EAMES FILMS:チャールズ&レイ・イームズの映像世界 [DVD]
最近薦められたDVD。工業デザイナーとしても知られるイームズ夫妻が制作した短編映画が集められている。で、何気なく見始めたのだが …
冒頭に収録されている「パワーズ・オブ・テン」(「10の力」じゃなくて「10のべき乗」という意味ね)は見たことがあった。かれこれ20年以上前にテレビ(確か「11PM」だったような気がするなあ)で見て強烈な印象を受けたことを思い出した。まだ、その時の内容を覚えていたということと、全く予想もしなかったシチュエーションでその映像の正体に出会えたことに驚いている。(貸してくれてありがとう。感謝感謝。)
映像は一辺が 10m の四角形で囲まれている視点から始まる。これは公園で寝ている男性を真上から覗き込んでいるショットである。この四角形の一辺を 100、1000、10000 …. m (つまり10のべき乗)と拡大しながら視点はどんどん遠ざかっていく。公園がシカゴの街になり、アメリカ大陸になり、地球になり、太陽系になり ….. というように。限界まで遠ざかると今度は逆にどんどん対象に近づいていき、視点は体内に入って炭素原子まで行き着く。
ランドフスカが弾く《ゴルトベルク変奏曲》に乗せて、アスファルトを洗う水と洗剤の流れを撮影し続ける「ブラップトップ」も「ぼーっ」と見ているとなかなか面白い。1952年(昭和27年)に製作されたとはちょっと信じ難い斬新な視点。(「ゴジラ」や「七人の侍」より前だ。)