前にも書きましたが、ハンブルク出身の女性歌手で、スラップ・ハッピーやヘンリー・カウやアート・ベアーズに参加していたダグマー・クラウゼが大好きです。
そういえば、先日ダグマー・クラウゼつながりで現在の会社の同僚から Facebook に友人追加依頼がありました。お互いに職場の半径 5m 以内にダグマー・クラウゼ・ファンがいたことにびっくりしていました(笑)。
アート・ベアーズ以降に発表されたソロアルバムは軒並み廃盤で、聞きたくてもなかなか聞くことができません。オークションにもなかなか出てこないし、出てきてもかなりの値がついています。で、先日 ebay でたまたま出品されていた中古品をたまたま安価で落札することができました。で、それが今日到着しました。
ドイツの劇作家ベルトルト・ブレヒトと組んでハンス・アイスラーやクルト・ヴァイルが書いた歌曲を歌ったアルバムです。有名どころ(というか、私はこれくらいしか聞いたことがなかったのですが)のヴァイルの《三文オペラ》をはじめとして、《マハゴニー市の興亡》《ハッピー・エンド》《ベルリン・レクイエム》(以上ヴァイル)やアイスラーの映画作品からの曲が選ばれています。
伴奏は《小さな三文オペラ》のような数名の管楽器とリズムセクションといった編成で、クラウゼの歌が引き立つようなシンプルなアレンジになっています。私は《小さな三文オペラ》のようなチープな、場末の劇場で聞けるようなサウンドが気に入っているので、こういうバッキングで伴奏が統一されているのはうれしいです。
1986年の作品なので、クラウゼは当時36歳(そう、今年の6月4日に還暦を迎えたばかりです)なのですが、かなりドスがきいたというか猥雑な「おばちゃん声」になっています。時おり聞かれるコケティッシュな高音はやはり魅力的です。