Day: March 14, 2005

  • 休日

    たまにはゆっくり休ませてくれ ….. というわけで有休取得。申請してから気付いたのであるが、そういえば来週も3連休だった。まあいいか。昼間からパスタを食べて酒を飲んでリラックス。 昨日録画しておいた「新・日曜美術館」を見る。「包むアーティスト」クリストがニューヨークのセントラル・パークで行った「The Gates」というプロジェクトを紹介している。セントラル・パークの遊歩道に数千のゲートを設置し、サフラン色の布をはためかすというプロジェクトである。 http://www.christojeanneclaude.net/tg.html およそ10年前、私が卒業した大学の近くで「The Umbrellas」(http://christojeanneclaude.net/um.html)というプロジェクトが行われていて、これを見に行ったのがクリストを知るきっかけだった。これは日本には青、アメリカには黄色の傘を同時に設置するというプロジェクトなのだが、あまりにもスケールが大き過ぎてあまり実感が湧かなかったというのが素直な感想。(だって、それらを同時に見ることはできないのだから。)それよりも島を丸ごと囲ってしまう「Surrounded Islands」(http://christojeanneclaude.net/si.html)とか、谷にカーテンをかけてしまう「Valley Curtain」(http://christojeanneclaude.net/vc.html)の方がわかりやすいのかなという気がする。 馬鹿馬鹿しいといえば馬鹿馬鹿しいのだが、自然に拮抗するくらいの人工物を作ってしまおうというアイデアと、それを目の当たりにしたときの圧倒的な迫力は、浮世離れしたロマンだと思うし、そのくらいのことを発想できないと「芸術」には成り得ないのだろうと思う。 ***** 息子をあやしながら、これも録画しておいた「生放送! BSまるごと大全集プレイバック! 全米ヒット・チャートNO.1 (50’S〜90’S)」を見る。 受信料支払い拒否対策(?)の企画で、リクエストがあった全米 No.1 のヴィデオをノーカットで放送するというもの。 とはいえ、No.1 にならなかったマイケル・ジャクソンの《スリラー》を「リクエストが多かった」という理由で流すのもどうかな?確かにほとんど短編映画とでも言えるくらいお金と手間がかかっているヴィデオだし、個人的には非常に懐かしかったのだが … バナナラマや、現在演歌歌手の長山洋子がアイドル時代に歌っていた《ヴィーナス》という曲が、実はショッキング・ブルーというオランダのグループの1970年のヒットだということを初めて知った。オリジナルのヴィデオクリップも初めて見たのだが、サウンドが LOVE PSYCHEDELICO っぽくてなかなかかっこいい。 ちなみに息子がいちばん上機嫌だったのはナックの《マイ・シャローナ》でした。  

  • 日本の童謡

    親子で読んで楽しむ日本の童謡 (CDブック) 最近、戦前・戦中に日本でどういう音楽(基本的に吹奏楽なのだがそれに限らず)が演奏され、聞かれていたのかに興味があり、いろいろ資料を集めている。そこでいろいろ調べているうちに見つけた興味ある本である。 大正・昭和に作られた50曲の童謡が掲載されており、歌詞や作られた背景などが紹介されている。そのうちのおよそ半分の作品については付録のCDに音源が収録されているのであるが、これが SP レコードから取られているものなのである。 著者の郡修彦さんという方は SP レコードの再生に関してかなり著名な方なのだそうだ。「親子で読んで楽しむ日本の童謡」という一見ほのぼのとした企画の裏に、そういった SP レコードの再生にかけるマニアックな情熱が隠されているあたりがなかなか面白い。 郡さんが書かれているように、昔の(ひょっとして今も?)日本には大衆文化を保存しようという考えがなかったらしく、ここに収録されている音源も原盤はほとんど廃棄されているのだそうだ。つまり現存する音源は、壊れやすく、しかも再生するたびにどんどん音質が劣化していく SP レコードそのものの中にしかないのである。それを考えると SP レコードの愛好家がたくさんおられるというのがわかるような気がする。 (私はさすがにそこまで手を出せませんが …..) 付録 CD を聞いてみると意外に音質がよいのに驚く。もちろん、何度か再生されているものには避け難い定常的なノイズがのっているし、ダイナミックレンジの狭さも仕方がないことだとは思うが、音源によってはノイズもほとんど目立たずにいいバランスでまとまっている。(もちろん物資が不足していた戦争末期や終戦直後よりは昭和初期の音源の方がずっと状態がよい。)