったのはかなりびっくり。 Didn’t Feel Lonely Till I Thought of You: The Island Albums ケヴィン・エアーズ(元ソフト・マシーン)とジョン・ケイル(元ヴェルヴェット・アンダーグラウンド)とブライアン・イーノ(元ロキシー・ミュージック)とニコ(元ヴェルヴェット・アンダーグラウンド)が共演したライヴがあるということで探していたのであるが、今回見つかったのはこの2枚組。 ケヴィン・エアーズがアイランド・レコードに所属していた頃のソロ・アルバム「夢博士の告白」「スウィート・ディシーヴァ−」と、上記のライヴ・アルバム「1974年6月1日」をカップリングした 3 in 2(とでも言うのだろうか?)である。 以前の日記に書いた、ニコによる《ジ・エンド》のカバーもこのライヴでの演奏のようだ。イーノによるシンセサイザーの伴奏のみによるかなり不気味な演奏。

  • アテネ・オリンピック

    アテネ・オリンピックの開会式を見る。入場行進とか聖火リレーとかは別にどうでもいいのであるが、最初にあるショーがなかなか見逃せない。案の定、再放送ではかなりばっさりカットされていた。 1984年のロサンゼルス・オリンピック開会式は高校の吹奏楽部の合宿最終日と重なっていて、確か合宿所の後片付けをしながらテレビを見ていたような記憶がある。大量のトランペット隊と打楽器隊によるファンファーレ(もちろんジョン・ウィリアムズのアレ)や、コープランドのバレエ組曲《ロデオ》の「ホー・ダウン」などがかなりかっこよかったような覚えがある。 シルエットを使って古代オリンピア競技をうまく表現していたのはアトランタ大会(1996年)だったっけ? この手のショーはコンセプトだけが大仰で一人歩きしていたり、何となく間延びして途中で飽きてしまうことが多いのだが、今回のは舞台芸術としてかなり面白かった。 テレビ番組「アッコにおまかせ!」で和田アキ子さんがいみじくも指摘していたように、メインステージにプールを配して水を諸物の根源とするコンセプトや、ワイヤーアクションによる三次元的な空間の使い方などはシルク・ドゥ・ソレイユの「O(オー)」を思わせる。それとは対照的に、あえて二次元的な造形で古代からの歴史をたどる山車(とでも言えるのか?)なんかも非常に楽しめた。 入場行進に DJ を使うのも面白いアイデア。バーバーの《弦楽のためのアダージョ》とかアルビノーニの《アダージョ》とか妙に重苦しい曲が使われていたのが印象に残るのであるが、DJ の真意は如何に? チープ・スリル(紙ジャケット仕様) パール キャロル・キングに続きジャニス・ジョプリンもリマスター盤が再発された。特に「チープ・スリル」あたりはジャケットデザインも楽しいのでぜひ紙ジャケで再発して欲しかったのであるが、残念ながら遺族の意向でプラケでの再発になったらしい。(とはいえ、「チープ・スリル」は一度紙ジャケ化されているのであるが …..)

  • ジョン・レノン写楽

    夏休みのど真ん中に東京出張。 最近出張は新宿近辺が多いので、用件前後に新宿のタワーレコードやディスクユニオンを回るのだが今回はCDの収穫なし。東京出張でCDを買わなかったのは初めてではないか(笑)。 その代わりといってはなんだが、今はなき写真雑誌「写楽」の1981年1月号を見つけたのでゲット。こんなに安くていいんだろうかというくらいの価格で購入することができた。 この号では篠山紀信が撮影したジョン&ヨーコの特集が組まれているのだが、1981年1月号ということは1980年12月つまりジョンが射殺された月に発行されているのである。雑誌ではジョンが音楽活動を再開したことは語られているのだが、もちろん射殺されたことには触れられていない。当時小学館に問い合わせてバックナンバーを入手しようとしたが、版元品切れで入手できなかったという懐かしい記憶がある。付録のポスターがついていることが重要。

  • 熱闘甲子園(までもうちょっと)

    高校時代は吹奏楽部に所属していたにも関わらず、なぜか一度も高校野球の応援に行ったことがなかった。もっと勝ち上がってから行けばいいということでお呼びがかからなかったのか、吹奏楽コンクールが近いということで顧問が密かに断っていたのかわからないが、まあ野球部の実力も1回勝てば上出来というような感じだったと思うので、全校挙げて応援に行くような雰囲気もなかったような気がする。 生涯最初(でおそらく最後)の野球応援は大学2年くらいの時で、大学の先輩が赴任した高校の応援をした。確か謝礼は昼食1回だったような気がする。 先日、ふと新聞の地方大会の結果を見たところ母校の勝利が載っていた。たいていの年は気にも留めないでいるか、気がついたときにはすでに負けてしまっていたりだったのだが、どうも今年は様子が違うようだ。見るたびに勝っている。いつまで経っても校名が紙上から消えない(笑)。何と決勝まで勝ち上がってしまったようだ。 ひょっとして甲子園で母校の応援をすることになるのではないかという想像だにしなかった事態を少し期待したのであるが、残念ながら本日決勝で負けてしまったようだ。相手は何度も甲子園に出場している実力校だったので無理もないか。 数日間の出来事とはいえ、まったく予期していなかった密かな興奮を与えてくれた母校の野球部員たちをねぎらいたい。将来、万が一甲子園に出場することがあったらトランペット持って駆けつけます(笑)。

  • 東京出張

    出張。新宿アルタ地下の「ハイチ」がなくなっていて残念。ここのドライカレーとコーヒーはなかなかのお気に入りで、出張ででかけた時の昼食としてよく利用していたのであるが … タワーレコード新宿店にて、アルソ出版の雑誌「Wind-i」を見ていたら、伊藤康英さんの《木星のファンタジー》の吹奏楽版が掲載されているのを発見。この作品は平原綾香さんの《JUPITER》が流行るずっと前から(笑)作られていたのである。 《木星のファンタジー》には(例によって)さまざまな編成による版があるのだが、この吹奏楽版はマジカル・サウンズのために書かれた《木星のファンタジー 2001》(編成は Fl. Cl. Sax. Hrn. Trp. Trb. Tub. Perc.)をもとにしている。木管を主体とした抒情的な部分に、デキシーのようなテンポアップした中間部が挿入されるような構成になっている。この中間部がかなり難易度が高いことは康英さんも心得ているようで(笑)、ばっさりカットするという案も書かれている。 先月も来たばかりなので、特に欲しいものもない。今月はブライアン・イーノやマイク・オールドフィールドやタンジェリン・ドリームのリイシュー発売が控えているので、とりあえずタワーレコードでなければ買えないものを買うことにする。 Simple Gifts: The Music of Frank Ticheli, Vol. 2 フランク・ティケリの作品集第2弾。9月の定期演奏会でティケリの《シンプル・ギフト》を取り上げることになっている。(ひょっとして日本初演(笑)?)今までは出版社の味も素っ気もない参考演奏だけだったので、他の演奏を聞くために買ってみた。 TAD Wind Symphony 元福岡工業大学附属高等学校吹奏楽部(現:城東高等学校)の指揮者であった TAD こと鈴木孝佳さんの CD。氏ゆかりのいろいろな団体(尚美ウィンドシンフォニーとか UNLV ウィンドオーケストラとか TAD ウィンドシンフォニーとか)による演奏が収められている。 偶然、上記の「Wind-i」にも鈴木孝佳さんと鋒山亘さんのインタビューが載っていた。 Kings of the Blues 上記の CD を買おうと思ってキャッシャーに持って行ったら、カウンターにこの CD が置いてあった。 620円。とりあえず買ってみることにした。 エリック・クラプトンやローリング・ストーンズに敬愛されるブルースの教祖。ほぼギター一本で奏でられる音楽は、先日購入したライトニン・ホプキンスよりも土臭い。 演奏していた酒場で主人の奥さんに迫り、嫉妬したその主人に毒入りのウイスキーを飲まされたのが原因でわずか 27 歳でこの世を去ったらしい。 ***** 出張先が新宿オペラシティだったので新国立劇場の下見に(笑)。 8月に東京初演が行なわれる伊藤康英さんのオペラ《ミスター・シンデレラ》を見に行く予定なのである。せっかく下見に行ったので、ショップで過去の公演のプログラムを買うことにした。とりあえず面白そうだったので、石井眞木さんのバレエ《梵鐘の聲》のプログラムを購入。タイトルから何となく連想できるように平家物語を題材にしたバレエだそうである。ちなみに、このオペラから再構成された交響詩《幻影と死》が遺作となったらしい。つい先日(7月4日)行なわれた「N響 Music Tomorrow […]

  • アメリカン・ヒッツ

    NHK-BS で放送されていた「BSエンターテインメント 50’S アメリカン・ヒッツ」を見た。(アメリカン・ヒッツと言いながら、イギリス生まれでアメリカではどうしてもブレークできなかったクリフ・リチャードが紹介されていたのはご愛嬌?) 50年代の音楽というのは、要はブルースやカントリーやジャズやドゥワップなどがロックン・ロールに収斂されていくプロセスなのではないか。あるいは端的に言ってしまえばエルヴィス・プレスリーが登場するまでのプロセスなのである。 ということで、エルヴィスは番組の最後に紹介されたのであるが、放送された映像は全て先日購入した DVD からのものだった。ちょっと残念。 また、そのエルヴィスから影響を受けたビートルズの音楽が、実はマディ・ウォーターズやレイ・チャールズあたりのブルースやソウルからも大きな影響を受けていたことを再確認できた。レイ・チャールズの《ホワット・アイ・セイ》かっこよ過ぎ。 紹介されていた多くの映像はリアルタイムの1950年代のものが多かったのであるが、スウィングなどでオン・ビート(1拍目と3拍目)で手拍子を入れている観客が多かったのが意外。(白人が多かった気がするので黒人のリズム感がどうなのかはわからないが。)アメリカといえどもオフ・ビートが強調されるリズム感というのは、まだそんなに長い間根付いているものではないらしい。 クリフ・リチャードといえば、数年前のウィンブルドンでサスペンドされたゲーム中にスタンドで歌を歌って拍手喝采を受けていたっけ。祝シャラポワ優勝。

  • 吹奏楽の楽しみ(イーストマン・ウィンド・アンサンブル)

    アクトシティ音楽院主催「音楽アラカルト第1回 吹奏楽の楽しみ イーストマン・ウィンド・アンサンブル」を聞きに行く。近々行なわれるコンサートの予習として、その分野の著名人を迎えて講義していただくという企画である。講師は織田浩司(オリタ・ノボッタ)さん。5月26日に浜松で行なわれるイーストマン・ウィンド・アンサンブルの演奏会についての講義のはず … と思ったのだが … 私怒ってます。無料の講演会だからといって適当なことを話してもいいというわけではないが、はっきり言って有料だったら「金返せ」の内容である。話す内容にしても講義全体の段取りにしても「準備不足」という感が否めない。要するに、時間を工面して話を聞きに来ている人たちに対する誠意がまるで感じられないのである。 多めに見積もっても吹奏楽あるいはイーストマン・ウィンド・アンサンブルについての話は20%くらいだっただろう。それ以外は米米クラブとか有名ミュージシャンとの仕事とか氏の音楽経歴などの話である。それはそれで意味のある話だとは思うが、少なくとも上記のようなお題目に興味をひかれて集まった人たちに向けて話すべき内容ではない。 また氏は「イーストマンは凄い」とおっしゃる。イーストマンの実演あるいは録音に接したことがある人なら誰でも「すごい」ということはできるだろう。しかし、講義を聞きに来ている、ひょっとしてイーストマンの演奏を聞いたことがない人たちは「イーストマンの何がどう凄いのか」を説明してもらえることを期待して来ているのではないか。そういう人たちに「すごい。すごい。」を連発しても、それは何も言っていないに等しいことなのではないか。 一応(本当に「一応」)演奏曲目については一通り説明があったのだが、これも勉強不足であろう。招聘元であるソニー音楽芸術振興会のホームページに書かれている以上のことは言っていない。ちなみに浜松公演のプログラムはこちら。 J.S.バッハ作曲(ハンスバーガー編)/トッカータとフーガ ニ短調 BWV565 ロバート・ラッセル・ベネット作曲/組曲「古いアメリカ舞曲」 フィリップ・スパーク作曲/ダンス・ムーブメント バーンスタイン作曲(ベンクリシュート編)/交響曲第1番「エレミア」より「冒涜」 モーテン・ラウリゼン作曲(レイノルズ編)/オ・マグナム・ミステリウム エリック・イウェイゼン作曲/トランペット協奏曲「Danzante」 スーザ生誕150周年を記念して〜スーザ組曲 例えばバーンスタインの《エレミア》については「聞いたことがない」といい、《ウェストサイド物語》《キャンディード》《ファンファーレ、フーガとリフス》に言及する(端的に言ってしまえば「お茶を濁す」)にとどめるのはおかしいのではないか。今回のプログラムの中でも、他分野である合唱からの編曲であるラウリゼンの作品や本邦初演となるイウェイゼンのトランペット協奏曲については「聞いたことがない」という言い訳も通用すると思う。 しかし、《エレミア》はバーンスタインの純音楽分野における代表的作品である。管弦楽版であればいつでも入手できる状態にあるはずだし、今回取り上げられるベンクリシュトの吹奏楽編曲は国内盤のCDが出たこともある。つまり、ちょっと努力すれば簡単に音を聞ける状態にある作品なのである。そういう作品を紹介することを期待されている立場にありながら「聞いたことがない」という一言で片付けてしまうのは怠慢だろう。 今回の講義を聴きに来た方々はご年配の方が多かった。こういう方々はおそらく吹奏楽経験はなく、純粋に聞く立場に立った吹奏楽の愛好者あるいは愛好者になろうとしている方々であると思う。そういう方々が、織田氏の講義内容の底の浅さをもって、吹奏楽の底が浅い(つまり吹奏楽には語るべきことがない)と誤解してしまわないかということがとても心配である。それで私は憤っている。 ***** Mojo Hand [Collectables] ジャケットのインパクトも強烈なブルースの名盤とされているアルバム。パーソネルによるとドラムとベースをしたがえたホプキンスがアコースティック・ギター(曲によってはピアノ)を弾きながら歌っているようだ。 1960年の録音ということだが、もっと前の時代にタイムスリップしたかのような泥臭いブルースである。 月に撃つ (紙ジャケット仕様) ソフト・マシーンのメンバーだったケヴィン・エアーズの2枚目のソロ・アルバム。このたび4枚が紙ジャケ復刻されたので、とりあえず一枚買ってみることにした。 吹奏楽つながりということでは、《波濤にかかる虹》(私はより原題に近い《太陽は波涛に虹を描く》という訳題の方が好きなのだが)などで知られるイギリスの作曲家デヴィッド・ベッドフォードが参加しているのである。 ピンク・フロイドあたりにも通じるサイケデリックな雰囲気を強く感じるのであるが、一方でダウナーでチープな雰囲気も感じる。