2009年の「Together Through Life」以来となるボブ・ディランのニューアルバム。その前作である「Modern Times」から続くアメリカン・ルーツ・ミュージックを下敷きとした音楽であることはあらかじめ予想できた。
… とか偉そうに言っているが、そういえば「Together Through Life」はドイツへの引っ越し直前にリリースされたので買ったはいいがまともに聞いていないことを思い出した …「Modern Times」はその絶妙にブレンドされたバッキングに惚れ惚れしていた。(あ、ブートレッグシリーズとかの発掘ものは買っていません。)
今回の「Tempest」も、これらと同じような系列なんだけどやはり「Modern Times」の奇跡のような仕上がりは越えられないようなあ … とつらつら思いながら聞き進む。
会社への電車の中で iPod で聞いているので、もちろん歌詞は完全には聞き取れないのだが、いわゆる「バラッド」(バラードではなく)系の作品が多いような気がする。そんなことを考えていると、実はディランがやっていることは根本的に50年近く変わっていないんだなあ、と妙に感慨深くなってしまい、そんなタイミングで大作(実に14分近い)「Tempest」が流れてくると本当にしみじみしてしまった。