日別アーカイブ: 2011 年 9 月 25 日

ノルウェイの森

ノルウェイの森 【コンプリート・エディション3枚組】 [Blu-ray]

これも日本出張の際に買い求めたブルーレイ。内容的に「息子と一緒に …」というわけにもいかない映画なので、家族が寝静まってからとか、家族が起きる前とかに断片的に見た。

個人的には概ね「是」である。小説を読んだ自分の中で作られたイメージとは別のイメージを提示してくれたという意味でこの映画を見た意味がある。原作との相違を指摘したり、原作から切り落とされているエピソードを指摘するレビューもあるが、そんなことは映画化されるという時点で不可避なことはわかっているはずだ。また「原作を読んでいなければこの映画のストーリーを理解できない」というレビューもあるが、(仮にそうだとしても)それはそれで仕方がないことであるし、原作を読まずに映画を見た人の頭の中に、原作を読んでから映画を見た人とは違うストーリーが出来上がったとしても、それは映画自体の質とは関係ないのではないか。

そういえば直子を演じる菊地凛子が出演する映画は初めて見たような気がするが、やはり存在感はすごい。原作が「静」の直子と「動」の緑を軸に展開するのに対して、映画は直子の「狂気」と「正気」を軸に展開しているように思える。他の登場人物の言動がどちらかというと平板な演技であるのに対して、直子だけがヴァイタルな感じがする。

ところで私の頭の中ではこの小説の(大部分の)時代背景はすっかり1980年代(この小説が刊行されたのは1987年)のイメージだったのだが、確かにこれは1960年代の話だったんだなあ、と映画を見て再認識した。

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音楽のジョニー・グリーンウッドってレディオヘッドのメンバーだったんだ … この荒涼としたスコアはなかなかよい。時として映画の中のセリフをかき消すほどに弦楽器がかき鳴らされるのだが、こういう音の使い方も面白い。また、1960年代を象徴する音楽として使われているのはカンの「モンスター・ムーヴィー」。

エンディングでビートルズ自身の演奏による《ノルウェイの森》が聞けるとは思わなかった。意外にインパクトは大きいのではないか。

糸井重里、細野晴臣、高橋幸宏(教授はいない)といった人たちが重要なチョイ役(?)で出演している。

 

バザー

毎年恒例の「ハンブルク日本人学校・日本語補習授業校合同バザー」(というのが正式名称らしい)が開催された。

各自が持ち寄った不用品、父兄(というか児童・生徒の「お母さん」と言った方が正確か)が作った軽食、ゲームなどで得た収益で学校の備品を買う、という催し物である。

今年はハルステンベックのフローマルクト(蚤の市)と日程が重なったために例年に比べて来場者は少なかったようだが、日本人学校・補習校関係者はもちろん、地元住民もかなり来ている。

妻は朝から「ゴマ餡入り団子」を仕込み、私は駐車場係の一員として裏方の手伝いもする。というか、父兄には必ず何らかの仕事が回ってくるのだが。

息子はレゴの詰め合わせセットを買ったり、幼稚園の先生のところで自作の缶バッジを作ったり、私は文庫分を漁ったり、妻は息子のための古着を確保したり …

また、もちろん父兄や先生とは多く顔を合わせることになるのだが、ガブリエルのお母さんとお姉さんに会ったり(ガブリエルはサッカーの試合があるということで来られず。お母さんとお姉さんはハンブルク・バレエのダンサー(日本人)が来るということを聞きつけてサインをもらおうとしていたようだ)、妻と息子のドイツ語の家庭教師の先生に会ったり、私の職場の同僚(ガールフレンドが日本人)に会ったり、これだけ一度にたくさんの人と顔を合わせて挨拶するのはなかなか珍しい機会である。